六甲山

六甲山の登山コースガイド|初心者におすすめ登山ルート3選!難易度や服装もご紹介!

阪神地区の山と言えば六甲山。あの阪神タイガースの応援歌「六甲おろし」や、「六甲のおいしい水」など全国的にもよく知られている山です。また、六甲山は神戸など都市部から近く交通の便がいいため、登山ルートがよく整備され、観光施設が充実しています。本記事では、六甲山の概要や登山情報、温泉などの情報もご紹介します。

※記事中に登場する料金などの営業情報はすべて2019年1月現在のものです。

六甲山とは?

六甲山は標高931m、兵庫県の南東部に位置する、神戸市、芦屋市、西宮市、宝塚市にまたがる六甲山地の最高峰です。交通の便が良く、低山であることから、登山初心者やファミリー登山に人気がありますが、同じ六甲山地の摩耶山(標高702 m)や鉢伏山(標高246 m)などの山を縦走する、長距離縦走もできることから中級登山者にも人気があります。また、多くの観光施設や景勝地が点在しており、登山客だけではなく観光客を多く訪れます。

六甲山登山の4つの魅力

関西の登山者に人気の六甲山。その魅力をまとめてみました。

六甲山登山の魅力1 登山ルートや山頂からの絶景

多くの登山者の目的の一つが、山頂や登山ルート上からの絶景です。大阪や、神戸の街や神戸港などの港の風景などの展望が人気です。特に夜景は有名で、ロープウェイやケーブルカーを利用した夜景見物もできます。

六甲山登山の魅力2 都市から近く交通の便がいい

阪急芦屋川駅、阪急岡本駅、神戸電鉄有馬温泉駅など、公共交通機関の便がよく、運行本数が多いため、非常に便利です。例えば、阪急神戸線「芦屋川」駅は、大阪中心部から20~30分程度で、大都市から時間をかけずに登山できます。

六甲山登山の魅力3 コンパクトな登山ルート

主な六甲山登山ルートは、芦屋ルート、東灘ルート、有馬ルートの3つです。どれも2~3時間で登頂可能で、短くもなく、長くもなくほどよい登山を味わうことができます。

六甲山登山の魅力4 有馬温泉に下山することが可能

登山ルートとして、有馬温泉を含めれば、下山後に温泉に入浴し公共交通機関で帰宅することができます。実際、多くの方が有馬温泉からピストン、または、有馬温泉へ下山する登山者が多く、本記事での登山ルートも有馬温泉へ下山するルートを紹介しています。

六甲山の主な3つの登山口

六甲山の主な登山口を3つご紹介します。

高座ノ滝

阪急芦屋川駅から徒歩30分で、ロックガーデン入り口、滝の茶屋とも呼ばれます。芦屋川駅から滝ノ茶屋までは、市街地や住宅街で、駐車スペースが少ないため、できるだけ公共交通機関を使うことをおすすめします。

登山ルート:芦屋川ルート
トイレなど:阪急芦屋川駅周辺、高座ノ滝
交通アクセス:
【電車】阪急梅田駅 ⇒ 阪急芦屋川駅 所要時間26分 料金280円

東おたふく山登山口

阪急芦屋川駅から阪急バスで東おたふく山登山口バス停へ11分。バス停を下りたらハイキング案内図があるので、その通り進み徒歩約10分で登山口です。バス停に4台程度の駐車場があります。

登山ルート:東おたふく山ルート
トイレなど:阪急芦屋川駅周辺
交通アクセス:
【電車】阪急梅田駅 ⇒ 阪急芦屋川駅 所要時間26分 料金280円 
【バス】阪急芦屋川 ⇒ 東おたふく山登山口 所要時間11分料金330円

有馬温泉登山口

神鉄有馬温泉駅から徒歩17分、「鳥地獄」横から入山します。マイカーの場合は、有馬温泉周辺の駐車場が利用できますが、営業時間が9時からが多く、早朝から登山する方には向きません。

登山ルート:有馬ルート
トイレなど:有馬温泉周辺
交通アクセス:
【電車】阪急梅田駅 ⇒ 神鉄有馬温泉駅 所要時間1時間3分 料金1250円

六甲山の3つのおすすめ登山ルート

縦走もできる六甲山は、様々な登山ルートがありますが、本記事では初級から中級クラス向けの最もポピュラーな3つの登山ルートをご紹介します。岩場や鎖もありますが、それほど難しくなく、登山初心者でも難なくこなすことができます(お子様連れは注意してください)。

今回ご紹介するルートはどちらも公共交通機関を使用して登山口へ行き、有馬温泉へ下り、同じく公共交通機関で帰宅するルートをご紹介します。したがって、所要時間は駅やバス停間としています。

六甲山おすすめ登山ルート1 芦屋川ルート~有馬温泉へ

六甲山登山ルートの中で、最もポピュラーな王道ルートです。交通の便がよくロックガーデンなどクライミング気分を味わいながら、六甲山最高峰に立ち有馬温泉に降ります。

【所要時間】登り3時間、下り1時間10分、休憩含む総所要時間5時間。
【標高差】 登り約900m、下り約560m
【難易度】 初級~中級

阪急芦屋川駅~高座ノ滝(所要時間30分)
阪急芦屋川駅から出発です。延々と市街地住宅地の中の舗装路を歩き、30分程度で高座ノ滝へ到着します。ここから本格的な登山道になります。

  • 初心者向けポイント

駅から高座ノ滝まで、住宅街の中、交差点や分岐がありますが、標識が立っているので確認しながら歩きましょう。実は、このルートの中で一番迷いやすいのがこの区間です。駅にもトイレがありますが、高座ノ滝にもトイレがあります。しかし、ここから山頂までトイレはありませんので、ここで済ましておきましょう。

高座ノ滝~風吹岩(所要時間40分)
登山度に入ると、すぐにロックガーデンが始まります。大小さまざまな岩を乗り越えながらになります。鎖などもありますので注意しながら歩いてください。岩をよじ登っていくと、標高447m風吹岩へ到着します。

  • 初心者向けポイント

途中の岩場は緊張しますが、振り返ると神戸の街が一望できる場所などありますので、風景を楽しむことも忘れずに。

風吹岩~雨ヶ峠(所要時間50分)
風吹岩を過ぎると、しばらくなだらかな道が続きます。木々の中を歩いたり、沢を渡ったり、気持ちのいい登山道が続きます。途中、魚屋道・荒地山分岐を過ぎ、しばらくすると雨ヶ峠へ到着します。雨ヶ峠から六甲山最高峰まで急坂になります。ベンチやあずまやがある雨ヶ峠で小休憩しましょう。

  • 初心者向けポイント

途中の沢はきれいですが、山頂に施設がある関係から汚染の可能性があります。雨ヶ峠手前に水場がありますので、水の補給は水場で行いましょう。

雨ヶ峠~六甲山最高峰(所要時間55分)
雨ヶ峠で休憩したら、一気に最高峰まで登ります。ここからは急坂になりますので頑張って登りましょう。50分程度で一軒茶屋に到着します。このあたりは山頂の観光施設になっており食事もトイレもあります。観光客が多く戸惑いますが、六甲山最高峰を目指しましょう。5分程度で最高峰です。
六甲山最高峰からは、西には山々が連なり、東には阪神地域の都会が一望できます。絶景を楽しみましょう。

  • 初心者向けポイント

お弁当はこの最高峰の広場でとりましょう。持参せずに、茶屋で食事することできます。うどんやカレーから、コーヒー、アイスクリームなどもあります。

六甲山最高峰~神鉄有馬温泉駅(所要時間1時間10分)
六甲山最高峰からの絶景を楽しんだら下山です。トイレを済ませたら、魚屋道(ととやみち)という道を下っていきます。下山路は急な坂や険しい場所はありません。木々が多い茂り眺望はありませんが、ゆったりと歩くことができます。50分で有馬温泉側の登山口へ到着し、有馬温泉街を歩いていくと観光協会、有馬温泉駅へ到着します。

  • 初心者向けポイント

時間に余裕があれば、ぜひ、有馬温泉の立ち寄り湯へ入って帰りましょう。今回、有馬温泉へ降りるルートをご紹介したのも、温泉をおすすめする意味でもあります。詳細は後述しますので参考にしてください。

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六甲山おすすめ登山ルート2 東おたふく山登山口~有馬温泉

阪急東おたふく登山口バス停から、東おたふく山を経由し、六甲山最高峰へ登り、有馬温泉へ下山するルートです。東おたふく山から雨ヶ峠で、芦屋川ルートに合流します。登りが芦屋川ルートより楽で、ロックガーデンを通らないので、岩場歩きが不安な登山初心者や、お子様連れにおすすめです。

【所要時間】登り2時間、下り1時間10分、休憩含む総所要時間4時間。
【標高差】 登り約471m、下り約560m
【難易度】 初級

東おたふく山登山口バス停~東おたふく山~雨ヶ峠(所要時間65分)
東おたふく山登山口バス停からハイキング案内図に従い、東おたふく山ハイキング道の道標に従い歩いていくと、東お多福山・土樋割峠への道標があり、その先が登山口です。ほどなく、東お多福山・土樋割峠との分岐に会うので、東お多福山へ登っていきます。雑木林のなだらかな登山道を登っていくと東おたふく山山頂に到着します。山頂はササの草原が広がっており、見通しが良くなっています。
ここで休憩してもいいですが、雨ヶ峠まで15分程度なので、そこで休憩しましょう。一旦100mほど下ります。

雨ヶ峠から芦屋川ルートと同じです。

  • 初心者向けポイント

途中、ササが生い茂り登山道がわかりにくいところもありますが、しっかりと踏み跡を確認して歩けば大丈夫です。

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六甲山おすすめ登山ルート3 有馬温泉ピストン

有馬温泉駅から、魚屋道(ととやみち)を使い六甲山最高峰を往復するルートです。今回ご紹介する登山ルートの中で、所要時間が一番短いルートです。

【所要時間】登り1時間30分、下り1時間10分、休憩含む総所要時間3時間30分。
【標高差】 約560m
【難易度】 初級

神鉄有馬温泉駅~六甲最高峰(所要時間1時間30分)
神鉄有馬温泉駅から有馬温泉街を抜け、鳥地獄横の登山口から入山します。つづら折りの登山道を登っていくと、有馬温泉駅から30分で炭屋道・魚屋道分岐になり、魚屋道方向に進みます。この道は、昔、魚介類を神戸側から有馬温泉へ運ぶために使われていた道なので、眺望はありませんが、急坂は無く歩きやすい道です。
ゆるゆると登っていくと、分岐から1時間で六甲山山頂へ到着します。

下山は、往路を戻ります。

  • 初心者向けポイント

有馬温泉からは、ロープウェイ有馬温泉駅横から登る紅葉谷道から炭屋道を使うルートもありますが、路面流失土砂による路面埋没等のため、2019年1月現在、通行止めですのでご注意ください。

六甲山を下山したら有馬温泉へ

有馬温泉にはたくさんの立ち寄り湯があります。代表的な温泉をご紹介します。

1. 金の湯

有馬温泉駅から徒歩5分、今回ご紹介した登山ルート近くにあるため、立ち寄りやすい場所にあります。強塩泉のため鉄分が酸化して赤茶色のお湯で、いかにも体によさそうな温泉です。

所在地 : 〒651-1401 神戸市北区有馬町833
電話  :078-904-0680
料金  :大人(中学生以上)650円 小人(小学生)340円 幼児無料
営業時間:午前8時~午後10時(最終入館は午後9時30分まで)
定休日 :第2火曜日・第4火曜日(祝日営業、翌日休)及び1月1日

金の湯HP

2. 銀の湯

有馬温泉駅から徒歩10分、今回の登山ルートを使った場合、銀の湯のほうが手前にあります。金の湯と銀の湯は姉妹施設で、通し券もあります。建物は銀の湯よりも新しいため、天井など高く開放感がります。金の湯のお湯にラジウム泉を混合したお湯なので、金の湯よりもやわらかなお湯を好む方にはおすすめです。

所在地 : 〒651-1401 神戸市北区有馬町1039-1
電話  :078-904-0256
料金  :大人(中学生以上)550円 小人(小学生)290円 幼児無料
営業時間:午前9時~午後9時(入館は午後8時30分まで)
定休日 :第1・第3火曜日(祝日営業 翌日休)及び 1月1日

銀の湯HP

3. かんぽの宿 有馬

金の湯、銀の湯よりも料金が高くなりますが、宿泊施設の温泉なので入浴施設や休憩施設が充実しています。ちょっとぜいたくな日帰り温泉を楽しみたいときにおすすめします。

所在地 : 〒651-1401 兵庫県神戸市北区有馬町1617-1
電話  :078-904-0951
料金  :【平日】大人(12歳以上)800円 小人(6歳以上、12歳未満)400円
     【土日祝】大人(12歳以上)1000円 小人(6歳以上、12歳未満)700円
     【年末年始、GWなど特定日】
      大人(12歳以上)1200円 小人(6歳以上、12歳未満)900円
営業時間:10時30分~20時30分(入浴受付は20時まで)

かんぽの宿 有馬HP

六甲山登山におすすめの服装

六甲山は、兵庫県瀬戸内海側に位置し最高峰で931mと低山ですので、本格的な登山ウェアは必要ありません。一般的な登山ウェアで十分です。

六甲山登山の服装①アンダーウェア

【夏】
夏の六甲山は暑いので、アンダーウェア無しで、吸湿速乾性のTシャツやポロシャツ1枚でも問題ありません。
【春秋】
吸湿速乾性のTシャツをアンダーとして、または、半そでで、吸湿速乾性の薄手アンダーウェアを着用しましょう。
【冬】
冬の六甲山は時々雪が降ります。吸湿速乾性とともに保温性がある長袖のアンダーウェアをおすすめします。

六甲山登山の服装②ミドルウェア

【夏】
夏の六甲山は陽射しが強いので、UVカットされたシャツを着用しましょう。
【春秋】
春や秋の六甲山は、朝や夕方は冷え込みます。長袖シャツやジャージを着用しましょう。
【冬】
冬の六甲山は風が寒く体を冷やさないようにフリースやセーターを着るようにします。

六甲山登山の服装③アウターウェア

【夏】
夏の六甲山の山頂付近は風が吹くと汗冷えします。風対策としてウィンドブレーカーを持参しましょう。
【春秋】
春や秋の六甲山の朝や夕方などの冷えた時は、ウィンドブレーカーを着用して体を冷やさないようにします。
【冬】
冬の六甲山の冷え込んだ時の風は非常に冷たく、風対策としてジャケットやレインウェアをアウターとして着用しましょう。また、携帯型のダウンウェアがあれば休憩時などの寒さ対策になります。

六甲山登山の服装④装備類

低山の六甲山とはいえ、冬は冷え込み、夏は日射がきつくなります。冬は寒さ対策のニット帽を、冬以外は陽射し対策として、つば付きの帽子を用意しましょう。厳冬期は、マフラー、ネックウォーマー、手袋を忘れずに。

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気軽な六甲山。でも遭難事故が多発

関西のランドマーク、六甲山。気軽に登れて、楽しめる山だとわかっていただけたでしょうか?
しかし、気軽に登れることから、遭難や事故も多発しています。ロックガーデンの急峻な岩場から滑落する事故もさることながら、午後から入山して日没後、暗くなり動けなくなってしまう遭難も後を絶ちません。岩場の歩行は注意すること、入山時は、行程の所要時間をしっかり確認して日没前には下山できるように行動しましょう。