キャンプに欠かせない影の一軍アイテムがキャンプグローブ。薪割りで使用する手斧やナイフによる怪我、また焚き火調理での火傷から手を保護するための必須アイテムです。そこで今回は、安全にキャンプを楽しむためのキャンプグローブをご紹介します。
キャンプグローブの選び方やおすすめ商品、また実際に使用したレビューなどをご紹介しますので、購入をご検討の方はぜひ参考にしてみてください。
キャンプで活躍する手袋は2種類
キャンプで活躍するグローブには使用用途に応じて2種類に分けられます。ひとつは「作業用」でありもうひとつは「調理用」。
いずれも手を保護するという目的は同じですが、それぞれの用途に最適なグローブを選ぶことでキャンプの快適度が格段にアップします。
まずはそれぞれの使用用途に適したキャンプグローブの種類ついて解説していきます。
作業用の革グローブ
参照元:amazon
薪割りや焚き火台サイズに枝をカットするなどの作業用には革グローブが最適です。革グローブは使い込むほど手に馴染むのが特徴。強度や通気性もあるためキャンプの作業用グローブとして最適です。
革素材はよく手に馴染みフィット感が高いので、薪割りをするときの手斧やナイフをしっかりグリップして持つことができます。手の保護はもちろん、通気性があるため長時間の作業にも快適に使用できるのが特徴です。
また牛革の耐熱性は120℃ほどと言われており、焚き火で薪を焚べる程度の作業にも使用することができます。
調理用の耐熱グローブ
キャンプ調理に欠かせないのが耐熱グローブ。焚き火の炎やアツアツになった調理器具による火傷から手を守ります。
炭火の燃焼温度は600〜800℃ほどもあり、とても軍手や一般的なグローブでは熱すぎて火傷のもと。そんなときに大活躍するのが高温に強い耐熱グローブです。耐熱グローブを使うことで薪の炎を調整しやすく、高温になったダッチオーブンやスキレットなども熱さを感じず持つことができます。
革グローブに比べフィット感や細かな作業には劣りますが、耐熱グローブはキャンプ調理の快適度を左右するほどの必需アイテムと言えるでしょう。
作業用の手袋の選ぶポイント
薪割りなどの作業をするときに手斧やナイフを使用します。鋭利な刃物から手を保護するため作業用グローブにはフィット感と耐久性が必要です。
作業用グローブを選ぶときのポイントは以下の3点。
- 刃物を使う際の安全性
- 細かい作業ができるフィット感
- 軍手よりもはるかに強い耐久性
それぞれ詳しくご紹介していきます。
刃物を使う際の安全性
薪割りに使う手斧やバトニングする際のナイフなど、作業するときには危険がつきもの。鋭利な刃物で手を傷つけないように作業するときには安全性の高いグローブが求められます。そのため生地が厚く強度があり防刃性に優れた耐久素材が安心です。
また手斧やナイフを握った際のグリップ感など、安全性を重視したグローブ選びがポイントとなります。
細かい作業ができるフィット感
キャンプで作業する場合、手に馴染むフィット感に優れたグローブ選びがポイントです。柔らかくフィット感の高いグローブを着用することで素手のような感覚で作業ができ、細かい作業もしやすくなります。折り畳み式ナイフのブレードの閉開などもグローブを着用したまま操作しやすいでしょう。
また重量のある手斧やナタを使用する際も、フィット感が高いとグローブの中で手がブレることなくしっかりグリップして握れます。
軍手よりもはるかに丈夫な耐久性
専用グローブを持っていないとついつい軍手で済ませがち。安価でいつでもどこでも入手できるので使い捨てグローブにはよいでしょう。
しかしキャンプで使う場合は生地が弱過ぎるため不向きと言えます。すぐに破れたり穴が空いたりするなど本来の手を保護する目的が果たせません。
その都度買い換えることを考えるとコスパ的にも不向きです。
簡単に破れて手に怪我をするよりも、作業用には耐久性に優れた素材選びが重要。防弾チョッキなどに採用されるケブラーやアラミド繊維など、耐久性に優れた素材を選ぶことで安全に作業ができるでしょう。
機能性とは違いますが、ビジュアル的に選ぶのもひとつのポイント。気に入った格好いいデザインを選ぶことで使用時のテンションが上がります。まるで遠足の前の日のようにキャンプへのワクワク感が止まりません。
レザーグローブには使い込むほどに味が出て、手の形状にピッタリ馴染むなど自分仕様に育てる楽しみがあるため、グローブへの愛着が湧くでしょう。またレザーブーツとコーディネートして楽しむのもおすすめです。
耐熱グローブの選ぶポイント
焚き火やバーナーなど炎を扱う調理では、高温の熱に強い耐熱グローブが必要です。
耐熱グローブがあることで火傷から手を守り、熱くなったダッチオーブンやスキレットを持ち運ぶことができます。
耐熱グローブを選ぶときのポイントが以下の3つ。
- 耐熱温度が高い方が安心
- ロングタイプの方が安全性があり安心感がある
- 黒銀革当が付いていると更に安心
ひとつひとつ解説していきます。
耐熱温度が高い方が安心
炭火は1,000℃近くまで上昇したあと800℃前後に落ちつき安定して燃焼を続けます。その高温による火傷から手を守るために、耐熱温度が高い方が安心です。
より高熱に耐えられるグローブの方が安心ですが、火ばさみやトングを使わず直接燃え盛る薪を鷲掴みしない限り、300℃を目安に耐熱グローブを選ぶとよいでしょう。
300℃の耐熱性があれば、薪をトングで焚べるときや熱く熱せられたスキレットを持って移動させることができます。
ロングタイプの方が安全性があり安心感がある
耐熱グローブにはショートタイプとロングタイプがあります。
ショートタイプは一般的なグローブサイズであり手首までを保護、ロングタイプは手に着用することで肘まで保護することが可能です。
ロングタイプの方が保護する範囲が広いので、焚き火に薪を焚べるときの火の粉から火傷や衣服の袖に穴が開く心配が軽減。
そのため安心感があります。
ショートタイプは熱く熱せられた調理器具を持ち運びするときなどに適します。
黒銀革当が付いていると更に安心
耐熱グローブは黒銀革当が付いていると更に安心です。
黒銀革当とは親指付け根を補強している銀付き革のこと。
グレインレザーとも呼ばれる銀付き革は丈夫で汚れに強い特徴があります。
焚き火ギアや調理器具を握ったときに摩擦や熱が伝わりやすい親指の付け根に銀付き革を補強することで更に安心して使用することができます。
それぞれに共通して選ぶポイント
作業用に最適な革グローブや焚き火に強い耐熱グローブを使った調理用などの他にも、キャンプグローブを選ぶときにチェックしたいポイントをご紹介します。
使用している革の質が違う
参照元:amazon
キャンプグローブは使用している革の品質で特徴が違ってきます。
主に使用される革には以下の3つが挙げられます。
- 牛表革(表面側の銀面)
- 牛床革(表面以外の2層目の革)
- 合成皮革(人工皮革)
銀面(本革)と言われる牛表革を使用したグローブは丈夫で使い込むほどに手に馴染むのが特徴。
また革の2層目となる床革を使ったグローブはしなやかで耐水性があり、使用する革の質で特徴が異なります。
一方ナイロンやポリエステル生地に樹脂加工を施した合成皮革は熱に弱いのでキャンプには不向きです。
縫製が綺麗なものが良い
キャンプグローブを選ぶポイントのひとつに縫製の仕上げがあります。
縫い代が内側である「内縫い」は縫製のほつれが少なく使用時に引っかかりが少ないのが特徴。
また縫い代が外側にある「外縫い」は手を装着したときに縫い目が直接当たらないので快適な装着感です。
安価なグローブは縫製のほつれや雑な仕上げなど強度面に不安があるので本格的な使用には不向きです。強度や耐熱性に強いケブラー糸を使っているなど、縫製の仕上げにも注目して選ぶとよいでしょう。
裏地があると装着感が良い(特に耐熱グローブ)
キャンプグローブに裏地があればより快適に使用できます。
綿素材の裏地があれば装着したときの肌触りがよく、汗の湿気を吸い取ってくれるのでベタつかず長時間の着用も快適です。
また裏地があることで保温性があがり防寒グローブにもなります。
さらに取り外しできる裏地であれば洗濯することができ、より快適な装着感が得られます。
最強はどれ?人気のキャンプグローブを使い比べ!
人気のグリップスワニーG-70・G-80(焚き火グローブ)・キンコグローブ・ホームセンターの耐熱グローブをフェザースティックや耐熱の体感など使ってみて比べてみましたので参考にしてくみてください。
キンコグローブ
作業性能
比較的薄めの生地で縫製も良く着け心地はまずまずの感触です。
ナイフ作業も特に違和感なく行えますし斧のハンドルも握りやすい印象です。
耐熱性能
スキレットを実際に持てた時間は25秒と薄めであるがゆえに耐熱性能は一番低い結果となりました。
グリップスワニーG-70
作業性能
作業用グローブとしても今回の中では一番使いやすく着け心地も非常に良い感触です。
ナイフ作業もそつなくこなせて安心感があります。
革が柔らかくしなやかなので握る動作が軽くグリップを長時間もっても疲れが少ないです。
耐熱性能
耐熱グローブというわけではないですが45秒と十分な耐熱性を持っています。
作業・耐熱どちらにも使える優れたグローブです。
ホームセンターの耐熱グローブ
作業性能
ナイフや斧などの作業もできるが革が固くグリップを握るのに力がいる感触があります。
フェザースティックを削る際にはグローブの縫い目が指にあたりかなり痛さを感じます。
固さや縫い目の点から見ても着け心地を優先したグローブではないといった印象です。
耐熱性能
スキレットを持てた時間は33秒と今回のグローブの中では3番目の結果となりました。
グリップスワニーG-90焚き火グローブ
作業性能
大きなサイズで指まわりもかなりゆとりがあるのでナイフなどの細かな作業には不向きですが全くできないわけではありません。グローブの中は縫製部分があたることもなく着け心地が非常に良いです。
耐熱性能
焚き火グローブとういうだけあり耐熱性は高く熱いスキレットを57秒間持ち続けることができました。ロングタイプでなので焚き火の火が大きい時でも安心してスキレットやダッジオーブンを取り出すことができます。調理や焚火台のかたずけなどにはとても重宝するグローブです。
キャンプグローブのおすすめ5選【おしゃれで上質な逸品】
グリップスワニー G-1 アウトドアモデル
高品質なキャンプグローブを多数販売していることで定評のある、グリップスワニーの定番モデルです。厚みがあって丈夫な牛革を、同じ重さの鋼鉄よりも強度がありボディーアーマーや防刃ベストにも使用されているケブラーの糸で縫製しています。
万が一このケブラーの糸が切れてしまった場合には、革の部分が劣化によって裂けていない場合に限り永久的に無料修理をしてくれます。その点からも、自社の製品に対する絶対の自信がうかがえます。造りの良さと丈夫さもさることながら、グローブの外側を糸で縫う「外縫い」で作られているので縫い目が手にあたらず、装着感にも優れています。
キャプテンスタッグ (CAPTAIN STAG) アウトドア ソフトレザーグローブ
安くて良いものを多数製作しているキャンパーたちの強い味方、キャプテンスタッグのキャンプグローブです。柔らかめの革を使用しているため細かい作業もしやすく、キャンプ全体を通して様々な用途に使用できます。
インナーに綿の生地が採用されていることでサラサラとした心地よい使用感があるほか、3つのサイズ展開をしているので手の小さい女性の方や力が弱いお子様にもおすすめです。ここまでご紹介してきたキャンプグローブに比べて耐熱性において少々劣りますが、その分どなたでも使いやすくなっているのがこの商品の良さでもあります。
キンコグローブ(Kinco Gloves) 50 COWHIDE DRIVERS GLOVE
キンコは優秀な作業用グローブを多数製作しているアメリカの老舗メーカーです。お手頃価格でありながらとても造りが良いということで、コストパフォーマンスに優れた定番のキャンプグローブのひとつとして人気があります。
しなやかな革を使用しているためフィット感に優れ、手首をしっかりホールドする作りにより使用中にずれるようなことが起こりません。ストレスを一切感じない使いやすさとシンプルで無駄のないデザインとが相まって、長い間不満なく愛用できるキャンプグローブです。
グリップスワニー(GRIPSWANY)G-70
初めてのキャンプグローブにおすすめの1.3mm厚牛革グローブ。耐熱グローブではないので焚き火を扱うよりも薪や枝を扱うときの作業用に最適です。4つのサイズから選べるのでフィット感を高めて細かい作業も可能です。
Naturehike 耐熱グローブ
防火・耐熱・耐摩耗性・防水を兼ね備えながらも低価格な焚き火グローブ。牛革と防火アルミ素材の二重構造となっているため炎を扱う焚き火調理におすすめです。コットンの裏地を採用しているので着用感がよく、家庭用洗濯機で洗濯可能なのがポイント。
耐熱純牛革手袋
手首の部分にマジックテープがついているタイプなので、しっかりと手にフィットさせた状態で使用できます。綿100%のインナーが手の汗を瞬時に吸い取り、天然の牛革が湿気を外に逃してくれるので不快感のない心地良い使用感があります。
柔らかく使いやすい上に高いグリップ力を発揮できるので、薪割りからダッチオーブンを使用した料理まで、幅広いシチュエーションで役に立ちます。まずは安い物でいいからちゃんと使えるキャンプグローブが欲しいという方におすすめです。
耐熱キャンプグローブロングタイプのおすすめ6選
スノーピーク (snow peak) ファイヤーサイドグローブ
キャンプでの料理に活躍してくれること間違いなしのキャンプグローブです。素手で持つことができないダッチオーブンや鉄鍋を持つのに役立ち、さらに厚い牛革で作られているため焚き火の熱にも耐えてくれます。
ミトンが普通のキャンプグローブより優れている点は、指を一本一本通す必要がないため着脱がしやすいことです。用途は限られますが、料理中には着脱しやすいメリットがとても大きく感じられます。見た目に関してはブラウン系のツートンカラーが可愛くもありカッコよくもある、スノーピークらしいハイセンスなデザインです。
ペトロマックス (PETROMAX) アラミドプロ300グローブ
嵐の中でも火が消えない「ハリケーンランタン」で有名なペトロマックスが製作するキャンプグローブです。ペトロマックスのロゴを手の甲にプリントすることで見た目がとてもオシャレになっており、「わかる人にはわかる」といった感じがまた良いです。
強度・耐久性・衝撃吸収性などに大変優れていることからスーパー繊維とも呼ばれているアラミド繊維が使用されているほか、300℃もの高温にも耐えることができるので少しであれば火がついた炭をつかむこともできます。他人と違うアイテムを持ちたい方におすすめです。
スノーピーク (snow peak) キャンパーズミトン
キャンプでの料理に活躍してくれること間違いなしのキャンプグローブです。素手で持つことができないダッチオーブンや鉄鍋を持つのに役立ち、さらに厚い牛革で作られているため焚き火の熱にも耐えてくれます。
ミトンが普通のキャンプグローブより優れている点は、指を一本一本通す必要がないため着脱がしやすいことです。用途は限られますが、料理中には着脱しやすいメリットがとても大きく感じられます。見た目に関してはブラウン系のツートンカラーが可愛くもありカッコよくもある、スノーピークらしいハイセンスなデザインです。
ユニフレーム キャンプグローブ イエロー
高い不燃性と耐久性が特徴の本格的な牛革を使用したキャンプグローブ。負荷の掛かりやすい箇所には牛革を二重にし、縫製糸には強度や耐久性に優れたケブラー糸を使用するなど、ハードな使用に活躍します。
カイマン (Caiman) プレミアム ブラック カウハイド
ワニのマークがオンリーワンな個性を演出し、本格的な溶接作業もこなせる性能を持つキャンプグローブです。耐熱性・断熱性にとことんこだわり、コットンフリース、ウールで包んだ網目状発泡体が快適性と断熱性の両立を実現しています。
さらにNASAの宇宙服にも採用されている三層構造アルミニウム絶縁材により、耐反射熱・耐放射熱においても優れているのが他のキャンプグローブより優れているポイントです。高温から手を守ることに一切の妥協もなく作られたこのキャンプグローブが3,000円ほどで手に入るのですから安いものです。
GRIP SWANY グリップスワニー 焚火グローブ
スワニーイエローでお馴染みのグリップスワニー焚き火専用グローブ。厚みがあり細かい作業には不向きですが丈夫さが特徴です。中綿を使用しているのでより熱を感じにくく焚き火調理に最適。また保温性もあるので防寒用グローブとして兼用もできます。
耐熱キャンプグローブショートタイプのおすすめ3選
東和コーポレーション TAKIBI(SP) EG-014
オイル加工を施しているので使用直後から柔らかく、水濡れにも安心なレザーグローブ。裏地にメッシュ+コットン素材を使用しているのでベタつかず長時間の着用も快適です。親指付け根に黒銀革当で耐久性を向上させ、ケブラー糸を縫製に使うなどハイスペックでありながら低価格で購入できるのが特徴。
キャプテンスタッグ レザーグローブ
見た目の質感がおしゃれなソフトレザーグローブ。微妙にくすんだカラーが幅広いアウトドアコーディネートと相性がよく、おしゃれなキャンプスタイルが楽しめます。サイズ展開しているのでぴったり丁度よいフィット感を求める方におすすめです。
東和コーポレーション TAKIBI EG-012
キャンプや日曜大工、園芸など幅広く使える牛床革を使用したレザーグローブ。オイル加工を施しているので使用直後から柔らかく、水濡れにも安心なグローブです。裏地にメッシュ+コットン素材を使用しているのでベタつかず長時間の着用も快適。親指付け根に黒銀革当で耐久性を向上させています。
耐熱800度のグローブ
PHILORN
耐熱最高温度800℃の驚異的な耐火性能を誇る耐熱ミトングローブ。防火繊維とシリカゲル素材、さらに内側にはコットン100%を使用した二重構造により熱遮断性に優れます。拳部分に滑り止め粒が付いているのでしっかり物が掴めるのが特徴です。
まとめ
今回は薪割りや焚き火調理に必要不可欠なキャンプグローブについてご紹介してみました。
キャンプグローブには作業用に適した革グローブと焚き火調理に適した耐熱グローブがあります。薪割りの手斧やナタ、ブッシュクラフトに使用するナイフなど刃物による怪我や、焚き火調理での火傷から手を保護するためにもキャンプグローブは必需品です。
今回ご紹介したキャンプグローブの選び方やおすすめ商品を参考に、ご自身に最適なキャンプグローブをゲットして安全安心なキャンプライフを楽しんでくださいね。