ソロストーブは高い燃焼効率とコンパクトなサイズで多くのソロキャンパーから高い支持を得ている小型ストーブです。
「ライト」「タイタン」「キャンプファイヤー」の3種類がありどれも魅力的ではありますが、パッと見た目は大きさ以外同じように見えるのでいざ購入となると細かな使い心地の違いが気になりますよね。
そこで、今回はそれぞれの使い心地をレビューしていきます。ソロストーブを初めて聞いたという方も、すでに目は付けているものの決め手に悩んでいる人も、是非、参考にしてくださいね。
solo stove(ソロストーブ)とは
「solo stove(ソロストーブ)」は、アメリカのテキサス州のアウトドア愛好家が発案した小型ストーブです。当時、納得のいくストーブが手に入らず、自ら「環境に優しく・効率が良く・さらに軽くて丈夫な焚き火台」を目指して開発し、誕生しました。
環境にも優しいことから「ウッドバーニングストーブ」「ネイチャーストーブ」とも呼ばれ、簡単に扱えるので初心者からベテランバックパッカーまで幅広いアウトドアスタイルの方から支持されています。
日本ではソロキャンパーを中心に高い評価を得ている、世界で愛される小型ストーブですよ。
サイズ
- ライト
- タイタン
- キャンプファイヤー
- レンジャー
- ボンファイヤー
- ユーコン
ソロストーブには、軽量なソロキャンプからファミリーキャンプやグループキャンプの人数に合ったサイズが選べれるように、6種類のサイズがラインナップされています。
solo stove(ソロストーブ)の特徴
ソロキャンプ向けの小型ストーブは数多くありますが、ソロストーブは暖を取るストーブとして以外にも焚き火台として使ったり、調理をしたりとそのオールマイティーさが魅力の商品です。
ここでは魅力あふれるソロストーブの特徴についてみてみましょう。
耐久性が高い
ソロストーブは素材にプレミアムグレードの304ステンレススチールを使用していてただでさえ頑丈な作りとなっていますが、継ぎ目のない1枚板の構造がより耐久性を強固なものにしています。ステンレス製なので錆にも強く、天候に左右されずガンガン使えますよ。
組み立ての手間なし
ソロキャンプ向けの焚き火台によくある分割収納はできませんが、組み立ての手間がないので準備と片付けをできるだけ手軽にしたい方にはぴったりです。分割収納の焚き火台は、熱による歪みで組み立てがしづらくなりますが、ソロストーブですとそのストレスからも解放されますよ。
そのままの大きさでも非常にコンパクトで軽量なので持ち運びには困りません。
調理もしやすい
ゴトクも付いているので調理がしやすく、ゴトク部分は燃料を追加しやすいよう隙間が空いているのでいちいち鍋やフライパンを移動させる必要がありません。外側は筒状に囲まれているので風防として機能し、炎が消えにくいですよ。頑丈な構造なので重さが心配なスキレットを置いても安定感は抜群です。
特許取得の高い燃焼効率
特許も取得した独自の二重壁構造により少量の燃料でも効率よく燃焼し、一次燃焼により生まれた可燃ガスを二次燃焼によってしっかり燃やし尽くしてくれるので、焚き火によくある嫌な臭いや煙を防止してくれますよ。
ソロストーブは小枝や松ぼっくりなど、自然にある少量の燃料でも強い火力が得られるエコな設計で、かつ、ガスのクリーン化も実現する。アウトドア精神の理にかなったエコでクリーンな小型ストーブなんです。
燃焼後の灰が少ない
ソロストーブの燃料にペレットを使い、1時間程度焚き火をしても、しっかりと灰になるまで燃焼してくれるので、後片付けも楽です。
ソロにおすすめのソロストーブは3サイズ
ソロストーブには「ライト」「タイタン」「キャンプファイヤー」「レンジャー」「ボンファイヤー」「ユーコン」と6種類のサイズがありますが、ソロキャンプにおすすめのサイズは3つの種類があります。それぞれのスペックを押さえて、サイズ選びの参考にしてくださいね。
ライト
商品名 | Solo Stove Lite (ソロストーブ ライト) |
---|---|
使用サイズ | φ10.8 ×高さ14.5cm |
収納サイズ | φ10.8×高さ10cm |
重量 | 約255g |
素材 | ステンレススチール(SUS304)、ニクロムワイヤー |
ラインナップの中で最も小さいサイズですが、高い燃焼効率で約950mlの水を8〜10分で沸かすことができます。とにかくコンパクトさと荷物の重さを重視したい、バックパックキャンプやツーリングキャンプにもおすすめです。
タイタン
商品名 | Solo Stove Titan (ソロストーブ タイタン) |
---|---|
使用サイズ | φ13 ×高さ20cm |
収納サイズ | φ13×高さ14cm |
重量 | 約467g |
素材 | ステンレススチール(SUS304)、ニクロムワイヤー |
ソロストーブタイタンはライトより一回り大きいサイズになり、約約950mlの水を4〜6分で沸かすことができます。ひと回り大きくなることで調理の際に上にスキレットなどを置いても安定しますし、かといって小さすぎるわけでもないので、ソロキャンプであれば十分に暖を取ることができます。
軽量さはキープしつつ、より使いやすいサイズ感が売りのバランスの取れたソロストーブです。
キャンプファイヤー
商品名 | Solo Stove Campfire (ソロストーブ キャンプファイヤー) |
---|---|
使用サイズ | φ17.8 ×高さ23.5cm |
収納サイズ | φ17.8×高さ17cm |
重量 | 約998g |
素材 | ステンレススチール(SUS304)、ニクロムワイヤー |
ラインナップの中で最大のサイズとなるのがキャンプファイヤーです。3~4人のファミリーやグループ向けに作られていますが、約950mlの水を2〜4分で沸かすことが可能なほど高い火力を誇り、安定感のある大きなゴトクも装備されているので、ソロキャンプで持って行けば焚き火でも調理でもワンランク上の使い心地を得ることができますよ。
内容物
- 本体
- クッキングリング(ゴトク)
- 収納袋
サイズは違いますが「ライト」「タイタン」「キャンプファイヤー」の付属品や構造は一緒です。
本体
ソロストーブ本体の外観は円筒型になっており、炉がむき出しになった他の焚き火台と違い、ソロストーブの炉は中にあるので、比較的に火を安全に使用できる焚き火台です。
底部の通気口から取り込まれた空気が一次燃焼して、燃焼中に温められた空気が2重構造になった壁の間を通って上部の通気口からでて2次燃焼する仕組みになっています。
炉内部には、ロストルの役割をするニクロムワイヤー線があり、燃えている燃料に効率的に酸素が供給ができ、その下には熱が直接地面に伝わらない効果もある灰受け皿があります。
クッキングリング(ゴトク)
クッキングリング(ゴトク)は、ポットやクッカーの中心を効率よく熱することができ、ゴトクにも通気口があるので炎に空気の供給もでき、風がある日には風防としても機能します。
収納時にはクッキングリング(ゴトク)をひっくり返して本体内部に収納できるので、コンパクトになります。
収納袋
ソロストーブには収納袋が付属してるので、ススで汚れてしまった使用後でも、気にせずにバックパックに入れて持ち運ぶことができます。
収納袋は軽量化の為に仕方がないことですが、薄いナイロン素材で耐久性はなく、本体ギリギリのサイズなので、出し入れの際には少し引っ掛かりがあるので、大事に扱う必要があります。
solo stove(ソロストーブ)のサイズ比較
ソロストーブの「ライト」「タイタン」「キャンプファイヤー」のサイズ別のスペックを比較していきます。
サイズや重量比較
ライト | タイタン | キャンプファイヤー | |
---|---|---|---|
使用時サイズ | 14.5cm | 20cm | 23.5cm |
収納サイズ | 10cm | 14cm | 17cm |
直径 | 10.8cm | 13cm | 17.8cm |
重量 | 255g | 467g | 998g |
炉のサイズ比較
ライト | タイタン | キャンプファイヤー | |
---|---|---|---|
炉の直径 | 9.5cm | 11.5cm | 16cm |
炉からゴトクまでの高さ | 9.9cm | 11.5cm | 16cm |
ソロストーブの燃料として薪や枯れ木を使用する場合は、炉からゴトクまでの距離が低いので、長い薪を使用すると地面にこぼれ落ちてしまいます。長い薪や枝は、それぞれのサイズのゴトクまでの距離以下の長さに切って使用する必要があります。
キャンプファイヤーは炉のサイズが大きいので、市販の薪をそのままの太さで半分に切って使用することができるので、小割にする一手間が省けます。
solo stove(ソロストーブ)のスタッキングについて
ソロストーブにスタッキングできる公式のポットや社外品のクッカー、アルコールストーブについてみていきましょう。
アルコールストーブとスタッキング
コンパクトなライトならアルコールストーブのゴトクや風防として使う事ができ、スタッキングする事も可能です。
Trangiaのアルコールストーブはピッタリなサイズなので、少し干渉して引っ掛かる事がありますが、スタッキングする事ができます。その他のメーカーも問題なくスタッキングできます。
スタッキングできる専用ポット
ソロストーブには、サイズごとにスタッキングできる目盛り付きの専用ポットが販売されています。
専用ポットの特徴として、一般的なクッカーと違い注ぎ口があるので注ぎやすく、加熱中に熱くならないように、蓋の取っ手が立つような仕組みがあります。
タイタン専用のポットには、本体ハンドル部分が上と左右に固定されるくぼみ加工が施されてるので、ハンドルが熱くて持てなくなる心配もありません。
少し値段は高めですが、丈夫なステンレス製で細部にもこだわった品質の高いポットです。
クッカーとスタッキング
ソロストーブには専用のスタッキングできるポットも販売されてますが、ライトでは社外品のクッカーもスタッキングする事が可能なので、コストを抑えることができます。社外品でもアルコールストーブも一緒にスタッキングできるので、軽量なソロキャンパーの方はアルスト・ソロストーブ・クッカーの3つを持っていけば、十分キャンプを楽しむことができます。
Solo Stove | PRIMUS | snow peak |
---|---|---|
ポット900 | ライテックトレックケトル&パン | トレック900 |
¥4,950 | ¥3,236 | ¥2,750 |
amazon | amazon | amazon |
※価格は2021年10月現在
ライトの直径は250グラムのOD缶とほとんど同じなので、OD缶が収納できて高さの合うクッカーであれば中に収納して持ち運ぶことができますよ。
solo stove(ソロストーブ)ペレットの使い方
ペレットとは乾燥した木材を細粉して圧縮成形した木質燃料のことで、ソロストーブではペレットを使用すると、薪や枝にくらべ火力の維持が楽になります。ソロストーブでペレットを使用する際の使い方や着火のコツを紹介します。
ペレットを燃料にする場合ロストルが必要
ソロストーブのニクロムワイヤーは網目が広いので、ペレットが隙間から落ちてしまいます。ペレットを燃料として使用する際は、穴の開いたステンレスプレートをロストルとして必要です。
100均でも売っている台所の排水溝や茶こしをつぶして、ロストル代わりに使用することも可能ですが。網の目が細かいので、燃焼時に目が詰まってしまい空気の循環が悪くなります。専用ではないですが、ピッタリサイズなロストルも販売されてるので、長く使用するのならステンレスプレートを選ぶのもありです。
ペレットの使い方
- ペレットを底が少し見えるぐらい入れる
- 着火剤をちぎって入れる
- 着火する
- 少し燃えたら軽くペレットと着火剤を混ぜる
ペレットが消える?着火のコツは?追加のタイミングは?
最初に大量にペレットを投入すると、空気の循環が悪くなり安定した火力を出すことができず、消えてしまいます。最初は底が見える程度のペレットを投入する方が良く、火が付きにくい場合は、着火剤を多めに入れることが着火のコツです。
燃焼途中でペレットが消える場合は、ペレットの投入量が多い場合があるので、少量ずつ燃やすことです。また、追加のタイミングは、火力が弱まってない時にペレットの投入をすることで、火力の維持ができます。
solo stove(ソロストーブ)をペレットで燃焼時間比較
「ライト」「タイタン」「キャンプファイヤー」で燃料でペレットを使った時の、お湯を沸かす時間や燃焼時間を比較してみました。
ペレットで500mlの湯沸かしにかかる時間を比較
それぞれのサイズのソロストーブで500mlの水を沸かしてみました。
ライト | タイタン | キャンプファイヤー | |
---|---|---|---|
時間 | 8:40 | 3:30 | 3:00 |
ライトが倍以上の時間がかかりましたが、ペレットでの火力の維持が難しく、火力が安定した状態では5分程度でお湯が沸くと思われます。
500gのペレットの燃焼時間を比較
ソロストーブで500gのペレットを燃焼させた燃焼時間を比較してみました。火が弱まってきた時点で、ペレット燃料の投入をしました。
ライト | タイタン | キャンプファイヤー | |
---|---|---|---|
二次燃焼 | 4:00 | 3:40 | 2:00 |
燃焼時間 | 1:33:53 | 47:00 | 25:30 |
キャンプファイヤーやタイタンは火力が弱まっても熾火がしっかりとあるので、ペレットの追加をしてもすぐに火がついてくれますが、ライトの場合、火の維持が難しく途中で火が消えてしまう事もあり、正確な計測ができませんでした。
キャンプファイヤーやタイタンは燃焼後もしっかりと熾火があるので、パンを焼くなど簡単な調理なら十分できる火力があります。
※写真は火吹き棒で吹いた後なので赤く燃えてます。
ライトは灰になってないペレットが炉に溜まることで、空気の循環が悪くなったことも原因なので、あまり多くのペレットの使用には向いていないのかもしれません。
アルコールストーブで200mlの湯沸かしにかかる時間を比較
ライトとタイタンでアルコールストーブで200mlのお湯を沸かしてみました。
ライト | タイタン | |
---|---|---|
燃焼時間 | 5:07 | 6:20 |
アルコールストーブでお湯を沸かす場合は、タイタンは炉からゴトクまでの距離があるので、ライトの方がお湯が早く沸く結果となりました。
solo stove(ソロストーブ)のデメリットはあるの?
高火力で使いやすいソロストーブですが、使用してみて収納袋の使いにくさにデメリットを感じます。収納袋はサイズかピッタリで底部分に厚みもありので良い点もあるのですが、デメリットととして本体の出しづらさがあります。
出しづらさを感じる点は
- 入り口の紐の滑りの悪さにスムーズさが少し欠ける
- ピッタリサイズなので引っかかる
の2点です。
焚き火台の使用上には問題ないですが、気になる方は別の袋を検討することをおすすめします。
solo stove(ソロストーブ)のサイズ選びで迷う?ソロキャンプにおすすめは?
3つのサイズのソロストーブを使用してみて、どんな人におすすなのか?それぞれのサイズでまとめてみました。
ライト
ライトは燃焼室が小さいので、火の維持に気を遣う必要がありますが、コンパクトにスタッキングできるクッカーがあったり、アルコールストーブの五徳兼風防など幅広く使用できます。湯沸かしや簡単な調理なら十分できる火力があるので、現地で燃料を調達する軽量系のソロキャンプにピッタリなソロストーブです。
タイタン
タイタンには十分な大きさの燃焼室があり、太めの枝も使用できるので、ライトのように火の維持を忙しくする必要がなく暖もとれます。枯れ木や小枝での焚き火だけじゃなく、ペレットでの調理にも向いており、小割の薪も使用でき、ソロキャンプにとってのサイズ感や火力のバランスがとれたソロストーブなので、サイズ選びに迷ったらタイタンを選ぶことをおすすめします。
キャンプファイヤー
キャンプファイヤーは少し火力が強すぎる印象ですが、高火力なので調理が早くでき、トライポットがあれば煮込み料理という使い方もできます。少しサイズが大きいのでコンパクトな感じはないですが、車でキャンプに行かれる場合は、大きな薪も使えて暖もとれるキャンプファイヤーという選択肢もありだと思います。また、3~4人用にも対応できるサイズなので、キャンプファイヤー一台で幅広い人数に対応したい方にもおすすめサイズです。
まとめ
いかがでしたか。ストーブとしても湯沸かしとしても焚き火台としても、様々なシーンで活用できるソロストーブは荷物をコンパクトにしたいソロキャンプにもぴったりです。自然燃料を活用できてエコな点も、キャンプ愛好家の心をくすぐりますね。
コンパクトながら驚くべき火力を発揮するソロストーブは、これから寒い季節のソロキャンプでも頼もしい相棒になります。きっと、高火力の暖かさと、高い燃焼効率によって生まれる美しい炎で身も心も温かくなりますよ。