以前は、主にロッククライマーが装着していた登山用ヘルメット。最近では、かなり普及し、一般の登山者にも所持率が上がっています。
ただ、登山の際にはなるべく荷物を軽くしたいという理由から、ヘルメットなんて持って行かなくてもいいのでは?と思われる方もいるかもしれません。
でも、その結果として、大きな事故につながってしまっては大変ですので、今一度ヘルメットの必要性について検討してみてはいかがでしょうか?

登山にヘルメットが必要な理由

登山にヘルメットが必要な理由は、落石などの落下物から頭部を保護すること、また、転倒や滑落の際に頭部を保護することの、2点です。
近年の登山ブームで山が大変混雑することがあり、先行する登山者による落石が頭部に当たる可能性があります。そんな時にヘルメットがあれば、大きな怪我から頭部を守ってくれます。

また、滑落や転倒は、どの山を登る時でも起こることです。その際、ヘルメットを着用していたか着用していなかったかで、生存率まで変わることがあるのです。

長野県観光部山岳高原観光課のHPによると、平成24年度の夏山シーズンでは、遭難者の4人に1人は頭部を損傷しているが、一方滑落した登山者がヘルメットを着用していたため、命を取り留めた事例もある、とのことです。
そこで、長野県では、滑落、転落、転倒の多い下記の山域を、「山岳ヘルメット着用推奨山域」に指定し、登山時のヘルメット着用を呼びかけています。
また、ヘルメットを所持していない登山者のために、レンタル環境を整備し、ヘルメットの着用を推進しています。

山岳ヘルメット着用推奨山域

*着用奨励山域について(長野県HPより)
◇過去の遭難事故例及び山岳の形状を考慮し、安全への配慮が特に必要となる次の山域とする。

山 域 名 指 定 す る 山 域
北アルプス南部 槍・穂高連峰のうち、北穂高岳から涸沢岳・屏風岩、前穂高岳(北尾根から吊尾根)一帯、西穂高岳から奥穂高岳、北穂高岳から南岳(大キレット)、北鎌尾根・東鎌尾根の区域
北アルプス北部 不帰の嶮周辺、八峰キレット周辺
南アルプス 甲斐駒ケ岳、鋸岳
中央アルプス 宝剣岳
戸隠連峰 戸隠山、西岳

※ただし、他の山域においてヘルメットが不要という主旨ではない。
引用:長野県HP

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登山用ヘルメットの選び方のポイント

サイズをチェック

デザイン重視で選ばず、自分の頭のサイズに合っているかが重要です。合わないものを長時間被っていると、頭痛の原因になります。
特に、欧米とアジアでは、骨格が違うので頭が入らないこともありますので、デザインだけで選ばず、実際に試着してみることをおすすめします。
また、寒い時には、ヘルメットの下にニット帽などを被ることもありますので、ストラップや後頭部が調整できる、調整幅が大きいタイプのものを選ぶとよいでしょう。

重さと通気性をチェック

着用するにしても持ち運ぶにしても、重いものは負担になってしまいます。なるべく軽量モデルを選ぶとよいでしょう。
また、夏山で使う場合は、通気性が大切になってきます。蒸れにくいものを選びましょう。

ウエアとの相性をチェック

レインウエアやジャケットのフードの下に、ヘルメットを被ることができるか、被れたとしても首元が突っ張ってしまわないか?確認しましょう。
これからレインウエアやジャケットを購入する場合には、ヘルメットを着用することを想定して選ぶとよいでしょう。
その際には、ヘルメットを着用した上からフードを被っても、ファスナーが上まであげられるかが大事なポイントになってきます。ファスナーがきちんと閉まらないと、体温を奪われてしまいますので、購入時には、よく確認することが必要です。

安全性能をチェック

登山用ヘルメットには、EN規格、UIAA規格という2種類の安全基準規格があります。ほとんどのモデルがそれに該当していますが、購入時には規格を満たしているか確認しましょう。

登山用ヘルメットの素材別のメリット・デメリット

大きくは、二つの種類に分類されます。

インモールドタイプ

自転車のヘルメットと同じような構造をしています。内側の衝撃を吸収する発砲系の素材(発砲ポリプロピレンなど)の外側に、衝撃耐性が高いシェル(ポリカーボネートなど)をコーティングしたものです。

メリット

  • ハードシェルタイプより軽量
  • 通気性が高い
  • デザインがかっこいいものが多い

デメリット

  • 厚さが増すため、サイズが少し大きくなり多少かさばる
  • 価格がやや高め
  • シェルが薄いので、強い衝撃だと割れてしまうこともある

ハイブリッドタイプ(ハードシェルタイプ)>

BS樹脂などの合成樹脂を採用し、内側に部分的に衝撃吸収剤を使用しています。ハイブリッドタイプをハードシェルタイプと呼ぶメーカーもあります。

メリット

  • 外側が硬いため、傷がつきにくく長持ちしやすい
  • インモールドタイプにくらべて、価格が安い
  • インモールドタイプより厚みが少ない

デメリット

  • 重い
  • デザイン性が少ない
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登山用ヘルメットおすすめ8選

BlackDiamond(ブラックダイヤモンド) ベクター

ポリカーボネートシェルとEPSフォームを一体化したインモールドタイプの超軽量ヘルメット。8つの大型ベンチレーターを前後に備え、優れた通気性を実現。
ヘッドランプクリップは、シェルと一体化されているため、しっかりと固定できます。
サイズは、S/MとM/Lの2種類。
ラチェット式アジャスターにより、素速くサイズ調整ができます。

BlackDiamond(ブラックダイヤモンド) ハーフドーム

ABSシェル/EPSフォームのハイブリッドタイプ。様々なシーンで、オールラウンドに使えます。左右と後方にベンチレーションポート。後部に素速くサイズ調整できる大型のダイヤルアジャスターを装備。ランプクリップはヘルメット本体に組み込まれています。
サイズはS/MとM/Lの2種類。
コストパフォーマンスにも優れ、エントリーモデルとしておすすめの登山用ヘルメットです。

ブラックダイヤモンド公式HP

MAMMUT (マムート) Skywalker 2

極めて頑丈で耐久性のある硬化プラスチックを用いたハードシェルタイプ。開口部が8箇所あり、ベンチレーション機能に優れた、通気性のよいヘルメットです。片手で簡単に調整できるサムホイール付きで、効率よく、すぐに頭のサイズに調整できます。
デザインの一部となっているヘッドランプクリップ。完璧にフィットする調整可能な顎のストラップ付きで、人間工学に基づいたデザインにより、被り心地は快適です。比較的コストパフォーマンスもよいので、エントリーモデルとしても最適です。

MAMMUT (マムート) Rock Rider

EPSコアと頑丈なマイクロシェルを使用した非常に軽いインモールドタイプのヘルメット。スポーツクライミングから登山まで、さまざまな用途で活躍。
内部には、人間工学に基づいたパッドが入っており、快適さを保ちます。16個の開口部とエアチャンネルによって、内部の空気を循環させ、熱を放出するため、ヘルメット内部の最適な温度を確保しています。
ヘッドバンドは、素速く簡単にサイズ調整ができるフリーアジャスト。ラチェットシステムで頭を包みこみ、ヘルメットを装着したまま調整もできます。ヘッドランプクリップは、4つの大きく安定したクリップで、あらゆるタイプのヘッドランプに適応。

マムート公式HP

Petzl (ペツル) シロッコ

シェルはEPPフォーム、クラウンがポリカーボネート、ライナーがEPSフォームというインモールドタイプで、耐衝撃性能を損なうことなく、重量を軽減しています。側部および後部保護のために、頭を広く覆う形状のデザイン。ヘルメット全体にバランスよく配置された通気孔で頭部の発熱を逃がし、優れた通気性を実現。
ヘッドバンド、顎のストラップ両方のサイズ調整が可能で、顎のストラップにはマグネットバックルがついており、片手で閉じることができます。
ヘッドランプクリップが前後2箇所と、ホルダーが後部にあります。サイズはS/MとM/Lの2種類。別売りのバイザーも取り付け可能です。

PETZL (ペツルELIOS [エリオス])

男性用がエリオス、女性用がエリア。
汎用性と耐久性に優れ、オールラウンドに使用できるハイブリッドタイプ。
軽量かつ耐久性の高いABS樹脂製のシェルに、発泡ポリスチレンフォームを使用したライナーにより、優れた衝撃吸収性能を発揮します。通気孔にはスライド式カバーがついており、状況に応じて開閉することができます。

ヘッドバンドは、上下位置が調節可能で、装着した状態でも素速く簡単に調節することができます。あごひもは前後位置が調節可能で、調節用バックルは両サイドに配置されています。ヘッドランプクリップつき。バイザー『ビジョン』も取り付けが可能です。

ちなみに、女性用のエリアは、オメガヘッドバンドシステムは髪を束ねたままでもヘルメットの着脱が簡単な構造になっています。サイズは、エリオスが、サイズ1とサイズ2の2種類、エリアでは1種類となっています。
ペツル取扱店HP

EDELRID(エーデルリッド)マディーロ

折りたたんでザックに収納できる画期的なデザイン。
ABS樹脂を使用したハイブリッドタイプ。サイズは52-62cmの間で調節が可能。

エーデルリッド取扱店HP

日本人向け登山用ヘルメット5選

GRIVEL(グリベル)Salamander 2.0(サラマンダー 2)

シェルにはABS樹脂、内部にはポリスチレンフォームを使用したハイブリッドタイプ。登山、アルパインクライミングなど幅広いシーンで活躍します。
日本人に合う形状『Japan Fit』規格。内側の幅を広く取り、安定した装着感になっています。効率のよいベンチレーション機能で内部の通気性を保ちます。

サイズ調整機構はストラップ式で、軽量化を図っています。ヘッドランプクリップ付き。比較的コストパフォーマンスもよいです。サイズはワンサイズですが、54-61cmの間で調節が可能です。

Grivel(グリベル) Stealth (ステルスヘルメット)

シェルはポリカーボネート、内部にはポリスチレンフォームを用いたインモールドタイプの超軽量ヘルメット。
こちらも、日本人に合う形状『Japan Fit』規格。20mmの厚さのポリスチレンパッドが衝撃を吸収してくれます。
ハイパーライト、ハイパーベンチレーション。
後頭部はシンプルなフィッティング方式。
サイズは55-61cmの間で調節が可能です。

グリベル取扱店HP

L.W.アルパインヘルメット

モンベル公式HP

モンベルは、比較的リーズナブルな商品の多い純国産ブランド。ポリカーボネートをアウターシェル、発泡ポリスチレンをインナーシェルに使用したインモールドタイプの超軽量ヘルメット。
フィット感を調整できるダイヤルアジャスターを装備。
バッテリーが後ろにあるタイプのヘッドランプも取り付けが可能な、4つのヘッドランプクリップ付き。
日本人の頭部形状にフィットさせた独自のアジアンフィットデザインで、S/MサイズとM/Lサイズの2サイズを展開。

アルパインヘルメット Kid‘s

モンベル公式HP

ABS樹脂をアウターシェル、ポリスチレンをインナーシェルに用いたハイブリッドタイプ。8箇所のベンチレーション機能により通気性を確保しており、快適に着用できます。頭囲に応じて簡単に微調整が可能なダイヤルアジャスターを装備。
ヘッドランプホルダー付き。子ども用のクライミングヘルメットですが、サイズが50-55cmの間で調節ができるので、頭囲の小さい大人も使用できます。

“ravina(ラヴィーナ) フルーク

日本初の、女性向けに作った女性のための国産登山用ヘルメットです。製造したのは、日本で初めて産業用の安全ヘルメットを製造した株式会社谷沢製作所。
カラーバリエーションが豊富で、ファッション性のあるデザイン。前頭部、後頭部、あごひも、バックルの4箇所をカスタマイズできます。傷や汚れがつきにくいABS樹脂を用いたアウターシェル。
アジア人の頭にフィットする幅広形状のライナーが衝撃を吸収してくれます。ヘッドバンドやあごひもは細かい調節が可能です。他にも女性にうれしい細かな工夫がたくさん。

また、商品到着後30日以内なら、使用後でも返品が可能という驚きのサービスもありますので、実際に山で使用してから購入するかどうかを決めることができます。

ラヴィーナ公式HP

まとめ

もしもの時に命を救ってくれるヘルメット。
なるべく少ない荷物で出かけたい登山ですが、最近は軽量モデルや折りたたみ式のものなども出ていますので、「あればよかった」と後から思うことにならないためにも、ぜひ一度検討されてみてはいかがでしょうか?

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