2021年9月18日にユニフレームから発売された焚き火台、「焚き火ベースsolo」をいち早くレビューします!
最初に、焚き火ベースsoloの特徴をひとことでお伝えするとしたら、「料理での使い勝手に特化した焚き火台」です。実際にどのような点が料理で使いやすいのかについても、細かく解説します。ぜひご覧ください。
UNIFLAME(ユニフレーム)焚き火ベースsoloのスペックや外観
使用時サイズ | (ワイヤー)約46×50×55(高さ)cm (炉)約45×26.5×14(高さ) |
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収納時サイズ | 約46×36×8.5(厚さ)cm |
重量 | 約3.8kg(炉・フレームのみ) |
付属品 | フック(2本)・焼き網(2枚 |
材質 | ステンレス鋼 |
内容物
- 炉
- フレーム
- 焼網×2
焚き火ベースsoloを折りたたむと、幅46cm、奥行き36cm、厚さ8.5cmになります。キャンプツーリングに持っていくには大きいですが、車であればまったく問題のないサイズです。
パーツの数も少なく、フレーム・炉・焼き網2枚の、合計4つ。構成がシンプルなので、細かいパーツを家に忘れてきてしまうというトラブルも起こりません。
炉
購入時の本体には保護フィルムが貼ってありますが、安価なギアに張られてる保護フィルムのように、途中で切れて剥がしにくいといった事はなく、ビリっと簡単にむくことができる点は、さすがUNIFLAMEといった感じです。
収納時の炉のサイズは44.5×19×8.5cm(実測)でソロ用の焚き火台としては、少々大きめサイズです。
炉は、組み立て等は不要な蝶番で開く仕組みになっており、スムーズに開閉することができます。
使用時の炉のサイズは45×26.5×14cm(実測)で、2人分の調理もできるぐらいのサイズ感です。
簡単に歪みや変形しない厚みがあり、高さもあるので地面への影響が少ない焚き火台です。
気になるのは、炉の上部側面にパンチングがありますが、他に空気穴やスリットもないので、空気の循環に少し不安がある印象です。燃焼効率については後で解説してますので、そちらを参考にして下さい。
フレーム
収納時のフレームは二つに折りたたまれており、サイズは(実測)で46×35.5×3.6cm(実測)です。フレーム上部にはフック×2と組み立て時に必要な留め具×4が備わっています。
フレームは組み立て時に広げて、留め具をスライドさせて固定する仕組みなので、面倒な組み立ては一切なく簡単に組み立てることが可能です。
重量の調理器具をかけても、強度があるフレームなので歪みや変形の心配もなさそうです。
フック
フレーム上部には、分散耐荷重15kgのフックが2つ備わっており、吊り下げて調理することができます。
フックは左右に移動可能なので、様々なサイズのクッカーやケトルの吊り下げにも対応できそうです。
フックは、どちらかに重さが偏って使用すると転倒する恐れがあるので、バランスよく配置して、重量がある場合は、フレームの真ん中に配置して使用するようにしましょう。
焼網
焚き火ベースsoloには、2枚の焼網が付属します。焼網は炉に2枚のうち1枚だけセットすることもでき、焚き火台の半分のスペースでBBQを、もう半分のスペースでは炊飯や調理と、使い分けることも可能です。
耐荷重の記載はありませんが、1kg程度の鉄板やスキレットなら問題なく使用できるので、鉄板料理やスキレット料理にも使えそうです。
焼網は100均の網と違い、とてもしっかりした作りで耐久性もあり、かなり長持ちしそうな印象です。
焚き火ベースsoloの使用頻度が多く、もし焼網が変形や破損して使用できなくなっても、ネイチャーストーブ用の焼網と同等の焼網なので、1枚から購入可能です。
重量
重量は、炉とフレームのみで約3.8kgで焼網(1枚150g)2枚を追加すると4kg超えてしまいます。オールステンレス製で重さがある分、変形や歪みやすい軽量な焚き火台と違い、長く使える耐久性に優れた焚き火台です。
UNIFLAME(ユニフレーム)焚き火ベースで吊るして使用できる調理器具
焚き火ベースsoloで吊るして調理器具を使用する場合に、気を付けないといけない2つのポイントを紹介します。
フックからの距離
1つ目の注意点は、焼網からフックまでの距離が22cmなので、長さがある調理器具は使えない事です。
ソロキャンプではなかなか使わないサイズですが、コールマンの10インチダッチオーブンのようなサイズでは、吊り下げハンドルから鍋底まで26センチあるので、フックに吊るすことができません。
コールマンのファイアープレイスケトルも27.5cmあるので、底部分が炉に入ってしまいます。フックに調理器具を吊るして使用する場合は、長さに注意して選ぶ必要があります。
吊り下げハンドルのくぼみ
2つ目の注意点は、吊り下げハンドルのくぼみがある事です。
スノーピークのケトルNO.1のように、吊り下げハンドルにくぼみがない調理器具をフックに吊るすと、ケトルが傾いてしまいます。フックに調理器具を吊るして使用する場合は、吊り下げハンドルにくぼみがあるタイプを選びましょう。
UNIFLAME(ユニフレーム)焚き火ベースsoloに合うソロ鉄板
焚き火ベースsoloに合うソロ鉄板の選び方です。男前ファイアプレートとヨコザワテッパンのサイズ感を見ていきましょう。
炉の内寸 | 17.5cm |
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炉の溝から溝の幅 | 21.5cm |
焚き火ベースsoloに合うソロ鉄板を選ぶときに必要な、炉の内寸や溝から溝の幅ですが、炉の内寸17.5cm、ギリギリの鉄板サイズでは動かすと炉に落ちてしまうので注意しましょう。
※実測なので多少の誤差があります。
男前ファイアプレート
20.7×14.3cmの男前ファイアプレートの場合、炉の片方の溝にピッタリ合わせても鉄板がズレ落ちることはないです。
ヨコザワテッパン
A5サイズのヨコザワテッパンを炉の片方の溝にピッタリ合わると、ギリギリのサイズです。動かしてもズレ落ちることはなかったんですが、多少不安なサイズ感です。
焚き火ベースsoloに合うソロ鉄板サイズは?
焚き火ベースsoloの焼網はしっかりとしてるので、焼網に乗せて使用すれば、サイズが小さめな鉄板でも使用できるので、そこまで気にする心配もなく、様々な鉄板サイズを使用できそうです。
UNIFLAME(ユニフレーム)焚き火ベースsoloのレビュー
見るからに他社の焚き火台とは様子がちがう、焚き火ベースsolo。その独特な構造は、ソロキャンプにおける料理のしやすさを追求した、とても合理的なものでした。ここでは焚き火ベースsoloを使用して感じた、購入して良かった点を7つ紹介します。
市販の薪がそのまま入る
焚き火ベースsoloは、コンパクトに収納できる焚き火台でありながら、市販の長さ40cmほどの薪も横向きで入ります。
広葉樹の大きな薪を使用することで、長時間の安定した火力を得られるので、小型の焚き火台でよくある、薪の追加で忙しくなるといったことが起こりません。
ソロキャンプ用の焚き火台は、薪をノコギリで切らないと入らない製品も多いため、これはとても大きなメリットといえるでしょう。
フックで複数の調理器具を同時に使える
焚き火ベースsoloは、上部のフックで鍋やケトルなどを吊り下げて調理できるので、火床の半分は網の上に鉄板を置いて別の焼き料理を調理するなど、2つの料理を同時に調理することができます。
炉が横長なので、場所により薪や炭の量を変えられるという利点もあります。小さい火力でじっくり焼くのと、逆に大きな火力で一気に焼く。この2つを同時におこなえるのは、非常に便利です。
焚き火鍋とメスティン
UNIFLAME焚き火鍋があれば、メスティンでご飯を炊きながら、同時に鍋料理を作るといった調理の仕方も可能なので効率が良く、冬場の寒い時期には、あったかいご飯と鍋を同時に楽しむことができるのはうれしいポイントです。
ケトルとホットサンドメーカー
ホットサンドメーカーでつまみを作って、ケトルで沸かしたお湯で、熱燗や湯割りをちびちび楽しむといったことも同時に可能です。
調理しながら薪を追加投入できる
焚き火ベースsoloは炉が広く吊るして調理できるので、薪の追加投入がしやすいです。通常の焚き火台では、ゴトクに置いた網の移動や調理器具をいったん避けるか、細かくした小割の薪を、隙間から投入する必要があります。
焚き火ベースsoloでは、もうちょっと火力が欲しいなっていう時も調理しながら、薪をそのままのサイズで投入できるので、ほろ酔い状態でバトニングでけがをする心配もなくなります。
足が大きく開くから安定感◎
焚き火台の安定感は、料理のしやすさや安全面に直結する重要なポイントです。コンパクトや軽量さを重視したソロキャンプ用の焚き火台は、地面と接する面積が小さく、ちょっとしたことで転倒してしまうような製品も多くあります。
その点、焚き火ベースsoloは足が大きく開くため、重いダッチオーブンを乗せてもまったく不安を感じません。転倒のリスクが低いので、安心して快適に調理や焚き火を楽しむことができます。
ベーコン干しが手軽にできる
野営的でキャンプのつまみに最高なベーコン干しが手軽にできるのも、フレーム一体型の焚き火ベースsoloならではの特徴です。
上部のフレームに市販のベーコンを引っかけて遠火でじっくりとあぶって食べる。水分や油が落ちてカリカリになったベーコンは、味が濃く、お酒のおつまみに最高です。
自宅で一から仕込んだベーコンをフックにかけて燻製にするといった事もできるので、ソロで集まったグループキャンプのおつまみでも活躍しそうです。
オールステンレスで耐久性にすぐれる
焚き火ベースsoloは、フレーム・炉・焼き網・フックのすべてがステンレス製なので、歪みや変形に強いのも特徴。2時間程度使用しましたが、炉に歪みや変形はみられません。
焼網1枚が炉から少しズレてますが、焼網にも歪みや変形はみられません。ステンレスはサビにも強いので、いつまでも綺麗で清潔な状態をキープできるのも長く使えるポイントの一つです。
焚き火テーブルと一緒に収納可能
別売りの焚き火テーブルトートが焚き火ベースsoloにピッタリな収納袋で、男らしい色合いの帆布素材のトートバックです。
焚き火テーブルトートのサイズ感です。少し大きめですが、縫製もしっかりとしてるので、重量のある焚き火ベースsoloでも問題なく使用できそうです。
焚き火ベースsoloとキャンプテーブルで人気の焚き火テーブルを一緒に収納できるので、焚き火テーブル愛用の方には特におすすめの収納袋です。
UNIFLAME(ユニフレーム)焚き火ベースsoloの組み立て方
焚き火ベースsoloは、組み立てが簡単であることも大きな特徴です。組み立てに要する工程は、たったの4つ。実際にどのように組み立てるのかを、順番に解説します。
組み立て手順
- 折りたたまれているフレームを広げる。
- 4つの留め具をスライドさせて、フレームを固定する。
- 折りたたまれている炉を広げる。
- 炉をフレームにセットしたら、組み立て完了。
見た目のわりには、組み立て方がとてもシンプルであることがわかると思います。
焚き火台本体を組み立てたあとは、焼き網をセットするか、フックにダッチオーブンなどを吊り下げて料理を始められます。どこでも手軽に料理を始められる点もまた、焚き火ベースsoloの魅力です。
UNIFLAME(ユニフレーム)焚き火ベースsolo灰の片付け方
焚き火ベースsolo使用後の灰の片付け方ですが、炉を持ち上げればそのまま灰を捨てることができます。その際に耐熱グローブを付けたままでは、フレームから炉を持ち上げる場所がわかりにくく、炉を落としそうになることがあります。
炉が持ち上げにくい場合は、フレームを少し閉じると、炉が持ちやすくなるので、試してみて下さい。
UNIFLAME(ユニフレーム)焚き火ベースsoloにロストルは必要?
焚き火ベースsoloを薪で焚き火や調理した際には、ロストルの必要性は感じませんでしたが、炭の使用では、炉がV字形状なので底に溜まりやすく、火力不足でロストルの必要性を感じることがあるかもしれません。
焚き火ベースsoloには専用ロストルの販売はありませんが、ユニセラTG用ロストルがピッタリ合うようです。ロストルが斜めにズレてしまう心配がありますが、気になる方は挑戦するのもありだと思います。
焚き火ベースsoloには薪や炭が使える高さに制限があるので、ロストル使用時は高さにも注意が必要です。
UNIFLAME(ユニフレーム)焚き火ベースsoloの気になる点や注意点
焚き火ベースsoloを使用してみて、いくつかの気になった点や使用上の注意点を紹介します。
収納袋が別売り
焚き火ベースsoloには収納袋が付属してません。焚き火台を使用するとススで汚れてしまうので、車での持ち運びや保管には収納袋は必須となります。
ソロ用焚き火台としては焚き火ベースsoloは高額な部類に入りますが、別途費用が掛かることを前提として購入する必要があります。
太い薪は使用しにくい
炉の側面の丸穴より高く薪や炭を入れて使用すると、火力が強くなりすぎてフレームや炉の変形や破損の原因となります。太い薪を入れると、すぐに丸穴の高さになってしまうので、薪割りをするか、薪の太さに気を付けて購入する必要があります。
火が消えやすい
焚き火ベースsoloは、ファイヤーグリルのような空気を多く取り込める焚火台と比べると、燃焼効率が良くありません。熾火ができやすく調理がしやすいメリットがありますが、悪く言えば焚き火が消えやすい特徴があります。火を育てて楽しむ焚き火台といった印象なので、火吹き棒を準備するほうが使いやすいです。
薪が組みにくいので着火しにくい
一旦火力が安定すれば気にすることではないですが、長い薪をそのまま使用すると薪が一方方向に組まれ、空気の通りが悪くなり、途中で火が消えてしまいます。着火用に小割の短めの薪を用意するか、フェザースティックを準備すると着火しやすくなります。
※写真はわかりやすい様に太めの薪を使用してます。着火の際は小割にした薪を使用しましょう。
UNIFLAME(ユニフレーム)焚き火ベースにあると便利なアイテム
焚き火ベースsoloはそのままでも十分に使いやすく、そしてさまざまな使い方に対応する焚き火台です。しかしまだ、自分好みにカスタムする楽しみが残されています。
焚き火ベースsoloの実用性をさらにアップさせるアフターパーツが、ユニフレームからたくさん販売されているのです。その一例として、以下の製品があります。
ユニ鉄
鉄板料理を手軽に楽しめる、鋳鉄で作られた鉄板。
キャンプ羽釜 3合炊き
焚き火ベースsoloのフックに吊り下げられる羽釜。
焚き火鍋
焚き火ベースsoloのフックに吊り下げられる一人用鍋。
焚き火テーブルトート
焚き火ベースsoloを収納できるバッグ。
ユニセラTG用ロストル
焚き火ベースsoloのロストルに使える代用品。
これらのほかにも、焚き火ベースsoloと組みあわせられるアフターパーツが、まだいくつもあります。「あのアフターパーツを導入して、次はこんなスタイルで料理をしてみたい」そのようなイメージがどんどん湧いてくるのも、焚き火ベースsoloの楽しさの1つです。
まとめ
長さ40cmの薪がそのまま入り、2つのフックにはダッチオーブンなどをセット可能。さらに焼き網を使ってBBQをしたり、ベーコンを引っかけて焼いて食べたり、幅広い料理の仕方に対応できるのが、焚き火ベースsoloが持つ最大の魅力です。
今までとはちがったスタイルでソロキャンプを楽しみたい方、ちょうど焚き火台の購入を検討していた方などは、ぜひ焚き火ベースsoloを選択肢に加えてみてください。きっと、実用性の高さに驚かされることでしょう。