ボルダリングジムでは色鮮やかで、いろんな形状をした石(ホールド)が壁にたくさん付いています。
ボルダリング初心者の方は、変わった形状のホールドを触ったときに「こんなのどうやって持つの?」と、思ったことがあるかもしれません。
この記事では、ホールドの形状や向きの名称、基本的な持ち方などについて解説します。
基本ルールやマナーをはじめから知りたいという方はこちらの記事から
ホールドとは?
ホールドとは、クライミング(ボルダリングを含む)で登るときに使う手掛かりのことです。
自然の岩では、岩の凹凸がホールドということになりますが、ボルダリングジムでは、プラスチック樹脂製の人工ホールドが壁に設置されていています。
ホールドには様々な形状や向きがあり、適切な持ち方をすることで保持感が増し、今まで登れなかったコースが登れるようになります。
ボルダリングの代表的なホールドの種類と形状
まずは形状で分類できる代表的なホールドの名称と、その持ち方を紹介します。
ここで紹介する名称は、ボルダリングをしていると必ず出てくる用語なので、初心者の方はしっかりと覚えておきましょう。
ガバ
形状が深くえぐれていたり、ハンドル状になっていたりと、安心してしっかり持てるようなホールドのことをガバと呼びます。
ガバという名称は、つかみやすくガバッと持てるというところからきています。
初心者用の簡単なコースから上級者用の難しいコースまで幅広い難易度で使われる、基本のホールドです。
カチ(エッジ)
ホールドが指の第1関節よりも先にしか掛からないぐらい、薄いホールドのことをカチと言います。
持ち方については後述しますが、”カチ”はオープンハンドとカチ持ちの2通りの方法で持つのが一般的です。
カチを持つにはある程度の指の力が必要なので、初心者の方は保持するのに苦戦するかもしれません。
コースの難易度が上がるとよく出てくる基本のホールドなので、持てるように少しずつ徐練習していきましょう。
スローパー
指がしっかりとかかるような所が無く、のっぺりとした形状のホールドです。
初心者の方には一見持ちどころが無いように見えるかもしれません。
後述しますが、スローパーはパーミングと呼ばれる持ち方が効果的です。
ポケット
ポケットのように穴が空いた形状のホールドです。
指の太さによってポケットに入る指の本数が変わります。
当然ながら指の本数が多く入った方が有利なので、指が細い女性が得意としていることが多いホールドです。
指が1~2本しか入らないポケットは、頑張りすぎるとケガをするリスクがあるので気をつけましょう。
ピンチ
手でつまむような持ち方ができるホールドのことをピンチといいます。
持ち方の名称は単にピンチと言ったり、ピンチ持ちと言ったりします。
また、手を大きく広げなければ持てないような幅が広いピンチのことをワイドピンチと言います。
ピンチは手が大きい人の方が得意としている傾向があります。
ハリボテ
ハリボテとは木製またはFRP製(強化繊維プラスチック)などの構造物で、そのままホールドとして持たせたり、壁の形状に変化をつける目的で設置されていたりします。
大きいハリボテは持ちどころがはっきりしないことが多いです。
自分で良い持ちどころや、持ち方を探る必要があります。
カンテ
カンテとは壁の角のことです。
ボルダリングジムでは、カンテを使用して登っても良いルールのジムと、指定がない限りは使用禁止のジムがあります。
次の章で紹介しますが、カンテを持つ時はサイドプルと呼ばれる持ち方をすることが多いです。
ホールドの向きによる持ち方の名称
ホールドは様々な向きで壁に設置してあるので、そのホールドの向きに合わせて持ち方を工夫する必要があります。
この章ではホールド向きによって変わる持ち方と、その名称を紹介します。
サイドプル
縦向きのホールドを横に引く持ち方です。
カンテを使って登る際にもよく使います。
できるだけ腕を伸ばして上手く背中の筋肉が使えるようになると、力をセーブしてホールドが持てますし、ホールドに力も伝わりやすくなるので強く引けるようになります。
アンダークリング
下向きのホールドに対して、ホールドの下から手を入れる持ち方です。
基本的には、アンダーホールドは上体が上がると持ちやすくなるので、ホールドに手を差し込んだら足で立ち上がって上体をあげてみましょう。
手で持つというよりも、足で踏ん張って体で支えるようなイメージでホールドを保持します。
ガストン
縦や斜めの向きのホールドを親指が下になるようにして、持つ持ち方です。
ガストンの名称の語源は、フランス人山岳ガイドのガストン・レビュッファが岩の割れ目(クラック)を観音開きのような持ち方をして登ったことからきています。
ガストンで持った手の下に重心が来ると安定して持つことができます。
初心者必見のホールドの基本的な持ち方
ボルダリング初心者の方は、まずホールドの基本的な持ち方を覚えておきましょう。
「持てない!」と思っていたホールドも、適切な持ち方が分かると、意外と持てることがあります。
これから紹介するホールドの持ち方は、全てよく使う持ち方なので、ぜひ実践してみて下さい。
オープンハンド(タンデュ)
指を伸ばしてホールド引っかけるようにして持ちます。
クライミングの基本的な持ち方で、指関節への負担が少なく、脱力もしやすいので初心者の方は必ず覚えておきましょう。
ちなみに1~3本指が入る浅いポケットを持つときは、基本的にオープンハンドになります。
カチ持ち(アーケ)
一般的にカチホールドをしっかりと保持したいとき使う持ち方です。
人差し指から小指までの第1関節を反らせて、指同士を密着させます。
そこに親指を添えてホールドを握りこむことで保持感が増します。
手首が固まり保持した手をしっかり固定することができますが、指の関節に大きな負担がかかるので多用しすぎないようにしましょう。
カチ持ちの多用で指を故障するクライマーはとても多いです。
パーミング
主にスローパーのような指が引っかかる所が無いホールドを持つときに使います。
手のひら全体をホールドに密着させ摩擦によって保持するイメージです。
パーミングでホールドを持っているときは、上体が上がりすぎると摩擦が効きづらくなるので、少し上体を下げて手にしっかりと自重をかけるようにしましょう。
ラップ
ホールドを手で包み込むようにして持ちます。
手首が柔らかいとホールドに手をフィットできるので楽にホールドを持つことができます。
ラップで持てるホールドは大概の場合、他の方法でも持つことができますが、上手くラップが使えると登りの幅が広がります。
マッチ
ホールドを両手でつかむことをマッチと言います。
小さいホールドはマッチすることが難しいです。
ホールドが小さい場合は、先に持っている方の手をあらかじめずらしておき、次にくる手のスペースを確保しておくとマッチがスムーズにできます。
ボルダリングのホールドの種類と基本の持ち方まとめ
ボルダリングで上手く登るコツは、ホールドの種類や向きに対して、自分の体の位置や持ち方を合わせることです。
ホールドは固定されているので動かないので、体の柔軟性が高いと、無理のない体勢がとりやすいです。
人間の体の構造上、無理のある体勢でホールドを持って動くと、怪我をする恐れがあります。
ボルダリング初心者の方は、登る際に無駄に力が入り過ぎる傾向があるので、まずは力を抜いて、楽な姿勢を探しながら登ってみて下さい。
この記事が皆さんの参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。