キャンプ

ソロでも使えるアメニティドームSをレビュー!の設営方法やサイズ感も。

数あるアウトドアギアのメーカーの中でも非常によく聞くメーカーの一つであるスノーピーク。キャンプ場で周りを見渡せば、スノーピークのギアを見かけないことは無いくらい。その中から、アメニティドームSをレビューします。

参考までに私はスノーピークアメニティドームSで、バイクでキャンプツーリングに行ったり、友人たちと車でグループキャンプをしたり、ソロや妻と2人で、年間10泊以上使用しています。

スノーピークアメニティドームSとは

<商品スペック>
対応人数:3人
本体サイズ:355×230×120(h)cm
収納サイズ:58×18×23(h)cm(収納ケース)
フライ耐水圧:1800mm以上
ボトム耐水圧:1800mm以上(ウォール部)
UV加工

アメニティドームはエントリーモデル

スノーピークのテントの主なラインアップは、エントリーモデルの「アメニティドーム」シリーズの他に、スタンダードモデルの「ランドブリーズ」、ヘビーモデルの「ドックドーム」の3つのシリーズがあり、それぞれに大きさ(収容可能人数)を基準に複数のモデルが存在します。

ペグや自在付張り綱が付属するとはいえ、他メーカーの同スペックのテントと比べると、エントリーモデルといっても決して安い方ではないと思います。

アメニティドームSの対応人数は3人

アメニティドームSはアメニティドームシリーズの中でも最も小さいモデルです。公式サイトでの対応人数は3名ですが、大人3人だと少し窮屈に感じると思います。ですが、ソロはもちろん夫婦や恋人同士、子供が小さければ親子3人でも使える大きさです。

アメニティドームSはバイクに積載できるのでキャンプツーリングでもOK

バイクに積載したところです。横幅はシートバックとほぼ同じ大きさなので安定して載せられます。

バイクのキャンプツーリングで気になるものの一つに積載性が挙げられると思います。しかし、積載性を求めると居住性や狭さは犠牲になってしまいます。その点、アメニティドームSは重量約5kg、収納サイズも横が約60cm、前後と高さが約20cmの円筒形なので、小型テントに比べれば多少かさばりますがリアシートやシートバックの上に乗せられる大きさです。

ヘリノックスチェアとアメニティドームSの大きさを比較してみました。

前室が広いので荷物の置き場に困らない

キャンプツーリングで困るのが荷物置き場です。居室が狭いのはもちろんですが、前室が小さいテントだとフライの内側に結露した露や雨で前室に置いた荷物が濡れてしまうこともありますが、アメニティドームSだと広い前室があるのでそういった心配からも解放されます。

スノーピークアメニティドームSの設営方法

基本的な設営方法は一般的なドームテントと大きく変わらないと思います。

①本体を広げて設営場所を決めます。

このテントで考慮すべきポイントは以下でしょうか。

・メインとなる大きな前室の向き
メインの前室から主に出入りすることになるので、それを基準にテントの向きを決定します。テントの床部分からフライと固定するための黒の紐が伸びている側です。また雨が降りそうなときや風が強いときは、メインの前室を風下に向けておくと雨風が入り込みにくいです。

・頭の向き
頭側の壁に鍵やメガネ、ライトなどの小物を置けるネットがあるので便利です。本体を広げると、L字の紐が伸びていますが、短い方の辺が頭の側になります。

小物入れのネットです。ちゃんと2人分あります。

②メインフレームでテントを自立させます。

フレームは、メインが3本とフライが1本ですが、それぞれ両端が着色コーティングされているので、ひと目で見分けが付きます。設営は慌ただしくなることもあるので、こういった心遣いはありがたいです。

まずメインフレームを2本、アルファベットのXの字のように、テントの屋根の部分にポールを通すための縫い付け(スリーブ)に通して交差させます。(以後Xフレームとします)

次に残りの1本を、メインの前室側の縦に通すスリーブに通します。このフレームはXフレームの上に来るように通してください。

本体のフレームをすべてスリーブに通したところです。

フレームを通したら、テントの角にあるピンにフレームを挿して自立させます。まずXのように通した2本のうち1本を順に片方ずつ挿していけば1人でも立てられます。このときにテント本体が偏らないように注意してください。最後に縦に通したフレームも同様に、テントの辺のところにあるピンに挿します。

Xフレームをピンに挿して自立させたところです。

自立させれば、テントの各所にあるフックをフレームにかければOKです。

フレームの交差部分はベルクロで固定します。

フックをフレームに掛けることで、テント内が広くなります。

③フライシートをかけます。

フライ用のフレームをフライに通して、本体にかぶせます。

フレームを通すところに蛍光色の目印があるのでわかりやすいです

フライシートを本体にかぶせたところです。

テントの床から出ている黒い紐をL字に軽く引っ張って、フライのフレームをL字の角と長い方の辺にあるピンにそれぞれ挿し、テントのバックルと接続します。

フライと本体は基本的にバックルで接続します。

L字の角のところのみフックでリングに引っ掛けます。

④仕上げ

各所をペグダウンし、張り綱を引きます。
慣れれば一人でも10分あれば設営できると思います。

張り綱は引いていませんが、完成形です。

反対側からです。

スノーピークアメニティドームSのサイズ感をレビュー

アメニティドームSは、ソロはもちろんバイク2台でのキャンプツーリングでも十分使える広さがあると思います。

テントのサイズ感

テント底面の大きさで150cm×220cmあります。一般的な封筒型シュラフが75cm×200cmくらいなので、2つ並べて足元(もしくは頭の上)に荷物置きのスペースができるイメージです。普段はエアマットを使っていますが2つちゃんと並べられます。

エアマットを1つ置いたところです。ソロなら十分すぎるスペースがあります。

テント内の高さは約120cmです。直立するのはさすがに無理ですが、腰を曲げれば膝を曲げずに立つことが可能です(筆者の身長160cm)。フレームがXの文字のように交差し、メインの前室側にも1本フレームが張ってあるので、中央が一番高くなり、全体的に上部が広く感じられます。また、テントの配色も広さを感じさせる色合いですね。

前室のサイズ感

ソロならフライを閉じた状態でも、前室で小さい椅子に座って小さなテーブルを出して食事ができるくらいのスペースがあります。ただし高さはテント本体より若干低く、膝を曲げないと通り抜けできません。

椅子とテーブルを前室に置いています。テント本体の内部から撮影しています。

また、メインとなる前室の反対側にも小さな前室がありますので、使用頻度が低いものはそちらに置くとスペースがより有効活用できます。

反対側の前室です。ちょっとした物を置くには十分です。

スノーピークアメニティドームSにタープは必要?

荷物がとても多いとか、タープの下で広々と2人でゆったり時間を過ごしたいといった理由がなければ、タープは必ずしも必要でないと思います。私もバイクの時はタープを持っていきません。

その一番の理由は、メインとなる前室を跳ね上げるとミニタープのように使えることにあります。別売りの「アメニティドームアップライトポールセット(TP-090)」を購入されてもいいですし、150cm程度のポール2本と張り綱2本とペグ2本があればいいので、お手持ちのギアに追加するだけでも大丈夫です。私は別で持っていたポールをテントの収納袋に常備させています。

フライを跳ね上げて前面から見たところです。

これだけで前室と合わせて1畳弱の屋根のある空間が完成します。多少の雨程度ならフライを跳ね上げて、外の景色を眺めながら椅子に腰掛けて料理もできます。寒くなってきたらフライを閉じて前室の中で椅子に座って燗やお湯割りを楽しむことも。

フライを跳ね上げると広々とした食事スペースができます。

跳ね上げた前室を閉じてしまっても、前室の横側(サイドパネル)から出入りができるので不便は感じません。

サイドパネルを開けて、外から見たところです。

スノーピークアメニティドームSを6年使った評価

全く他のテントに乗り換えようという動機がありません。スノーピークの製品全体に言えるのですが、適切にメンテナンスすれば一生使えるのではないか、くらいのクオリティがあります。適切なメンテナンスといっても特別なことは何もしておらず、「帰ったら干す」「たまに撥水スプレーを全体に吹く」くらいです。

真夏でも使える?

夏キャンプではテントに篭る熱気が悩みの一つではないでしょうか。アメニティドームSは、テント本体の前後の出入口がメッシュにできるのはもちろん、上部にも2箇所換気用の窓があります。片方はフライにある換気口に近いので、換気性もいいと思います。

左がメインの前室側。右はフライにある換気口のすぐ近くにあり、空気が抜けやすいです。

また、フライの前室部分の接続も、真ん中と最下部にベルクロがあるので、ファスナーで完全に閉め切らずに使うこともできます。

フライはベルクロ(赤い部分)のみで留めることも可能です。

悪天候でも使える?

耐水性についてのこんなエピソードをご紹介します。バイクでのグループキャンプで寝ていたところ、夜半から雨が降り出し、明るくなる頃には豪雨に。テントから出るに出られず、かと言って朝ごはん(付属のホテルで食べる予定でした)の時間もあるので意を決して外に出ると、芝生のテントサイトは川のようになっていました。

朝ごはんを食べた後も雨は収まるどころか強くなるばかり。ところが、アメニティドームSは雨漏りや床上浸水とは全く無縁でした。この雨の中で撤収するくらいならもう一泊したほうがいいと思わせるくらい。帰宅後のニュースで知ったのですが、その頃この地域では時間雨量100mmを超える猛烈な集中豪雨だったそうです。

耐風性は、設営後の高さが低く流線型をしているため、さらにフレームが4本いずれも地面と固定されているのでかなりいい方だと思います。バタつきもなく多少の風でも不安は感じませんでした。

冬キャンプでも使える?

朝方ギリギリ氷点下になるくらいの気温でも、エアマットにシュラフを二重にしてスウェット着込んで
一応寝ることができました。

ストーブは持っていませんが、真夏同様に上部の換気口やフライを開けるなどすれば、ある程度の換気はできるので使えなくはないと思います。が、アメニティドームS自体は素材もナイロンですし、説明書やテントにも火気厳禁と書かれていますので、自己責任でお願いします。

スノーピークアメニティドームSは最高のテント!

アメニティドームSは私のようにいろいろな使い方(ソロでも2人でも、車でもバイクでも)をする人にとっても、これ1つでいずれの場合でも使える、非常に重宝する最高のテントだと思います。

エントリーモデル?とんでもありません。自分の定番スタイルが定まってない人でも選んで「失敗した」と思わせないテント、そういった意味ではエントリーモデルなのかもしれません。

テントでも自宅の部屋にいるような広さ・ラグジュアリーな雰囲気をテント本体に求めるのでなければ、十分な性能と広さを持っています。大きすぎず、小さすぎず、かつ必要な機能はしっかり揃っていて、丈夫な素晴らしいテントだと思いますよ!

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