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モーラナイフのコンパニオンとヘビーデューティの違いを比較【ステンレス・カーボンの違いも】

モーラナイフはコストパフォーマンスに優れる価格帯と品質でファンから支持されるナイフ。ですが数多くの商品のラインナップを誇り、最初の一本の選択が難しいのが現状です。

そんなモーラナイフの代表的な「コンパニオン」と「ヘビーディーティー」の違いや、ステンレスとカーボンの素材による性質の違いなどを当記事で比較解説していきます。是非モーラナイフ入門の参考にしてみてくださいね。

モーラナイフとは?

モーラナイフとはブッシュクラフトの本場とされるスェーデン、モーラ地方で生まれた、コストパフォーマンスに優れる価格帯と品質で数多くのキャンパーに支持されるナイフです。雪に覆われる厳しい環境の中で唯一豊富な資源である木々や鉄鋼を取り扱ってきた歴史から誕生し、今現在では1世紀近くの歴史を誇る伝統的なナイフとなっています。

電気暖房器具が無い時代から、スウェーデンの環境を生きるための知恵が集約されているためアウトドアとの相性は抜群。取扱いやすいハンドルと切れ味抜群の刃先が、キャンパー達から支持されている理由です。

モーラナイフは種類が豊富

また「モーラナイフ」は、商品名ではなくメーカー名。そのため一言でモーラナイフと言っても、幅広いアイテムのラインナップを誇っています。そのため初心者がモーラナイフを選ぶには、難易度が高いのが現状となっております。

そこでモーラナイフの代表とも言えるモデルで、違いが分かり辛い「モーラナイフコンパニオン」「モーラナイフヘビーデューテュー」違いを比較して解説します。

モーラナイフコンパニオンとは?

「モーラナイフコンパニオン」のスペックは以下の通り。

【Companionステンレス】
刃体の長さ:約10.4cm
全長:約21.9cm
刃厚:約2.5mm
重量:約84g(ナイフのみ)

【Companionカーボン】
刃体の長さ:約10.4cm
全長:約21.9cm
刃厚:約2.0mm
重量:約77g(ナイフのみ)

コンパニオンは扱いやすい刃厚と重さから、最も多様な使用用途を誇るモデルとなります。特に細かい作業には、うってつけのスペックを誇っています。

手段を選ばず万能に使用できる反面、木材の加工にはパワー不足というデメリットを抱えているのでブッシュクラフトには不向きな部分もあります。

モーラナイフヘビーデューティーとは?

「モーラナイフ」のスペックは以下の通り。

【Heavy Dutyステンレス】
刃体の長さ:約10.4cm
全長:約22.4cm
刃厚:約3.2mm
重量:約104g(ナイフのみ)

【Heavy Dutyカーボン】
刃体の長さ:約10.4cm
全長:約22.4cm
刃厚:約3.2mm
重量:約104g(ナイフのみ)

モーラナイフヘビーデューティーで、最も着目すべき点は刃厚の3.2mm。刃厚が太いので後ろから叩いて行うバトニングに優れているモデルとなります。更にハンドル部分位は、激しい衝撃が加わるバトニングに耐える事ができる「ナロータング」が採用されています。

本場のスウェーデンで生まれた、厳しい大地で生きるための知恵が集約されており、ブッシュクラフトにうってつけのモデルと言えるでしょう。

コンパニオンとヘビーデューティーのスペックの違いを比較!

Heavy Dutyステンレス(上)
Companionステンレス(中)
Heavy Dutyカーボン(下)

モーラナイフの「コンパニオン」と「ヘビーデューティー」の大きな違いは「刃厚」と「重さ」。特に刃厚は薄いほど細かい作業を行え、厚いほど木材加工などのパワーが必要な場面で重宝します。

それぞれ得意・不得意を持つナイフとなるので、持ち主の最も活用する使用用途によって購入の選択肢を変化させると購入の失敗が少なくなります。

コンパニオンとヘビーデューティーの値段の違いを比較!

モーラナイフ「コンパニオン」と「ヘビーデューティー」の、それぞれの値段の違いを素材別に比較していきましょう。

・コンパニオン(ステンレス):2,090円
・コンパニオン(カーボン):2,035円
・ヘビーデューティー(ステンレス):2.860円
・ヘビーデューティー(カーボン):2,640円

参考元:Amazon(2020年2月現在)

コンパニオンとヘビーデューティーで、500〜1,000円程度の差が生じます。

ヘビーデューティーはコンパニオンに比べ刃厚が厚くなる分、素材のコストが生じるため値段が上がる傾向にあります。

そのためブッシュクラフトに利用するような、明確な目的が存在しない場合は幅広い用途に活躍するコンパニオンの選択が経済的にも優しいためオススメです。

逆にブッシュクラフト専門ナイフとして、モーラナイフを採用するのであればヘビーデューティーのカーボン製の選択が有効な選択肢となります。

モーラナイフコンパニオンとヘビーデューティーの違いを比較検証!

モーラナイフヘビーデューティーのステンレスとカーボン、コンパニオンのステンレスでフェザースティック・バトニング・調理で使い、その違いを比較検証してみました。

こちらの検証結果は、モーラナイフヘビーデューティーのステンレスとカーボン、コンパニオンのステンレス3本を比較した結果です。

ヘビーデューティーとコンパニオンでフェザースティック!その違いを比較!

ヘビーデューティー2本とコンパニオンでフェザースティックを作って検証。

【Companion Heavy Duty ステンレス・カーボン】
ヘビーデューティーはステンレス、カーボンも同じで、薪の表面を薄く削ることもできますが、少し気をつけないと木材に刃が食い込んでしまい、フェザースティックが厚くなりやすくなります。

【Companion ステンレス】
コンパニオンは軽いので手が疲れにくく、刃厚が2.5mmなので木材の表面を薄く削りやすく、3本の中で最もフェザースティックが作りやすいナイフでした。

ヘビーデューティーとコンパニオンでバトニング!その違いは?

ヘビーデューティー2本とコンパニオンで、同じ木材を使用してバトニングをして違いを検証してみました。

一般的なホームセンターの針葉樹の薪でバトニングの違いを比較!
こちらはヘビーデューティー2本とコンパニオン大差なく同じようにバトニングが可能です。

固い広葉樹の薪でバトニングの違い
固い広葉樹でのバトニングでは、コンパニオンに多少不安がありましたが、さほど食い込みの差は感じられませんでした。

しかしバトニングで刃が木材の中盤で、刃をこねるとヘビーデューティーは薪が裂けますが、コンパニオンは刃をこねて薪を裂くことができませんでした。固い木材を使用したバトニングにはコンパニオンには不安が残る結果となりました。

モーラナイフは料理に使える?調理しやすさの違いを比較!

ヘビーデューティーのカーボンは料理に向かないので、コンパニオンとヘビーデューティーのステンレスで料理に使えるかジャガイモを切って検証してみました。

【Companion Heavy Duty ステンレス】
刃厚があり食材が切りにくいです。料理にはやはり向きません。

【Companion ステンレス】
刃厚がない分ヘビーデューティーより食材が切りやすいですが、オピネルナイフなどの薄いナイフに比べるとやはり切りづらく料理には不向きと思っておいた方がよさそうです。

モーラナイフは料理には不向きですが、あくまでも料理用ナイフとしては切りにくいという事なので、料理の食材を切るなどは問題なくできます。

モーラナイフのコンパニオンとヘビーデューティーの違いの検証動画

モーラナイフのコンパニオンとヘビーデューティーを使ってバトニングやフェザースティックを作成した検証動画です。

モーラナイフのステンレスとカーボンの違いは?

モーラナイフの「コンパニオン」と「ヘビーデューティー」は、それぞれ「ステンレス製」と「カーボン製」を取り扱っています。2つの材質の特徴や違いを、順を追って説明していきましょう。

モーラナイフの素材はステンレスとカーボンの2種類

モーラナイフ「コンパニオン」と「ヘビーデューティー」を構成する素材は大きく分けて「ステンレス」と「カーボン」の2種類が存在します。それぞれお互いにメリット・デメリットを抱えているので、持ち主の利用用途によって使い心地が大きく相性が左右されます。

そこでモーラナイフの「ステンレス」「カーボン」素材による特徴を解説していきますので、是非最初のモーラナイフ選びの参考として役立てて見て下さい。

ステンレス鋼のメリット・デメリット

ステンレスのメリット
ステンレス鋼の大きなメリットは、錆に強くメンテナンスフリーという点が上げれれます。また水分に対する耐久性にも優れているので料理など、湿気を含む場面での取り扱いでは一番理想的なナイフの素材となっています。

・錆に強い
・水に強い
・切れ味が落ち難い

ステンレスのデメリット
デメリットとしては、切れ味が落ちたステンレス製のナイフは初心者には研ぐ事が難しい点が挙げられます。砥石で切れ味が復活する楽しみを味わえるのはカーボン製ナイフのメリットとなるので事前知識として頭に入れておいて損は無いでしょう。

・手入れ(研ぎ)が難しい
・カーボン製に比べると切れ味が劣る

カーボン鋼のメリット・デメリット

カーボンのメリット
カーボン製品の大きなメリットは切れ味抜群で、メンテナンスが簡単という点が挙げられます。特に研ぎはステンレスのような難易度の高さは無いため、初心者の方でもなれれば簡単に手入れをする事が可能です。

・切れ味抜群
・手入れが簡単

カーボンのデメリット
その反面、水に触れると30分で錆びてしまう程水分には弱いので注意が必要です。水を取り扱わないブッシュクラフト専用としてナイフを運用するのであれば最も適応する素材となっています。

・錆びやすい
・水に弱い

初心者が扱いやすいのはカーボンよりステンレス

モーラナイフの素材では、カーボンは切れ味が勝りますがバトニングやフェザースティックなら、さほど差はかんじられないので、メンテナンスが簡単なステンレスが、ナイフ初心者の方におすすめの素材です。

モーラナイフ1本目はコンパニオン?ヘビーデューティー?

コンパニオンステンレスとヘビーデューティーのカーボンとステンレスを使用してみて、一番のおすすめはヘビーデューティーステンレス。その理由として挙げられるのは

・フェザースティックができる
・バトニングができる
・メンテナンスが楽

以上の点です。

コンパニオンのステンレスでも同じようなことが言えますが、やはりバトニングには不安があります。フェザースティックのみの使用であれば、コンパニオンのステンレスがおすすめですが、バトニング・フェザースティックをどちらも挑戦したいという方には、総合的にヘビーデューティーのステンレスが扱いやすいです。

料理はモーラナイフよりオピネル!

バトニングやフェザースティックが得意なモーラナイフですが料理には不向きなので、料理用ナイフは折りたたみ式のオピネルナイフを採用する手段もあります。詳細は以下の記事で解説していますので、是非参考にしてみてください。

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モーラナイフのコンパニオンとヘビーデューティの違いのまとめ

モーラナイフのコンパニオンとヘビーデューティの違いやステンレスとカーボンの違いをそれぞれ検証しましたが、「コンパニオン」と「ヘビーデューティー」と共に抜群の切れ味と耐久性、購入しやすい値段からブッシュクラフトを楽しむアイテムとして採用しても間違えない商品となっています。

スウェーデンの長年培われてきた、厳しい環境に耐え抜くためのノウハウが詰め込まれたモーラナイフ。最初の1本目の購入に失敗しない為にも、当記事がモーラナイフ選びの参考としてお役に立てれば幸いです。

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