ファーストエイドキット

ファーストエイドキットの中身を登山用とトレラン用に分けてアウトドアショップ店員が紹介!

ファーストエイドキットの中身を登山用とトレラン用に分けてアウトドアショップ店員が紹介!

これから登山やトレランを始める方、また登山やトレランをソロでやってみたい方が見落としがちなのが、「ファーストエイドキット」の重要性です。

私は普段アウトドアショップの店頭に立ち、初心者~玄人まで様々な登山者の相談を聞きますが、ギアやウェアに関する相談に対して、やはりファーストエイドキットに関しての相談は少ないです。

登山靴やレインウェアなど装備面で登山中のリスクを減らすことは勿論大切ですが、怪我をした後の対応に関しても考えなければなりません。

登山やトレランで使うファーストエイドキットとは?

登山やトレランで使うファーストエイドキットとは?

ファーストエイドとは、「応急処置」のことで、ファーストエイドキットは文字通り応急処置に使用する道具です。

登山中の怪我にはどんなものがあるでしょうか?
スリップによる転倒で打撲、木の枝で裂傷、つまずきによる捻挫etc..

またこれらの外的リスクに加え、持病の発作や疲労による行動不能など様々な内的リスクもあるでしょう。

今回はファーストエイドキットの中身を登山用とトレラン用に分けて解説していきますので、これから作られる方は是非参考にしてみてください。また、もう既に作られている方はアイテムの見直しをしてみるのも良いでしょう。

登山用ファーストエイドキットの中身のおすすめと選び方

登山用ファーストエイドキットの中身のおすすめと選び方

ファーストエイドキットの中身は、登る山や山行スタイルによっても変わるのが普通です。しかし、あれもこれもと持っていくとザックが重くなってしまいますし、少なすぎてもいざという時に困ります。

そこで必要最低限の基本アイテムの選び方やおすすめを紹介していきます。

①絆創膏

登山中のちょっとした擦り傷は、その時は大した事なくても傷口から菌が入ったりして、治癒に時間がかかったりします。絆創膏は、傷口に合わせ様々な大きさのものを選びます。防水タイプのものは少し高価ですが、汗をかいても剥がれにくいのでおすすめです。

②包帯

患部を保護したり、止血の際に圧迫したりするため使用します。なるべく伸縮するタイプを選びましょう。

③テーピング

捻挫や骨折の際に患部を固定するために使用します。

また、事前に足や手に貼ることで筋肉の動きをサポートし、怪我の予防にもなります。様々な巻き方があるので調べておきましょう。

種類によって幅がありますが、患部に比べて大きければ切って細くすればよいので、おすすめは汎用性の高い40mm~50mm幅を選ぶと良いです。

④滅菌ガーゼ

包帯やテーピングで直接患部を抑えると、傷口に直接くっ付いてしまったり、異物が入る可能性もあるのでガーゼを挟んで保護します。

⑤使い捨ての手袋

他人の手当をする際など、血液や嘔吐物による感染症を防ぐために使用します。ビニール製は避け、手にフィットする薄手のゴムタイプがおすすめです。

⑥ハサミ

絆創膏やガーゼ、包帯などを患部に合わせてカットしたり、場合によっては手当に邪魔な衣服を切るためにも使います。携帯しやすいミニタイプがおすすめです。

⑦毛抜き

木の破片など皮膚に刺さった異物を除去するために使用します。
ステンレス製がさびにくいのでおすすめです。

⑧爪切り

登山中に手足の爪が割れてしまった際に使用します。爪の間に異物が混入した際も取り出しやすくなります。
ステンレス製がさびにくいのでおすすめです。

⑨急速冷却パック

衝撃を与えることで化学反応を起こし冷却材になるパックで、打撲部位や長時間の山行で疲れた脚や膝に当てることでアイシングが出来ます。夏場は熱中症対応にも使用できます。

⑩三角巾(手ぬぐい)

骨折時の固定用、患部の圧迫止血用、包帯ではカバーしきれない大きさの患部を保護するために使用します。三角巾が無ければ手ぬぐいでも代用できます。

⑪ステロイド軟こう

虫刺されや植物によるかぶれや炎症を抑えてくれ、患部を殺菌することで感染症の予防にもなります。一回の使用量はそこまで多くないので小さめのサイズで十分です。

ただし山の中でアレルギー等が起こると危険なので、事前にチェックしておきましょう。

⑫エマージェンシーシート(サバイバルシート)

低体温症の疑いがある場合、遭難時などに身体を覆うことで、体温の低下を防ぎます。ポケットティッシュサイズのものが携帯に便利です。

⑬ポイズンリムーバー

虫に刺された際、傷口から毒を出すことで炎症を防ぐアイテム。特に夏場の虫の多い時期などは持っておくと活躍します。患部の大きさに合わせ、アタッチメントが複数あるタイプが便利です。

⑭常備薬

普段持病がある方や、腹痛や頭痛になりやすい方は登山中の発病に備えて必ず薬を携帯しましょう。同行者がいる場合は、薬を所持していることを事前に伝えておくことも大切です。

<頭痛薬>

<腹痛薬>

⑮ゴミ袋(ジップロック)

患部を拭いたガーゼや交換した絆創膏、嘔吐物などを捨てる袋を用意しましょう。ジップロックなど密閉タイプがあれば、臭いも抑えられるので合わせて数枚携帯すると良いです。

一式がセットになったファーストエイドキット

ここまで紹介してきましたが、ファーストエイドキットには沢山のアイテムが必要になります。
これらを揃えていくのは大変な作業になり、初心者にはハードルが少し高いかもしれません。

そんな方には、一式がセットになったものも市販されているのでまずはこちらを購入しても大丈夫です。

ただし、一式がセットになったものはアイテム毎の入数が少なかったり、対応しきれない怪我が多かったり、万能ではないので後々自分で買い足してカスタマイズしていくことが大切です。

トレラン用ファーストエイドキッドの中身の選び方とおすすめ

ファーストエイドキットは、登山、沢登り、フリークライミングetc..様々な山行スタイルによってカスタマイズすることが大切です。ここでは、最近競技人口が増えている「トレイルランニング(以後トレラン)」を例にとって説明していきます。

トレランでは、ザック10L 以下の軽装で山を駆け抜けるのが普通で、水や装備などは最低限で挑みます。おそらく、ファーストエイドに関してはあまり重要視されていない方が多いと思います。

しかし、トレランは通常の登山と比較して圧倒的に怪我の多い山行スタイルです。走っている最中に草で脚を切ったり、木の根っこに足を取られ転倒して骨折などはよく聞く話です。トレランでは、軽量性と携帯性を考えつつ、最低限のファーストエイドキットを持つべきです。

以下は携帯してほしいアイテムです。

  1. 絆創膏
  2. テーピング

③サムスプリント

特殊な変形素材で、骨折や捻挫時の添え木の代わりになります。軽量でカットして使えるので最低限必要な量を携帯しましょう。

以下のアイテムは状況によって加えます。

④携帯酸素缶

スカイランニング(高山を走るレース)などでは低地から標高を一気にあげるため、高度順応が追い付かず低酸素状態になる場合があります。ある程度重量はありますが、念のため携帯しておくことをオススメします。

酸素缶以外は、その山行ごとに必要な量を絞って持っていけるので、重くならないよう計算してファーストエイドキットを組みましょう。

最近は、最低限の医療キットの携帯を義務づけているトレイルレースも増えてきているので、ランナーの方は是非とも準備しておきましょう。

ファーストエイドキットはポーチに入れる前に小分けで防水

ファーストエイドキットはポーチに入れる前に小分けで防水

これはちょっとしたコツになりますが、ファーストエイドキットに入れるアイテムは全てジップロック等水の入らない防水袋に入れておくことをオススメします。

これは私の経験ですが、大雨の日にザックの中身が浸水してしまい、その際に絆創膏やガーゼが濡れてしまいました。

雨にぬれるとダメになってしまうアイテムは特に、防水袋に入れた状態でポーチなどの収納袋に入れましょう。収納袋によっては撥水仕様のものもあると思いますが、念のため中身も保護しておくと安心です。

また、ファーストエイドキットに入り切らなかったアイテムは、自宅用の救急セットにも出来るので、自宅でのちょっとした怪我や、災害用の防災グッズにもできてしまいます。

登山用とトレラン用ファーストエイドキットの中身のまとめ

登山用とトレラン用ファーストエイドキットの中身のまとめ

ファーストエイドキットの中身に関して、登山用とトレラン用でここまで解説してきましたが、これらのアイテムを全て揃えただけで満足してはいけません。

登山の道具と同じで、使い方を知ってこそ役に立つものです。登山の事故は事前に予測できないので、自分には起こらないと考えず、想像力を働かせて準備することが大切です。

登山におけるファーストエイドの手順に関しては、経験者に聞いたり、本を読んだりして勉強しておきましょう。

ここまで参考になれば幸いです。

ABOUT ME
inuyama kei
inuyama kei
大学時代は探検部に所属し、部長を務めながら登山・ラフティング・サイクリング・沢登りなど様々なアウトドアスポーツにのめり込む。現在は某アウトドアブランドのショップで働き、地元広島を中心に登山を楽しんでいる。