チタン水筒は軽量で持ち運びやすく耐食性に優れていてアウトドアにぴったりな水筒です。
ですが水筒に限らず「チタン製=高い」というイメージもあり、ステンレス製のものと比べるとなかなか手の出しにくい素材でもありますよね。逆にチタン製で安いものを見つけると、不安になったりもしませんか?
今回はそんな悩みを一挙解決!チタン水筒がキャンプやアウトドアにおすすめの理由からおすすめのチタン水筒まで、さらには日本社製と格安のチタン水筒でどんな差があるのか紹介していきます。
チタン水筒のメリット・デメリット
チタン製の水筒は高価な分、一般的なステンレスの水筒とは異なるメリットが多くあります。
ここではそのメリットと購入前に知っておきたい気になるデメリットについて、両方を簡単に分かりやすくまとめて紹介します。
メリット
チタン水筒のメリットとして挙げられるのは4つ
- ステンレスに比べ軽くて持ち運びしやすい
- 塩分の入った飲み物を入れても腐食しづらい
- 鉄臭さが飲み物にうつらない
- 抗菌作用があるため水筒内が清潔に保てる
という点です。
アウトドアには欠かせない携行性・耐久性が高く、繰り返し使っても清潔な状態が保てるので「一度使ったら手放せない!」という方も多いです。
特にこれからの季節塩分の入った飲み物を入れても、内部が錆びにくいのは嬉しいポイント。飲み物に鉄臭さがうつりにくいので、コーヒーなど匂いや味をしっかり感じたい方にもおすすめです。
デメリット
反対にチタン水筒のデメリットは
- 価格が高い
- 選べるデザインの幅が狭い
という2点。前述のように得られるメリットを考えると価格面に関してはしょうがないことかもしれませんが、腐食しにくく耐久性があるので、何度も買い替えることもなく長く愛用することができますよ。
また、チタンは加工が難しい素材が故、デザインがシンプルなものが多いので奇抜や派手なデザインのものをお探しの方にとってはデメリットとなります。とはいえ、チタン水筒のシンプルでスタイリッシュなデザインはどんなアイテムにもマッチしてくれますし、コーディネートを引き締めてくれるカッコ良さもありますよ。
チタン水筒の選び方
チタン水筒を選ぶ際には以下の3つのポイント
- 構造がシングルウォールか真空断熱か
- 容量はどれぐらいが使いやすいか
- 飲み口やフタの構造
に注目して選ぶと、キャンプやアウトドアで使いやすいチタン水筒が選べます。
どんな構造や仕様があるのか、詳しくお伝えしますね。
シングルか真空断熱
チタン水筒の構造として「シングルウォール構造」と「真空断熱構造」があります。それぞれの特徴について簡単に紹介します。
シングルウォール構造
チタン水筒のシングルウォールとは、その名の通り一層のチタンで構成された水筒を指します。
シンプルな作りなので保温や保冷力はかけますが、非常に軽量なので登山キャンプなどの際には重宝するタイプです。底面に滑り止めのゴムがなかったり塗装がないものだと直火にかけることも可能で、お湯を沸かしてケトルのように使うこともできますよ。
真空断熱構造
日常使いとしても万能なのが真空断熱構造の水筒です。
「魔法瓶」とも呼ばれる構造で、保温や保冷力が抜群に高いです。飲み物を時間をかけて飲む方や、普段使いとしても使いたい方におすすめのタイプになります。
二層構造なのでシングルウォールの水筒と比べると重さはありますが、それでもチタン製であれば他素材の水筒より軽量です。
容量
容量によってサイズ、持ち運びのしやすさも変わってくるのでできるだけ使うシーンにちょうどいい容量のものを選びましょう。大体の容量の目安をまとめると
- 200ml…短時間の移動でコップ1杯程度の飲み物を持ち歩きたい時におすすめの容量
- 350~500ml…日常の外出、アウトドアでのちょっとしたシーンにおすすめの容量
- 1L以上…キャンプや登山といったアウトドアでの長時間の活動時におすすめの容量
となります。
500ml以上の保温・保冷力の高い真空断熱構造のチタン水筒は選べる商品が少ないので注意しましょう。
飲み口やフタの構造
アウトドアでは使いやすいかどうかも大切なポイント。特に飲み口やフタの構造で使い勝手の良さが変わってきます。
フタを回すだけで開けられる「スクリュー式」のタイプは軽量で密閉性が高いので、登山など動きのあるアウトドアで持っていてもこぼれにくいです。シンプルな構造なので洗いやすさもありますよ。
ボタンひとつで開けられる「ワンタッチ式」は、キャンプでの作業中手が汚れていても気軽に水分補給ができますし、登山の時には足を止めずに飲み物が飲めます。
複数人で飲み物をシェアする際は「コップ式」がおすすめです。コップだとゆっくり飲み物も楽しめます。
購入前に使うシーンを想像し、より使いやすいタイプのものを選んでくださいね。
おすすめのチタン水筒
ここからはアウトドアで活躍するおすすめのチタン水筒を紹介します。
日本社製や海外製、値段の高い安いだけでなく商品の性能やスペックが自分のアウトドアスタイルに合っているかを考えながら選んでみましょう。
サーモス 真空断熱チタンボトル500ml
サイズ | φ6.5×高さ23.5cm |
---|---|
重量 | 約210g |
容量 | 500ml |
構造 | 真空断熱 |
蓋の仕様 | スクリュータイプ |
水筒の王道ブランド、サーモスにもチタン製の水筒があります。
真空断熱構造なのでサーモスの特徴ともいえる保温・保冷力は抜群。それでいて同ブランドの500mlボトルの中では最軽量の210gを誇っているのでアウトドアで気軽に持ち歩けますよ。
注ぎ口は広口と細口の2種類、コップ付きなので飲み物のシェアもしやすく使い勝手の良さも考えられた水筒です。
snow peakオーロラボトル800ml
サイズ | φ8.0×高さ23.0cm |
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重量 | 約150g |
容量 | 800ml |
構造 | シングル |
蓋の仕様 | スクリュータイプ |
1枚チタンから作り上げられたオーロラボトルは800mlの容量がありながら約150gと超軽量。シンプルな見た目ですがチタンの厚さは底面・側面・飲み口で異なり、手に取ると職人のこだわりが伝わってくる水筒です。特に口当たりは非常によく、飲み物も美味しく味わえますよ。
絶妙な容量と軽量さは特に登山キャンプなどで重宝します。
ソト (SOTO) チタン水筒200ml
サイズ | φ6.2×高さ16.8cm |
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重量 | 約126g |
容量 | 200ml |
構造 | 真空断熱 |
蓋の仕様 | スクリュータイプ |
ちょっとしたお出かけにぴったりなコンパクトで軽量なチタン水筒です。真空断熱構造なので温かいものも冷たいものの、少しずつ味わいながら飲めますよ。広口なので氷も入れやすく、高さも高くないので中もしっかり洗えます。
指紋のつきにくい滑らかなボディなので触り心地が良いのも特徴です。
TIRTAN 純チタン 真空ボトル450ml
サイズ | φ6.5×高さ22.6cm |
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重量 | 約245g |
容量 | 450ml |
構造 | 真空断熱 |
蓋の仕様 | スクリュータイプ |
本格的なチタン水筒を探している方はこちらがおすすめ。日本社製かつ99.9%の純チタン製で劣化の原因となる化学薬品も使っておらず、一生ものの水筒になります。
直径6.5cmのバックパックに入れやすいスリムボディですが、飲み口は4.5cmと広めに設計されているので市販の大きめの氷も楽に入ります。真空断熱構造なので長時間温度がキープされますよ。
TITAN MANIA(チタンマニア) チタン水筒750ml
サイズ | φ7.0×高さ25.5cm |
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重量 | 約163g |
容量 | 750ml |
構造 | シングル |
蓋の仕様 | スクリュータイプ |
750mlと十分かつ程よい容量があって重さは160g程度と軽く、スリムなボディなのでバックパックのサイドポケットにも入れやすいです。
価格がブランド並みのリーズナブルさですが、チタンマニアは日本発のブランドで品質管理などが徹底されています。そのため低価格ながら付属のケースが付いていたり、底のシリコンで机の上に置いた時音が鳴らないよう工夫されていたりと、痒い所に手が届く配慮がされていて使い勝手も良くなっていますよ。
スケーター チタン製マグボトル200ml
サイズ | φ5.7×高さ13.5cm |
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重量 | – |
容量 | 200ml |
構造 | 真空断熱 |
蓋の仕様 | スクリュータイプ |
広口でコンパクト、真空断熱構造で保温も保冷もできるので日常使いもしやすいです。木箱に入っているのでプレゼントとしても喜ばれますよ。
日本のアウトドアブランドから出ている同容量・同構造のものと比べると価格が半分近くなので、まずはチタン水筒を小さめのサイズで試してみたいという方にもおすすめです。
Boundless Voyage 純チタン水筒750ml
サイズ | φ7.0×高さ25.0cm |
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重量 | 約135g |
容量 | 750ml |
構造 | シングル |
蓋の仕様 | スクリュータイプ |
99.9%チタンでできているので750mlの大容量でわずか135gしかありません。非常に軽量でスリムなので積載量が限られているアウトドアでも気軽に持って行けますよ。密閉度も高いので動きの多い登山キャンプにもおすすめです。
食洗器が使えるので自宅でもお手入れしやすいです。
Boundless Voyage 広口純チタンボトル600ml
サイズ | φ8.5×高さ15.0cm |
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重量 | 約197g |
容量 | 600ml |
構造 | シングル |
蓋の仕様 | スクリュータイプ |
使い勝手の良い広口タイプなので、飲み物が入れやすく洗いやすいです。純チタン製なので臭い移りもありません。
肉厚でしっかりしている分、多少重さには影響があるもののそれでも200g以下なので持ち運びはしやすいです。その分丈夫で耐久性が高いのでアウトドアでもタフに使えますよ。
COOK’N’ESCAPE チタンキャンティーン1000ml
サイズ | 幅12.9×奥行き7.6×高さ19.1cm |
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重量 | – |
容量 | 1,000ml |
構造 | シングル |
蓋の仕様 | スクリュータイプ |
ミリタリー感漂う、チタン水筒としては珍しい形状をしているキャンティーンの水筒。扇形の持ち手も古典的なデザインで、デザイン性も重視したい方におすすめの水筒です。同ブランドから出ている飯盒と重ねてスタッキングでき、荷物をコンパクトにまとめることもできますよ。
少しマットな質感+中央がくぼんだ形状なので手に馴染みやすいのも特徴です。
サーモスのチタン水筒と安いチタンマニアのチタンボトルを比較レビュー
チタン水筒で人気のサーモス(真空断熱構造)500mlと安いチタンマニア(シングルウォール構造)600mlで、保冷や保温力にどれぐらいの違いがあるのか検証してみたので、チタン水筒選びの参考になれば幸いです。
温度の計測は蓋を開けて計測している為、水筒内の温度に外気の影響を受けてしまいます。実際の保冷力や保温力より低下しているので参考程度と思ってください。
保冷力
検証条件
- 気温26℃~28℃の室内で計測
- 氷100g+水道水を使用
2つのチタン水筒に、家庭用冷蔵庫で作った小さめの氷100gと水道水を水筒一杯になるまで足して計測した数値です。
サーモス 500ml |
チタンマニア 600ml |
|
---|---|---|
1時間後 | 1.9℃ | 12.5℃ |
2時間後 | 1.9℃ | 15.5℃ |
3時間後 | 2.3℃ | 19.7℃ |
4時間後 | 2.6℃ | – |
5時間後 | 3.2℃ | – |
6時間後 | 4.4℃ | – |
7時間後 | 4.8℃ | – |
8時間後 | 5.6℃ | – |
シングルウォール構造のチタンマニアは1時間で氷が解けてしまい、2時間後には少し冷たさを感じる程度の温度になりました。
真空断熱構造のサーモスは2時間後でも氷が少し残っており、8時間たっても冷蔵庫で冷やした飲み物と変わらない温度をキープすることができました。
保温力
検証条件
- 気温22~24℃の室内で計測
- 沸騰したお湯を使用
二つのチタン水筒に沸騰したお湯を一杯まで注いで12時間後に計測した温度。
サーモス 500ml |
チタンマニア 600ml |
|
---|---|---|
12時間後 | 66℃ | 25.2℃ |
シングルウォール構造のチタンマニアは、12時間後には室温と変わらない温度になっていましたが、真空断熱構造のサーモスはまだまだ熱さをキープすることができました。
チタンマニアはどれぐらい保温ができるか1時間ごとの温度が下の表です。
チタンマニア 600ml |
|
---|---|
1時間後 | 70℃ |
2時間後 | 51.6℃ |
3時間後 | 41℃ |
4時間後 | 35℃ |
シングルウォール構造のチタンマニアで保温した飲み物が、温かいと感じるのは2時間程度、3時間たつと「あたたかい」というより「ぬるい」飲み物といった印象です。基本的にシングルウォール構造のチタン水筒には保温や保冷の効果が無い点は選ぶ上で重要なポイントの一つになります。
炭酸水を入れて密封性
二つのチタン水筒に炭酸水を入れて2時間後にコップに移しましたが、どちらのチタン水筒も密封性が高くシュワシュワ感をキープしていました。気体が抜けないほどの密封性があるので、ボトル内の液体が漏れたりする心配もありません。
構造の違い
どちらのチタン水筒もスクリュー式のフタですが、チタンマニアのボトルは回すときに引っ掛かりがあり、サーモスのボトルに比べスムーズに回せません。価格の差があるので仕方がないことですが、フタの開け閉めは頻繁に行う動作なので、覚えておいた方がいいポイントの一つです。
真空断熱構造のサーモスのボトルには結露ができませんが、シングルウォール構造のチタンマニアのボトルは冷たい飲み物を入れると結露してしまいます。チタンマニアのボトルはケースが付属しているので、周辺のものを濡らしてしまう心配はいりませんが、専用ケースがないシングルウォール構造のチタン水筒はタオルで包むなどの工夫が必要です。
シングルウォール構造のチタンマニアのボトルに熱い飲み物を入れたら、水筒本体が熱くて持つことが困難になります。専用ケースに本体を入れたら持つことは可能なので、ケースに入れてから飲み物を注いだ方がよさそうです。
サーモスのチタンボトルは本体表面が熱くなったり結露がついたりすることがないので、使い勝手は真空断熱構造のチタン水筒の方がよさそうです。
まとめ
ブランド | THERMOS | snow peak |
SOTO | TIRTAN | TITAN MANIA |
Skater | Boundless Voyage |
Boundless Voyage |
COOK’N’ ESCAPE |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
商品 | |||||||||
サイズ | φ6.5×23.5cm | φ8.0×23.0cm | φ6.2×16.8cm | φ6.5×22.6cm | φ7.0×25.5cm | φ5.7×13.5cm | φ7.0×25.0cm | φ8.5×15.0cm | 12.9×7.6×19.1cm |
重量 | 約210g | 約150g | 約126g | 約245g | 約163g | – | 約135g | 約197g | – |
容量 | 500ml | 800ml | 200ml | 450ml | 750ml | 200ml | 750ml | 600ml | 1,000ml |
構造 | 真空断熱 | シングル | 真空断熱 | 真空断熱 | シングル | 真空断熱 | シングル | シングル | シングル |
蓋のタイプ | スクリュー | スクリュー | スクリュー | スクリュー | スクリュー | スクリュー | スクリュー | スクリュー | スクリュー |
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チタン水筒はメリットが多く、1度使えばその使い勝手の良さに日常でも使いたくなりますよ。
安かろう、悪かろうという時代はもう終わり。高い素材を使って高い性能があっても企業努力で価格を抑えているメーカーはたくさんあります。今まで「チタンは高価なもの」というイメージがあった方は是非、紹介したお手頃価格のチタン水筒を通して素材の良さはもちろん、それを生み出すメーカーの魅力も発見してくださいね。