冬キャンプの悩ましい点として、寒いというのが大きな点なのですが、もう一つ、結露という問題があります。
冬、朝に目を覚ますと、テントの内側や寝袋がぱりぱりになっているという経験をしたことはないでしょうか。私はよく体験します。触ると冷たくて、なかなかにつらいものです。その上、これを拭いて乾かして荷物に入れないと、撤収も出発もできないという代物。これの犯人が結露。冬キャンプでの大きな厄介者です。
冬のキャンプにおいて、テントが濡れるだけでも辛いのに、テントの中に置いた荷物が濡れるというのは、とっても居心地が悪いものですよね。キャンプ歴10年の私が結露させないための対策についてご紹介します。
冬キャンプでなぜ結露するのか?
冬キャンプでは、なぜ結露するのでしょうか。
冬の外気は、乾燥しているうえに温度が低いです。しかし、テントの中はそうではありません。人の呼吸や汗、飲食物のおかげで湿度が上がっています。さらに、温度も体温や料理の影響で上がっています。
暖かく湿度の高い空気を一気に冷やすと、そこに水滴が生まれます。テントの布一枚をはさんで、外と内の気温差・湿度の差が大きくなるので、結露してしまうのです。
命にかかわるものではないので忘れがちになりますが、結露が少ないと居住性がぐんと上がりますので、取り組んでみてください。
今回ご紹介する結露対策は、特に専用の道具などは必要ありません(タオルくらいかな……)
冬キャンプの結露対策①
テントを張る場所を工夫する
テントはできるだけ乾いた場所に張ることをおすすめします。
湿度が高いほうが寒さを感じないので、テントの中でお湯を沸かして湿度をあげたりはするのですが、外から忍び込む湿気はまた別物です。これはしんしんと冷えてくるのです。
室内の気温は下げるし最終的には結露にもなるという厄介者なので、できるだけ排除したいものですね。
冬キャンプでテントを張るおすすめの場所の選び方
朝日が当たる場所
冬場のお日様は、夏よりも光が弱いと言えども熱量を持っているものです。朝早くからお日様が当たる場所にテントを張っておけば、それだけで乾くまでの時間がかなり短縮されます。
雪がない・もしくは少ないキャンプ場
少し水場から離れた地面の上にテントを張りましょう。少し土に触れてみて、サラサラしているなら理想的です。
雪に覆われているキャンプ場
できるだけ平らな場所、もしくは雪がしっかり固まっている場所にテントを張ります。
雪の山中
どこを見渡しても新しい雪ということがあります。頑張ってスコップなどで面をならし、踏み固めた上に張ります。
冬キャンプの結露対策②
テント内の換気をする
テントの中を温めるためにお湯を沸かす、というのは先ほども書きましたが、ひたすら上げればいいというものではありません。お湯を沸かすということはバーナーで火をおこすということでもあります。一酸化炭素濃度が上がります。
長い間密室にいるだけでも息苦しくなりますので、冷気の侵入を我慢してでもこまめに換気は行ってください。
換気の方法
テントの口を開ける
細く開けるようにします。メッシュと覆いの二重構造になっている場合は、覆いだけをあけます。外で強風が吹ているときは、開けすぎに注意しましょう。
換気口をあける
換気口のついているタイプのテントなら、そこに手を入れて空気の通り道を作ります。何度か手を出し入れすると、すっきりした空気が入ってきます。息苦しさがなくなったらテントの口を閉じましょう。換気しすぎると寒くなりますので気を付けてくださいね。
冬キャンプの結露対策③
結露を拭う
いくら結露に気を付けていても、人が中で活動したり、暖めたりしていると結露するものです。
結露してしまったら、拭えばいいのです。
貴重品ポケットやナイロン袋に、タオルを一枚入れておいて、結露が気になれば、その都度テントの内側を拭きます。
拭きやすいのは、フェイスタオルサイズのファイバータオル。普通のタオルに比べると、水分を吸収するスピードが段違いです。
拭くときの注意点
手袋をする
タオルが濡れてくると手が冷たくなってしまうので、ゴム製の手袋をつけて作業しましょう。(私は、途中でめんどくさくなって、素手でやっちゃうことが多いですが後悔します)
タオルを他のものから離す
拭いた後のタオルは濡れています。しぼってからビニール袋などに入れておきましょう。テントの上部に荷物をかけられる小部屋があるタイプだと、そこに乗せておくと拭きたいときに探し回らなくてすむので便利です。
私は、テントの内側にループ状のひもを四か所くっつけて、間に細いひもを渡せるようにしてあるので、その紐にタオルをひっかけています。
冬キャンプの結露対策④
テント内ではマスクをする
人間の呼気というものは、とても湿度が高いです。喉を傷めないためにも、その湿度は大切なものです。
が、外に出てしまえばこれも、結露の原因となります。
テントの中で飲食しない時間帯は、マスクを使ってみましょう。
マスクを一枚しているだけで、冬場の冷気や乾いた空気が喉の奥に入り込まなくなるので、のどを守るという意味合いでも、マスクをすることをおすすめします。
おすすめマスクの選び方
普通のマスク
問題なく使えます。上部に細い棒が入っているタイプだと、鼻の形にフィットさせられて便利です。
ガーゼマスク
問題なく使えます。使い捨てではないタイプだと、ゴミにならないので持ち運びに便利です。長く使える物なので、名前を書いたりして、愛着を持って使ってあげましょう。
濡れマスク
じつはこれがおすすめ。といっても、マスクのポケットに入れるのは、濡れマスクにセットになっている濡れスポンジではありません。お菓子などについている乾燥材を入れるのです。乾燥でのどが痛くなることはありません。
冬キャンプの結露対策⑤
結露しにくいタイプのテントに変えてみる
テントの素材やシステムによって、結露のしやすさを調整することができます。
テント素材の選び方
コットンのハイブリッドタイプ、ポリコットンと言うテントがあります。完全にコットンにしてしまうと通気性がよくなって結露もしにくいのですが、重くなるし、濡れると乾きにくいし、防寒性も下がってしまいます。それで作られたのがポリコットン。少々お値段が張りますが、効果はばっちりです。
テントシステムの違い
テントを二枚重ねて張る、ダブルウォールと言う方法があります。内側と外側の空気の間に、空気の層をもう一階層作ってあげることで、温度や湿度の差が軽減され、結露を減らすことができます。
冬キャンプの結露対策
神経質にならない
「3」でも書きましたが、どれだけ気を付けてみても、結露はするものです。
せっかくのアウトドアやキャンプですから、いつもよりおおらかな気持ちで、あまり神経質にならないということも大事です。
少々居心地は悪くなりますが、多少の結露なら死にはしない、と気楽になってみてもいいのではないでしょうか。
もちろん、壁から水がしたたり落ちて人が濡れるとか、朝になるとテントが内側も外側もパリパリに凍り付いて乾かないとなると問題ではありますが……
なお、濡れたままたたんでしまうとテントがかびたり寿命が短くなりますので、撤収前は出来るだけ乾いた状態にしてあげましょう。帰宅後、片付ける前に一度乾かしてあげるというケアも大切です。
まとめ
結露に負けないための六つの方法は
- テントを張る場所を工夫する
- 換気をする
- 拭う
- マスクをする
- 結露しないタイプのテントに変えてみる
- 神経質にならない
冬キャンプの厄介者、結露への対策を見てきました。結露するからと言って、テント内の温度を下げるわけにはいきません。上にあげたような方法でなら、冬のテント内でも気持ちよく過ごせますので試してみてくださいね。