寒い時期でも手早く簡単に調理できる山ごはん。
腹持ちの良いお餅を使用したシチューをご紹介します。
登山では秋になると寒さが増し、下界でいう冬並みの寒さになります。
風雨を遮る建造物などは山小屋、避難小屋を除けばほとんど存在せず、暖房家電などあるはずもない環境の中、暖かい料理は安息と命を繋げるだけでなく、次の行動への活力になります。
秋、冬の山ごはん
寒い季節の食材選び
(保存性の高い食材を選べば、長期間の山行でも料理が作れる。)
現在はフリーズドライや真空パックの食品などが、高い品質で販売されているので、以前より気にすることはありませんが、夏は食材が傷みやすく、生ものを持っていく事は厳しく、ラードで固めたり乾燥食材を使うのが現状でした。
気温が下がる秋冬は山行日数にもよりますが、多少生ものを持ち込んでも食材が傷みにくいので、しっかり包装しておけば贅沢な食材を持ち込むことも可能です。
秋冬の調理、食事の特徴
登山に必要な水分、塩分、たんぱく質など基本的な栄養を確保する事は通年変わりませんが、寒さへの対処が必要となる秋冬は、保温力があり芯から温まる料理が好まれます。
夏場でも良く食べられるラーメンを始めとした汁物は人気があり、人数がいれば鍋物は定番といえます。
水分の確保
(厳冬期の水は雪からの確保も。積雪の木曽駒ケ岳にて。)
調理には欠かせない水は、夏場では沢や水場を使って確保していきますが、冬場では凍結して水を汲むことが難しくなります。
そのため、同じルートでも季節に応じて水分確保の方法が異なります。
積雪がある場合は、表面の綺麗な雪を鍋に入れ、加熱して溶かして水を確保することができます。
雪があれば水分は問題ないと思われますが、溶かすにはガスやガソリンなどの燃料を使うため、夏では背負った水に代わり、多めに燃料を持っていく必要があります。
おすすめの山ごはん 餅シチュー
温かいシチュー
シチューは保温力も高く、寒い季節には最適な料理です。
登山に必要な栄養も1食で摂取できるため効率が良く、粘度があるため温度が下がりにくいため燃料も節約でき、ルーや食材も既製品が多く販売されているので調理工程も少なく失敗がしにくく、美味しく食べられます。
また根菜との相性が良いため、食材自体の腹持ちと保温力が高いです。
シチューとお餅の相性
初めにお餅を使ったのは、パンではかさばるし潰れやすく、かといって冬の炊飯は時間がかかる上におかずを何品も作る気が無かったことから、眼についたお餅を使ったことが始まりでした。
食べてみたら意外と相性が良く、お餅の粘度がシチューに最適なトロミをもたらし、味もシチューが染みこんでお餅の口当たりの相まって優しい食感と味となり、短時間で美味しい食事にありつけるようになりました。
材料と道具
- シチューのルー 適量
- お餅 2切れ
- ウィンナー 一袋
- 人参 半分
- 牛乳 無くても大丈夫ですが、持てるようであれば
- 水 適量
- 塩コショウ 適量 あればで大丈夫
調理手順
人参を切り、湯を沸かす
人参は食感を残し、熱々の状態を保つため、大きめのぶつ切りが良いでしょう。
※金属製のクッカーをまな板代わりにすると刃物が損傷し切れ味が落ちます。
使う場合は慎重に調理しましょう。
湯が湧いたら人参、お餅、ウィンナーの順で入れる。
お餅は加熱すると粘度が増しトロトロに溶けていくので、気になる場合は雑煮の様に一度焼いておくのも良いです。
その分燃料を消費するので、注意しておきましょう。
火が通ったらルーを入れ、十分に溶けたら牛乳を入れる。
最後に塩コショウで味を調えて完成。
追加すると美味しい食材
今回は使いませんでしたが、キノコ類でシイタケやしめじを使うと、シチューにより
旨味が増してきます。またブロッコリーは人参より火の通りが早く保温力もあり、何より彩が豊かになります。
贅沢なメニューが可能であれば使ってみるのも良いでしょう。
いかがでしたか。
1人でも皆で分け合って食べても美味しい山でのシチューを、是非食べてみてください。