DODの焚き火台、秘密のグリルちゃんは、焚き火はもちろん調理にも使える便利な焚き火台で、さらに収納するとポケットに入るくらいのコンパクトなサイズになるので多くのキャンパーから人気の焚き火台です。
今回は今年の10月から新仕様になり、さらに使いやすくなった秘密のグリルちゃんを徹底レビューしていきます。特徴やメリット、気になるデメリットについてはもちろん、コンパクト焚き火台で絶大な人気を誇るピコグリルとも比較していきますよ。
秘密のグリルちゃんのスペック
商品名 | 秘密のグリルちゃん Q1-506 |
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使用サイズ | 幅34×奥行34.5×高さ19.5cm |
収納サイズ | 幅30×奥行7×高さ5cm |
重量 | 610g |
材質 | ステンレス |
耐荷重 | 焼き網:5kg 焚き火網:2kg |
秘密のグリルちゃんは、特徴的な商品ネーミングが光るキャンプギアを数多く取り扱っているアウトドアブランドDOD(ディーオーディー)から発売されているコンパクトな焚き火台です。
人気の秘密はポケットにも収納できるそのコンパクトさと、焚き火とBBQで使える2way仕様な点。1つ持っておけばどこでも焚き火とBBQが楽しめると、バイクツーリングやソロキャンプ、登山キャンプで活躍する持ち運びに便利な焚き火台だと人気を集めています。
軽量でコンパクト
焚き火台としても、BBQグリルとしても約610gの重さは最軽量級です。さらに収納するとポケットに入る大きさまでコンパクトになるので、持ち運びの積載に困ることもありませんね。収納袋がついているので、他の荷物を汚す心配もなくなります。
新旧秘密のグリルちゃんの違い
そんな便利な秘密のグリルちゃんですが、改良されて新仕様になったのはご存じですか?変更前と変更後のスペックはこのようになっています。
変更前 | 変更後 | |
本体サイズ | 幅34×奥行30×高さ18cm | 幅34×奥行34.5×高さ19.5cm |
焼き網サイズ | 幅23.5×奥行15.5cm | 幅23×奥行15cm |
重量 | 590g | 610g |
本体サイズが大きくなった分、焚き火でも大きな炎が楽しめますね。
また、使い心地での面では今年の2020年10月出荷分より脚の構造が変更されてより使いやすい仕様へと変わりました。従来の秘密のグリルちゃんは脚部分の関節が緩く、ちょっとした振動で脚が曲がってしまうため、炭の継ぎ足しや薪をくべる際には注意をしないとバランスを崩してしまう事象が多く起こっていました。
焚き火台のバランスが崩れると火傷や地面へのダメージなど、思わぬトラブルを引き起こしてため、脚部分の構造を変更し、焚き火台の安定性の向上を図った新仕様へと変更になっています。キャンパーの不満の声を反映し、より使いやすい商品を生み出してくれるのはとてもありがたいですね。
ネット通販などには「2020年10月新仕様版」など、丁寧な記載がある場合があるのでチェックしてみてくださいね。
秘密のグリルちゃんは五徳のような焼網でBBQも楽しめる
コンパクトな焚き火台でBBQをするとなると、別売りの網を購入する必要があることが多いです。それが秘密のグリルちゃんは五徳のような焼き網がセットでついているので、別で五徳や焼き網を揃える必要がありません。
しかし、秘密のグリルちゃんの焼網は、網と網の間隔が広く隙間から食材が落ちることがあります。
100均で焼網の代用
セリアで販売してる万能トレー用網は17×23×1cmと秘密のグリルちゃんの焼網とほぼ同サイズなので、使い勝手も良く食材が落ちる心配もなくなります。
秘密のグリルちゃんの薪はいれやすい?
火床と焼き網の距離が適度に保たれているため、BBQ中の炭や薪の追加も横からスムーズにすることができます。燃料を足す度に焼き網をよける必要がないのは手間がかかりませんね。
大きな薪は入れにくく火床の端から炭が落ちる
秘密のグリルちゃんは焼網を付けたまま横から薪などの燃料を追加できますが、大きい薪などを入れるには火床と焼き網の距離が少し狭いです。キャンプ場で売っている薪は細く割ってから入れる必要がありますね。
また、大きい薪を入れられないということは、薪を頻繁に入れてあげないと炎が沈下してしまうということなので、少々手間がかかってしまいます。
また、市販の薪の長さより秘密のグリルちゃんの本体幅が短く、焚き火をすると端から燃えた薪が落ちることになります。市販の薪を使用する場合は、火ばさみやのこぎりの準備をする方が後片付けや地面へのダメージを考えると安心ですね。
秘密のグリルちゃんは地面と火床の距離が近い
これは秘密のグリルちゃんに限らず多くのコンパクトな焚き火台にも言えることですが、コンパクトな分火床と地面の距離が8.5cmととても近く、焚き火台の下は薪が乾かせたり食材が焼けるほどの熱が伝わってきます。
いくら焚き火台を使っているとはいえ地面へのダメージは大きいので、使用の際には必ず灰受けやスパッタシート、カーボンフェルトといった焚き火シートを活用しましょう。
実際に秘密のグリルちゃんの地面への熱量を測るため、火床の下にティッシュを置いてみましたが、数分置いた程度で茶色に変色してしまいました。芝生サイトなどでは発火する恐れもあるので、必ず焚き火シートの使用しましょう。
秘密のグリルちゃんは火床の下でピザや肉が焼ける?
秘密のグリルちゃんは地面へのダメージが大きいというデメリットをピザや肉が焼けるというメリットに変えることができるんです。上部でお湯を沸かして下部でも簡単な調理もすることができることが可能です。
メッシュの下に灰は落ちない?
火床の下で調理するのに気になるのが灰は落ちてこないのか?ということですが、秘密のグリルちゃんのメッシュは細かく他の焚き火台のように下に灰が落ちてきません。なので灰まみれになるようなこともなく、調理をすることが可能なんです。
ピザを焼いてみた
地面と火床の距離が近いことと、火床がメッシュなので熱量が伝わりやすく、ピザをオーブンようにじっくりと焼くことができます。
ピザのチーズを溶かし焦げ目も十分つけることが可能で、ピザの表面が焼けたら焼網の上に置いて裏面の生地を焼くことで美味しいピザが焼けます。
焼肉を焼いてみた
焼肉の難点は肉汁が落ちて焚き火台の火床が汚れてしまうことですが、火床の下で肉が焼ける秘密のグリルちゃんでは、そんな心配も不要です。
肉を焼く場合、高さを少し上げた方が火の通りも良く早く焼けます。
火床が油で汚れることもなく、焼肉を楽しむことができます。
旧秘密のグリルちゃんで使えた100均の網は使えない?
ピコグリルでも使える旧秘密のグリルちゃんで使えたダイソーの焼網ですが、新型になってより地面と火床の距離が近くなり、使いにくくなっています。
ダイソーの焼網では火床との距離が近く、食材が焦げやすくなります。
セリアで販売してる万能トレー用網なら高さも1cmなので、火床との距離もちょうどよく焼網としても使え、万能トレーとセットで使うと肉汁受けにもなり地面を汚すこともなくなります。
秘密のグリルちゃんの組み立て方と片付け方
秘密のグリルちゃんの取り扱い方法はとても簡単です。組み立てと片付け方法についてご説明します。
組み立て方
➀本体を開く
まずは本体を収納袋から取り出し
本体の脚部分を開きます。
②各部をセットして完成
本体に2本の支柱を差し込み
そこに焼き網を1本ずつ引っかけていき、完成です。
この時安定性を高めるために、脚部分は最大限に「ハの字」に開いた状態にしてくださいね。
片付け方
➀冷まして分解する
片付け前にはしっかり焚き火台を冷ましましょう。冷めたことを確認してからすべてのパーツを分解していきます。
②焼き網で巻いて、収納袋へ
焼き網の上に分解したすべてのパーツを置き、焼き網でくるくると巻き込んでいきます。
付属のバンドで留めて収納袋に入れたら片付け完了です。
組み立ても片付けもとても簡単にできますので、初めての方でも説明書なしで扱えそうですね。
秘密のグリルちゃんは風に弱い
秘密のグリルちゃんはメッシュ火床で風よけがない為、燃焼効率は良いですが風の影響を受けやすく焚き火が安定しにくいです。風がある日はリフレクターなどの防風対策をした方が、炎が安定し調理がしやすくなります。
秘密のグリルちゃんは焼網のセットが大変?
秘密のグリルちゃん本体は広げるだけですが、差し込んだ支柱に焼網部分の8本の棒を1本ずつセットするのが少し大変です。BBQ中に焼網の棒がズレて食材が落ちてしまうことを防止してか、棒の引っかける部分と支柱のサイズがかなりぴったりサイズになっていて、なかなかはまらずイライラしてしまうことも…暗くなってから作業するとかなり時間がとられることもあるので、明るいうちに組み立てておく必要がありそうです。
焼網は3本程度で使える
秘密のグリルちゃんの焼網は3本程度で本体が安定して使用することができます。
ソロサイズのクッカーやケトルなら焼網3本で安定して調理することができます。焼網3本で調理をして広くあいたスペースから薪をくべることが可能になり、より秘密のグリルちゃんが使いやすくなります。
秘密のグリルちゃんのメッシュ火床
秘密のグリルちゃんの火床のメッシュ生地は1000℃まで耐えられる特殊耐熱メッシュが採用されているので、800~900度近くあるという焚き火の炎にも耐えられますよ。
火床のメッシュ生地は交換が必要
メッシュの焚き火台全般に言えることですが、火床のメッシュ生地は使用を繰り返すと熱により劣化していきます。劣化した場合には交換が必要です。交換時期に関しては、使用状況によって大きく変わってきますので一概には言えませんが、メッシュ生地がほつれてきたり、形が熱により極端にいびつに曲がってしまった場合には交換時期を迎えたと思ってくださいね。
交換用専用メッシュは公式から購入
秘密のグリルちゃんの交換用専用メッシュは公式オンラインストアのみで販売されてます。DODの公式ページから補修パーツ販売へ進めば販売されています。
メッシュ交換方法もフレームにボルトとナットで留めてあるだけなので、工具さえあれば簡単に交換することができます。
一度に薪を多く入れたりなど火床に負担をかけてしまうと、当然交換時期も早まってしまいますので、秘密のグリルちゃんを使用する際には耐荷重を気にして、無理のない仕様を心掛けましょう。
何がどう違う?秘密のグリルちゃんとピコグリルを比較
コンパクトで軽量、BBQグリルとしても使える焚き火台は秘密のグリルちゃん以外にもあります。他と比較すると秘密のグリルちゃんはどうなのか、気になりますよね。そこでここからは、コンパクトな焚き火台の人気の火付け役ともいえる「ピコグリル396」と実際に比較していきたいと思います!
商品スペックを一覧表で比較
まずはスペックについて一覧表で紹介します。
商品名 | 秘密のグリルちゃん | ピコグリル398 |
使用サイズ | 幅34×奥行34.5×高さ19.5cm | 幅38.5×奥行26×高さ24.5cm |
収納サイズ | 幅30×奥行7×高さ5cm | 幅33.5×奥行23.5×高さ1.5cm |
総重量 | 610g | 489g |
価格 | 5,200円前後 | 12,800円 |
それでは、具体的にそれぞれのポイントで比較してみましょう。
調理のしやすさを比較
ピコグリルは火床から五徳までの距離があり、熱が伝わりにくく調理をするためには、燃焼した薪の上に直接クッカーを置かないと調理がしづらいです。秘密のグリルちゃんは五徳まで適度な距離なのでそのままで使用することができ、その上火床の下でも簡単な調理ができるので、調理のしやすさでは秘密のグリルちゃんが使いやすいです。
焚き火のしやすさを比較
秘密のグリルちゃんのメッシュシートの横幅は24cmで市販の薪の長さはおよそ38~40cm程度、横から薪がはみ出してしまいます。市販の薪ではのこぎりで切る一手間が必要になります。ピコグリルの横幅は約38.5cmと市販の薪でも余裕で焚き火台に置いて燃やすことができます。
薪のくべやすさでは、ピコグリルは焚き火台の上から太い薪でも簡単に乗せれるのに対し、秘密のグリルちゃんは焼網を3本にしても、火床と焼網の距離が近いので太い薪は使えないのと、小割の細い薪でもピコグリルと比較して入れにくさを感じます。
価格の比較
価格については秘密のグリルちゃんは公式価格はオープン価格となっていますので、取扱店では多少の前後がありますが5,200程度、それでもピコグリルの公式金額の12,800円と比べるとほぼ半分の価格で購入ができます。キャンプの準備は何かと出費がかさむのでこの安さは大変魅力的ですね。
秘密のグリルちゃんはピコグリルと比較してしまうと、どうしても使い勝手に心配が残る部分も確かにあります。ですが、この価格の差を考慮すると少し工夫や手間をかける必要があっても、妥協できてしまうかもしれません。
秘密のグリルちゃんレビューまとめ
最後に秘密のグリルちゃんの詳細について、まとめていきましょう
- 秘密のグリルちゃんは最軽量級のコンパクトな焚き火台
- 焼き網も付属していてコンパクトなBBQグリルとしても使える
- 新仕様で安定性が向上し、さらに使いやすくなった
- 機能性は高いのに、価格は人気のコンパクト焚き火台の約半分
小さくて可愛らしい見た目ですが、工夫が盛り込まれた秘密のグリルちゃん。キャンパーの使いやすさを重視する改良で、さらに人気を集めそうですね。すでに立派な焚き火台をお持ちの方でも、この価格とコンパクトさであればサブの焚き火台として購入してみてはいかがでしょうか。
使用の際は地面へのダメージなど、気を付ける必要のあるポイントもいくつかありますが、ポケットにも入るほどのコンパクトなサイズ感からくる便利さは、他の焚き火台では味わえないものがありますよ。