奥多摩

高水三山の登山コースガイド|初心者におすすめ縦走ルートを徹底解説!

関東近郊登山スポットとしてメジャーな奥多摩エリアは、初心者から上級者まで多くの登山者が訪れます。その中で、初心者向け縦走ルート「高水三山」をご紹介します。

高水三山とは?

高水三山とは、それ自体が山の名前ではなく3つの山をまとめた総称です。標高759mの「高水山(たかみずさん)」、793mの「岩茸石山(いわたけいしやま)」、756mの「惣岳山(そうがくさん)」が、それに当たります。エリアは奥多摩の多摩川渓谷の北側になります。

尾根伝いに歩く「縦走」にチャレンジ

これら3つの山は隣同士にあって、尾根伝いに山頂をつなげるコースがあります。これが今回ご紹介する「縦走コース」なんです。縦走は、一度登れば細かなアップダウンをしながら、変わりゆく眺望を楽しむことができます。標高700m台と低山ながら、縦走経験ができる、初心者のステップアップには最適なコースですよ。

高水三山のアクセス方法

基本は電車がおススメだが、車でも往復違うルート可
高水三山登山は、駅からのアクセスが便利なので、基本的には電車がお勧めです。ルートを往復同じピストンにしなくても良いですし、下山後のお酒も気にせず楽しめますしね。JR青梅線軍畑駅までは、新宿から90分程度で着きます。でも、車を使う方であっても、登山時と下山時の利用駅が2駅程度なので、時刻表と相談ですが、今回お勧めしたルートでも電車に乗って駐車場に戻ってくることもできますし、下山時最寄りの御嶽駅に置いて電車で軍畑駅に向かうのも比較的簡単です。

車の場合の駐車場は?

車利用は高水三山の場合だと、登山口に近い駐車場はなく軍畑駅付近となります。登山口側でなく、多摩川を挟んだ方向になるので、電車利用の方よりも歩く距離は多いですが、無料駐車場なので時間を気にすることもなく使えます。駐車場は2つあり、軍畑苑地駐車場(13台)、柚木苑地駐車場(8台)です。いずれも綺麗なトイレが付いていて、観光バスも停まるなどだだっ広い感じの場所なので、見つけやすいかと思います。

初心者におすすめ縦走ルートを解説

このコースは、3つの山を踏破するからといって、さほど時間もかかりません。かつ、JR青梅線「軍畑駅」から登り、二つ先の同「御嶽駅」におりる電車利用ルートなので、バスの最終時刻を気にすることもありません。気楽にプランを立てられます。では、コースとタイム目安を細かく紹介しましょう。

軍畑〜(1.7km)〜高源寺〜(2.0km)〜高水山=計110分

軍畑駅から登山口のある高源寺(トイレあり)までは車道を歩きおよそ30分くらいです。
そして登山口からはいきなりの急坂となります。ここから山頂までの80分は、かなりきついですよ。でもご安心を。実はここが本ルート最大の難所となりますから、ここさえ乗り切れば、あとは達成感満載で楽々の山歩きができるのです、頑張れ!
杉の根が張り巡らされたジグザグの山道を、晴れている日はかなりの日差しを浴びながら延々と歩きます。山頂手前には常福院(トイレあり)に行くルートと、直接高水山に行くルートに分かれています。どちらを選んでも、さほど変わりはありませんが、水場もあるので水を補給したい人には良いかもしれないですね。

高水山〜(1km)〜岩茸石山=計35分

高水山の山頂は、残念ながら眺望があまりよくありません。ですがここまでの急登を制した達成感は抜群なわけですから、「よく頑張った!」と褒めながら小休憩をとって、2つ目の山を目指すことにしましょう。
ここからの道は、眺めも抜群で、かなりテンション上がります。緩やかな上りということもあり、足取りもあっという間に軽くなるはずです。要する時間は40分弱。
眺望は奥武蔵と呼ばれる、奥多摩のさらに北に見える秩父の山々がメインです。日の差し込む尾根歩きは、風も吹き抜けるので心地よいですよ。
山頂手前は、短いですが少々きつい登りがあります。木の根っこを掴みながら登って、あっという間にたどり着く山頂はひらけており、視界が最大限広がるので開放感は抜群。お昼休憩には最適です。
山々の陰影と、近い空の青さを楽しめることは間違いありません。

岩茸石山〜(1.5km)〜惣岳山=計50分

エネルギー補給が完了したら、3つ目の山頂を目指します。岩茸石山の山頂からは、惣岳山を目指すルートと、棒ノ折山を目指すルートがありますので、標識を頼りにお間違えなく。
登山のプランを立てるときに標高図を見ればわかる事とは思いますが、岩茸石山から惣岳山を目指すルートは標高差下り40mですが、急斜面だけでなく岩場もあったり、歩いていて飽きないと思います。
名坂峠、馬仏峠、馬仏山を越えていきます。名前のある経由地って、たくさん歩いた気になります。
また、この高水三山って、山がとんがっているのかな、山頂手前に必ず急登があるんですよね。というわけで、惣岳山も最後は急登ですので、心して登りましょうね。

惣岳山〜(1.5km)〜御嶽駅=60分

惣岳山の山頂は、平たく広場のようになっています。そこには小さなお堂があり、木々にも囲まれています。ですので、眺望があまりなくひっそりとしています。切り株に腰掛けて小休憩もありです。これで三山制覇です!お疲れ様でした。
さあ、帰りましょう。下りルートは、一本道。沢井駅と御嶽駅の分岐点までまっすぐ下っていきます。写真を見ても分かる通り、高水三山は、登山道にやたら、木の根っこが多く飛び出しています。足が上がりにくくなる下山時は特につまずきやすくなりますので、気をつけてください。沢井駅に向かって帰っても距離は近くて良いですが、御嶽駅をお勧めするのは、駅近くまで登山道だからです。

下山後のおすすめ温泉

奥多摩エリアは、登山以外のアウトドアレジャースポットも多く、その客も見込んで温泉施設も多くあります。御嶽駅から下り方面の奥多摩駅側は温泉宿の日帰り湯も点在していますが、如何せん、利用時間が短くて特に夕方早くに終了となってしまいます。できれば日帰り温泉施設がいいですよね。そんな条件を満たすおすすめ温泉を紹介します。

電車で向かうなら帰り道で河辺駅直結「梅の湯」

青梅線沿いは、新宿方面・立川方面に戻る方向で河辺駅直結の「河辺温泉 梅の湯」が最も便利です。駅ビルのような建物にあり広々としたスーパー銭湯感覚の温泉ですね。マッサージを受けることができたり、食事もできるとあって、週末は多くの地元の家族づれで賑わっています。

河辺温泉 梅の湯

車ならちょっと足を伸ばして奥多摩駅「もえぎの湯」や「瀬音の湯」もあり

車だと、行ける温泉の幅は比較的広がります。終着駅の奥多摩駅方面に川沿い20分行くと「もえぎの湯」があります。こちらは特にバーベキュースポットが多いこともあり、若者が多く、週末の込み具合は前述「梅の湯」とは全く異なった雰囲気です。その他、あきる野市側に40分弱走ると、渓谷の中に佇むおしゃれな温泉「瀬音の湯」もありです。この2つの温泉は、登山以外のアクティビティシーズンによっては入場制限がかかることもありますが、駐車場も大きく利用しやすいのがメリットです。その他「つるつる温泉」(駐車場は小さいですが)「数馬の湯」などもこじんまりとしていてオススメです。

もえぎの湯

瀬音の湯

まとめ

いかがでしたか?低山でも3つの山を制覇でき、眺望にも期待できるルートを持つ高水三山、晴れている日にふらっと行ってみませんか?とはいえ、お散歩じゃないので、装備はいつもの登山スタイルをお忘れなく。気をつけて、行ってらっしゃい!

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