山情報

白馬岳の登山ルートを難易度別に日帰りやテント泊もご紹介!

北アルプスの名峰「白馬岳(しろうまだけ)」。人気の山が多い北アルプスの中でも特に人気の山で、日本百名山、花の百名山などにも選ばれています。
最大の見どころは白馬大雪渓。多くの登山者のあこがれの的です。
そんな大人気の白馬岳の登山ルートを難易度別にご紹介。
登山口のアクセス情報や周辺の温泉情報も!

白馬岳とは

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所在地:長野県北安曇郡白馬村ほか
標高:2932m

後立山連峰の白馬岳(しろうまだけ)。長野県と富山県にまたがる、中部山岳国立公園に指定されています。日本百名山、花の百名山にも選ばれ、日本三大雪渓のひとつ白馬大雪渓でも有名です。

白馬の読み方は「しろうま」?「はくば」?

今回ご紹介している山の読みは「しろうまだけ(白馬岳)」。
しかし、所在地は「はくばむら(白馬村)」。
駅は「はくばえき(白馬駅)」、山荘は白馬山荘(はくばさんそう)。
高山植物の固有種はすべて「シロウマ」を冠しています。総合すると、山に関連する自然は「しろうま」、地名や行政、建物に関係するものは「はくば」となるようです。

白馬岳一帯は、高山植物がたくさん!

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白馬岳一帯は、白馬連山高山植物帯といわれる日本でも有数の高山植物の宝庫です。特に固有種や希少種が多く、「シロウマ」の名前を冠した種は10種以上、シロウマアカバナ、シロウマイタチシダ、シロウマスゲなどがあります。そのほか、花の百名山で紹介されたコマクサ、チングルマ、クロユリをはじめ、コバイケイソウやハクサンイチゲなどが短い夏に咲き乱れます。

白馬岳登山のベストシーズンは?

周辺の山小屋は、4月下旬から10月中旬ぐらいまでが営業期間ですので、一般的にはこの間が登山シーズンとなります。
大雪渓を歩くなら8月中旬まで。

それ以降になると雪渓の雪質が歩くなり歩きにくくなり、9月を越えると雪渓の下部は崩れて歩行禁止になることもあります。高山植物は7月から8月がピークです。

みんなのあこがれ白馬大雪渓

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白馬大雪渓は、日本最大の雪渓で、全長3.5km、標高差600mにも達します。
雪渓の上のトレッキングルートは、真夏でも防寒着が必要なほど冷涼な風が吹き抜け、特に真夏の登山で大人気です。
ただし、落石が多い場所でもあるので、十分注意。アイゼンとヘルメットが推奨されています。

大雪渓入り口までは、初心者でも簡単に行ける

雪渓歩きは、アイゼン歩行などそれなりの経験が必要です。
しかし、大雪渓入り口までは初心者でも行くことは可能。
大雪渓の登山口である猿倉からは、歩いて1時間20分なので、入り口まで行って大雪渓と白馬の山々の絶景や高山植物を見学するだけの方も多いようです。

白馬岳の難易度は?

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白馬岳は全体的にロングコースが多く、最短でも猿倉コースの6時間15分。
しかし、日帰りの場合、それなりの体力が必要で、雪渓歩きや岩場歩きなどを考慮すると中級以上の難易度といえます。
栂池高原からロープウェイを使用する栂池コースは、コース上には危険な場所はなく初心者向けですが、ロープウェイの営業時間やコースタイムを考慮すると1泊することになります。

2012年には大規模遭難が

栂池コースは比較的楽なコースとご紹介しましたが、このコースでは2012年5月の大型連休に6人が犠牲になる痛ましい遭難事故が発生しました。
稜線は天候が良ければ、天空の散歩道になりますが、ひとたび天候が悪化すると、風雨から隠れる場所もなく非常に危険な状態になります。
天候や体力などよく考慮して経験者と同行するようにしましょう。

白馬岳【日帰り登山】あこがれの大雪渓コース

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難易度★★★★☆
日帰り 10時間10分
猿倉(70分)→白馬尻(150分)→葱平(120分)→村営頂上宿舎(35分)→白馬岳(25分)→村営頂上宿舎(60分)→葱平(90分)→白馬尻(60分)→猿倉

白馬岳登山コースの中では最もポピュラーなコース。白馬大雪渓と高山植物、白馬山山頂からの絶景を楽しめるゴールデンコースです。大雪渓の歩行は滑りやすく、キックステップやアイゼン使用など技術も必要になりますので、経験者との同行をおすすめします。

日帰りとは言え、標準時間10時間以上なので、それなりの体力が必要。体力に自信が無ければ、山頂付近の山小屋泊をすれば、余裕を持って歩くことができます。

猿倉~白馬尻

猿倉登山口を出発。しばらく砂防工事専用道路を歩きます。40分ほど歩くと、専用道路終点になり、樹林帯の登山道が始まります。猿倉から70分程度で白馬尻到着。いよいよ大雪渓の始まりです。

白馬尻~葱平

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白馬尻小屋を過ぎると、あたりが開け大雪渓が見えます。このあたりの大雪渓の下部は、お花畑。サンカヨウやキヌガサソウの群落を見ることができます。葱平までの150分程度の雪渓歩き。季節によっては、雪が割れている場所もあるので、先行者の踏み跡に沿って慎重に。大雪渓から見上げる白馬の山々の眺めは、ここでしか体験できないダイナミックな絶景は感動モノ。

葱平~白馬岳

大雪渓が終わると、ガレ場の急登。足場が不安定で登りにくい道が続きます。途中、ミヤマキンポゲやハクサンイチゲなどに癒されながら、約2時間程度で縦走路へ登り上がります。縦走路の登山道はそれほど険しくなく、高山植物の中、山頂を目指します。ほどなく白馬岳山頂到着です。

白馬岳山頂

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山頂は遮るものの無い360度ビューの大パノラマ。北方向は雪倉岳や朝日岳、南方向には立山や剱岳、穂高岳や槍ヶ岳まで見渡すことができる絶景です。山頂は広く、登山者が多くても問題ありませんが、東側は切り立った崖になっているので注意しましょう。

下山は、往路を下りますが、雪渓の下りは危険ですのでさらに慎重に。

白馬岳【テント1泊登山】栂池コース

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難易度★★★☆☆
・1日目 6時間45分
自然園駅(180分)→白馬大池山荘(140分)→三国境(60分)→白馬岳(25分)→村営頂上宿舎(テント泊)
・2日目 5時間15分
村営頂上宿舎(25分)→白馬岳(40分)→三国境(110分)→白馬大池山荘(130分)→自然園駅

栂池高原より、ゴンドラリフト、ロープウェイを乗り継ぎ、標高1900mの自然園駅よりスタートします。白馬岳まで標高1100m程度、全体的に緩やかな尾根道で危険な箇所もないので初心者でも可能なコースです。猿倉コースほどではありませんが、高山植物が多く、眺望のいい稜線歩きを楽しめます。

自然園駅~白馬大池山荘

ロープウェイ最終駅の自然園駅より出発。1時間ほどで、銀嶺水といわれる水場がある天狗原を通過、標高2437mの乗鞍岳を通り、2時間30分程度で白馬大池山荘へ到着します。白馬大池が広がるこの一帯は、ハクサンイチゲやチングルマの群生を見ることができ、休憩に最適です。

白馬大池山荘~三国境

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白馬大池山荘からは、北アルプスらしい岩稜帯の稜線歩き。広い稜線から北アルプスの山々の絶景、足元には高山植物、運が良ければライチョウに出会えるかもしれません。2時間20分程度で、朝日岳からの縦走路との出会いである三国境に到着します。

三国境~白馬岳

三国境からは、白馬岳に向けて馬の背と呼ばれるやせ尾根を登ります。約1時間で山頂に到着。山頂から25分ほど下り白馬村営頂上宿舎のキャンプ場に到着します。

翌日は、往路を戻ることもできますが、猿倉方面へ下れば大雪渓を歩くことができます。

白馬岳の山小屋情報

白馬岳にはいくつかの山小屋が営業しています。白馬岳はどの登山コースもロングコースなので、泊りがけの登山者が多いことから、大規模な山小屋が多いことが特長です。今回の登山で便利な山小屋をご紹介します。

白馬山荘(はくばさんそう)

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白馬岳山頂直下の山小屋です。日本最大の収容人数(800名)を誇る山小屋で、相部屋からホテル並みの個室まで揃っています。レストラン「スカイプラザ」も併設されており、北アルプスを眺望しながら軽食やビールなどが楽しめます。
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所在地:白馬岳山頂直下
電話:0261-72-2002
料金:大人1泊2食 10,300円
営業期間:2019年4月27日(土) ~10月14日(月)

白馬岳頂上宿舎

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白馬山荘から10分ほど下った場所に建つ「白馬村営白馬岳頂上宿舎」は、その名の通り白馬村が経営する公営の山小屋です。キャンプ場も併設しているので、テント泊の場合は、こちらを利用することになります。収容人数416名で、白馬山荘ほどではないですが、大規模な山小屋です。
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所在地:〒399-9301 長野県北安曇郡白馬村北城
電話:0261-75-3788
料金:大人1泊2食 10,300円
営業期間:2019年4月27日(土) ~10月14日(月)

白馬岳下山後の温泉は?

白馬岳下山後におすすめの温泉をご紹介。

白馬塩の道温泉 倉下の湯

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猿倉登山口より車で15分。白馬村を流れる松川左岸に位置し、北アルプスを眺めながら入れる露天風呂が人気の温泉です。源泉かけ流しなので、いつでも新鮮なお湯につかることができます。
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所在地;長野県北安曇郡白馬村大字北城9549-8
電話:0261-72-7989
料金:大人600円、小人300円
営業時間:10時~22時(最終入館受付21時30分)
休館日:年中無休
倉下の湯公式サイト

栂の湯

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栂池ゴンドラリフト「栂池高原駅」より徒歩1分!リフトで下山したら即入れます。スキー場のスキーヤー向け入浴施設ですが、夏季も営業しています。休館時期があるようなので注意。
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所在地:〒399-9422 長野県北安曇郡小谷村千国乙12840−1
電話:0261-71-5111
料金:大人700円、小人500円、シルバー500円
営業時間:12:00~21:00(最終入館 20:30)
営業期間:冬期 11月下旬~5月上旬 / 夏期 6月~10月
休館日:シーズン中無休
栂の湯公式サイト

白馬岳登山口へのアクセス情報

白馬岳の登山口までのアクセスと駐車場情報をご紹介。

猿倉登山口

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【マイカーの場合】
上信越道長野ICから約1時間10分。猿倉駐車場へ駐車(無料70台)。

【公共交通機関利用の場合】
JR大糸線「白馬駅」からアルピコ交通バスで30分、猿倉バス停で下車。季節により便数が変動するので要確認。

アルピコ交通バス

栂池ロープウェイ 自然園

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栂池ゴンドラリフト「栂池高原駅」からロープウェイを乗り継ぎ約30分。ここでは、栂池高原駅へのアクセス情報をご紹介します。登山シーズンは非常に混みますのでよく確認しておきましょう。

栂池パノラマウェイ

【マイカーの場合】
上信越道長野ICから約1時間。栂池高原駐車場へ駐車(400台 500円/1日)。

【公共交通機関利用の場合】
JR大糸線「白馬駅」からアルピコ交通バスで25分。栂池高原バス停で下車。季節により便数が変動するので要確認。

アルピコ交通バス

本格的な北アルプス登山が楽しめる白馬岳

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片道6時間以上で、決して初心者向けとは言えませんが、それだけに登山の達成感が高いのが白馬岳。登山口までのアクセスが比較的容易なのも人気の要因です。雪渓や高山植物、大パノラマの稜線歩きなど、ぜひ、北アルプスの醍醐味を味わってみてください。

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