火バサミはキャンプで焚き火やバーベキューをする際に必須のアイテムです。アウトドア用品の中ではあまり目立たない存在ですが、使用頻度が高いのでこだわる意義は十分にあります!
今回は、使いやすく見た目にも優れているキャンプにおすすめの火ばさみをご紹介します。合わせて、トングとの違いや火ばさみを使用するメリットや選び方、人気の火ばさみを実際に使用して比較も紹介するので参考にしてください。
火バサミとは

火バサミとは、焚き火やバーベキューの炭や薪を掴み火力を調整したり、ゴミ拾いや小枝拾いにも便利な道具です。火バサミは別名火箸、ゴミばさみ、薪ばさみ、トングと地方によって様々な呼ばれ方をされてますが、正式にはトングと火ばさみは違うものです。
火バサミとトングの違いは?

まずは火ばさみとトングが違うものであることを知っておく必要があります。違うのは主に形状とキャンプでの使い方です。
火バサミはキャンプで薪や炭をつかむもの!

火バサミはV字、もしくは紙を切るハサミのような形で、物によっては先端がギザギザになっており、焚き火やバーベキューで薪や炭をつかみやすい形状になっています。その機能上トングよりロングタイプが多いです。
キャンプでトングは食材をつかむもの!

一方でトングは肉や野菜などの食材をつかむために料理に使用するものです。V字形状である点は同じですが、食材をつかみやすいように先端部分が広めに作られていて、ギザギザになっていないものが多いです。
シリコンでできている物もあり、その機能上トングは調理がしやすいよう短く作られています。
100均の火バサミでは火傷の危険も
100均ではロングタイプのトングも販売されてますが、重い薪や炭を持つと変形し上手く持つことができません。上手くつかめても薪や炭を移動中、落とし火傷の可能性がありますのでキャンプでの使用はおすすめできません。
キャンプで火バサミを使うメリットは?

次に火バサミをキャンプで使うとどのようなメリットがあるのかをご紹介します。今現在、軍手や100均のトングを使って薪をつかんでいる方は不便を感じていませんか? 火バサミを取り入れることでその不便さはすべてなくなります。
100均トングと違って重い薪や炭が持てる

火バサミは100均トングと違って薪をがっしりとつかめるように作られています。ですので、あまり力を入れなくてもてこの原理で太くて重い薪を簡単につかむことができます。
手が汚れないので衛生的
キャンプでは料理中、または食事中に薪を足さなくてはならない時もあります。その時に手で汚れた薪を触るのは、衛生的に決して良くはありません。自分ひとりの時は良いのですが、仲間と一緒の時はなるべく手を汚さないように配慮すべきでしょう。
火傷の心配がない

すでに燃えている薪を動かしたい時には、火バサミが特に役に立ちます。トングと違い火バサミは長さがあるので、火から手が離れており火傷の心配がありません。そのためお子様にも安心して焚き火を手伝わせてあげることもできます。
※軍手を着用した状態で燃えた薪を触るのは非常に危険なので、火ばさみを使うようにしましょう。
キャンプに適した火バサミの選び方

続いて、火バサミの選び方をご紹介します。数ある火バサミの中から長く使える自分に合ったものを見つけるために、参考にしてください。
火バサミの形状はV字型か?ハサミ型か?

火ばさみにはV字形状のものと、ハサミのような形状のものがあることはすでにご紹介しました。

V字形状の火ばさみの特徴
V字形状のものは構造がシンプルで安価な上、常に開く方向にバネの力が働いているのでとても使いやすくなっています。

ハサミ形状の火ばさみの特徴
ハサミに似た形状のものは、V字形状のものと比べると使いこなすのには慣れが必要ですが、てこの原理を利用しているため小さな力で重い薪もしっかりと持ち上げられます。ハードに使ってもちょっとやそっとでは曲がらない頑丈さも魅力です。
火バサミの材質はステンレスorスチール(鋼)?

火バサミには主にステンレスとスチールが使用されています。ステンレスは錆に強く、スチールはとても頑丈です。通常の使用であればどちらを選んでも問題ありません。
スチール製のものはステンレスと比べて錆びやすいので、最低限のメンテナンスが必要です。キャンプで使用してついた水濡れや汚れをそのままにしておくと錆の原因になるので、使用後は綺麗にしましょう。
キャンプで火バサミはコンパクトよりロングタイプが使いやすい?
キャンプで使う火バサミはコンパクトな物より、焚き火の際はある程度の長さのあるロングタイプの火バサミが薪や炭が扱いやすいです。コンパクトな火バサミを使用する場合は、グローブの着用をおすすめします。
キャンプにおすすめの火バサミ【V字形状】

それではここからおすすめのキャンプ用火バサミをご紹介します。信頼のあるメーカーの優秀なアイテムを厳選しています。
テンマクデザイン キングトング
<商品スペック>
- サイズ:395mm
- 重量:157g
- 材質:ステンレス
ちょっと変わった形をしている火バサミですが、実はこのキングトングのデザインには沢山のアイディアが凝縮されています。20年以上焚き火で料理をし続けているプロが考案した形で、GOOD DESIGN 2015を受賞しています。
先端部分の特殊な形状により、つまようじのような細い枝も、手に余るような太い薪も難なくつかむことができます。さらに、ばねの部分をM字にすることで何度使ってもへたりにくく、そしてなんとダッチオーブンなどを吊るすリフターとしても使用できます。
これ以上に機能的な火バサミはまずないといって良いでしょう。キングトングを1度使うと、それまで持っていた火バサミの価値観をひっくり返されるほどの魅力がつまっています。
スノーピーク(snow peak)火ばさみ
<商品スペック>
- サイズ:405mm
- 重量:200g
- 本体:ステンレス
- グリップ:ビーチ材
高品質でオシャレなアイテムを多数ラインナップしていることから、非常に多くのファンがいるスノーピークの火バサミです。先端部分が太くなっていないので、一人用の小さな焚き火台で使用するのにも適しています。
シンプルなV字形状で、グリップ部分にはブナ材が使用されています。温かみのある天然素材が手に良くなじみ、焚き火の熱から手を守ってくれます。使うたびに少しずつ味が出てくるところも天然素材の良いところです。
ユニフレーム(UNIFLAME)焚き火トング
<商品スペック>
- サイズ:550mm
- 重量:270g
- 材質:ステンレス
食材をつかむのに使用するトングと見た目がとても似ていますが、正真正銘これは火バサミです。先端部分の鋭いギザギザが太い薪にもしっかりと食い込んで、らくらく持ち上げる事ができます。
品質がよく、シンプルで飾り気のない質実剛健なところにユニフレームらしさを感じます。閉じたまま固定するリングが付いているので、使わない時は収納しやすいのも良いポイントです。
キャプテンスタッグ(CAPTAIN STAG)炭バサミ
<商品スペック>
- サイズ:490mm
- 重量:220g
- 本体:ステンレス
- グリップ:天然木
熱くなったダッチオーブンの蓋を持ち上げられるように、先端部分がかぎ状になっています。持ち上げる時に蓋が安定するような工夫がされているので、安全に使用できます。ダッチオーブンをすでに持っている方は料理がしやすくなるのでおすすめです。
グリップの後ろにストッパーが付いていて、使用しないときは閉じたままの状態で固定できるようになっています。見た目はシンプルですが、良く考えられた機能的なバサミです。
ファイヤーサイド ファイヤーバード
<商品スペック>
- サイズ:540mm
- 重量:445g
- 材質:スチール
長年薪ストーブを取り扱っているファイヤーサイドの火バサミです。アウトドア用品においても少々お高めですが本当に良い道具を作っているメーカーで、ファイヤーサイドの火吹き棒や銅製のケトルは特に人気です。熟練の職人が一本一本心を込めて作っています。
このファイヤーバードの一番の特徴は、鳥のくちばしのように尖った先端部分です。これは薪を効率的に燃焼させるために、薪をつかむ・ひっくり返す・砕く・ならすといった使い方をするのに適した形状となっています。見た目も美しく、大きな満足感を得ることができる逸品です。
キャンプにおすすめのおしゃれな火バサミ【はさみ形状】

火バサミもおしゃれにして、キャンプで焚き火の炭いじりを楽しみたい方におすすめなのが、こちら
テオゴニア(TEOGONIA)ファイヤープレーストング
<商品スペック>
- サイズ:420mm
- 重量:390g
- 本体:スチール
- グリップ:ローズウッド
YouTubeでキャンプの動画を投稿している芸人のヒロシさんが使用していることもあり、注目度が高まっているおしゃれな火バサミです。日本国内で1つ1つ丁寧に作られていて、グリップ部分に使用されているローズウッドが高級感を演出しています。
人差し指から小指までの4本の指を輪に通すようになっているので、開いたり閉じたりするのが容易にできます。それでも扱いには少々慣れが必要なので、このタイプの火ばさみにロマンを感じる方やこだわり派の方におすすめします。
ロゴス(LOGOS)薪ばさみ
<商品スペック>
- サイズ:420mm
- 重量:330g
- 本体:スチール
- グリップ:木材
こちらのロゴスの薪ばさみも、テオゴニアの火バサミと同じタイプになります。違う点はグリップ部分が輪になっていない点です。なので使いやすさにおいては少々劣りますが、とてもリーズナブルな価格になっています。
天然木が使われているグリップがとてもおしゃれで握りやすく、大きな薪もしっかりホールドできます。試しにこのタイプの火バサミを使ってみたいという方にもおすすめです。

折りたたみ式やコンパクトな火バサミのおすすめ
軽量で収納にも便利な折りたたみ式やコンパクト火ばさみです。バックパックキャンプなどで使用するコンパクトなウッドストーブと一緒に持つと便利でおすすめです。
Tanaka bun kinzoku(タナカブンキンゾク)フォールディングトング
<商品スペック>
- 使用時サイズ:235mm
- 折畳み時サイズ:135mm
- 重量:80g
- 本体:ステンレス
- グリップ部:ヒノキ
創業から100年を迎えた、田中文金属のアウトドア部門であるコニファーコーンの火バサミです。火バサミとしては珍しい折りたたみの構造になっています。それにより、他の火ばさみにはない優れた携帯性を実現しています。
好きな角度で使用できる上、小さいものでもつかみやすくするために先端部分を3D加工しています。グリップには腐食に強いヒノキが使われているので、エージングを楽しむ事もできます。
大五郎 練炭鋏
<商品スペック>
- サイズ:28.5×1.3×8.2cm
- 重量:135g
- 本体:スチール
コンパクトで持ち運びにも便利な火バサミ、大五郎練炭鋏。長さが短いので大きい焚き火には不向きですが、小型の焚き火台などで使用するには重宝します。


人気の火バサミ4種を比較

- スノーピーク火ばさみ
- テオゴニア薪ばさみ
- ロゴス薪ばさみ
- 大五郎風練炭鋏
4つの人気の火ばさみを比較してみました。
細かいものを持つのに最適な火バサミは?

ハサミ形状の火ばさみの差は、さほど感じませんでしたが、スノーピークはV字形状で先端部分がギザギザで、細い枝ならその隙間から落ちることや握り込む力が必要なので、細かい作業には向いていません。
重いものを持つのに最適な火バサミは?

点で挟む練炭鋏やロゴス、テオゴニアでは持つ位置を探さないと、持ち上げることができませんでした。

バランスが取れるポイントで挟むとテオゴニアが先端の広さがある分、重たい薪でも安定して持ち運びができますが、スノーピークには劣ります。スノーピークは挟むポイントが多い分、力が伝わりやすく、重たい薪やダッチオーブンの蓋や焼き網でも安定して挟むことができます。
スタイル別のおすすめの火ばさみは?

練炭鋏は軽量な分短いので、大きい焚き火では不向きですが、ブッシュクラフト等で使用する小さい焚き火台では、軽量コンパクトな火ばさみが扱いやすくおすすめです。
スノーピークの火ばさみは安定してますが、V字形状で握り込む力が別に必要なので、たまに焚き火をいじったり、重たいものを使用することが多いファミリーキャンプ向けの火ばさみです。
テオゴニアとロゴスの火ばさみは薪や炭を動かすことが多いソロキャンプ向けの火ばさみです。
100均の火バサミはキャンプの焚き火で使える?
同条件で100均の火バサミを使用しましたが、かみ合わせが悪いので小さい枝も取りにくく、太い薪では力を入れると変形して掴みづらく落としてしまいます。キャンプの焚き火で使えないことはないですが、より安全に焚き火を楽しむには、専用の火バサミの使用をおすすめします。
ソロキャンプでは火バサミと火吹き棒を合わせて持つと便利
ソロキャンプでは火ばさみと火吹き棒を合わせて持つことで、焚き火の火力調整がしやすくなり、料理や暖を取るのにおすすめです。火吹き棒が気になる方はこちら

火バサミでキャンプの焚き火がもっと楽しくなる!

100均ショップやホームセンターに安く売っている火バサミやトングを、半ば使い捨てとして使用している方も多いと思います。ですがキャンプにおいて火を使う機会は多く、それに伴い使用頻度も高くなる道具だからこそ、こだわりを持ちたいものです。
良いものは機能や使い勝手に優れているだけでなく、大切に使おうという気持ちも湧いてくるので、何年も愛着を持って使い続けることができます。ちょっと地味な存在ではありますが、楽しいキャンプを支えてくれる重要なアイテムとして火バサミを迎え入れてみてはいかがでしょうか?


