キャンプや登山の際に布団となる寝袋。
なかなか洗えないと思っている方々もいますが、実は家庭で洗うことができます。
ただ、しっかりと洗い方を熟知しておかないと、暖かくてふんわりした寝袋ではなくなってしまいます。
この記事では私が実際に寝袋を洗う時のやり方と保管方法を紹介します。
シュラフ(寝袋)は定期的に洗おう!
寝袋は登山やキャンプにおいて、かなりの時間を共に過ごすものとなります。
故に案外汚れており、汚れによって防寒性が低下したり、不潔になったりもします。
登山においては行動することも大切ですが、それと同様に体を休めることも大切です。
快適な登山のために、寝袋を定期的に洗うことをお勧めします。
シュラフ(寝袋)を洗うタイミングは?
寝袋を私が洗うタイミングは、以下の4つのタイミングです。
などになります。
シュラフ(寝袋)ダウンと化繊では、洗い方が違う
寝袋には、ダウン性のものと化繊性のものがあります。
ダウンの場合、脂分を含んだ羽を、大きなナイロンカバーで包んであるタイプで、カバーに穴が空かないように慎重に扱う必要があります。
洗いすぎると脂分や撥水加工も取れてしまうので、やさしく洗います。
化繊は、中の綿がある程度まとまっていて、羽ほど細かくないので、カバーに多少穴が空いても中身が飛び散りません。
何か所か、カバーに固定されているので、ダウンのように中で片寄ることもありません。
撥水加工もあまりされていないので、洗剤がしみこみやすく、かつ乾きやすいです。
ダウン寝袋は手洗い推奨
ダウンの寝袋は、温かいのですが、取り扱いに気を配らなくてはなりません。
まず、破れると中身が飛び出します。
撥水加工があるため、水の中に入れても中々水が浸み込みません。
家庭用の洗濯機の場合、縦型の洗濯機では、寝袋が水の中で浮かんでしまうのでしっかりと中身が洗えません。
水が上下に踊るドラム型、かつ、ドライ洗濯対応の洗濯機なら、夏用なら洗うことができます。
コインランドリーを利用する場合、羽毛布団が洗えるサイズの洗濯機で、自分で用意した洗剤を投入できるタイプなら、冬物寝袋でも洗濯から乾燥まで一気にかけることができます。
家庭用洗剤で洗える?
日常で洗濯に使う、弱アルカリ性の洗剤を使うことはやめましょう。
通常の洗剤を用いると、ダウンに含まれている油分まで落としてしまう事となります。。
そうなると、防寒の性能がなくなり、本当にただの袋となってしまうため、絶対に普通の洗剤は使わないでください。
シュラフ(寝袋)はクリーニング屋さんに依頼できる?
何日も時間をかけて洗うのなんて面倒だけど、クリーニングには出せないの?という人もいるでしょう。
寝袋のクリーニングを引き受けてくれる店舗もあります。
近くのクリーニング屋さんに確認してみましょう。
引き取り・配送まで頼みたい
近くで取り扱いをしていない場合は、引き取りや配送のサービスがあるクリーニング業者もあります。
キャンプ用品に特化したクリーニングを行っているサービスもあります。
そういうところでは、撥水加工などのオプションもつけてもらえるので便利です。
サービス会社 | 金額 |
テントクリーニング | ダウン4,180円 化繊3,520円 送料1,500円 |
ドロップルーフ | 夏用4,000円 3シーズン用5,000円 オールシーズン用7,000円 送料700円 |
お洗濯.net | ダウン4,000円 化繊3,000円 送料1,000円 |
※価格は2019年6月時の金額です。
化繊シュラフ(寝袋)なら洗濯機でお手軽洗浄
化繊タイプの場合、上記のようにダウンより扱いやすいので、洗濯機で洗うことも出来ます(冬物は洗濯機に入らない可能性もありますが……)
中性洗剤を使用し、一気に洗ってしまいましょう。
全体に水が浸み込むまで時間がかかる場合もあるので、注水が終わった段階で、中の寝袋を上下にぐるりと回してやると浸透しやすくなります。
脱水まで済んだら、乾燥機にはかけず、風通しのいいところで5日ほど陰干しします。
ダウンシュラフ(寝袋)の洗濯の仕方
ダウンシェラフの洗い方を詳しく解説します。
軽い汚れなら、桶やドライ対応洗濯機でも可能です。
汚れが深くまでしみ込んでいる時や、全体をしっかり洗いたいなら、風呂桶で洗っても構いません。
その場合は、お風呂を事前にキレイにしておきましょう。
用意するもの
わたしが今回洗濯したものは、モンベルのダウンハガー
大物なので、お風呂場で洗っていきます。
洗剤は、使い慣れたアクロン。
お湯を張って、寝袋を踏み洗いする
まずは、お湯(30度くらい)を張って、寝袋を漬け込みます。自分も風呂桶に入り、足で寝袋を踏んでお湯をもみこみます。
一度お湯を流してから、中性洗剤を、容器に書いてある量より薄めに入れ、再度お湯を入れて踏みます。
5分ほど踏み洗いをして、お湯の汚れがひどくならなくなってきたら、お湯を入れ替えます。
ある程度濁りが取れるまで、これを繰り返し、汚れが出なくなったら、最後にしっかりと踏んでお湯を切ります。
この際、冬場はいいのですが春~秋の場合、非常に暑くなります。
体調を崩さないように、適度に休憩をはさみ、水分も補給するようにしてください。
窓を開けるか、換気扇を回しておきましょう。
水分を軽く切って、軽めに脱水
洗剤を洗い流した後、洗濯機の脱水にかけます。大きめのネットがあれば、そこに入れて脱水しましょう。
この時、洗濯機の中に少し放置して、水分を切ってから5分~15分程度、脱水だけ行います。
撥水コート剤を揉み込む
その後、お風呂場で撥水コート剤をしっかりと揉み込みます(モンベルの撥水コート剤を使用しました。コート座によっては、別のタイミングで使うように指示されているものもあります)。
ダウンシュラフ(寝袋)を洗う時のおすすめの洗剤
ダウン寝袋を洗う際には必ず洗剤の種類は選ばなくてはなりません。これをミスすると、ダウン(羽根)の天然油分を必要以上に落としてしまい、ふんわり感がなくなってしまいます。
基本的にはダウン用洗剤か、おしゃれ着用の中性洗剤をもちいます。
また、モンベルなどのアウトドアショップでも、寝袋を洗える洗剤が販売されています。
この時に一緒に防水をするための撥水剤などを買うのも良いでしょう。
NIKWAX(ニクワックス)ダウン用洗剤
mont-bell(モンベル) O.D. MT ダウンクリーナー
アクロンおしゃれ着洗剤
ボールドおしゃれ着洗剤
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おしゃれ着洗いの場合は、フレーバーもいろいろあります。
自分に快適な香りを選ぶのも楽しいですね。
あまりに強い香りは、同行者に確認をとって使いましょう。
mont-bell(モンベル)撥水剤
シュラフ(寝袋)の干し方
寝袋を選択した後の、干し方を解説します。
吊るして干す場合
寝袋を洗う際には、まず寝袋を洗う日も選ぶ必要があります。
暖かく、晴れている日を選びましょう。
また一週間出来るだけ晴れか曇りの日を選ぶのも大切です。
寝袋を干す場所は、風通しが良く、かつ直射日光を避けられる場所にします。
ベランダなどで吊るすときは、布団干しばさみなどでしっかりと寝袋を挟んでおきましょう。
洗濯した寝袋に関しては、確実に湿気を飛ばす必要があるので、外側から触ってふっくらしているな、と思ってもすぐには取り込みません。
寝袋全体を乾かすために陰干しで4~5日程度必要となってきます。
乾燥機で干す場合
大きめの乾燥機で乾燥させることも出来ます。
陰干しを1日したのち、乾燥機に入れます。
家の乾燥機か、そうでなければコインランドリーの乾燥機で、様子を見つつ乾燥させます。
寝袋の中の水分を脱水するために、丸めたタオルを入れると、比較的早めに乾燥させられます。
我が家には乾燥機がないので、近所のコインランドリーの乾燥機を利用しました。(8kgまでの乾燥機:9分100円)
大きいので、洗濯かごに入れて持っていきます。
乾燥機に入れる前に、ダウンがかたよっていないか確認し、かたよっていれば平らに広げます。
一度9分間かけてから、ダウンのかたよりがないか、袋が痛んでいないか、部分的に温風が当たっていない場所がないかを確認し、もう一度かけます。
もう一度確認して、乾いているようなら終了します。乾いていないようなら、同じ工程を繰り返します。
全体的にふっくらとしたら、終了。
洗濯かごに入れて持ち帰り、3日間陰干ししました。
シュラフ(寝袋)の保管方法
寝袋を保管する際には、直射日光を避けましょう。
また風通しが良く、湿度が低い場所を選びます。
せっかく洗った寝袋も、湿気を含んでしまうと洗濯した意味がなくなってしまいます。
寒暖差がある場所も避けましょう。
押入れの奥やプラスチックケースに収納する場合は、乾燥剤を入れておくと良いでしょう。
寝袋を保管する袋は、寝袋付属の物ではなく、メッシュの袋をもちいるのも一つの手段です。
メッシュの余裕があり、ゆったりとした袋であれば、常に風通しのいい状態で保管する事が可能です。
我が家では、メッシュの袋に入れた上で、カラーボックスの中に入れて保管しています。
まとめ
テント泊での登山の場合、必需品となってくる寝袋。
とくに、冬場には寝袋の具合一つで、体調やモチベーションが変わってきます。
大切な相棒として、定期的にメンテナンスをしてあげてくださいね。