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霊仙山の登山ガイド|初心者におすすめのコースをご紹介!服装や注意点のまとめ。

今回ご紹介するコースは鈴鹿山脈の北端にあり、花の百名山としても知られている霊仙山(りょうぜんざん)です、見所も多く初心者の方にもおすすめのコースに加えて、春夏秋冬と迎えにそびえる伊吹山と合わせて年中楽しめます。では早速霊仙山の概要とおすすめのコースなどについて見ていきましょう。

霊仙山ってどんな山

霊仙山をご紹介する上で注目したいのが、石灰岩とカレンフェルトや、ドリーネなどのカルスト地形です。頂上付近の山肌や、斜面のところどころにポツポツと白い岩の景色を見ることができるほか「お虎ヶ池」とその傍らに簡素な霊仙神社などの見所があります。また、野生の獣、特にシカを見かけることも多いです。
その他、頂上直下の分岐で別れて少し降れば避難小屋、頂上から南へ西尾根を行くと近江展望台があり、近江展望台からは南に御在所岳、藤原岳、西にはは琵琶湖の大パノラマが望めます。

霊仙山周辺の気候について

この辺りの気候は、特に冬期に若狭湾から流れ込んでくる寒気の影響で、本州でも有数の豪雪地帯になりますので、頂上部には1mを越すような積雪が見られることもあります。冬に行かれる方は特に装備など万全にしてから行かれるようにしてください。

霊仙山の初心者におすすめのコース

榑ヶ畑登山口からのコース
難易度 ★〜★★
距離 7.2km
コースタイム 4時間
標高差 700m

▲行き 榑ヶ畑登山口 → 汗拭き峠 → お虎ヶ池 → 経塚山 → 霊仙山(最高三角地点)
▼帰り 霊仙山(最高三角地点) → 経塚山 → お虎ヶ池 → 汗拭き峠 → 榑ヶ畑登山口

榑ヶ畑(くれがはた)登山口から〜「かなや」
標高差は700mとそこそこありますが、初心者や小さいお子さんでも十分楽しめそうなコース内容です。また春夏秋季には道中にテクニカルなポイントもないので、ハイキング気分でいけると思います。

コースは榑ヶ畑の駐車場から始まり、駐車場横の登山口からは川の流れている森林地帯をなだらかに登っていきます。途中渡渉するポイントも何回かありますので、登山靴や、防水性の靴があると安心です。

樹林帯の一番奥には「かなや」という山小屋があります。山小屋といっても無人ですし、何度か通っていますが、一度も中に入っている人を見たことがないので、多分入ることはできないと思います。ただ、小屋の脇に湧いている水場に飲み物が冷やしてあるので、もし買い忘れてしまった方はこちらで買っておくのも良いと思います。
値段は普通の自動販売機で買うのと変わらなかったと思います。
今回のコース上にはこちらを最後に水場がありませんので、特に夏場などには一度チェックして見ていただけると良いかと思います。

「かなや」〜汗拭き峠
「かなや」さんからは汗拭き峠までジグザグと一般的によくある登山道を登っていきます。
道自体は整備されているので登りやすい部類に入ると思いますが、
道中に何度か訪れる分岐点がどれも似ているためひょっとすると帰りに間違えることがあるかもしれませんので、写真にとったり、マップを携行して行くと安心です。
低山といっても遭難者も出たことがある山ですので、初めて行かれる方は特に注意してください。

汗拭き峠からお虎ヶ池
汗拭き峠からおとらが池までは傾斜もそこそこある道を登っていくことになります。
途中樹林帯が途切れたり、斜面の背後に見晴らしが望める場所もありますので、適宜休憩などをして登っていきましょう。この辺りが一番きついところになると思いますが、樹林帯をぬけたらなだらかな台地が広がる頂上部まであと一息です。

頂上部に着いたら、正面に霊仙山頂上を見ることができると思いますが、残念ながら頂上まで行くには迂回しなければいけません。ただ迂回路はなだらかな道な上、途中にはお虎ヶ池もありますので、カルスト台地が作のドリーネと一緒に楽しみながら歩くことができます。

お虎が池から霊仙山頂上
その後、池からは避難小屋への分岐でもある経塚山へ、そこからひとがんばりして、岩だらけの山肌を登り詰めると念願の霊仙山頂上に到着です。
頂上には日光を遮るようなものは一切ありませんので、肌の弱い方や、女性は日焼け止めなどを塗り直したり、見晴らしの良い場所でランチをとるのもおすすめです。
なかなか風量もあるので飛ばされないように注意しましょう。
避難小屋まで戻ってみるのもありだと思います。

霊仙山頂上から登山口
下山はルートは登りと同じ道1.アンダーウェアを進みます。所要時間は登りにかかった時間の5割から7割程度です。あとは降りるだけといっても、暗くなり視界が悪くなると思わぬ出来事から災難になりかねませんので計画的に下山するようにしましょう。
登山は登りよりも下りに遭難事故が多発しています。

霊仙山登山におすすめする服装

1200m程度の山なので春夏秋は一般的な登山の服装から運動しやすい格好で自分にあった服装選びをしていただいて良いと思いますが、冬、特に積雪時については防寒と雪山装備があった方が良いでしょう。いずれも、風邪を凌ぐアウターが活躍する場面が多い山になります。

1.アンダーウェア
夏場は速乾性で透湿性の良いものを、日差しがきになる方は長袖のものを選びましょう。
秋冬はウール製の長袖のものが保温性が良くおすすめです。アンダーウェアは特にコンディションを左右するアイテムになると思うので、念入りに選バレることをおすすめいたします。

2.ミドルウェア
一番種類の多いカテゴリーになり、春夏秋期はジャージ素材のものであったり、薄手のフリースやシャツなど気温や天候によって選択肢を持てると良いと思います。冬期についてはウール製のニットや厚手のフリースなどが良いと思います。

3.アウターウェア
年中通して頂上部付近では風がありますのでウィンドブレーカーがあると良いです。
加えて撥水性、透湿性のあるものだと雨天時や、夏場などでも快適に山行する手助けとなるでしょう。

4.ボトムス
運動しやすい伸縮性があるものを選びましょう。撥水性があるとベターです。
汗をそれほどかかないのであればコットン製のパンツや、ジーンズなどでも良いですが、
綿は濡れるとと重くなるので、注意が必要です。

5.アクセサリー
頂上部付近は日差しを遮るものがありません。特に夏場の帽子類は必須です。

6.装備類
降雪時特に頂上部周辺で1m以上の積雪が見込まれそうな状況の時は、ツボ足になることも度々あるので、ワカンやスノーシューのほか、ゲイター、トレッキングポール又はストックを持っていきましょう。

霊仙山登山の注意点

山ビルについて

霊仙山に限らず鈴鹿山脈全般に特に夏場に注意したいのが山ビル被害です。
今回のルートだと登山口から「かなや」さんまでの間に見かけます。どれだけ注意していても、気がつくとソックスが血に染まっていたなんてこと度々ですので、塩を靴に塗ってお区などしてヒル対策を万全にしていくことをおすすめします。

冬期登山について

前述しましたが頂上付近では積雪量も多く、冬季装備は必須ですが、登山口までの車の装備もスタッドレスタイヤや、チェーンも持っていかれた方が良いと思います。登山口付近の榑ヶ畑駐車場には数台しか停めるスペースがなく、そこまでたどり着いたものの、すでに埋まっていて、凍結している路面の中でのUターンといったなるべく避けたいような場面も度々目にしました。
早起きすれば確実というわけでもないので、事前にできる対策はしっかりしていくようにしてください。

まとめ

霊仙山は特に初春に福寿草をはじめとした様々な野花を見ることができる山です。また冬には豪雪地帯ならではの豊富な積雪を踏みしめながらスノートレッキングできる山へと変貌し、年中通じて初心者からベテランまで幅広い層におすすめできる山になりますので、ご興味をお持ちいただけたら一度挑戦されてみてはいかがでしょうか。
お読みいただきありがとうございました。

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