日本百名山の塩見岳の登山を考えている方に向けて、登山ルートやコースの難易度や登山口情報をまとめました。

塩見岳とは

塩見岳は、長野県伊那市と静岡県静岡市の境界に位置し、赤石岳山脈の主稜線上、南アルプス公園内の中央にあります。山頂は標高3,047mの西峰、標高3,052m東峰に分かれていて、三角点は低いほうの西峰に設置されています。

エリア   長野県・静岡県
山頂標高  3,047m(塩見岳西峰)
最低標高  1,630m(越路鳥倉林道駐車場)
歩行距離  約24km
歩行時間  約15時間
技術レベル 中級
体力レベル 上級
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塩見岳登山の魅力

塩見岳は、「日本百名山」の著者・深田久弥氏によれば、“富士山が最も美しく見える距離と位置”にあると記しているように、山頂からの富士山をぜひご覧いただきたい景色です。

鳥倉ルートで塩見岳を目指すルートでは、と山頂付近に出るまで途中一度も富士山が見えないコースであるため、山頂付近で富士山が見えたときは、これまでの疲れが一度に無くなるくらいの感動を味わえます。
遠洋の深海底に堆積した殻付きのプランクトンでできたチャートという岩石があり、かつて海であった貴重な証拠も見ることができます。

塩見岳登山ルートで見られるお花

ライチョウの生息地です。個体数は非常に少なくなっているそうですが、運が良ければ観られるかもしれません。

季節に応じて色とりどりのお花が楽しめます。
クロユリ、イワウメ、ハクサンフウロ、タイツリオウギ、タカネシオガマ、コバノイチヤクソウ、ミヤマオダマキ、クロモソウ、チシマギキョウ、ハクサンチドリ、ミヤマダイコウソウ、ツマトリソウ、ツバメオトモなど。

静岡市

塩見岳の鳥倉ルートの難易度は?日帰りは可能?

難易度は、登山経験者も十分に満喫できるコースです。
登山口からすぐにカラマツ林の急登が始まり、途中は平坦で緩やかなアップダウンと稜線歩きが続きます。
塩見小屋を越えたあたりから岩場になり、特に天狗岩を越えて山頂に向かう登りは非常にスリリングです。
三点支持で慎重に山頂に向かいます。西峰、東峰の二つのピークでは、3,000m級の山に登頂できた喜びを存分に味わえます。

日帰りは可能?

登山時期や体力に問題なければ、かろうじて日帰りができます。
ただし、3000mを超える山は、平地と異なり標高が高くなると酸素濃度が低下するため、息が上がり体力を消耗します。
3000m級の山が初めての方は、日帰りでの登山は避け山小屋で1泊することをお勧めします。

塩見岳の日帰り登山におすすめの時期

日照時間が長い時期つまり夏至に近い時期に登山することをお勧めします。
アイゼンが必要な残雪期を避けたいこと、コースタイムは15時間であるためです。
下りで日没となり暗くあることは望ましくありません。日照時間がもっとも長い夏至付近の時期であっても、登山開始時刻を日の出前に設定して計画を立てましょう。

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塩見岳の鳥倉ルートと所要時間を解説!

急登りと緩やかなアップダウンが続くため、累積高低差はやや大きいコースです。

越路鳥倉林道駐車場(鳥倉ゲート)~鳥倉登山口 約40分

駐車場には、越路バス停・トイレ・水があります。約40台駐車できます。

鳥倉登山口~三伏峠小屋 約2時間50分

鳥倉登山口。

カラマツ林の急登が続きます。木道などには苔が付いています。滑らないように注意しましょう。

北斜面の緩い登りが終わり、水場※を過ぎると豊口山分岐に到着します。
※水場の写真はありませんが、水量が非常に細いため大人数で汲むには時間がかかります。

この看板が見えると三伏峠小屋まであと少しです。

三伏峠小屋~本谷山 約1時間20分

三伏峠の標識の奥に見えるのが三伏峠小屋です。
  

コースから少し離れている夏季限定の水場です。

本谷山~塩見小屋 約2時間10分

尾根歩きが続きます。本谷山から見た塩見岳

塩見小屋からみた塩見岳。右が天狗岩。6月中旬はまだ雪で閉ざされています。

塩見小屋~塩見岳西峰 約1時間20分

奥が天狗岩、手前が塩見岳の岩場です。核心部になります。気を付けて登ります。

塩見岳西峰からみた富士山。右に塩見岳東峰

塩見岳東峰から見た仙丈ケ岳。富士山は写真と反対側になります。

下山 約6時間40分

塩見岳西峰から同じコースを戻ります。

塩見岳の山小屋情報

鳥倉登山口から塩見岳山頂までの間に山小屋2か所があります。宿泊、飲食販売などは夏季限定となります。山小屋に確認をしておきましょう。

三伏峠小屋

山頂まで約5時間の位置にあります。トイレ・飲料調達などはこちらで済ませておくと安心です。水場は、7月下旬から9月下旬までの期間限定で、三伏峠小屋から往復25分の場所にありますが、飲用水にする場合は沸騰させましょう。

三伏峠小屋

塩見小屋

山頂まで約1時間20分の位置にあります。小休止できます。
水場は、塩見小屋から往復50分かかります。塩見小屋での飲料購入は宿泊者に限られているようです。トイレは、簡易トイレがあるようです。

伊奈市観光

鳥倉ルート登山口情報!(トイレ・飲料水)

越路鳥倉林道駐車場(鳥倉ゲート)

マイカーを利用する場合は越路鳥倉林道駐車場で車を駐車します。鳥倉登山口までは徒歩約40分。トイレ、飲料水の補給ができます。

鳥倉登山口

夏季限定で運行する登山バスを利用すると鳥倉登山口がスタートになります。
登山バス運行期間中の簡易トイレがあります。
飲料水はありませんので、登山バス乗車前に調達しておきましょう。

塩見岳の登山口までのアクセス

マイカーでのアクセス、駐車場情報

中央高速自動車道・松川インターチェンジから。大鹿村から鳥倉林道を経て約36km・約1時間40分で越路鳥倉林道駐車場に到着します。

電車・バスでのアクセス(三伏峠小屋1泊向き)

マイカー、レンタカーを利用しないで塩見岳登山をする場合は、2通りのバス利用で登山口まで向かうことができます。

①アルペン号利用
東京都内から運行しています。日程、時刻などは運行会社に確認してください。
東京都内夜中発 ~ アルペン号 南アルプス バス/伊奈大島(鳥倉林道)タクシー ~ 鳥倉ゲート着(4時台に到着)

まいたび

②伊奈バス・南アルプス登山バス・鳥倉線
7月中旬から鳥倉登山口まで1日2便バスが運行しています。時刻表は運行会社に確認してください。鳥倉登山口までのバスを利用する場合は、三伏峠小屋に1泊して山頂に向かいましょう。

・新宿バスタ夜中発 ~(高速バス)~ 松川インター着 ~(乗り換え)~
松川インター発 ~(伊奈バス・南アルプス登山バス・鳥倉線1時間55分)
~ 鳥倉登山口着(8時台に到着)

・JR東海飯田線 伊奈大島駅発 ~(伊奈バス・南アルプス登山バス・
鳥倉線1時間50分)~ 鳥倉登山口着(8時台に到着)

伊奈バス

塩見岳登山で注意すべきポイント

①岩場では石を落とさないようにしましょう。

山頂付近は浮石がみられます。できるだけ落とさないように歩きましょう。万一石を落としたときは、すぐに大声で「ラーーーーーク」と他の登山者に知らせて下さい。

②岩場では3点支持できる個所をみつけながら登りましょう。

山頂付近の岩場は、鎖はなく、塩見マーキングが少な目な個所があります。
目の前ばかりを見て登ると、3点支持できない場所に立ち入る可能性があります。バランスをしっかりとりながら、進む方向にも気を配りましょう。

塩見岳登山で特に重要な持ち物

基本的な登山で必要な持ち物に合わせて、以下4点は特に重要となります。

①飲料水

水場を有効に活用して、荷物を少しでも軽くしたいところです。
登りで三伏峠小屋を出る前に少なくとも5時間分の飲料を確保しましょう。

てんきとくらす

②ソールが堅めの登山靴

山頂付近はザレ気味の岩場になります。
ソールが堅く、安定していると足裏が痛くならずしっかり足を運べます。

③日没時刻を記載した登山計画書または地図

暗くなってからの下山は危険ですので避けましょう。

日の出日の入り時刻

④寝袋・防寒着

日帰りが難しいコースです。少しでも不安要素をなくすため、山小屋で1泊過ごせるようにしておきましょう。
山小屋閉鎖期間は寝具や食事の提供がありませんが避難小屋として使えます。避難小屋の料金は、皆様のお気持ちです。荷物は登りでデポすることも可能です。その場合は他の登山者の邪魔にならないようにしましょう。

塩見岳近隣の温泉情報

下山後に温泉で汗を流したいときは、鹿塩温泉に日帰り温泉があります。

湯元山塩館

赤石荘

塩湯荘

まとめ

塩見岳の日帰り登山を楽しむためには、十分な計画と経験だけではなく、岩場でのコース取りなど安全への配慮も必要です。また登山前後も時間の余裕を持つことも大切です。十分な情報収集をして安全な山旅を楽しんで下さい。

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