日本百名山 平ヶ岳登山を考えている方に向けて、役立つ情報をまとめました。
平ヶ岳とは
新潟県魚沼市と群馬県みなかみ町の境界に位置し、日本海に向かう阿賀野川の支流只見川の流域と、太平洋に向かう利根川源の流域にあります。
山頂標高 2,141m(平ヶ岳山頂)
最低標高 835m(平ヶ岳登山口)
歩行距離 約21㎞
歩行時間 約10.5時間
技術レベル 初級
体力レベル 上級
平ヶ岳登山口までのアクセス方法
平ヶ岳登山口までもが山深く、マイカー以外でのアクセスには十分な計画が必要です。計画するときに役立てて下さい。
マイカーでの平ヶ岳登山口までのアクセス
関越自動車道小出インターチェンジから約90kmで平ヶ岳登山口駐車場に到着します。
約30台分の無料駐車スペースがあります。
魚沼市内の交通情報
魚沼市観光協会
電車・バスなどでのアクセス
平ヶ岳は途中山小屋がなくテント泊もできないため、電車・バスなどの公共交通機関で平ヶ岳登山口に向かう場合は、前日に宿もしくはテントで宿泊することをお勧めします。
テント泊や宿泊するなら清四郎小屋がおすすめ
清四郎小屋は、平ヶ岳登山口から約700mにあります。
会津バス:鷹ノ巣バス停付近
※テント場有
※後述する中ノ岐林道登山口への往路送迎もあります。日程、天候、人数などにより送迎がない場合もがありますので必ず確認をして下さい。
清四郎小屋へのアクセス情報
≪東京方面から≫
浅草駅~(東武日光鬼怒川線・約3時間)~会津高原尾瀬口駅前~(会津バス・尾瀬沼山峠行き・約1時間35分)~尾瀬御池~(会津バス予約制路線・約30分)~鷹ノ巣バス停~(徒歩)~清四郎小屋
≪東京方面以外から≫
JR上越新幹線浦佐駅~(南越後観光バス・奥只見ダム線・約1時間20分)~奥只見ダム
~(徒歩10分)~遊覧船乗り場~(奥只見湖遊覧船予約・尾瀬口コース・約40分)~尾瀬口~(会津バス予約制路線・約10分)~鷹ノ巣バス停~(徒歩)~清四郎小屋
※運行期間、時刻表、運賃などは各交通機関にお問い合わせ下さい。
≪交通機関の関連リンク≫
平ヶ岳は玉子岩だけじゃない!魅力が豊富な山
平ヶ岳と言えば玉子岩。大きな岩の上鎮座する玉子のような奇岩はぜひ見ていただきたいポイントです。山頂付近の湿地帯では、池塘(ちとう)と呼ばれる数多くの小さな池がみられます。姫ノ池周辺では山々と空とを映し出す水面全てが一体となり、非日常的な美しい景色になります。
また、季節に応じた楽しみ方もあります。雪解けから初夏にかけて、湿地帯では数多くの形や色とりどりのかわいい花に出会えます。秋には、やせ尾根、燧ケ岳をバックに稜線付近から山全体が見事な紅葉となり見ごたえ十分です。その頃、山頂付近の湿地帯は草紅葉で秋の装いとなります。
コース上で見られるお花
季節に応じて様々なお花が楽しめます。
ハクサンコザクラ モウセンゴケ タテヤマリンドウ、ヒメシャクナゲ、イワイチョウ、ハクサンコザクラ、チングルマ、ミツバオウレン、ゴゼンタチバナ、アカモノ、ウラジオヨウラク、ツマトリソウなど
平ヶ岳は健脚向けのロングコース
健脚の登竜門にふさわしいロングコース。登山時期や体力に問題がなければ、特に危険な場所や道迷いをするような場所や、技術的に困難な個所はなく、初心者でも楽しめるコースです。
登山口から林道を通過し、花崗岩でザレ場のやせ尾根歩きでは緊張感が味わえます。やせ尾根を経て稜線に出ると、燧ケ岳の二双の鋭い山頂や尾瀬の名峰至仏山を望みながら、秘境ならではに静かなトレッキングを楽しむことができます。
山頂が近づくと景色が一転します。なだらかな湿地帯が広がり、山の奥深いところまでたどり着いたという達成感がたっぷりと味わえます。
平ヶ岳登山におすすめの時期
日照時間が長い時期つまり夏至に近い時期に登山することをお勧めします。
走らない限り、コースタイムは10時間を超えることと、登りはじめと下山後半に花崗岩のザレザレとなった急な坂があるためです。下りで日没となり暗くあることは望ましくありません。
日照時間が10時間未満の時期、つまり秋のシーズンに登山する場合は、登山開始時刻を早めに設定して計画を立てましょう。
初心者におすすめの平ヶ岳プリンスルート
中ノ岐林道登山口から平ヶ岳へ(平ヶ岳プリンスルート)
平ヶ岳には平ヶ岳プリンスルートと呼ばれるコースもあります。このコースは正規ルートより4時間余り短くなり日帰り困難と言われる平ヶ岳登山が楽しみやすくなりました。いくつかの宿泊施設では中ノ岐林道終点の登山口までの送迎があります。送迎は宿泊者が対象となります。詳しくは、直接に宿にお問い合わせください。
※中ノ岐林道登山口には駐車場はありません。
中ノ岐林道登山口への送迎している宿情報
平ヶ岳の日帰り登山コースを解説
引用元: 山と渓谷オンライン地図
登山コース全体の高低差です。登り返しはそれほど大きくないコースです。
①登山口~下台倉山(約1時間)
しばらく林道を歩きます。
花崗岩ザレザレやせ尾根の急な登りが続きます。ところどころロープもあるので補助的に使って登ります。
②下台倉山~台倉山(約1時間)
燧ケ岳、至仏山を見ながらの稜線歩きになり、台倉山はビューポイントです。
③台倉山~白沢清水(約30分)
このルートは大きな上り下りが少なめになります。
台倉山から少し下ったところに、水場・台倉清水の標識がありますが水は期待できません。
④白沢清水~池ノ岳(約1時間15分)
白沢清水の標識がありますが、水場は期待できません。
ぬかるみで少し足場が悪くなります。滑らないように注意。
後半の登りを頑張れば湿原に到着します。
⑤池ノ岳~玉子岩(約30分)
目の前が姫ノ池です。
そこから天空を歩くような木道を歩きます。
6月初旬は雪が残っていて木道が見えない場所もあります。
玉子岩からの景色は素晴らしいです。
⑥玉子岩~平ヶ岳山頂(約30分)
湿原から山頂に向かいます。木道、階段が続きます。雪が残る場所は道が分かりにくいため注意が必要です。
平ケ岳沢源頭の水場では、雪解けのシーズンであれば水分補給が可能かもしれません。秋は枯れていることがあります。
平ヶ岳山頂はなだらかです。
⑦平ヶ岳山頂~平ヶ岳登山口(約4時間30分)
池ノ岳からは同じコースを戻ります。
平ヶ岳の登山で注意すること
ぜひ健脚の登竜門・平ヶ岳登山に挑戦したい方は、次のポイントを押さえておきましょう。
お手洗い・山小屋について
登山コース上に、山小屋、自動販売機、お手洗いはありません。登山前に行動食、飲み物、携帯トイレは持参しましょう。登山口にお手洗いはあります。
水場での飲料補給について
基本的にありません。登山コースの地図上に3か所水場の記載がありますが、雪解けシーズンであれば、山頂付近の平ケ岳沢源頭の水場は少し期待できます。その他2か所は水場として期待しない方がよさそうです。
その他の注意すべきポイント
① 下山時刻を確認しておきましょう。
特に、帰りのバスの時刻などが決まっている場合は、山頂にたどり着けない場合でも、途中で下山して下さい。
② 急な天候の変化に注意しましょう。
昼を過ぎたころ、夏場は突然の雷雨に見舞われることがあります。空に黒く厚い雲がかかっていないかを常に観察して判断して下さい。
平ヶ岳の登山で特に重要な持ち物のまとめ
基本的な登山で必要な持ち物に合わせて、以下4点は特に重要となります。
①飲料水
天気予報であらかじめ最高気温を調べ、少し多めに飲料を準備しましょう。重くなりすぎると体力を消耗します。
てんきとくらす 平ケ岳
②行動食
工程が遅れるとゆっくり食事する時間がとれなくなる可能性があります。小休憩で簡単に補給できる行動食を少し多めに携帯しましょう。
③携帯トイレ
緊急時に使用します。
④日没時刻を記載した登山計画書または地図
登山日の日没時刻を調べて地図上に記載しておき、日没までには下山しましょう。
新潟県魚沼市 日の出日の入り時刻
近隣の温泉情報
下山後に温泉で汗を流したいときは、銀山平温泉に日帰り温泉があります。
白銀の湯
かもしかの湯
まとめ
平ヶ岳登山のロングコースを楽しむためには、十分な計画と体力だけではなく、登山での知識と経験も必要です。また登山前後も時間の余裕を持つことも大切です。十分な情報収集をして安全な山旅を楽しんで下さい。