イワタニのカセットコンロ「マーベラスⅡ」の火力に焦点をあて、一般的なカセットコンロとの火力の比較検証レビューしていきたいと思います。
キャンプ料理は炭火に限る!という方もいると思いますが、炭火では火加減の調整は難しいですよね。そんなときは火力調整ができるコンロやバーナーなどの調理器具がとっても役に立ちます。
なかでもイワタニ(岩谷産業)のカセットコンロ/マーベラスⅡは特にキャンパーから支持が高い商品となっており、その理由はキャンプで使うことを想定した機能を備えているからだと思います。
風が吹く状況で料理することが多いキャンプにおいて、すぐに火が消えてしまってはテンションが下がってしまいますね。そうならないように風に負けない安定した火力を出せるコンロ、つまりマーベラスⅡが必要になってきます。
イワタニ「カセットフー マーベラスⅡ」CB-MVS-2の基本情報
名称 | カセットフー マーベラスⅡ |
---|---|
メーカー | イワタニ(岩谷産業) |
収納サイズ | 380(幅)×329(奥行)×110(高さ)mm |
使用時サイズ | 380(幅)×329(奥行)×324(高さ)mm |
重量 | 約2.8kg |
最大火力 | 3.5kW(3,000kcal/h) |
付属品 | イワタニアクセサリーシリーズ専用セットアダプター |
生産国 | 日本 |
Marvelous(マーベラス)とは、「信じられないほど素晴らしい」という意味があります。
連続燃焼時間
気温20~25℃のとき、強火連続燃焼にてカセットボンベ1本を使い切るまでの実測値は約70分 。
使用できる鍋の大きさ
目安として9号土鍋まで(トップカバー使用時は8号土鍋まで)
イワタニ「カセットフー マーベラスⅡ」の特徴
- 風防付きでアウトドアやキャンプにも最適
- 燃料は入手しやすいカセットボンベ
- ハンドル付きで持ち運びがラクラク
- 縦置き収納が可能
- 火力を低下させないヒートパネル方式を採用
おそらくマーベラスⅡの購入を考えている方の多くは、
- コンビニやスーパーで手軽に入手可能なカセットボンベが使えること
- 一般的なカセットコンロのイメージとは異なる個性的なデザインであること
に惹かれていると思います。
でもきっと心のどこかで、家にあるカセットコンロじゃダメかなぁ・・・常に風が吹いているわけでもないしそんなに火力って必要なのかなぁ・・・と思っている方も多いのではないでしょうか。
実際私も同じことを思っていました。しかし結論からお伝えすると、「マーベラスにしてよかった!」の一言につきます。
アウトドアやキャンプで使うことを想定した機能がたくさん詰まっているので、一般的なカセットコンロではできないことができてしまうのがこのマーベラスⅡの特徴です。
イワタニ「カセットフー マーベラスⅡ」の火力
カセットコンロの機能として最も大切なスペックはもちろん「火力」です。さっそくマーベラスⅡの火力の実力についてレビューいたします。
まずはこちらをご覧ください。
<最大火力の比較>
マーベラスⅡ | 3,000kcal/h |
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一般的なカセットコンロ | 2,700kcal/h |
家庭用ガスコンロ(標準的) | 3,610kcal/h |
火力を表す単位は2種類ありますが、ここでは比較しやすいように同じ単位で表示しています。もちろん数値が大きいほど火力が強いという意味になります。単純で分かりやすいですね。
こちらの表によると、マーベラスⅡは家庭用ガスコンロほど高火力ではありませんが、一般的なカセットコンロと比較すると火力が強いといえます。
当然ですが、家庭用ガスコンロの燃料はいわゆる「ガス燃料」です。一方マーベラスⅡの燃料は1本100円程度で手軽に手に入る「カセットボンベ」ですので、正直差が出るのは仕方ありません。
しかし、カセットボンベでここまで火力が出せるマーベラスってほんとすごいなと思いませんか。
イワタニ「カセットフー マーベラスⅡ」の風防の実力を検証レビュー!
マーベラスⅡの火力が強いことはもうお分かりいただけたと思います。アウトドアやキャンプで使用することを想定した場合、次に重要なスペックは「風に負けない強さ」ではないでしょうか。
そこで、「風に負けない強さ」についてサーキュレーターを使った実験をしてみたいと思います。なお、炎の大きさを可能な限りしっかりとお伝えするために、日が落ちてからテストしています。
<マーベラスⅡの設定条件>
- 風防は立てた状態にする
- 火力は最大に設定
- カセットボンベは1本100円のガスを使用
<サーキュレーターの設定>
- サーキュレーターはマーベラスⅡに対して、正面と斜め上の2方向から風をあてる
- サーキュレーターの風量は弱、中、強の3つのモードを使用
風の検証結果
<無風状態>
<風量:弱>
<風量:中>
<風量:強>
こちらはマーベラスⅡの検証結果を一覧にまとめたものになります。
風量と風の向きを変えたときに、炎の形がどのように変化するかを表しています。
この結果からどのようなことが言えるでしょうか。
- 風を正面から平行にあてた場合、炎は多少乱れていますが、風の強さによらず円を描いた炎がしっかりと上に伸びています。
- 風を斜め上からあてた場合、正面から平行にあてた場合よりも炎が乱れているため風の影響を受けていることがわかります。しかし、風が最も強い状態においても、さきほどと同じようにしっかりと円を描いた炎が出続けています。
スペック紹介でもお伝えしたように、マーベラスⅡは風防がついているため、特に後ろから吹く風に対しては強い特徴があります。
しかし今回の実験では火元に対して正面から平行に風があたっているため、風防はあまり機能していないはずです。ではなぜこのようにしっかりとした炎が持続していたのでしょうか。
風に強い秘密は風防リング
マーベラスⅡの火元周りをよーく見ると、火元を囲うように「風防リング」がついていることがわかります。
つまり、風を水平に当てた場合、風防リングが風を遮ってくれることで、円を描いた炎がしっかり上に伸びることができたということです。マーベラスの「風に負けない強さ」の秘密はこの風防リングが役立っていたことがわかります。
続いて、火元に対して斜め上から風をあてたときは、風防リングはあまり機能していないはずです。確かに風の強さによっては炎がかなり乱れていますが、なぜ相変わらず炎が消えずに円を描いて出続けることができたのでしょうか。
安定した火力は2種類の穴
またまた火元をよーく見ると、炎が出る穴がなんと282個空いており、しかも大きさが2種類あることがわかります。
これは、小さい穴をたくさん配置することで、炎の長さを短くすることができるため、風の影響を受けにくくすることができます。大きい穴は炎の長さを長くすることができるため、火力を大きくすることができます。
つまり、②の結果はこの282個の穴の力が発揮されていたことがいえます。
以上より、マーベラスⅡが風に負けない強さの秘密は以下の3つの仕様にあることがわかりました。
- 風防があること
- 風防リングがあること
- 炎がでる穴が282個設置されていること
実際のキャンプでは風の吹く方向はいつも同じとは限りません。
今回の結果でどの方向から風が吹いても風に負けない強さを備えたマーベラスⅡを使うことで、安心して料理に集中することができることでしょう。
イワタニ「カセットフー マーベラスⅡ」と他製品のカセットコンロの火力を徹底検証
マーベラスⅡが風に負けない強さを備えていることはおわかりいただけたと思いますが、先ほど記載したように家にあるカセットコンロではだめなのか・・・について比較実験を行ってみました。
結論から言うと、風に対する強さはマーベラスⅡの圧勝でした。
<最大出力>
- マーベラスⅡ:3,000kcal/h
- 一般的なカセットコンロ:2,700kcal/h
<検証条件>
- 先ほどと同様です。
他製品のカセットコンロの火力を徹底検証
<無風状態>
<風量:弱>
<風量:中>
<風量:強>
こちらは一般的なカセットコンロの検証結果を一覧にまとめたものになります。
比較検証結果
この結果からどのようなことが言えるでしょうか。先ほどのマーベラスⅡの結果と照らし合わせて比較してください。
- 風を正面から平行にあてた場合、マーベラスⅡでは炎はほとんど乱れていませんでしたが、こちらのコンロでは明らかに炎が風に流されているのがわかります。
- 風が吹いてくる向きによらず、風量が中~強になると、マーベラスⅡでは炎がしっかりと円を描いていたのに対して、こちらのコンロでは風が当たっている火元は一部完全に炎が消えています。
まず①の結果によると、先ほどのマーベラスⅡとは違い、こちらのコンロは風防リングがないため、正面から吹いてきた風を遮るものがありあせん。このため風が直接火元に当たることで炎が流されてしまったといえます。
一般的なカセットコンロの火元
先ほどと同様、一般的なカセットコンロの火元もよーく見てみました。
先ほどのマーベラスⅡと比較すると一目瞭然ですが、穴の数が少なく一つ一つの穴のサイズが大きいことがわかります。
つまり②の結果で炎が消えてしまったことの原因は・・・もうおわかりだと思うので説明は省略いたします(笑)
以上より、マーベラスⅡがなぜ風に負けない強さを備えているかについておわかりいただけたのではないでしょうか。
イワタニ「カセットフー マーベラスⅡ」のちょっと気が利くところ
イワタニ「カセットフー マーベラスⅡ」を買って満足したポイントを紹介します。
開栓つまみが奥に配置されているところ
こちらについては賛否両論あると思いますが、初代マーベラスからマーベラスⅡに進化するときに変更となった点になります。
一般的なカセットコンロは前側に開栓つまみがあることが多いと思います。前側にあることでON、OFF操作や火力調整がしやすいといえます。
一方、マーベラスⅡの開栓つまみは側面右奥に配置されており、少し手を伸ばして操作する必要があります。
しかし、開栓つまみが奥に配置されていることで、特に子供たちが勝手に火をつけたり、気が付かないうちに火力が変更されてしまったことがないように配慮されています。
火を扱うコンロだからこそ安全面を最優先にした設計がされているように思えます。さすがイワタニの商品と言えるのではないでしょうか。
収納ケースがいらないところ
マーベラスⅡには収納ケースが付属されていません。
一般的なカセットコンロの場合、五徳がむき出しになっているため、持ち運んでいる最中に五徳がずれ落ちたりして不便を感じることがあると思います。このため、購入したときの箱に入れて持ち運んだり、収納袋に入れて持ち運ぶ必要があります。
一方、マーベラスⅡは風防が五徳を保護するカバーにもなるため、カバーを閉じると突起物のないつるっとした状態になります。さらに、持ち手となるハンドルがついているため、わざわざ収納ケースがなくても自由に持ち運ぶことができます。
収納ケースがないとキズがつくのではと心配される方もいると思います。そういった方は別途準備していただいても結構ですが、マーベラスⅡの塗料は風防が高温になることを想定して耐熱塗料が使用されており、比較的キズにも強い仕様となっています。私は収納ケースを使わずに2年ほど使っていますが、特に目立ったキズもなく比較的きれいな状態が保たれています。
イワタニ「カセットフー マーベラスⅡ」のちょっと残念なところ
ここまではマーベラスⅡのいいところについてレビューしてきました。ここからはマーベラスⅡのちょっと残念なところをレビューしたいと思います。
カセットボンベ収納カバーが外れやすい
安全に使用するため、私は毎回カセットボンベを取り外していますが、カセットボンベの収納カバーを開け閉めしているとロックの力が弱くなってしまい、縦に持ち運ぶときに勝手に収納カバーが開いてしまうことが度々ありました。
初めのうちは我慢して使っていましたが、あまりにも持ち運びが不便だったので、ある時この金具をちょいと外側へ押してみたところ、しっかりと閉まるようになりました。
使い続けていくうちに、金具が押されて変形することで、ロックが甘くなってしまったのだと思います。
これ以外欠点の見当たらないマーベラスⅡですので、ぜひ繰り返し使用してもロックが甘くならないような構造にしていただきたいです。
イワタニ「カセットフー マーベラスⅡ」の比較検証レビューのまとめ
今回、マーベラスⅡの購入を考えている方が特に気になるポイントである≪火力≫に焦点をあて、風が当たったときの火力の安定性に関する検証や、一般的なカセットコンロとの比較検証を行いました。
繰り返しになりますが、マーベラスⅡはデザイン性、火力の強さ、火力の安定性、どれをとってもキャンプで使うことを想定した最適なカセットコンロであるといえます。
本格的な料理から手軽にお湯を沸かしたい時まで様々な状況で使用できるマーベラスⅡ、風を気にせず家庭用ガスコンロと同等の使い方が可能なマーベラスⅡ、その名にふさわしい素晴らしいコンロをぜひお手に取ってお使いください♪