丹沢

塔ノ岳の日帰り登山|初心者におすすめルート3選!山小屋・駐車場情報もご紹介!

塔ノ岳は都心からのアクセスが良く、様々な登山ルートが楽しめる山。眺望がよく、気持ちのいい尾根歩きなど山としての魅力も豊富で、初心者からベテランまで多くの登山者に人気の山です。本記事では、初心者におすすめの日帰り登山ルートや、山小屋、登山後の温泉の情報などもご紹介します。

※記事中に登場する料金などの営業情報はすべて2019年1月現在のものです。

塔ノ岳とは

塔ノ岳は、奈川県秦野市、愛甲郡清川村、足柄上郡山北町にまたがる標高1491mの山で、丹沢山地の南部に位置します。眺望の良さ、アクセスの良さから多くの登山者でにぎわいます。丹沢最高峰なので、山頂に立った達成感を味わえます。周辺には多くの山小屋や休憩施設が多いので、登山初心者や女性にも人気の山です。

塔ノ岳の魅力

塔ノ岳は多くの登山者訪れる人気の山です。その魅力をまとめてみました。

塔ノ岳の魅力1 都心からのアクセス抜群

塔ノ岳の魅力の一つに都心からのアクセスの良さが挙げられます。例えば、新宿駅からだと大倉・ヤビツ峠登山口まで、電車とバスで2時間程度です。
小田急線丹沢・大山フリーパスを使うと、新宿駅から大倉・ヤビツ峠登山口往復で1530円です。丹沢・大山フリーパスは、周辺の観光施設・飲食店など、23の施設が優待・割引料金で、しかも乗り降り自由という非常にお得なきっぷです。

塔ノ岳の魅力2 バリエーション豊かな登山ルート

塔ノ岳の登山道は、よく整備されていますが、鎖やハシゴの岩場の場所もあり、バリーションを楽しめるのが魅力の一つです。岩場と言っても、難易度は高くないので、気を付ければ初心者でも大丈夫でしょう。
一般的な登山ルートは5つで、総所要時間5時間から8時間程度のルートが中心です。

塔ノ岳の魅力3 抜群の眺望と広い山頂

登山ルート途中の尾根や、山頂からの眺望がよく、特に本尾根からの富士山や相模湾、江ノ島や伊豆大島、中央アルプスの絶景が人気です。街から近いので、夜は、山頂などから夜景が楽しむこともできます。山頂は赤土と石が多く広いため、休憩や昼食に最適です。

塔ノ岳の魅力4 山小屋やベンチ、トイレなどの施設が充実

山小屋、ベンチ、トイレなどの施設が充実しているため、休憩や宿泊などに便利です。日帰り登山だけではなく、小屋泊を取り入れれば、さらに山を楽しむことができます。

塔ノ岳の山小屋情報

今回ご紹介する登山ルート上の、おすすめ山小屋をいくつかご紹介しましょう。

塔ノ岳の山小屋1 尊仏山荘

尊仏山荘は、塔ノ岳山頂直下にある、通年営業の山小屋です。山頂にあるだけに眺望がすばらしく、夜景や雲海、ご来光を求めて宿泊する登山者に人気です。(標高:1,491m)

所在地 :塔ノ岳山頂
電話  :070-2796-5270
料金  :1泊2食付 ¥6,500
営業時間:通年営業(事前連絡要)

尊仏山荘HP

塔ノ岳の山小屋2 花立山荘

大倉尾根に立つ花立山荘は、日帰り登山の休憩目的で立ち寄る方が多い山小屋です。もちろん宿泊も可能で、尊仏山荘と同じように眺望で人気です。(標高:1,305m)

所在地 :花立の少し下
電話  :0463-82-6192
料金  :1泊2食付 ¥6,000
営業時間:通年営業(事前連絡要)

花立山荘HP

塔ノ岳の山小屋3 烏尾山荘

ヤビツ峠ルート上、烏尾山山頂に立つ、三角屋根が特徴の山小屋です。夜にはJazzが流れるオシャレな小屋で、夜空とともに疲れた体を癒してくれるでしょう。(標高1,136m)

所在地 :烏尾山山頂
電話  :090-7909-3165 (ミキ)
料金  :素泊 ¥3000
営業時間:通年土日祝日(要予約)

烏尾山荘HP
このように、多くの魅力にあふれた塔ノ岳。次章からは登山情報をご紹介していきましょう。

塔ノ岳の2つの登山口までのアクセス

大倉登山口へのアクセス

丹沢山地登山の中で最も使われている登山口で、公共交通機関やマイカーでのアクセスが非常にいいのが特徴です。この登山口からは、表尾根縦走コース、塔ノ岳コース、鍋割山稜コースを利用できます。(標高290m)

【公共交通機関の場合】
小田急線渋沢駅、神奈川中央交通バスを乗りつぎ大倉バス停に降車します。新宿駅からだと1時間40分~50分です。渋沢駅~大倉バス停間は15~20分ごとに出ており、休日には臨時便も出ています。

【マイカーの場合】
秦野ビジターセンター有料駐車場が150台。また、大倉山の家の上のロッジ峠の車道の路肩に駐車可能です。

ヤビツ峠登山口へのアクセス

人気が高い表尾根縦走の拠点です。大倉登山口に次いで、塔ノ岳登山者の利用が多い登山口です。(標高760m)

【公共交通機関の場合】
小田急線渋沢駅、神奈川中央交通バスを乗りつぎヤビツ峠バス停に降車します。新宿駅からだと2時間20分~30分です。渋沢駅~ヤビツ峠停間は、朝と午後に1時間~2本で本数があまりありません。休日には臨時バスが出ています。

【マイカーの場合】
24時間開放している30台ほど駐車可能な駐車場があります。休日などは早朝から満車になりますので気を付けましょう。

塔ノ岳の初心者へおすすめの日帰り登山ルートは3つ

今回ご紹介する初心者へおすすめの登山ルートは、ひとつは大倉尾根を往復、ほかの二つは下りに大倉尾根を使用します。塔ノ岳は全体的に行程が長いため、初心者の日帰りを考慮すると、休憩や宿泊施設が充実した大倉尾根を下山に使用するのが安全と思われるからです。疲れて下山できないと判断した場合は、無理せず山小屋のスタッフなどに相談しましょう。

塔ノ岳おすすめ日帰りルート①

大倉尾根往復ルート

【おすすめポイント】
塔ノ岳への最短ルート。登山者も多く、最初の塔ノ岳におすすめです。

大倉尾根ルートは、アクセスがいい大倉登山口から出発する最もメジャーなルートです。標高差約1200m、総所要時間約6時間の大倉から塔ノ岳への最短ルートで、難しいところや急なところもなく、長い登りが続くところから「バカ尾根」とも呼ばれています。

大倉登山口~堀山の家(所要時間 120分)

大倉登山口からしばらく車道を歩き、ほどなくコンクリートの坂道に入ります。だんだん森が深くなっていき、本格的な登山道が始まります。そのままどんどん登っていくと、雑事場に到着すると、大倉尾根のはじまりです。小屋やベンチがあります。ここで小休憩しましょう。

雑事場からは大倉尾根を登ります。通常バカ尾根と言われるように、ダラダラと登っていきますが、見晴茶屋を超えたところから階段も多くなります。
駒止茶屋を過ぎると少し緩くなり、しばらくすると堀山の家へ到着します。
山頂までまだまだです。最後の登りに備え、ちょっと長めの休憩をしましょう。

  • 初心者向けポイント
大倉尾根道の登りは変化が無く単調でつらい登りです。この尾根道はコルリやジュウイチなど、野鳥が多く、鳥のさえずりを多く聞くことができます。塔ノ岳に行く前に野鳥の鳴き声を勉強しておけば、つらい登りも少しは気がまぎれるでしょう。

堀山の家~塔ノ岳山頂(所要時間60分)

堀山の家からは階段の連続で、大倉尾根の一番キツイところです。どこまで続くのかと思うほどですが、歩く限りはかならずたどり着きます。頑張りましょう。
約1時間で長い階段の終点、花立山荘に到着します。ここからは相模湾が一望でき、ベンチもありますので小休憩しましょう。

ここからは、なだらかな登りが続き、山頂直下の急登を登れば山頂に到着です。

下山は、往路をそのまま帰ります。下りの階段も疲れますので、ここでゆっくりと休憩をとりましょう。下山の所要時間はおよそ2時間30分です。

  • 初心者向けポイント
整備された登山道には階段がつきものです。しかし、建物や街の階段とは異なり、蹴込が高かったり踏み面が長かったり歩幅が一定せずペースが保てません。このような階段は、歩幅を階段に合わせるのではなく、歩幅に階段を合わせましょう。具体的には、広い踏み面は斜めに歩き2歩にしてみたり、蹴込の低い場所を選んだりして、一定のペースを保ちます。そうすることで、階段疲れを予防できます。
塔ノ岳の登山コースガイド|人気の大倉尾根ルートを徹底解説!所要時間や装備・持ち物もご紹介!今回は塔ノ岳の魅力と、最も登られている大倉尾根ルートをご紹介します。各都道府県にはその地域を代表する山域、峰が存在します。神奈川県を代表...

塔ノ岳おすすめ日帰りルート②

西山林道・小丸尾根から大倉尾根ルート

【おすすめポイント】
大倉尾根ルートと組み合わせることにより周遊することができます。

大倉登山口から西山林道をたどり、小丸尾根から塔ノ岳へ向かうルートです。登りを標高差約1200mの西山林道・小丸尾根経由ルート、下りは大倉尾根を使用して、総所要時間約7時間、途中危険な場所はありません。

大倉登山口~二俣(所要時間 60分)

大倉登山口から西山林道を歩きます。二俣までは標高差280m程度なので疲れることもありませんが、そのあと900m程度登りますので、疲れないように、杉林の中をせせらぎの音を聞きながらゆっくり歩きましょう。

  • 初心者向けポイント
西山林道は杉林の渓流沿いを歩くルートです。林道で変化が無く単調ですが、危険箇所は無く気楽に歩けます。杉林で陽射しを遮ることができ夏におすすめです。

二俣~塔ノ岳山頂(所要時間 3時間)

二俣から本格的な登山道になります。本ルートはここからが本番と言ってもいいでしょう。小丸尾根は、眺望がいいのですが傾斜がきつくなっています。90分程度で鍋割山との分岐になります。ここで小休憩しましょう。
分岐を過ぎると、急な傾斜はなくなり、少々のアップダウンを繰り返しながら、30分程度で大倉尾根ルートと出会います。このあたりは、ブナ林を楽しめ紅葉ポイントになっています。
大倉尾根ルートに出会うと、30分で山頂です。

下山は大倉尾根ルートを使います。

  • 初心者向けポイント
往路と同じルートで下山することをピストンルートと言います。往路と違うルートで同じ登山口へ下山することを周遊ルートと言います。周遊ルートが使えそうであればできるだけ使いましょう。往路と違うルートで下山することによる新鮮さとともに、次回そのルートを使う時の参考になります。

塔ノ岳おすすめ日帰りルート③

ヤビツ峠から大倉尾根ルート

ヤビツ峠ルートは、表尾根を使用していくつかのピークを越える縦走ルートになり、途中いくつかの鎖場があります。登りを標高差約731mのヤビツ峠ルート、下りは大倉尾根を使用して、総所要時間約7時間。ヤビツ峠登山口から大倉登山口へ降りるので、マイカー使用は難しく、公共交通機関を使用することになります。

ヤビツ峠登山口~烏尾山(所要時間2時間10分)

ヤビツ峠登山口から富士見橋公衆トイレまで県道を30分歩きます。車の往来がありますので注意しましょう。富士見橋公衆トイレから左折し菩提峠方向へ進み二ノ塔を目指します。
約1時間で二の塔山頂、そのあと三の塔山頂を過ぎ、表尾根のアップダウンを繰り返し烏尾山へ到着します。

  • 初心者向けポイント
表尾根の登山道は、眺望がいい尾根歩きです。特に三の塔山頂からの眺望は、富士山や秦野市街、相模湾などが一望でき、表尾根で一番の眺望と言われています。ただし、アップダウンが多く、登っては降りの繰り返しは精神的にも体力的にも疲れます。三の塔過ぎには鎖場があります。疲れていると危険ですので、無理をせず、1時間ごとには休憩をとりましょう。

烏尾山~塔ノ岳山頂(所要時間2時間)

烏尾山から行者岳、新大日と、次々とピークを越えて標高を上げていきます。アップダウンは縦走ルートの宿命です。めげずに頑張って歩きましょう。新大日からは塔ノ岳まで一気に登ります。新大日で休憩をとります。
新大日から塔ノ岳まで約45分、塔ノ岳山頂に到着です。

下山は、大倉尾根ルートを下ります。

  • 初心者向けポイント
ヤビツ峠ルートは、行程が長く、アップダウンも多いため、非常に疲れます。日程に余裕があれば、山頂の尊仏山荘に宿泊する行程もおすすめです。塔ノ岳山頂からの夜景は絶景と評判です。
今回は、ヤビツ峠から登り大倉へ降りるルートをご紹介しましたが、逆ルートでも構いません。しかし、ヤビツ峠がバスの本数が少なく、バスの時刻に合わせて降りるのは困難なため、多くの登山者は今回のルートを使います。

塔ノ岳登山で疲れたら温泉へ

登山で疲れた体には温泉が一番です。周辺のおすすめ温泉をご紹介します。

秦野天然温泉 さざんか

大倉登山口より車で30分、小田急線東海大学前駅より徒歩5分の天然温泉です。丹沢山地を一望できる露天風呂が人気です。

所在地 : 〒257-0003 神奈川県秦野市南矢名2丁目13−13
電話  :0463-78-0026
料金  :大人 [平日]700円 [ 土日・祝日] 850円
営業時間:土日祝 09:00~23:00(最終受付 22:30)
     平日  10:00~23:00(最終受付 22:30)
定休日 :第3火曜日(祝日の場合は、第4火曜日)

 

秦野天然温泉 さざんかHP

弘法の里湯

大倉登山口より車で30分、小田急線鶴巻温泉駅より徒歩5分の日帰り温泉です。男女日替わりで、石造りの‘山湯‘と檜造りの‘里湯‘という露天風呂付の浴室を楽しむことができます。

所在地 :〒257-0001 神奈川県秦野市鶴巻北3丁目1−2
電話  :0463-69-2641
料金  :大人 [平日]800円 [ 土日・祝日] 1,000円
営業時間:10:00 ~ 21:00 ※ 20:30 最終入館  
定休日 :毎週月曜日、および12月31日

 

弘法の里湯HP

塔ノ岳登山におすすめの服装

冬の塔ノ岳は、雪が深く初心者には不向きです。今回は、無雪期の3シーズン用の服装をご紹介します。尾根道歩きが多いので日射対策、風対策が重要です。

1. インナーウェア
塔ノ岳の大倉登山口は標高が低く、夏は暑いので吸湿速乾タイプのシャツや、メッシュタイプのインナーウェアがおすすめです。春や秋は冷え込むことが多いので、長袖の薄いタイプのインナーを着用します。

2. ミドルウェア
大倉尾根や、本尾根は陽射しが強いため、日焼け対策として、夏でも長袖を着用するようにしましょう。

3. アウター
夏の尾根道は風が強いことが多く、風対策のためにウィンドブレーカーなどのアウターを用意しましょう。晩秋や早春など、携帯タイプのダウンジャケットをリュックサックに入れておくことをおすすめします。

4. ボトムス
夏はハーフパンツでもOKですが、春や秋は寒くなることが多いのでロングタイプを着用しましょう。

5. 帽子
塔ノ岳は尾根歩きが多くなります。尾根は日影が少ないので帽子を着用しましょう。

塔ノ岳は登山ルートも施設も豊富

塔ノ岳の概要と、おすすめ登山ルートなどをご紹介しました。
塔ノ岳は、都心からのアクセスがよく、様々な登山ルートがあり、丹沢山地の他の山岳への縦走も可能なので、飽くことなく楽しめる山です。
登山ルートには、休憩や宿泊ができる施設が点在していますので、上手に使って、無理をしないように登山をしましょう。