キャンプに手軽に導入できる暖房器具である湯たんぽは、キャンプブームとともに年々需要が高まっています。
いくつか種類がある中でも繰り返し使える充電式の湯たんぽはお湯を沸かす手間もなく安全性も高いので人気ですが、お湯を入れて使うタイプより優しい暖かさなので寒空の中キャンプで使って暖まれるのか、安全性は本当に高いのか疑問に思う方も多いはず。
そこで今回の記事では充電式湯たんぽについて徹底検証します!気になる仕組みや安全性についても解説しますので購入を迷っている方は参考にしてくださいね。
※記事中の充電式湯たんぽは一般的に多く流通しているコンセントで充電するタイプとなります。
充電式湯たんぽの仕組みや使い方は?
充電式湯たんぽについて調べるとその危険性について触れている記事も多いです。使う前に中身の仕組みを知っておくと安心して使うことができるので、まずは充電式湯たんぽの基本的な仕組みや使い方を解説しますね。
暖める仕組みは?
充電式湯たんぽは、タンク内の水や蓄熱液と呼ばれる液体が内部に搭載されたヒーターによって加熱され、そこから発生した熱が湯たんぽ全体に伝達していくことで熱を継続させる仕組みとなっています。仕組み自体はとても単純なもので、ヒーターが搭載している点が他の種類の湯たんぽとは大きく違うところです。
充電式だけどon/off機能が付いてない
充電式湯たんぽと聞けば、家庭で充電してキャンプに持っていき、現地で使えるというイメージですが、on/off機能が付いていない湯たんぽが主流なので、キャンプではポータブル電源か電源サイトを利用して、現地で充電する使い方になるので、注意しましょう。
使い方(充電方法)は簡単
使い方はコンセントに挿して10~20分程度充電するだけです。充電時にはカバーから外す必要があったり、本体を平らにしておく必要があるなど細かな注意点はありますが、難しいものではありませんよ。
充電式湯たんぽの選び方
キャンプで使う充電式湯たんぽは以下のポイントで選ぶと安心です。
充電方法
充電式湯たんぽの充電方法は主にUSBタイプとコンセントタイプの2種類ありますが、一般的なものはコンセントから充電し蓄電を行うタイプとなります。コンセントにつなぐタイプの方が安定した電力で充電することが可能で、かつ充電時間は短く使用時間は長いのでキャンプでも安心して使うことができますよ。USBタイプの湯たんぽはどちらかというとカイロやハンドウォーマーに近い商品が多いです。
サイズ
充電式湯たんぽはサイズも様々です。寝る前にシュラフの中に入れて使う場合には大きいサイズを、持ち運びのしやすさを重視するならコンパクトなサイズを選ぶようにしましょう。大きめのサイズの湯たんぽの方が蓄熱時間も長い傾向があるので、その点も併せて確認してくださいね。
充電時間や蓄熱時間
充電時間や蓄熱時間は使い勝手の良さを左右する重要なポイントなので必ずチェックしてくださいね。コンセントで充電するタイプの湯たんぽの多くは、10~20分程度の充電時間で5~8時間程度蓄熱が続きますが、商品によっても使用する環境によってもこの時間は前後します。
充電時間が短いものであれば事前の充電を忘れていてもキャンプに行く直前に充電すれば持って行けますし、蓄熱時間が長ければ就寝時でも長時間暖かく快適に寝られますよ。
安全性能
充電式湯たんぽは内部にヒーターが内蔵してあるので、安全に使えるよう配慮されているものを選ぶようにしましょう。
例えばセーフティーロック機能が搭載されていると、電源を入れたまま長時間使用せず放置した場合に電源をオフにしてくれます。他にも既定の温度以上になると自動的に電源がオフになるものなどがあるので、安全に使うためにもどのような安全機能が搭載されているかは確認してくださいね。
キャンプで使える?Keyniceの充電式湯たんぽのレビュー
扇風機でも人気のKeyniceの充電式湯たんぽを使ってみた使用感をレビューします。実際に冬キャンプで使える温かさがあるのか?使用時間は朝まで持つのか?検証するので、充電式湯たんぽ選びの参考になればうれしいです。
※測定温度は外気温によって変わります。
充電時間は?
346whのPowerArQミニを使用して、Keyniceの充電式湯たんぽを充電してみました。
残量が97%から充電して、出力が253~272wの間で13分51秒で充電完了しました。残りのバッテリー残量は78%だったので、約65wで充電できます。
充電時間は前日に家庭ACコンセントで充電した時は、18分37秒だったので、気温や環境によって多少の誤差があるようです。
温かさは?
Keyniceの充電式湯たんぽを、カイロ代わりに屋外で使用した時の温度変化を検証してみました。
時間 | 気温 | 温度 |
---|---|---|
スタート | 15.2℃ | 58.4℃ |
1時間30分後 | 11.5℃ | 46.8℃ |
3時間後 | 9.2℃ | 36.0℃ |
4時間後 | 7.7℃ | 33.6℃ |
4時間後には触って少し暖かさを感じる程度なので、Keyniceの充電式湯たんぽを屋外で使用する場合は、4時間を目安にしておいた方が良さそうですね。
朝まで持つ?
テント内の温度が、就寝前が8.6℃、最低気温が5.9℃の環境下で、Keyniceの充電式湯たんぽを寝袋で使用した時は、6時間後の温度が25.3℃だったので、触ってもほとんど温かさを感じませんでした。最低気温が12℃の時は7時間後でも33.6℃を保っていたので、使用環境によって大きく変わるようです。
キャンプで使える?
キャンプでは、秋から初冬にかけては使用できそうですが、真冬の環境では朝まで温度を保つことは難しい結果となりました。真冬のキャンプでは、カバーが2重構造なので中に手を入れて温めたり、椅子に座った状態で脚の上に置いて暖をとる使い方が良さそうですね。
また、朝まで持たなくても短時間で充電することも可能なので、少し手間がいりますが再充電するのもありですね。
キャンプにおすすめの充電式湯たんぽ
お待たせしました!ここからは、おすすめのカセットガスストーブを紹介します。
Keynice 充電式湯たんぽ
本体サイズ | 幅24.6×縦15.7 ×厚さ3.8cm |
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重量 | 約1.5kg |
充電時間 | 約15分 |
蓄熱時間 | 約6~10時間 |
消費電力 | 270W |
1回15分前後の充電で6~10時間と長時間使用できます。温度が65度以上になると自動的に電源がオフになる機能が搭載しているので低温火傷などのリスクも低くなりますね。電気代は1回の使用で約1.8円と経済的です。
Rilobi 充電式湯たんぽ
本体サイズ | 約幅28 ×縦19cm |
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重量 | 約1.5kg |
充電時間 | 約8~12分 |
蓄熱時間 | 3~5時間(室内)8~10時間(布団内) |
消費電力 | 420W |
充電が最短8分でできるのでキャンプの就寝前でもすぐに温まります。充電時間が短いにもかかわらず、蓄熱時間は布団内であれば最大10時間と長いです。75度以上になると自動的に電源が切れるので安全性も心配いりませんね。
Ankipo 充電式湯たんぽ
本体サイズ | 幅26 ×縦18.5 ×厚さ3.5cm |
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重量 | 約1.7kg |
充電時間 | 約15分 |
蓄熱時間 | 約2時間(室内) 約12時間(布団内) |
消費電力 | 400W |
温度が70度以上になると電源が切れる他、通電安全装置、温度調節器、温度ディスプレイ付きで安全性が非常に高いです。蓄熱時間が布団内で最大12時間なので、寒さで目が覚めることなく快適に眠ることができますね。
Mimall 充電式湯たんぽ
本体サイズ | 幅28 ×縦19cm |
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重量 | 約1.5Kg |
充電時間 | 約8分 |
蓄熱時間 | 約9~12時間 |
消費電力 | 約400W |
たったの8分の充電で最大12時間も温かさが持続します。中央は空洞になっていて手などを入れることができるので、指先の冷えが気になる方にとっては特に使い勝手が良いです。自動電源オフ機能も搭載しています。
IFUDO 充電式湯たんぽ
本体サイズ | 幅23 ×縦18 ×厚さ8cm |
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重量 | 約1.1kg |
充電時間 | 約20分 |
蓄熱時間 | 3~4時間(室内) 6~8時間(布団内) |
消費電力 | – |
お値段2,000円以下と、繰り返し使える充電式湯たんぽの中でも低価格なので試しに使ってみたい方にもおすすめです。重量が約1.1kgと軽いので、持ち運びもしやすいですしお腹の上に置いて使ってもストレスがありませんよ。
スリーアップ 充電式湯たんぽ
本体サイズ | 幅22 ×縦27 ×厚さ4.5cm |
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重量 | 約1.6kg |
充電時間 | 約20分 |
蓄熱時間 | 3~4時間(室内)6~8時間(布団内) |
消費電力 | 最大400W/平均270W |
蓄熱温度が強(約60度)と弱(約40度)の2段階あるので、自分の好みの温度で使うことができます。クッションのような見た目が可愛らしく、ぷにゅっとした柔らかい感触にも思わず虜になってしまいますよ。
コーナン オリジナル充電式湯たんぽ
本体サイズ | 幅22 ×縦27 ×厚さ4.5cm |
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重量 | 約1.7kg |
充電時間 | 約20分 |
蓄熱時間 | 3~4時間(室内)6~8時間(布団内) |
消費電力 | – |
ホームセンターコーナンのオリジナルの充電式湯たんぽは、充電1回あたりの使用が約2.5円となっています。シルキーベージュの優しい色合いはどんなキャンプサイトでもマッチしますね。
充電式湯たんぽの捨て方
充電式の湯たんぽを廃棄する際は「小型家電」に当たるので、各自治体の捨て方に従って捨てるようにしましょう。
捨てる前には中身の水や蓄熱液を廃棄することになります。蓄熱液に何が使われているのか確認して「水」もしくは「弱塩化ナトリウム水溶液」であればそのまま水道に流してしまって問題ありません。ちなみに、弱塩化ナトリウム水溶液とは食水を薄めたようなものになりますよ。
もし中身が他の種類の蓄熱液の場合はこの限りではありませんので、個別に捨て方を確認したり、メーカーに問い合わせるようにしてくださいね。
充電式湯たんぽが温まらない?ランプがつかない時は?事故には注意!
充電式湯たんぽを使っていると、様々な要因から充電されなかったり湯たんぽ本体が温まらないなどトラブルが起こることがあります。
湯たんぽが温まらない?ランプがつかない
使用している湯たんぽにセーフティーロック機能が搭載されている場合、この機能がオンの状態のままだと通電されず湯たんぽが温まらないことがあります。もし温まらなかったらロック機能がオンになっていないか確認しましょう。
そもそも充電自体できない場合は湯たんぽそのものの寿命ということもあり得ます。内部に搭載されているヒーターは繰り返し使うことで劣化していき、寿命は使っている環境や使い方も大きく影響するので明確に「○回充電したら寿命」とは言えません。商品によっては大体の充電回数が書いてある場合もあるので気になる方は寿命の表記があるかを確認するのもおすすめです。
事故には注意
どのような商品でも言えることではありますが、ヒーターやバッテリーを搭載している充電式湯たんぽもまた、取扱説明書に記載の正しい使い方を守らないと重大な事故につながる危険性があります。
例えば充電中に湯たんぽを縦置きにしたり、布団やシュラフの中に入れたままにしたり、カバーをしたまま充電するとバッテリーやヒーターの破損につながる他、爆発や発火といった事故につながる可能性があるので注意しましょう。
充電式湯たんぽは安全?
2012年には販売した湯たんぽが身体に危害を及ぼすなどの重大な事故につながる恐れがあるとして当該メーカーが自主回収を行ったという実例があり、充電式湯たんぽの危険性を危惧する人は少なくありません。
ですが、度重なる技術改新により昔と比較すると格段に充電式ゆたんぽの安全性は向上しています。使い方さえ間違えなければキャンプで活躍する非常に便利な暖房器具ですので、使用前には必ず注意事項を読み、いい加減な使い方をしないようにしましょう。
まとめ
充電式湯たんぽは使い方さえ間違えなければ、キャンプで活躍する安全で繰り返し使えるエコな暖房器具です。お湯を入れるタイプよりも優しい暖かさにはなりますが、肌触りの良い生地に中身の柔らかさも相まって使っているとホッとした気持ちになりますよ。キャンプに行く当日に「少し冷えるかな」と思ったら、サッと充電できる点もキャンプで重宝したくなるポイントです。