テント泊をする場所をテント場と言いますが、そこには山に登る人たちが守る、暗黙のルールやマナーのようなものがあります。

ということでここでは、そのテント泊の基礎知識と基本的なルールやマナーについて見ていきたいと思います。

日本には様々な山があります。

簡単な装備だけで日帰りで登れる身近な山や、少し離れたアルプス方面の山を数日間の日程で登るときも、山小屋に泊まるのであれば軽い装備で行くこともできるのです。

けれども本格的な登山をしている人たちの多くは、テント泊をすることが一般的です。

テント泊の基礎知識①

テント場の種類

テント場は日本の山の至る所に整備されていますが、そのタイプは大きく次のように分類されます。

■登山口型

山の麓の登山口にあるキャンプ場で、車や公共交通機関などを使ってすぐ近くまで行くことのできるテント場です。

そういう意味では初めての人がテント泊に慣れるには相応しいタイプと言えます。

ただ車などで行くことができるということで、登山を目的としないハイカーも混じっていることもあって、一部の人たちが夜遅くまで騒ぐなど、マナーやモラルの面で問題となることも少なくありません。

■ベースキャンプ型

初日にゆとりを持って予め山域の中腹まで進んで、ベースキャンプを設営するものです。

そして翌日以降は、テントは設営したままにして、アタックザックに必要な物だけを詰めて、それぞれの峰を目指すし、そしてまた戻ってくるというものです。

■稜線型

重いテントを背負って山頂近くまで担いで上がり、稜線近くにあるテント場で設営するタイプです。数日間をかけて○○アルプスの縦走などをする場合がこのタイプです。

重いテントを背負って登るのですから疲れますが、テント場は地上から遥か離れた雲の上にある訳ですから、気分は格別です。夜空の星の輝きの桁違いの美しさと、朝起きて外に出たとき、自分が雲海の上にいることを実感できるかも知れません。

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テント泊の基礎知識②

テント場は予約がいるの?

日本の国立公園内では緊急避難的な事態を除き、指定された場所以外ではテントの設営が禁止されています。

そのため事前にネットや地図などでテント場がどこにあるのかを確認して、山行計画を練ることが必要です。

そしてテント場の予約の要否を気にされる人がいますが、テント場は一般的に必要ありません。(山小屋の場合は予約が必要です)

テント泊の基礎知識③

テント場への到着時間は15時まで

山での行動の時間は普通の生活に比べて相当前倒しとなります。

テント場にはできれば昼過ぎ、遅くとも2時か3時までには到着するようにしましょう。

その理由のひとつは、いい場所が確保できないことです。

水場やトイレから遠い、また何より困るのはテントを張るのに適さない平らでないところや、岩の多いガレ場などしか残っていないことも少なくないからです。

 

もうひとつの理由は、テントの設営をはじめ、明るいうちに夕食そしてその片付けを済ませておかないと、暗くなってからでは何かと都合が悪いのです。

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テント泊の基礎知識④

テント場に着いたらすぐに受付をする

テント場に着いたら近くにある山小屋に行って手続きを行い、必要な利用料金を支払いましょう。

それは水場やトイレなどの管理をする山小屋に、その対価を支払うという考え方です。

場所によってその料金は違いますが、だいたい1人1泊500円~1500円が一般的です。

従って連泊の場合はその分を前払いするということになります。

テント泊の基礎知識⑤

水場とトイレの確認

夕食の準備ができる水場とトイレの場所を早めに確認しておきましょう。

一般的には水場の近くにちょっとした調理台のようなものが整備されていますので、料理の下準備はここで済ませることにしましょう。

そして料理用と飲み水用に、水をポリタンに一杯に入れてテント場まで運んでおくことも必要でしょう。

またトイレがどこにあるのか、夜道を歩く場合の注意点も予め確認しておくことが必要です。

夜中に寝ぼけ眼でヘッドランプを灯してトイレまで歩くのも面倒ですが、そこで転倒して、山に登る前に怪我をしていてはシャレにもなりません。

テント泊の基礎知識⑥

夕食・就寝

山行の楽しみのひとつに夕食があります。

山での朝食は簡単なもので済ませ、昼食はそれ以上に簡単なもので済ませるのが一般的な登山の食事情なのです。

だからこそ夕食は何よりの楽しみであると同時に、重要な栄養補給をする時間なのです。

8時過ぎには寝る準備をしますが、その前に外に置いている靴などの荷物を、テントの中に納めておくことも忘れないようにしましょう。(夜露や突然の雨で濡れることがありますので)

テント泊の基礎知識⑦

テント場の朝は早い

山の行動は朝の明るいうちに出発して、いくら遅くとも午後3時までには到着するというのが基本です。

ですから翌朝の起床はまだ暗い4時過ぎになります。

テント場はその時刻になると、少しずつ人が動き始めます。

朝食をとり、必要な準備をして日が昇る6時頃には出発するというのが一般的です。

早いグループなどはまだ暗いうちに、ヘッドランプを灯して出発しています。

テントの撤収

テント場に数泊した後テントを撤収する際は、すべてを元通りに戻しておくことが基本的なルールとマナーです。

 

テント泊の夜

標高の高いテント場の夜は天気にさえ恵まれれば、煌めく星で一杯の夜空を楽しむことができます。

夕食後のホッとするひとときをワインなどを味わいながら星空を堪能するのもいいでしょう。

それは都会ではめったに味わうことのできない至福のひとときなのです。

 

さてテント場の夜は魅力的なものですが、そこでも必要なルールとマナーが守られていることで快適に過ごせるのです。

 

テント場の夜のルールとマナー

  • キャンプファイアーのようなことはしない。
  • 大騒ぎをしない、大声を出さない。
  • ラジオ・音楽などの音量を抑える。
  • 8時を過ぎたら寝るパーティーもいるため、特に静かにする。

ゴミについて

■生ごみなどは全て持ち帰り

なお野菜などの端切れや残飯などの生ごみや、食器などをティッシュで拭いたゴミなどは、全て持ち帰ることがルールでありマナーですので、ゴミ袋に整理しておきましょう。

■ゴミは全て持ち帰る・積み上げた石ころなども元通りに

山にはゴミ箱もゴミの収集もありませんので、『自分たちのゴミは全て自分たちで持ち帰る』というのがルールです。

そしてテント設営のために積み上げた石ころなども、元のように戻しておくことも必要なことです。

 

テント泊で忘れてはいけない物

テント泊をする場合、着替えや洗面用具など一般的なものは思いつくものですが、ここでは忘れてはいけない、或いはあると便利なものについてご紹介しておきたいと思います。

 

  • 防寒着

北アルプスのベースキャンプ(標高2000m程度)では、夏でも最低気温は10℃以下になることもありますので、夜空を長く見たり、翌朝の水場との往復をするときなど、防寒着がないと風邪をひいてしまうかも知れません。

 

  • ビニール袋

濡らしてはいけない肌着などは必ずビニール袋に入れて持参しましょう。

そしてこのビニール袋は、予備も含めて持参すると重宝します。

ゴミ袋としても必要です。

 

  • エマージェンシーキット

絆創膏や殺菌消毒材、痛み止め、風邪薬や胃腸薬などはエマージェンシーキットに入れて持参しましょう。

 

  • トイレットペーパー

食事後の食器などを拭くことに使うので、多めに持参した方がいいでしょう。

 

  • マット

これがあるのとないのでは、座り心地そして寝心地がまるで違ってきます。

 

  • 細引き綱

テントの張綱などのサポートの他、テントの中で衣類を干したり、靴紐が切れたときの予備としても使えるので必ず持参しましょう。

 

  • 収納ポーチ

化繊のポーチを各サイズ持参すると、小物の整理に役立ちます。

 

  • その他

予備の電池、ライター、耳栓、ヘッドライト、ランタンそしてローソクなども忘れないようにしましょう。

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