四国に2つある百名山の1つ剣山の大剣道コースから遊歩道コースへと周遊するルートをご紹介します。いずれも登りやすいコースで登山初心者の方やお子さんでも気軽にハイキング気分で行けるルートなので四国に行く機会があったら旅の予定の中に入れてみてぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。では早速剣山のコース概要からおすすめの情報をご紹介いたします。
剣山の歴史や基本情報
劔山(つるぎさん)は四国徳島県にある日本百名山の一つです。西日本では同じ四国の石鎚山(いしづちやま)に次いで2番目に高く標高1,955mあります。
名前は頂上直下にある大剣神社にある剣岩が由来とされているようです。
剣山は修験道の山としても有名で、行場と呼ばれる難所を巡って修行するルートがあります。山頂付近に近づくにつれ岩と豊富な水の風景が調和して広がり湧き出る水は環境省によって名水百選にも選定されています。登山ルートは4つあり、すべて見ノ越駅を起点に出発します。途中各ルートへの分岐拠点になる西島リフト駅があり、ここまでは見ノ越駅からロープウェイを利用して大人1,800円(往復)、子供850円(往復)で行くこともできます。徒歩で登るときの参考タイムは約50分くらいです。
山頂直下には大剣神社、宝蔵席神社があり、剣山が信仰の山であることを感じることができます
宝蔵席神社には山小屋やお食事どころもあり御朱印もいただけます。大剣神社の御朱印に関しては、麓の剣神社でいただけるようです。
剣山の登山口までのアクセス・駐車場情報
見ノ越駐車場
登山の起点になる見ノ越駐車場は紅葉シーズンや連休時になると大混雑します。
おそらく場所的にかなり辺鄙な場所にありアクセスがあまり良くないという点と、山あいの中腹にあるということが理由なのではないかと思います。
シーズン中は交通整備の方が案内してくれるようですが、確実に入るためには朝遅くても9時前までには到着されることをおすすめします。
見ノ越駐車場までのアクセス方法
見ノ越駐車場までは徳島市内から西へ一文字に山を縫うようにしてアクセスする道と、香川県方面からつるぎ町を経て南へアクセスする方法と、西がからアクセスする方法があります。
今回は徳島市内からアクセスしましたが、この道がかなりの酷道でした。
道自体は舗装させており綺麗な方だと思いますが、幾重にもつづら折りになっている上、アップダウンの連続でかなりキツイ思いをしました。車酔いが心配な方は酔い止めを服用したり、途中何度も休憩を挟むなどして万全の対策で臨まれることをおすすめいたします。
ちなみに帰りは北側のつるぎ町方面に下りましたがこちらもなかなかの具合でした。
結局、今回の登山の最難関は見ノ越までのアクセスにあると思いました。
大剣道-遊歩道へ周遊コースの紹介
距離 約6km
コースタイム 約4時間
標高差 約500m
日程 日帰り
▲行き(大剣道コース)
見ノ越駐車場 → 劔神社 → 西島リフト駅 → 大剣道コース → 大剣神社 → 宝蔵寺神社 → 剣山頂上ヒュッテ → 剣山頂上
▼帰り(遊歩道コース)
剣山頂上 → 二度見展望所 → 遊歩道コース → 西島リフト駅
という周遊コースになります。
頂上への4つのコースすべてが見ノ越駐車場を起点としています。見ノ越からは参道の階段を登って劔神社へ、その後境内の脇から本格的な登山道が始まりますが、道中は比較的なだらかで途中リフトの下をくぐったりして1時間程度で西島リフト駅に到着します。
西島の分岐点には看板が立っていて、各コースへの分岐と頂上までのルートが案内されています。見えないことはないですが、結構な年季が入っていたので心配な方はあらかじめマップを入手されて確認して行かれると良いと思います。
初心者〜中級者の方は、今回ご紹介する大剣道コースか、隣の尾根道コースをおすすめします。
大剣道コースは頂上まで約60分程度で途中に大剣神社に立ち寄れたり、比較的なだらかな傾斜なので、散策しながら登れるコースになります。またコースから少し下りますが、日本の名水百選に選ばれている「御神水」が湧き出ているポイントもあり、初めて剣山に登られる方には見所満載のおすすめのコースです。
神社まできたらもう一息で山頂直下の宝蔵寺神社です。こちらにはお宿とお食事処、神社の社務所などがあります。さらにそこから階段を上がると頂上ヒュッテ(トイレ有り)、最高地点と続き、そこから二度見展望所までは木道が続いています。この辺りにはベンチも所々にあるので、昼食や休憩しながら巡るのも良いと思います。
帰りは二度見展望所付近から西島リフト駅まで下る遊歩道コースです。
道中には遠景に広がる山々と、岩と豊かな植生が作る登山道に飽きることなく、さらには大剣神社の直下も潜ることができ、始終気持ちよく歩くことができました。
こちらのコースを往復で行くのも良さそうです。
尾根道コースと行場コースの難易度は?
上記以外のコースとしては、尾根道コースと行場コースがあります。尾根道コースは大剣道コースに比べて傾斜が少しきつめですが足腰に自信があったり、登山慣れしている方には難なく登れるコースです。
行場コースは未体験ですが、上級者用コースと紹介されています。
コース中には、岩の割れ目に入ったり、洞窟の中に入ったり、おくさり(鎖場)や、蟻の塔渡り
などバリエーションがあってなかなか緊張感があるコースになっているようです。
中でもおくさりはくさり一本にしがみついて結構な高さを登っていくことになるので、ある程度筋力がないと難しいかもしれないですね。
行場コースを除けばいづれも初心者でも登りやすいコースになっており、山頂までも1時間程度とハイキング気分で登れることからも誰でもお気軽に登れそうです。時間に余裕がある方は宝蔵寺神社付近のお宿に一泊してゆっくり登山するのもいいと思います。
剣山登山の服装の注意点
3シーズンの服装
春夏秋シーズンの登山時には一般的な運動しやすい服装と靴から登山の服装と装備あたりで整えていかれることをおすすめします。
個人的にはアンダーウェアだけは通気性のあるものでかつ速乾性があれば、あとはどのような格好でも大丈夫だと思います。
ただし山頂付近は標高やく2000mありますので、必ず上に羽織るものを一枚持っていかれると良いと思います。
例えば長袖のシャツ1枚で登られる場合は、風よけになるフリースを一枚だったり、
Tシャツで登られる場合は薄手のウインドブレーカーなどのミドルレイヤーを1枚準備しておくと安心です。
冬の服装
一方冬の登山には十分な用意が必要です。
登山口付近は晴れていても、500m高い頂上付近では吹雪いていることも珍しくないので、風雪をしのげるハードシェルジャケットはとても重宝しますし、登頂後に昼食をとったり、写真を撮ったりと登頂部付近に留まる予定がある場合は、ハードシェルの中にもう一枚気込めるように、フリースや、インナーダウンを持っていかれるといいでしょう。
また行場コースに関しては登山に慣れない方は大きなザックや、運動着では難しいかもしれません。よくコースを下調べして、入念に準備されていかれることをおすすめします。
登山後のおすすめの温泉
つるぎ町側に抜ける途中に「つるぎの宿 岩戸」、「剣山木綿麻温泉」いづれも入浴料が400円〜となっており結構お安く利用できます。
つるぎの宿は山間にあって昔ながらの浴場といった感じででした。空気は綺麗で景色も良いので、登山後のリフレッシュにはもってこいですね。
まとめ
剣山登山について書いてまいりましたがいかがでしたでしょうか。
初心者から上級者まで楽しめるルートがあり、登山道の質、頂上付近の植生を含めた景色等、実際に登ってみると100名山たる所以にも納得していただけると思います。
ただ唯一の難点を挙げるとするならば、登山口までのアクセスです。素晴らしい山だけにとても残念です。
今回は徳島市内に宿をとって登山口まで車で移動しましたが、もし同様な不安をお持ちの方は、剣山登山口周辺のお宿をとって、余裕を持って山行されるのが良いと思います。
以上お読みいただきありがとうございました。