1980年にドイツで創業したタトンカ社。社名は、自由と自然、強さを象徴するバイソンから由来されています。
そのタトンカ社が生み出した「タトンカタープ」もまた、社名の由来のような自然の中で自由自在に張れる、強度の高い元祖TCタープとしてキャンパーから人気を集めています。
そんな絶大な人気を誇るタトンカタープが、より使いやすくなって2021年リニューアルされました。新型タトンカタープと従来モデルの変更点、種類や特徴、張り方まで紹介していきます。
2021年新型タトンカタープのリニューアルポイント
タトンカタープの素材は、通気性が良くて結露がしにくく、火の粉に強い特徴を持ったTC素材。そんな人気のTCタープの元祖ともいえるタトンカタープシリーズが、リニューアルされたポイントを従来モデルと比較しながら紹介します。
生地の強度が向上
新作タトンカタープも従来モデルと一緒でポリエステルが65%、コットンが35%の比率となっていますが、65%のポリエステルが新素材に改善されることにより、生地の軽量さと高い遮光性は従来通りで、生地の引裂き強度が50%、抗張力が25%UPしました。
タープを引っ張ると新作の方がよく伸び、質感も柔らかいので、設営時の強いテンションにも耐えれそうな生地感です。
色がサンドベージュに変更
タトンカタープはTC素材ならではの独特な風合いと、カーキとベージュが合わさったような「コクーンカラー」でしたが、新カラーは「サンドベージュ」。「サンドベージュ」はポリエステルのような光沢感がなく、ナチュラルな雰囲気を醸し出してくれますので、どんなサイトにもマッチする色合いです。
ULモデルが追加
ULとはウルトラライトの略で、超軽量な新素材が採用された山岳用タープが追加されました。軽くて破れにくいはもちろんのこと、ナイロン生地にシリコンコーティングされた高耐裂性素材を使用してるため薄くても防水性が高い特徴を持ったコンパクトにもなるソロ向けタープがラインナップされました。
ロゴが変更
タトンカのロゴが、従来のプリントタイプから帆布素材に変更になり高級感が増しました。新ロゴのタトンカタープを購入希望の方は、正規代理店しか取り扱いがないので、注意しましょう。(並行輸入品は2021.7月現在では、旧モデルのみの販売です。)
2021年新作タトンカタープ1TCのレビュー
TC素材なのに軽量
タトンカタープが人気の理由はTC素材であるにも関わらず軽量な点が挙げられます。TCというのはポリエステルとコットン(綿)の良いとこ取りをした混紡素材で、タトンカタープの場合はポリエステルが65%、コットンが35%の比率となっています。
同じくポリエステルが65%、コットンが35%の比率のTC素材のタープで、サイズが近いsoomloomのTCタープと重さを比較してみました。
タトンカタープ1TC | soomloomヘキサTCタープ | |
---|---|---|
サイズ | 425 x 445cm | 420 x 410cm |
重量 | 2.8kg | 3.8kg |
タトンカタープ1TCの方が少し大きく、ヘキサタープの形状はレクタタープに比べ生地が少ないので、soomloomヘキサTCタープの有利ですが、1kg程軽量です。
日陰が濃く通気性◎
タトンカタープ1TCの日陰の濃さや通気性は従来通りで、遮光性に優れていますので、日陰のないキャンプサイトでも快適な空間を生み出してくれます。ポリエステル100%のタープと比較すると日陰の濃さや通気性が違いますので、特に夏キャンプでは涼しさに違いがでます。
日陰の濃さもsoomloomヘキサTCタープと比較しましたが、タトンカタープ1TCの方が影が大きく、濃さはほとんど変わらない結果となり、同じTC素材でも薄めの生地なので風通しが良く、しっかりと日陰を作ってくれるタープです。
値段の違いでタトンカタープが優秀ですが、soomloomヘキサタープも安くてコスパが良いTCタープなので、気になる方はこちらの記事
1TCと2TCのサイズ感
1TCと2TCのサイズ感を比較をするために、4人用にテーブルと椅子を設置しました。
2TCで4人は少し窮屈ですが、1TCは4人でちょうどいいサイズ感です。夏場にカンガルースタイルでキャンプするなら2人で広々過ごのに良いサイズ感です。
2TCはソロでのタープ泊にも向いてるサイズ感です。
ハトメやループ
通常のタープのハトメは、四隅に1か所ずつ加工が施されているのが一般的ですが、タトンカタープ1TCのハトメは四隅と、さらに4辺の真ん中にハトメがあるので、計8か所のハトメ加工が施されています。
8か所のハトメすべての裏面にしっかりと補強もされてるので、安価なタープと違い、強いテンションがかかっても、生地が裂けてハトメがズレることもなさそうです。ハトメと同じ場所のループは、Aフレームでペグダウンする時にも便利です。
ループよりハトメの方がテンションに強く、アレンジした張り方をする場合にも、ポールを安心して設置できるのもうれしいポイント。
タトンカタープ1TCにはハトメ以外にもループが12か所もあり、強いテンションに耐えれるように裏面もしっかりと補強されています。ループが12か所あることで、ガイロープで力を加えられるポイントが増え、様々なアレンジした張り方に対応できます。
タープ本体との接続強度には問題ないですが、少し気になるのがループ本体の強度。強いテンションをかけなければ問題ないですが、ループ本体は布にロープが通せるように切り込みが入っているだけので、過度の期待は禁物です。
アレンジ張りなどでループの使用頻度が高い方や強めのテンションで使用する場合は、DIYでハトメ加工をして補強するほうが安心です。
ロープと自在金具
タトンカタープ1TCには、4.8mのロープが4本付属してます。
ロープの太さは3mmなので、通常のこのサイズのタープで使われる4mmのロープに比べて細いです。
タトンカタープ1TCのロープについている自在金具は三角型で、二つ穴に比べ緩みにくい特徴がありますが、少し扱いが難しい自在金具です。
付属の自在金具は、テンションがかかった状態では緩みにくいですが、テンションがない状態では滑って動いてしまう扱いにくさがあるので、ロープと自在金具については、別途用意するほうが良さそうです。
2021モデルのタトンカタープ1TCの張り方
タトンカタープ人気の1TCを一人で設営できる張り方を図解で分かりやすく紹介します。
タトンカ張りに必要なポールとロープの長さ
- 240cmポール×4本(伸縮ポールがアレンジしやすい)
- 4mロープ×10本(240cmポールの場合4m以上のロープが必要)
1TCを1人で設営できる張り方
風がある日はタープが動いてしまうので、タープの4隅を最初にペグで固定すれば設営しやすいです。
ポールでペグダウンの位置を決めて、タープの4隅を4か所ペグダウン。
ポールを動かしてサブポールの長さで2か所ペグダウンとメインポール4か所のガイロープをペグダウン。
自在金具を緩めてメインポールを1本ずつ立ち上げる。
サブポールにガイロープを繋ぎ2本順番に立ち上げる。
4隅のガイロープを張って、全体の張りを調節したら完成。
通常のTCタープに比べ、新型のタトンカタープは生地に伸縮性があるので、ロープの張りを少し緩めにすると綺麗に張れます。
2021モデルのタトンカタープ1TCのアレンジ張り
タトンカタープには数多くのハトメやループがあるので、タープをどのように使うかで、様々な張り方にアレンジができるのも特徴の一つです。ここからはタトンカタープ1TCの実用的なアレンジした張り方を紹介します。
メインポールの長さは240cmを使用してますが、200~240cm程度が快適な高さです。高くすれば開放感、低くすればより影が濃く設営できます。
アレンジ張り①
- 240cmポール×2
- 4mロープ×8
アレンジではなく基本的なAフレームです。
設営がしやすく日陰も大きいので、一番快適に過ごしやすい張り方です。
アレンジ張り②
- 240cmポール×4
- 4mロープ×8
前面を跳ね上げることにより、より開放的なアレンジ張りです。
太陽の向きに合わせて設営できるので、日陰の調整がしやすい張り方です。
アレンジ張り③
- 240cmポール×2
- 4mロープ×9
雨の日に効果的なアレンジ張りです。
ロープを追加で一本張ることで、雨水の通り道ができタープ上にできる雨溜まりを防ぐことができ、雨漏りの心配もなくなります。
アレンジ張り④
- 240cmポール×2
- 200cmポール×2
- 4mロープ×8
プライバシーを守るアレンジ張り。
オープンサイトでサイト間が近くても、周りからの目を気にせずにまったりとした空間でキャンプを楽しむことができます。
2021モデルのタトンカタープ1TCの綺麗なたたみ方
2021モデルのタトンカタープ1TCの綺麗なたたみ方を紹介します。
縫い目と平行に半分にたたみます。
もう半分にたたみます。
再度半分にたたみます。
長い辺を半分にたたみます。
もう半分にたたみます。
4つ折りになるように端を真ん中に合わせる様にたたみます。
半分にたたむと完成です。
このサイズで収納袋に綺麗に収納することができます。
2021モデルのタトンカタープ1TCを雨の日に設営してみた
2021モデルのタトンカタープの耐水圧は1300mmと他メーカーのTCタープに比べ耐水圧は高いので、少々の雨でも安心です。
1300mm | タトンカタープ |
---|---|
428mm | FIELDOORスクエアタープTC |
350mm | soomloomヘキサタープTC |
350mm | DODチーズタープ |
タトンカタープは、コットンが雨水を含み膨張することで、目が詰まり防水性能を発揮します。小雨程度なら問題ないですが、急に強い雨が降るとコットンの膨張が間に合わず、タープ内に雨がミストになって降り注いでしまいます。
(5分程度で目が詰まりミストも止まりました。)
TCタープ全体にいえることですが、長時間雨に打たれても、雨漏りは見られませんでしたが、急な強い雨には注意が必要です。
タトンカタープの張り方や雨に打たれた時の動画はこちら
2021モデルのタトンカタープ1TCにおすすめのポールの長さは?
タトンカタープには基本的にどのモデルもポールやペグは付属しておらず、別途購入が必要なので注意しましょう。
ポールの長さは240cm前後が使いやすい
持ち前のポールを使用することも可能ですが、タトンカタープを愛用している多くの人は240cmのポールをメインポールとして使用しています。240cm前後のポールは多くのブランドで販売されてますので、手に入れやすいサイズとなっています。
伸縮可能なポールが便利
通常240cmのポールを使っていても、天候や風向きなどで全体的にタープを低めに設置するといった臨機応変な対応も必要です。そういった場合にはポールの高さを微調整できる伸縮可能なポールを使用すると良いですよ。
今回使用したポールは、FIELDOORアルミテントポールで直径32mm・厚さ1.5mmのアルミ製なので軽量で耐久性が高く、5cm間隔で長さ調節がいろんなアレンジした張り方にも対応できます。
タトンカタープにはペグも付属してないので、気になる方はこちら
2021モデルのタトンカタープの種類とサイズの選び方
※各モデルの名称やサイズは従来モデルと一緒です。
タトンカタープには、それぞれの用途や人数に合わせ、いくつかの種類があります。ここでは、それぞれのタトンカタープの特徴や適切な使用人数について解説します。
TATONKA(タトンカ) TARP 1tc
※2021年7月現在品切れ中
本体サイズ | 425 x 445cm |
---|---|
収納サイズ | 60 x 30 x 6cm |
重量 | 2.8kg |
耐水圧 | 1300mm |
グロメット/ループ | ポール用グロメット8点、ロープ用ループ12点 |
付属品 | ガイロープ4本、収納ケース |
タトンカタープの中で一番人気のモデルが1tcです。サイズは縦425 × 横445cmとなり、かなり大型なため居住性に優れています。レクタ型と呼ばれる横長のタープなので有効面積も広くとれますよ。
おすすめの使用人数は4~6人ですので、家族でゆったりと使用することもできますし、グループでワイワイと過ごしたい時にも活躍してくれるタープです。
TATONKA(タトンカ) TARP 2tc
本体サイズ | 285 x 300cm |
---|---|
収納サイズ | 58 x 24 x 6cm |
重量 | 1.30kg |
耐水圧 | 1300mm |
グロメット/ループ | ポール用グロメット8点、ロープ用ループ1点 |
付属品 | ガイロープ4本、収納ケース |
2tcモデルは重量が1.35kgと軽量で、サイズも比較的コンパクトなので夫婦やカップルでキャンプを楽しむときにぴったりですね。
おすすめの使用人数は1~2人で、それほど大きくないサイズなので慣れれば1人でも設営ができます。ソロキャンプでの使用もおすすめですよ。シリーズの中では価格もお手頃なので、おしゃれで機能的なタトンカタープを試してみたいという方におすすめのタープです。
TATONKA(タトンカ) TARP 3tc
本体サイズ | 400 x 400cm |
---|---|
収納サイズ | 58 x 30 x 6cm |
重量 | 2.25kg |
耐水圧 | 1300mm |
グロメット/ループ | ポール用グロメット4点、ロープ用ループ4点 |
付属品 | ガイロープ4本、収納ケース |
3tcモデルは一辺が約4mのほぼ正方形のタープで、他の種類とは違いポール2本で支えるウイング型となります。居住性に優れたレクタ型と比較すると有効面積は少し狭くなってしまいますが、コンパクトにキャンプを楽しみたい方は十分なタープとなっていますよ。
おすすめの使用人数は2~3人ですが、広々と使用したい場合には多くても2人での使用が向いているように思えます。張り方のアレンジはあまりできませんが、設営のしやすさなどを重視したい方にはおすすめのタープとなります。
TATONKA(タトンカ) TARP 4tc
本体サイズ | 285 x 400cm |
---|---|
収納サイズ | 58 x 26 x 6cm |
重量 | 1.75kg |
耐水圧 | 1300mm |
グロメット/ループ | ポール用グロメット8点、ロープ用ループ6点 |
付属品 | ガイロープ4本、収納ケース |
4tcモデルは2tcと幅は285cmで同じですが、縦の長さを1m近く長くしたサイズとなっていて、ループの数も多く、様々な張り方を楽しめるのも嬉しいポイントです。
おすすめの使用人数は2~4人で、1tcほど大型のタープは必要ないけれど、2tcだと手狭に感じるという方に丁度いい大きさとなっています。幅が1mほど長くなっている分2tcより日陰を広くとれますので、日差しが気になる方にもおすすめのタープです。
2021モデルのタトンカタープWINGの種類とサイズ
TATONKA(タトンカ) TARP WINGは、新素材を採用したナイロン製の山岳用タープです。
それぞれの用途に合わせて3種類が、タトンカタープのラインナップに追加されたので、紹介します。
TATONKA(タトンカ) TARP WING 1 LT
本体サイズ | 315 x 140cm |
---|---|
収納サイズ | Φ15 x 14cm |
重量 | 280g |
耐水圧 | 3000mm |
グロメット/ループ | ポール用グロメット8点、ロープ用ループ8点 |
付属品 | ガイロープ8本、収納ケース |
TARP WING 1 LTは、ソロでの使用に特化した、コンパクトでシンプルかつ軽量なので、最小限の荷物に抑えたい方やミニマリストにもおすすめのタープです。
TATONKA(タトンカ) TARP WING 2 LT
本体サイズ | 315 x 215cm |
---|---|
収納サイズ | Φ17 x 14cm |
重量 | 330g |
耐水圧 | 3000mm |
グロメット/ループ | ポール用グロメット8点、ロープ用ループ8点 |
付属品 | ガイロープ8本、収納ケース |
TARP WING 2 LTは、片側がワイドなユニークなデザインで幅広いスペースを作りだせます。荷物が多いソロの使用でも余裕を持った使い方ができます。
TATONKA(タトンカ) TARP WING 3 LT
本体サイズ | 320 x 280cm |
---|---|
収納サイズ | Φ17 x 16cm |
重量 | 405g |
耐水圧 | 3000mm |
グロメット/ループ | ポール用グロメット8点、ロープ用ループ8点 |
付属品 | ガイロープ8本、収納ケース |
TARP WING 3 LTは、オクタタープ型で自在な張り方ができるのが特徴です。タープ中心にポールが受けれる補強箇所があるので高さを確保してタープ下スペースを広く活用できます。
まとめ
タトンカタープは1色展開で色が選べない点や、ポールやペグが別途購入が必要な点など、一見マイナスにとらえてしまうポイントもありますが、自由自在な張り方と、お気に入りのポールで自分だけのタープとして楽しむことができます。
予算や使用人数など、自分のニーズや譲れないポイントに合った種類を選んだ上で、さらに自分のこだわりのアレンジを加えて、ぜひ、いつものキャンプをより快適で楽しく過ごしてみてくださいね、