手頃に暖が取れるカセットガスストーブは、持ち運びも扱いも簡単なのでキャンプの暖房器具としても活躍します。ですが正直、カセットガスを使うとなると「割高では?」と感じる方も多いですよね。カセットガス1本でキャンプでどれだけ暖まれるか疑問に感じている方も少なくないはず。
そこで今回は、カセットガスストーブの気になるコスパや暖かさについて実際に検証、比較していきます!これを読めば、キャンプに使えるカセットガスストーブについての気になる点が解消されますよ。
アウトドアにはカセットガスストーブがおすすめ!
まずは、カセットガスストーブのどのようなところがキャンプにおすすめなのかお伝えします。
電気いらないからサイトを選ばない
これからの寒い季節は電源サイトの予約はあっという間に埋まってしまいますし、金額も高くなってしまいます。景観の素晴らしいキャンプ場や区画に縛られず開放感が味わえるフリーサイトは電源サイトそのものを設けてないことも多いです。
カセットガスストーブはその名の通り、カセットガスさえあれば暖が取れ、ホットカーペットやファンヒーターのように電源がいりません。そのため、キャンプサイト選びの際、電源サイトに縛られることがありませんよ。
軽量・コンパクト
カセットガスストーブはコンパクトなモデルが多いのもポイント。灯油やガソリンと違って燃料であるガスそのものも重くないので、燃料とセットで考えても軽量で持ち運びがしやすいです。
燃料の管理が簡単
燃料に灯油やガソリンを使う暖房器具だと、いかに安全にキャンプ場に持って行くか悩みますよね。万が一荷台で倒れて燃料が漏れれば、嫌な臭いが充満するだけでなく大事なギアを破損させたり、あるいはもっと大きな事故につながる可能性もあります。
カセットガスはコンテナなどにも入れやすく倒れても燃料が漏れたりする心配もないですし、臭いが気になることもありません。安全にキャンプを楽しむためにも、燃料の管理が簡単なのは大事なポイントです。
カセットガスストーブの屋外用と屋内用の違いは?
カセットガスストーブを検索すると「屋外用」や「屋内用」と表記されている場合があります。キャンプに持って行くとしたら「屋外用」を選んでしまいそうですが、そもそも、「屋外用」と「屋内用」にどのような違いがあるのか気になりますね。ここでは「屋外用」と「屋内用」の違いについてと、キャンプで選ぶべきカセットガスストーブの種類について解説します。
「屋内用」には法的規則がある
「屋内用」のカセットガスストーブには次の3つの装置を付けなければいけないという法的規則があります。
転倒防止装置 | ストーブに強い衝撃が加わったり、倒れたりした際に自動的にストーブを消化する装置 |
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立ち消え安全装置 | 使用中に風などによって火が消えた場合に、自動的にストーブを消化する装置 |
不完全燃焼防止装置 | 室内の酸素濃度が低くなった時に、不完全燃焼を起こす前に自動的にストーブを消火する装置 |
「屋外用」と記載されている場合はこれらの装置の一部が付いていないため、安全上の理由で屋内での使用ができません。
キャンプでは「屋内用」を使用する方が安心
アウトドアであるキャンプでは「屋外用」を使用しても問題ないように考えてしまいますが、テント内で使用する場合は必ず「屋内用」を使用してください。
テント内は密閉された空間になりやすく、換気などに細心の注意を払って使用している場合でも誤ってストーブを倒してしまったり、風によって気付いたら火が消えてしまっていることも十分考えられます。こういった事態が重大な事故につながるのを防ぐためにも、安全装置がしっかりと備わっている「屋内用」を選んでくださいね。
カセットガスストーブの選び方
キャンプで使うカセットガスストーブは以下のポイントで選びましょう。
サイズ
カセットガスストーブには足元などを重点的に暖めるコンパクトなサイズから空間を全体的に暖める大きめのサイズまで、様々なサイズがあります。どのようなシーンで使うのかはもちろん積載のしやすさや持ち運びのしやすさなどもサイズによって変わってくるので、自分のキャンプスタイルに合うものを選びましょう。
燃焼時間
ガス1本でどれくらいの時間燃焼可能かもチェックをしましょう。ガス1本あたり2~3時間程度の燃焼時間をだいたいの目安とすると選びやすいです。暖房能力の高いものは燃焼時間が短い傾向にあるので、暖房能力と燃焼時間のバランスを考えるのがおすすめです。
最大発熱量
カセットガスストーブの暖房能力は「kW」や「kcal/h」で表記される発熱量でほとんど決まります。数字が大きければ大きい程発熱量が大きく、暖房能力に優れているという証になります。
もちろん、寒い中でのキャンプで使う時には発熱量の大きいものがおすすめですが、発熱量が大きいとその分ガスの消費も激しいので替えのガスが多く必要になるので注意が必要です。
安全性
キャンプで使う上で安全性が高いかどうかの確認は必要不可欠です。先ほど「キャンプでは安全装置が備わった屋内用を使用する」旨をお伝えしましたが、商品紹介文に必ずしも「屋内用」と明記がある訳ではありません。
そのため、自身でそのカセットガスストーブに「不完全燃焼装置」「転倒時消火装置」「立消え安全装置」といった安全装置の有無があるかを確認するのはもちろん、必ず使用前に取扱説明書に記載の注意点を読むようにしましょう。
マイ暖をキャンプで使ってみた
イワタニのマイ暖(900kcal/h)の発熱量で、どれぐらいの暖かさがあるのか?燃焼時間はどれくらいなのか?テントのサイズ(ソロ・デュオ・ファミリー)でどれぐらいの温度変化があるのか?の3つを検証したので、カセットガスストーブ選びの参考になればうれしいです。
外気温が8~6.2℃の間で行っていますが、環境によって多少の誤差があります。
どれぐらい暖かい?
キャンプチェアに座って、イワタニのマイ暖(900kcal/h)の発熱量で、カセットガスストーブ無しの状態、有りの状態、前かがみの状態でどれぐらい暖かいか?サーモグラフィーで可視化して、腰のあたりの温度も計測しました。
カセットガスストーブ無し | 15.1℃ |
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カセットガスストーブ有り | 29.2℃ |
前かがみの状態 | 32.1℃ |
カセットストーブ無しの状態に比べ、胸のあたりまで赤くなっており、暖かさを感じていますが、範囲は狭いので、一人もしくは2人での使用が実用的ですね。
燃焼時間
マイ暖の燃焼時間は3時間20分程度で、1泊2日のキャンプなら使い方にもよりますが、3本程度準備しておけば、暖かく過ごすことができますよ。
サイズによるテント内温度の違い
テントのサイズ(ソロ・デュオ・ファミリー)でテント内が何度上昇するのか?検証してみました。
今回の検証は安全面に十分な配慮の上行っております。テント内での火気の使用については、メーカー推奨の使用法にならい正しくお使いください。また、テント内で火器を使用する際は換気を十分に行い、一酸化炭素報知器を必ず使用しましょう。
テント | ソロティピー TC |
サーカスTC | ゼグーM |
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サイズ | ソロ | デュオ | ファミリー |
5分後 | +1.9℃ | +0.5℃ | +0.2℃ |
10分後 | +2.4℃ | +0.6℃ | +0.2℃ |
15分後 | +1.3℃ | +0.5℃ | +0.3℃ |
20分後 | +1.0℃ | +0.4℃ | +0.3℃ |
上昇温度 | +6.6℃ | +2.0℃ | +1.0℃ |
マイ暖(900kcal/h)の発熱量では、ソロサイズのテントなら暖めることはできます。マイ暖より発熱量が大きいカセットガスストーブであれば、デュオサイズのテント内温度も上昇させることはできますが、ファミリーサイズではあまり効果の期待が持てません。
キャンプで使用してみて
カセットガスストーブは手軽に使えて持ち運びにも便利ですが、他のストーブと比べ火力が弱く、暖める範囲も狭いので、ソロやデュオキャンプなど小人数には適しています。大人数でのキャンプにはあまり向いていないので、2つ用意するか、別のストーブの検討をおすすめします。
キャンプにおすすめのカセットガスストーブ
お待たせしました!ここからは、おすすめのカセットガスストーブを紹介します。
Iwatani(イワタニ)マイ暖
本体サイズ | 幅31.2 ×奥行き22.2 ×高さ29cm |
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重量 | 約2.6kg |
最大発熱量 | 1.0kW(900kcal/h) |
連続燃焼時間 | 約3時間20分 (弱:約3時間55分) |
安全装置 | 不完全燃焼防止装置、立消え安全装置、転倒時消火装置、圧力感知安全装置 |
イエアタニのマイ暖は点火約1分で暖が取れます。しっかり暖かいのに軽量でコンパクトなので、キャンプ中「ちょっとここに暖房が欲しい」という時に持ち運びがしやすいです。少しの衝撃で消化してくれるので安全性も高いです。
Iwatani(イワタニ)デカ暖
本体サイズ | 幅34.9 ×奥行き28 ×高さ40.8cm |
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重量 | 約4.1kg |
最大発熱量 | 1.35kW(1,150kcal/h) |
連続燃焼時間 | 約2時間30分 |
安全装置 | 不完全燃焼防止装置、立消え安全装置、転倒時消火装置、圧力感知安全装置 |
amazonのガスファンヒーターカテゴリーでベストセラー1位を獲得するほど人気のカセットガスストーブです。イワタニ独自特許の構造により、小型石油ストーブ並みの暖かさを再現してくれるので、冬キャンプでもしっかり暖まることができますよ。
SENGOKU Aladdin(センゴクアラジン)シルバークイーン
本体サイズ | 幅37 ×奥行き29.6 ×高さ33.5cm |
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重量 | 約4.2kg |
最大発熱量 | 1.4kW(1,200kcal/h) |
連続燃焼時間 | 約2時間30分 ~7時間 |
安全装置 | 不完全燃焼防止装置、立消え安全装置、転倒時消火装置、圧力感知安全装置 |
全面が反射板となっていて、点火後すぐに熱を前面に反射するので即暖性が高いです。弱燃焼時は約7時間、空間を心地よく暖めてくれますよ。風防板が備わっていて風に強くなっているのもキャンプでは心強い設計です
SENGOKU Aladdin(センゴクアラジン)ポータブルガスストーブ
本体サイズ | 幅32 ×奥行き33.5 ×高さ39cm |
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重量 | 約5.7kg |
最大発熱量 | 2.0kW(1,700kcal/h) |
連続燃焼時間 | 約1時間40分 ~4時間20分 |
安全装置 | 不完全燃焼防止装置、立消え安全装置、転倒時消火装置、圧力感知安全装置 |
アラジンの定番石油ストーブ「ブルーフレーム」を彷彿とさせるデザインです。点火するとブルーフレームの特徴の1つでもある青く美しい炎が現れます。燃焼状態がこの青い炎で確認することができ、美しいだけでなく高い発熱量も魅力のカセットガスストーブです。
ニチガス どこでも暖坊
本体サイズ | 幅31.5 ×奥行き25.5 ×高さ37.5cm |
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重量 | 約4.1kg |
最大発熱量 | 2.2kW(1,900kcal/h) |
連続燃焼時間 | 約1時間33分 ~2時間10分 |
安全装置 | 不完全燃焼防止装置、立消え安全装置、転倒時消火装置、圧力感知安全装置、ヒートパネル搭載 |
非常にパワーがあり、点火後はすぐに暖かさが感じられるほど高火力です。寒空の中でのキャンプでもすぐに暖まれるのは嬉しいですね。パワーはありますがその分ガス消費量も多く、燃焼時間は弱モードで使っても2時間程度しかもたないので計画的に使用しましょう。
NITINEN(ニチネン) カセットボンベ式ガスヒーター
本体サイズ | 幅29.8 ×奥行き19.8 ×高さ24.6cm |
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重量 | 約2.7kg |
最大発熱量 | 0.9kW(800kcal/h) |
連続燃焼時間 | 約3時間40分 |
安全装置 | 不完全燃焼防止装置、立消え安全装置、転倒時消火装置、圧力感知安全装置、容器(ボンベ)着脱安全機構、容器(ボンベ)誤装着防止機構 |
カセットボンベ1本で約220分利用できる省エネさと、落ち着いた色合いもキャンプで使いやすいと人気のカセットガスストーブです。安全装置が6つ備わっているので、テント内でストーブを使用するのに抵抗がある方でも安心して使用することができますよ。
LOGOS × SENGOKU Aladdin パノラマガスストーブ
本体サイズ | 幅33 ×奥行き33.5 ×高さ38.6cm |
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重量 | 約6.3kg |
最大発熱量 | 2.0kW(1,700kcal/h) |
連続燃焼時間 | 約1時間40分~約4時間20分 |
安全装置 | 圧力感知安全装置(閉止型)、立消え安全装置、転倒時消火装置、不完全燃焼防止装置 |
SENGOKU AladdinのポータブルガスストーブのLOGOS限定カラーとなります。LOGOSらしさのある自然なグリーンな色合いに四方ガラスがはめ込まれた独自のデザインで、他と被らないデザインを探している方におすすめのストーブです。
LOGOS × SENGOKU Aladdin シルバークイーン
本体サイズ | 幅37 ×奥行き29.6 ×高さ33.5cm |
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重量 | 約4.2kg |
最大発熱量 | 1.4kW(1,200kcal/h) |
連続燃焼時間 | 約2時間30分~約7時間 |
安全装置 | 圧力感知安全装置(閉止型)、立消え安全装置、転倒時消火装置、不完全燃焼防止装置 |
こちらもLOGOS限定カラーのシルバークイーンです。デザインだけでなく2層の放熱ネットを採用したことによる生まれる暖房能力が魅力の1台です。優しい暖かさと充実した安全装置が備わっているのでお子さま連れのキャンプでも安心して使用できますよ。
KOVEA(コベア)Cupid ポータブルガスヒータ
本体サイズ | 幅19.2 ×奥行き28.6 ×高さ15.2cm |
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重量 | 約1.8kg |
最大発熱量 | – |
連続燃焼時間 | 約3時間 |
安全装置 | 圧力感知安全装置 |
シングルバーナーが人気の韓国ブランドKOVEA(コベア)のカセットガスストーブです。キャンプでストーブを使ってみたいけど、積載するスペースがないという方にもぴったりなコンパクト設計になっていますよ。コンパクトながら燃焼時間は約3時間と長いです。
冬キャンプで使うカセットガスは低温対策ガスが安心
使用するカセットガスは低温対策ガスがおすすめです。
寒い季節にキャンプに行った際、カセットガスストーブのようにガスを燃料とするバーナー類などのキャンプギアが点かない、もしくは点いたとしても火が弱くて全然使い物にならないといった経験はありませんか?カセットガスは100円ショップやホームセンターなどどこでも気軽に購入できる燃料ではありますが、お手頃な価格のものだと気温が低い中で使うと火力が弱くなる可能性が高いです。
アウトドアショップで販売している寒い時期に屋外で使うことを想定とした低温対策ガスであればそういったトラブルを回避できますよ。値段は少し高くはなってしまいますが、寒い中でこそ使いたいカセットガスストーブが寒さを理由に機能しなくなっては本末転倒です。低温対策ガスを購入の際はメーカーによって名称が変わってきますので注意してくださいね。
※カセットガスはメーカー推奨のボンベを使用しましょう。
カセットガスストーブ使用時は一酸化炭素中毒に注意
どれだけ安全装置が備わっていても、テント内でカセットガスストーブを使用する際には細心の注意が必要です。特に一酸化炭素中毒には気を付けましょう。
キャンプは屋外なのでつい油断してしまいますが、寒いとベンチレーションを閉めたままであったり、フルクローズで過ごしたりとテント内は気付かないうちに密閉空間になりがちです。
楽しいひと時を暖かく安全に過ごすためにも、十分な換気を心掛けるのはもちろん、一酸化炭素中毒の危険を知らせる警報機を付けるなどして対策をするようにしましょう。
カセットストーブどれが安い?コスパ比較!
ブランド名 | Iwatani | Iwatani | SENGOKU Aladdin | SENGOKU Aladdin | ニチガス | NITINEN | LOGOS × SENGOKU Aladdin |
LOGOS × SENGOKU Aladdin |
KOVEA |
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マイ暖 | デカ暖 | シルバークイーン | ポータブルガスストーブ | どこでも暖坊 | ミセスヒート イヴ | パノラマガスストーブ | シルバークイーン | Cupid | |
ガスボンベ1本 燃焼時間 |
3時間20分 | 2時間30分 | 2時間30分 | 1時間40分 | 1時間33分 | 3時間40分 | 1時間40分 | 2時間30分 | 3時間 |
発熱量 | 900kcal/h | 1,150kcal/h | 1,200kcal/h | 1,700kcal/h | 1,900kcal/h | 800kcal/h | 1,700kcal/h | 1,200kcal/h | – |
価格 | ¥9,460 | ¥11,620 | ¥36,000 | ¥34,300 | ¥8,980 | ¥12,800 | ¥42,800 | ¥39,800 | ¥7,405 |
商品 | |||||||||
商品リンク | amazon | amazon | amazon | amazon | amazon | amazon | amazon | amazon | amazon |
※価格は2021年11月現在の価格なので商品リンクから金額をご確認ください。
まとめ
キャンプの寒さ対策はハードルの高いものが多いですが、カセットガスストーブはコンパクトで軽量なモデルが多く、気軽に導入できる暖房器具の1つです。石油ストーブや薪ストーブのように高火力がずっと続くわけではありませんが、「今日はちょっと冷えるかも」と心配な時に1台あると、安心してキャンプに行くことができますよ。