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オピネルナイフにオイル漬けや黒錆び加工って必要?不要?

オピネルはフランスの刃物メーカーで、シンプルなデザインと高い実用性を兼ね備えたナイフは人気が高く根強いファンも少なくありません。フォールディングナイフながらも開刃時にブレードをロックできる「ヴィロブロック」機能が備えられ、安全性が高い点も高評価につながっています。

そんな知名度の高いオピネルですが、「オイル漬け」と「黒錆び加工」を施した方がよいのは有名な話です。購入したら初めに“オピネルナイフの儀式”として、この2つを行う人も珍しくはありません。しかしながら、これらのメンテナンス方法には賛否両論があるのも事実。そこで、今回はオピネルナイフのオイル漬けと黒錆び加工は必要があるのか、メリットとデメリットを踏まえて解説します。

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オピネルナイフのオイル漬けとは?

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オイル漬けとはオイル加工とも呼ばれ、オピネルナイフに行う一般的なメンテナンス方法です。オピネルはハンドル材に木材(ブナなど)が使用されているため、濡れると膨張してブレードを出し入れしにくいことがあります。そこで、あらかじめハンドルをオイルに漬けることによって吸水を抑え、ブレードの開閉に影響が出ないようにします。

オピネルナイフのオイル漬けの方法

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オイル漬けはとても簡単に行うことができます。ナイフが入るサイズのジップロックを用意し、その中に乾性油(亜麻仁油、エゴマ油、クルミ油など)を入れ、ナイフを漬け込みます。オリーブオイルなどの不乾性油は仕上がっても乾かずにベトベトしてしまうので、オイル漬けには向いていません。そのまま24時間程度漬け込んだら取り出して、乾性油をしっかり拭き取ります。最後にブレードを出した状態で完全に乾かせば完成です。

オイル漬けのメリット

オイル漬けすることによって、湿度の高い場所でも使うことができます。アウトドアでは突然の雨で濡れてしまうこともありますし、調理に使うこともあるでしょう。そんな状況でも使用できる点は大きなメリットと言えます。

オイル漬けのデメリット

オイル漬けしたからと言っても、完全に吸水を妨げることはできません。長時間水に触れればオイル漬けの効果もむなしく、ハンドルが膨張してしまいます。そのため、少しばかりの延命措置と言えます。

また、オイル漬けすることによってハンドルにオイルが浸透し、逆に膨張してしまうことがあります。この現象は長時間漬ければ漬ける程、顕著。さらには、ブレードとハンドルの接続パーツにオイルが固着してしまい、事態が悪化してしまうこともあります。

オピネルナイフにオイル漬けは必要?

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オピネルナイフのオイル漬けは大きな効果が期待できないだけでなく、より事態を悪化させてしまう可能性もあるので不要という意見も目立ちます。リスクを考えると必要とは言いにくいメンテナンス方法と言えます。

ブレードが開閉できない場合の対処法

ハンドルの膨張によってブレードの出し入れが困難な場合にはサヴォワ打ち(通称コンコン)が効果的です。ハンドルの末端をイスや机などに打ち付けると、よっぽど固着していない限りブレードが出てきます。オピネルのホームページにも掲載されている方法なので、困った場合は一番に試してみることをおすすめします。

また、基本的なことですが、ハンドルが濡れてしまったら水気をふき取りしっかり乾燥させ、湿度の低い乾燥した場所に保管しましょう。日頃のメンテナンスがなにより大切です。

オピネルナイフの黒錆び加工とは?

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黒錆び加工はオイル漬けと並ぶオピネルナイフ定番のメンテナンス方法で、ブレードにあらかじめ黒錆び加工することによって、赤錆びの発生を抑えることができます。赤錆びを放っておくと次第にブレード内部まで腐食し、切れ味と強度を著しく低下させてしまいます。一方で、黒錆びは酸化膜となってブレードを覆い、赤錆びの発生を抑える働きがあります。

黒錆び加工するのはカーボン製オピネルナイフのみ

黒錆び加工はカーボンスチール製のブレードに施すことができます。切れ味が鋭く研ぎやすい反面錆びやすいので、黒錆び加工することで欠点を補うことができます。一方、ステンレススチール製は切れ味が劣り、研ぐのにコツが必要ではありますが、錆びにくいという長所も。そのため、黒錆び加工は必要ありません。加工したとしても錆びが乗りにくいので、効果は望めないでしょう。

オピネルナイフの黒錆び加工の方法

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黒錆び加工の前段階としてハンドルからブレードを外します。外さずとも加工できますが、細部まで施すのであれば分解した方が綺麗に仕上がります。次にブレードを1000番程度の耐水ペーパーで磨いて汚れや錆びを落とし、シリコンオフスプレーで油分を除去。この工程がしっかりできていないと、ムラができてしまいます。

黒錆び加工には紅茶とお酢を混合したもの(紅茶8:お酢2)を使います。量はブレードが漬かれば問題ありません。1時間程漬け込み、黒錆びがブレードをムラなく覆っていれば成功。乾燥させて元の形に組み立てましょう。

黒錆び加工のメリット

黒錆び加工することによって、錆びにくくなり、湿度の高い場所や水に濡れる状況でも気にせず使うことができます。料理や釣りなど、濡れる機会の多いアウトドアでカーボンスチール製のオピネルナイフを使う場合におすすめです。また、黒錆びをまとったブレードは渋くマッドな外見となるため、見栄えの面でこちらを好む人も珍しくはありません。

黒錆び加工のデメリット

黒錆び加工は手間がかかります。一度ブレードとハンドルを分解する必要があるため、慣れない人にとってはハードルが高い作業です。分解し組み立てる一連の流れで不具合が出てしまう可能性もあります。

また、黒錆び加工による皮膜は永久に残るものではありません。使用頻度にもよりますが、しばらくすると落ちてしまうので、その度に再度加工する必要があります。ブレードの欠けや切れ味を戻すために研ぐ場合も当然皮膜は落ちてしまいます。

オピネルナイフに黒錆び加工は必要?

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オピネルナイフの黒錆び加工は赤錆びから守る方法として効果的です。ただ、分解、黒錆び加工、組み立てと手間がかかり面倒に感じる人も少なくありません。水場で使う場合やナイフを育てる感覚でメンテナンスできる人にはおすすめです。そうでなければ使用後のメンテナンスと保管方法に気を配ったり、研ぐことを前提として使用したりなどした方がよいでしょう。

黒錆び加工しない場合のメンテナンス方法

オピネルナイフを黒錆び加工せずに赤錆び対策するためには、日頃のメンテンナンスがなにより肝心です。使用後はよく洗い汚れを落とした後、よく水気をふき取りしっかり乾燥させます。

保管には湿気のない乾燥した場所を選び、定期的に錆びが発生していないか確認しましょう。赤錆びも発生初期であれば、表面だけで内部まで腐食していないので軽く研ぐだけで対処することが可能です。

オピネルナイフのオイル漬けや黒錆び加工のまとめ

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オピネルナイフのオイル漬けと黒錆び加工は賛否両論のあるメンテナンス方法です。特にオイル漬けはリスクが大きいため、不要といった意見も目立ちます。一方、黒錆び加工は手間ではあるものの、悪影響を及ぼす赤錆び対策として効果的なので、ナイフに愛着を持って手入れできる人におすすめです。

オピネルナイフは丈夫なので適切なメンテナンスをすれば、長い期間快適に使用することができます。“自分に合った大切な1本”に育てるためにも是非、挑戦してみてください。アウトドアをより一層楽しいものにしてくれることでしょう。

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