立山とは
立山は岐阜県、長野県、富山県にまたがってそびえる、立山連峰の主峰で北アルプスの北部に位置しています。
ただ「立山」というのは一つの山を指しているわけではなく(雄山・大汝山・富士の折立)の三つの山をまとめた、呼び名になっていることを覚えておいてくださいね。
黒部アルペンルート
また立山を語る上で、黒部アルペンルートに触れなければいけません。
3,000mを超える山々が連なる立山に実際に行く際には、普通黒部アルペンルート(富山県側から山頂付近の立山室堂をへて黒部ダムを経由し長野県側へ続くライン)を使います。
このルートは立山黒部貫光株式会社が管理・運営しており、ケーブルカー、ロープウェー、トローリーバスと乗り継いで行くことになります。
いずれも朝早くから運行していますが、週末や紅葉シーズンなどは必ずといっていいほど混雑しますので、事前調べをして計画的に利用されるのが良いかと思います。
バスの道中は結構な斜面をつづら折りになって進みますが、途中シャッターポイントで停車してアナウンスがあったり、座席シートには空調もリクライニングも完備されていたので快適でした。
一方で、自分の足で行く方法がないわけでもありません。
知る限りでは、富山県側の立山駅裏から山頂を目指すというコースもあるようなので、興味がある方は調べてみてください。
麓から頂上まで自分の足で踏破するというのも一つの楽しみ方かもしれませんね。
初心者から中級者までにオススメ!室堂からの立山登山縦走コース
立山(雄山・大汝・富士の折立)縦走コースについて
難易度 ★★★
距離 約8km
コースタイム 5時間30分
標高差 583m
日程 日帰り
室堂→立山室堂山荘→雄山→大汝山→富士の折立→大走り分岐→大走谷→雷鳥平→室堂というコースになります。
ちょうど立山(雄山・大汝山・富士の折立)を全て縦走することができ、天気が良ければ、劔岳などの眺望も望めるコースです。
もしちょっと心もとないなと感じられたら、室堂→雄山→室堂というルートに変更可能です。
こちらは往復約2時間ほどなので、状況に合わせて判断してください。
雄山頂上には雄山神社と社務所内があります。
社務所内では普通にお守りや御朱印などもいただけるようなので、必要な方はお財布と御朱印帳をお忘れなく。
また雄山神社のお社と雄山最高の三角点に行くには祈祷料を支払わなければいけません。
500円ほどだったと思いますが、人数制で順番に神主さんにご祈祷いただき、お神酒とお守りをいただけますので、興味のある方は体験してみるのもいいかもしれません。
またコース途中にはガレ場と呼ばれる岩場があります。
また大走谷から雷鳥平まで下る際にも、足場の不安定な場所がいくつかありますので、注意が必要です。
立山登山に適した時期
立山登山に最も適しているのは7、8月の夏山の時期です。
また紅葉が見頃のシーズンの9月下旬から10月上旬もオススメです。
ちなみに例年11月下旬くらいから立山登山アルペンルートは冬季期間になり閉鎖されています。
再び開通するのは4月ぐらいからです。
つまりおおよそ半年間ぐらいしか運行されません。
長期連休期間やお盆シーズンはかなりの混雑ぶりですので、できることなら平日に行かれるのをオススメいたします。
立山登山の服装について
ウィンドブレーカーかフリースがおすすめ
個人的なオススメは、出発の際に少し肌寒いかなというぐらいの格好で行き、リュックにはウィンドブレーカーかフリースなどを持っていって、途中で風がきつかったり、気候の変化に応じて着たり脱いだりして調節するのがいいと思います。
標高差が100mにつき0.6度前後下がっていくうえに、山の斜面には風が吹き付けますので、体感気温はさらに下がります。
かといって厚着をしていっても登っている最中は、汗をかき逆にその汗が冷えてしまうので逆効果です。
上着は山頂に着いた後の休憩中に体が冷えるのを防ぐといった意味が、一番大きいと思っていただくと、余計な重装備で無駄な体力の消耗を防げます。
日帰りはコットン製でも大丈夫
パンツはコットン製かポリエステルなどのトレッキングパンツが考えられると思います。
コットン製は汗を吸ったり、雨を弾かないので要注意です。
個人的には確実に晴れると分かっていて、日帰り程度の日程であればコットン製でも大丈夫と思っています。
ポリエステルよりも肌感が良いですし、価格も安いです。
一方ポリエステル製のものはそれなりのお値段がしますが、撥水効果があったり、透湿機能があったりと用途に合わせて選べる点がグッドです。
注意点としては、トレッキングパンツはレインウェアとは違い水を通すものがほとんどですので、雨が予想されるときは別途レインウェアを持っていかれると安心です。
登山靴について
雄山までの往復ルートならスポーツシューズでも大丈夫そうでした。
ただトレッキング系の靴は筋力不足のかたの捻挫を防ぐようにデザインされていたり、岩場での滑りにくいソールであったりと、機能的に作られています。
ですから少しでも危険が想定される人は躊躇なく、トレッキングシューズを使うことをオススメします。
外国人の方や、部活動を普段からやっているような子供たちは、スポーツシューズで登られているのをよく見かけますが、スポーツシューズでも大丈夫そうなのは普段から鍛えていてバランス感覚もあるようなかたです。
危険性があるかどうかをよく考えて自分にあったものを選んでください。
以上服装に関してでした。
個人的にこの中で一番重視したいのは一番酷使する部分の靴です。
ここには書きませんでしたがザックや日よけの帽子類、手袋類、ストックなども場合に応じて持っていくと良いと思います。
最後に、数グラムでも登山中ずっと持ち歩くことになれば、そのグラム分だけのエネルギーがいります。
ですので、できるだけ軽量化されていくのが疲れませんし、快適に登山を楽しめる秘訣かと思います。
登山計画を立てる前に知っておく事
立山登山は前泊がおすすめ
今回ご紹介したコースをもう一度ご覧いただくとおお分りいただけると思いますが、出発は室堂発、到着も室堂着になっています。
この発着地のプラン全行程で5時間30分ほどかかりますので、理想的な出発時間は7時〜9時ごろになります。10時では遅いです。
理由としては日が登ってしまった後に登るのは体力的にも困難になったり、もし事故や不測の事態が起きた時に早ければ早い方が良いからです。
ただ、富山県から登るにしても長野県から登るにしても、上記の行程に間に合わうようにすると非常に困難なスケジューリングを組まないといけません。
ですので、理想はアルペンルート内にある宿泊施設、山小屋あるいは、野営地にて前泊しましょう。
麓の駅直近の宿泊施設に泊まるのもアリですね。
登山後の楽しみ
登山後の楽しみといえば温泉ですよね。
室堂からアルペンロードを下った後に探されるのも良いと思いますが、せっかくなので、室堂周辺の施設を試してみるのオススメです。
室堂周辺の入浴施設は、
- みくりが池温泉(日本一高所の温泉)
- 立山室堂山荘
- 雷鳥荘
などがあります。
上記の温泉は温泉のみの利用でも大丈夫そうですが、室堂ターミナルに併設のホテル立山については宿泊客のみ利用可能となるようですので、ホテル立山や、弥陀ヶ原ホテルなどに宿泊される方は下調べしておくと良いかもしれません。
入浴料はいづれも700円前後です。
その他にタオルの販売やシャンプー類の販売もあるようです。
ただし利用可能時間が決まっているところもありますので、事前にウェブサイトなどで確認してから計画を立てていただくと良いかと思います。
まとめ
立山の登山ルートを紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。
限られた期間しかアクセスできず、長期休暇中は混雑必須と知ってしまうと、なかなかハードルが高そうと思われる方も少なくないと思います。
美しい山々と、その麓で厳しい自然にさらされながらも、慎ましやかに生きている動植物たち。
今もなお活動を続ける火山の臨場感を味わえる火口湖群。
修験道や山岳信仰の中で地獄として位置づけられた場所の意味。
確かにたどり着くまでには困難もあるでしょうが、それらを乗り越えてたどり着く場所に広がっている世界はまさに別天地です。
早速気になっている方はライブカメラで現在の様子を見ることもできますが、やはり実際に訪れてみて直に感じていただけるのが一番かと思います。
長々と書いてまりましたが、旅のお役に立てて頂けていると幸いです。
お読みいただきありがとうございました。