北アルプスの名峰、日本百名山である常念岳(じょうねんだけ)。ピラミッド型の端正な山容で、ふもとの安曇野から立派な姿を見ることができます。

多くの登山者が憧れる常念岳、どのような登山コースがあるのでしょうか?本記事では、日帰りや初心者向け、上級者に人気の縦走コースまでご紹介します!

常念岳とは



標高:2,857m
所在地:長野県松本市、安曇野市

常念岳は、飛騨山脈の南に位置する常念山脈の主峰。長野県安曇野市からは山全体を確認することができます。北アルプスの名峰は、山深い場所に位置するため市街地から確認することは困難なことが多い中、貴重な山と言えるでしょう。

常念岳の名前の由来は「常念坊」



前常念岳の斜面に春、お坊さんがとっくりを持っているような姿を現す「常念坊」の雪形。この雪形が現れコース、安曇野の郷では田植えを始めます。山頂で念仏の声が聞こえるなど、古来、様々な伝説が、常念岳の山名の由来になったといわれています。

自然豊かな常念岳



常念岳は美しい山容とともに、ミヤマモンキチョウ、タカネヒカゲなど、美しい高山蝶が舞う事でも知られています。

また、高山帯は氷河期の生き残りと言われるライチョウ、ハイマツ帯には、コマクサ、チングルマ、アオノツガザクラ、イワギキョウ、クロマメノキ、などの高山植物を見ることができます。

常念岳山頂からは北アルプスの山々を一望できる



常念岳からは穂高連峰をはじめ、槍ヶ岳などの絶景で有名。特に蝶ヶ岳までの樹走路では絶景を見ながらの稜線歩きを楽しむことができ人気です。

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常念岳初心者に人気の一ノ沢コース


日程:日帰り~1泊2日
コース距離:14km
コースタイム:10時間20分
体力度:★★★★☆
技術的難易度:★★☆☆☆


常念岳の一ノ沢コースの特徴とコースタイム

一ノ沢登山口(80分)→王滝(大滝)ベンチ(200分)→常念小屋(80分)→常念岳(60分)→常念小屋(140分)→王滝(大滝)ベンチ(60分)→一ノ沢登山口

常念岳登山では、最もポピュラーな一ノ沢コース。途中、道が細くわかりにくいところがありますが、全体的には危険な箇所はありません。
今回は、早朝出発を前提として日帰りとしましたが、できれば常念小屋に1泊して余裕を持った行程を組むことをおすすめします。

一ノ沢登山口 ~王滝ベンチ

一ノ沢登山口から出発。登山相談所、トイレや水場があります。ここから常念小屋(チップ制トイレ)まではトイレはありませんので済ましておきましょう。

登山相談所で登山届の提出も忘れずに。うっそうとした樹林帯を80分程度登コース王滝へ到着します。丸太で作ったベンチがありますので小休止。

王滝ベンチ~胸突八丁

王滝ベンチを出発。比較的緩やかな木の階段や石段、ガレ場の坂が続きます。しばらくして雪渓が見えてくると胸突八丁。その名の通りの急登がはじまります。

胸突八丁~常念乗越

胸突八丁から次第に木々が低くなり森林限界が近くなってきます、急登を登りきると常念乗越。広い尾根に常念小屋のベンチなどもあります。山頂まではまだまだ登りが続きますので休憩しましょう。

常念乗越~常念岳山頂

常念乗越からは、森林限界の尾根道をどんどん登っていきます。岩が多い登山道を登り続けること80分、常念岳山頂へ到着。

常念岳山頂



常念岳山頂は、遮るもののない360度ビューの絶景。槍ヶ岳をはじめとする北アルプスの山々、天候が良ければ遠くに富士山も見えます。
下山は往路を戻りますが、山頂直下は石だらけで足元が悪い急斜面なので気を付けましょう。

常念岳の縦走登山に人気の蝶ヶ岳縦走コース


日程:1泊2日
コース距離:1日目 7km 2日目 10km
コースタイム:1日目 5時間 2日目 9時間20分
体力度:★★★★☆
技術的難易度:★★☆☆☆


常念岳の蝶ヶ岳縦走ルートの特徴とコースタイム

(1日目)三股・林道ゲート(145分)→まめうち平(160分)→蝶ヶ岳(3分)→蝶ヶ岳ヒュッテ
(2日目)蝶ヶ岳ヒュッテ(25分)→横尾分岐(265分)→常念岳(45分)→前常念岳(225分)→三股・林道ゲート

常念岳縦走登山コースでは最も人気があるコース。
三股を登山口に蝶ヶ岳を経て、山頂直下の蝶ヶ岳ヒュッテに1泊。翌朝、北アルプスを一望する尾根道を歩き、常念岳へ登頂。その後、三股へ下山する周遊コースです。
縦走路のアップダウンはそれほどではなく、小屋泊まり縦走の入門としておすすめです。

三股・林道ゲート~まめうち平

三股・林道ゲートより15分歩くと三股、明日はここに下山します。右に行けば常念岳、左は蝶ヶ岳。まず、蝶ヶ岳方向へ登り始めます。傾斜が緩い登りを登っていくと、途中「ゴジラみたいな木」を通り、まめうち平へ到着。一息入れましょう。

まめうち平~蝶ヶ岳ヒュッテ

まめうち平からはだんだん急登になっていきます。しばらくすると、森が開けていき右方向には常念岳が見えてきます。樹木が低くなりハイマツ帯に入ると蝶ヶ岳ヒュッテへ到着。ここに荷物を置かせてもらい、山頂へ登りましょう。

蝶ヶ岳山頂



蝶ヶ岳山頂では、穂高から槍ヶ岳など北アルプスの山々がまるで壁のように迫ります。迫力の絶景を楽しみましょう。
蝶ヶ岳ヒュッテへ下り宿泊。ゆっくり休息して明日へ備えます。

蝶ヶ岳ヒュッテ~蝶槍

早朝、蝶ヶ岳ヒュッテを出発。30分程度で、蝶槍と言われるピークに到着。槍と言われるように鋭角にとがったピークからの北アルプスは特に絶景。ちょうと日の出に合わせれば、最高の眺めを見ることができます。

蝶槍~常念岳

蝶槍から常念岳までは、絶景の連続の稜線歩き。今回の登山コースの一番の見どころです。途中、運が良ければライチョウに出会えることも。
気持ちのいい稜線歩きからだんだんと岩が増えて傾斜がきつくなっていきます。ガレ場を登りきると常念岳山頂へ到着。

常念岳~三股

常念岳から三股方面へ下ります。途中、前常念岳を通り、歩きにくい大きな岩が多いガレ場の下り続けます。足場が悪いので注意しましょう。だんだんと樹木が高くなり三股へ到着です。

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冬季の常念岳なら東尾根ルート(上級者向け)


日程:日帰り~1泊2日(テント泊のみ)
コース距離:23km
コースタイム:12時間
体力度:★★★★★
技術的難易度:★★★★☆

常念岳の東尾根ルートの特徴とコースタイム



須砂渡ゲート(30分)→高瀬川線No.63(360分)→前常念岳(50分)→常念岳(25分)→前常念岳(200分)→高瀬川線No.63(30分)→須砂渡ゲート

冬季の登山は非常に困難な北アルプス。その中でも数少ないルートが常念岳東尾根ルートです。
この東尾根ルートは、夏は藪になっており使う事はありませんが、冬は藪の上に雪が乗っているので歩けることと、一ノ沢などの一般的なコースは谷沿いで雪崩が多く危険ということから、冬季は東尾根を使っています。

総行程12時間、しかもラッセル必至ということでかなりの体力と雪山技術が必要です。未経験者は経験者と同行の上、雪山装備で臨むようにしましょう。途中、テント泊を考慮しておけば、余裕を持って登ることができます。

須砂渡ゲート~高瀬川線No.63

冬季閉鎖中の鳥川林道「須砂渡ゲート」から出発。しばらくは林道歩きが続き、高瀬川線No.63鉄塔の案内板があるとそこから取り付きます。雪が深くなりますのでスノーシューかカンジキが必要になります。

高瀬川線No.63~前常念岳

3時間程度、雪の樹林帯を登り続けると少しずつ展望が開けはじめ、蝶槍や蝶ヶ岳、しばらくすると目指す前常念岳、常念岳が見え、前常念岳へ到着します。

前常念岳~常念岳

さらに登ると森林限界になり斜面が急になりますので、安全のため、スノーシューを外し、アイゼンに付け替えます。凍った雪の尾根の急登を登り続けると常念岳山頂へ到着。

下山は往路を戻ります。

雪山は予想以上に体力と時間を消耗します。下山時の体力を含め、消耗度合いを考えながら無理なら早めに途中で撤退しましょう。

常念岳登山に便利な山小屋情報

常念岳は日帰りもできますが、できれば小屋やテント泊で余裕を持って登りましょう。そんな時に便利な山小屋をご紹介します。

常念小屋



常念小屋は、常念乗越に建つ100年の歴史を持つ山小屋です。宿泊はもちろん、テント泊、昼食もあり、いつも登山者でにぎわっています。登山シーズンはかなり込み合いますので、できるだけ予約をしておきましょう。

所在地;常念乗越
電話番号:090-1430-3320
営業期間:4月26日~11月3日(2018年実績 積雪の状況により前後する場合あり)
料金:1泊2食付き 10,000円 テント1人1000円

蝶ヶ岳ヒュッテ



蝶ヶ岳ヒュッテは、蝶ヶ岳山頂直下に建つ、穂高連峰の絶景が評判の山小屋です。絶景のほか、南北にのびる二重山稜やお花畑、湿地などが周囲に点在し、自然を楽しむことができます。個室がありますので家族連れには便利です。

所在地:蝶ヶ岳山頂下
電話番号:090-1056-3455
営業期間:4月25日~11月4日(2019年)
料金:1泊2食付き 10,000円 テント1人1000円

常念岳の登山口情報

今回ご紹介した3コースの登山口情報です。
アクセスや駐車場情報も一緒にご紹介します。

一ノ沢登山口



【公共交通機関】
JR大糸線穂高駅からタクシー利用(5100円)。バスはありません。

安曇観光タクシー:http://www.azumikanko-taxi.co.jp/030/

【マイカー】
長野道安曇野IC約15km、登山口前に第1駐車場30台、第2駐車場30台があります。駐車場からは登山口まで20分程度歩きます。

【施設】
トイレ、水場、登山相談所。

三股登山口(三股・林道ゲート)



【公共交通機関】
JR大糸線穂高駅からタクシー利用(5800円)。バスはありません。

安曇観光タクシー:http://www.azumikanko-taxi.co.jp/030/

【マイカー】
長野道安曇野ICより、約50分。ゲート前に30台(シーズンは60台追加)の駐車場があります。

【施設】
トイレ

須砂渡ゲート(ほりでーゆ~四季の郷)



※冬季のみ
【公共交通機関】
JR大糸線豊科駅よりタクシーで15分。バスはありません。

【マイカー】
長野道安曇野ICより、約25分。ほりでーゆ~四季の郷駐車場が利用できます。

【施設】
なし

常念岳で穂高連峰の絶景を!



いかがでしたか?北アルプスの常念岳、さすがに簡単には登れませんが、熟練者しかたどり着けない山でもないことはわかっていただけたでしょう。

初心者でもしっかりと準備をし経験者と同行すれば問題なく登れる山です。ぜひ、常念岳に挑戦して穂高連峰の絶景を楽しみましょう。

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