ファイヤーボックスG2とブッシュボックスXLの2つは、サイズがよく似ていることから、どちらを購入しようか迷う人が多い焚き火台です。しかしその2つは似て非なる存在であり、それぞれ違った魅力を持っています。
さらにファイヤーボックスG2とブッシュボックスXLともに、重厚感があり光沢のある見た目が美しいステンレスモデルと、軽量で錆びることのないチタンモデルがあります。そのどちらにするかもまた悩みどころです。
今回はファイヤーボックスG2とブッシュボックスXLのステンレスモデルに焦点を当て、それぞれの特徴を紹介したうえで、両者にどのような違いがあるのかを比較解説します。この2つが気になっている方や、焚き火台選びに迷っている方はぜひ参考にしてください。
ファイヤーボックスG2(ステンレス)とは
ファイヤーボックスは、キャンプやブッシュクラフトが盛んなアメリカの企業です。焚き火台を中心に、フライパンなどの料理に使用するアイテムのほか、コーヒーを作るのに使用するコーヒーミルなどの実用的で信頼性の高いアイテムを多数手がけています。
ファイヤーボックスで人気ストーブG2(ステンレス)
ファイヤーボックスが製作する焚き火台の大きな特徴は、他を圧倒するほどの頑丈さ。ファイヤーボックスG2はまさに「質実剛健」という言葉がピッタリの、無骨でタフな焚き火台です。肉抜き穴が美しいボディは、厚みがあるステンレスで作られているため重厚感に満ちています。
ファイヤーボックスG2はオプションのアクセサリーが豊富
さらにファイヤーボックスG2と組み合わせることで、より便利で機能的になるオプションパーツのアクセサリーが豊富に用意されています。自分のスタイルに合わせてカスタマイズしながら、自分専用の焚き火代として育てることができるのが、ファイヤーボックスG2の面白いところです。
頑丈なコンパクト焚き火台
折りたたみの構造もよく考えられており、意外なほどコンパクトに収納することが可能です。収納時の厚さは1cmを切り、荷物を圧迫することがありません。コンパクトではあるものの、少々重いのがたまにキズ。重くてもいいからとにかく頑丈な焚き火台が欲しいという方におすすめです。
ブッシュボックスXL(ステンレス)とは
ブッシュボックスXLを製造しているのは、ブッシュクラフトエッセンシャルズという2012年に誕生したドイツのメーカー。ブッシュクラフトを楽しむすべての人に向けて、機能的で高品質な製品を作ることをビジョンにかかげている企業です。
ブッシュボックスXLはソロキャンプに最適サイズのストーブ!
ブッシュクラフトエッセンシャルズもまた焚き火台をメインに製造しており、50を超える国で愛用されています。ブッシュボックスXLはその中でもとくに大型の焚き火台です。大型といえソロキャンプで使用するのに最適なサイズで、近年小型の焚き火台の注目度が高まっていることもあり、ますます人気が出てきています。
ストーブ使用時のブランドロゴが美しい!
本体に無数の穴があいており、そこからもれるオレンジ色の光によって全体がキラキラと輝いているように見えるのがブッシュボックスXLの魅力のひとつ。さらに本体の正面と背面にはブランドロゴをかたどった穴があり、夜になるとユラユラとゆれるムーディーな炎の演出がなされます。
組み立てが簡単!
本体を構成するパーツはすべてつながっているので、組み立ては非常に簡単です。ケースから出して本体を広げるだけでほぼ完成。初めて使用する人であっても、迷いようがない構造となっています。使いたい時にサッと取り出してすぐに使用できるのは本当に助かります。
ファイヤーボックスG2とブッシュボックスXL【ステンレス】の違いを比較①
サイズ感が似ていることで、比較されることが多いこの2つの焚き火台。両方とも買えればいいのですが、なかなかそうもいきません。
この2つで迷っている方が自分にとって最善のチョイスができるように、ファイヤーボックスG2とブッシュボックスXLの違いを具体的に解説します。
組み立て方の違いを比較
ファイヤーボックスG2とブッシュボックスXLは、本体を構成するプレートの枚数が違うため、組み立て方が異なります。
ファイヤーボックスG2
ファイヤーボックスG2は正面・後ろ・左右の側面がすべて1枚ずつ、底部をのぞくと合計4枚のプレートで構成されています。組み立てるときには、まずは本体を固定しているファイヤースティックを取り外し、4つ折りの状態から2つ折りの状態へ、そして2つ折りの状態から四角い形へと展開していきます。
ブッシュボックスXL
それに対し、ブッシュボックスXLは正面・背面が1枚ずつ、左右の側面にはプレートが2枚ずつ使用されているので、底部をのぞいて合計で6枚のプレートからできています。側面の2枚のプレートを谷折りにした状態で収納されているので、正面のプレートと背面のプレートを広げるだけで展開できます。
どちらもほとんどのパーツが蝶番でつながっているので、組み立ては非常に簡単です。しかしファイヤーボックスG2は組み立ての手順が多いので、ブッシュボックスXLの方がよりスピーディーに組み立てることができます。
灰受けの違い
ブッシュボックスXLは灰受けが本体と一緒になっているのに対して、ファイヤーボックスG2は灰受けプレートを後で差し込む形になります。地面に直接置くこともできるので、下からの空気の調節も可能になります。
ストーブを上から見たときの形状の違いを比較
正面から見たときの形状はよく似ているものの、上から見るとそれぞれ形が違うことがわかります。ブッシュボックスXLはきれいな正方形となっているのに対して、ファイヤーボックスG2は正方形を崩したような、台形に近い形になっています。
そのような変わった形状にすることで、4枚のプレートすべてを蝶番でつなぎ、4つ折りにすることが可能となっています。均整の取れた形状とは言いにくいですが、見た目のきれいさよりも使い勝手の良さを優先させているところが、実用性を重んじるファイヤーボックスらしいところです。
ストーブの重さの違いを比較
ファイヤーボックスG2の本体重量が907g、ブッシュボックスXLの本体重量が775gとなっており、ファイヤーボックスG2の方がだいぶ重いことがわかります。
ファイヤーボックスG2が重いのは、並外れた耐久性との引き換えです。キャンプ場まで車で行く方にとっては気にするほどの差ではありませんが、とにかく荷物を軽くしたい方にとっては無視できないポイント。
多少重くなっても耐久性に優れるファイヤーボックスG2を取るのか、軽量で持ち運びがしやすいブッシュボックスXLを取るのかは、その人のキャンプのスタイルに合わせて選ぶといいでしょう。
質感(素材感)の違い
左がファイヤーボックスG2
右がブッシュボックスXL
ファイヤーボックスG2
ブッシュボックスXL
ファイヤーボックスG2は重量感のある堅牢な作りに対して、ブッシュボックスXLは軽さを感じさせる質感です。軽量さをとるか、堅牢な作りをとるか、好みに分かれるところです。
収納時の厚みの違いを比較
収納時の厚みはどちらもほぼ変わらないです。
アルコールストーブの入れ方の違い
アルコールストーブの入れ方の違いは、どちらも細かく高さ調節ができます。
ファイヤーボックスG2、ブッシュボックスXLどちらも焚き火だけじゃなくアルコールストーブの五徳兼風防として使用することができます。
ファイヤーボックスG2とブッシュボックスXL【ステンレス】の違いを比較②使い方編
ファイヤーボックスG2とブッシュボックスXLの実際に使ってみて、使い方での違いを比較していきます。
薪の入れ方が違う
ファイヤーボックスG2は、本体の側面にあけられている楕円形の穴から細い薪をさし込むか、もしくは上部のフラップ状になっている部分を開いて薪を入れるかのどちらかになります。
ブッシュボックスXLの方は本体の正面に大きめの開口部が設けられているので、そこから薪を投入します。本体の上部か側面のどちらかから薪を足すことができるファイヤーボックスG2と違い、薪を投入する場所は1つです。
薪の足し方に違いはあるものの、どちらもやりずらさを感じることはありません。強いていうなら、上から薪を入れる焚き火台に慣れている方はファイヤーボックスG2が、正面から薪を入れる焚き火台に慣れている方はブッシュボックスXLの方が違和感なく使用できるでしょう。
ストーブ使用時の動かし方の違い
ファイヤーボックスG2
ブッシュボックスXL
燃焼効率の違いを比較①薪
ファイヤーボックスG2とブッシュボックスXLの燃焼効率での違いを500mlのお湯を沸かして検証してみました。
ファイヤーボックスG2:10分
ブッシュボックスXL:12分
薪の入れ方などで多少違いがあると思いますが、約2分の差がでました。
燃焼効率の違いを比較②アルコールストーブ
ファイヤーボックスG2とブッシュボックスXLの燃焼効率での違いをアルコールストーブで500mlのお湯を沸かして検証してみました。
ファイヤーボックスG2:11分
ブッシュボックスXL:13分
アルコールストーブを置く高さをなるべく同じにした結果、こちらも2分の差がでました。ステンレスの厚みの差なのでしょうか、薪・アルスト両方とも燃焼効率では、ファイヤーボックスG2に軍配が上がる結果となりました。
ファイヤーボックスG2とブッシュボックスXL(ステンレス)の違いの比較動画
ファイヤーボックスG2とブッシュボックスXL(ステンレス)の違いを検証した動画はこちら
ファイヤーボックスとブッシュボックスの違いを比較!【ステンレス】のまとめ
今回は海外からやってきた人気の焚き火台、ファイヤーボックスG2とブッシュボックスXLそれぞれの特徴をご紹介するとともに、両者の違いを解説してきました。この2つの焚き火台は雰囲気はよく似ているものの、どちらもまったく異なる魅力を持っています。
折りたためる焚き火台としては圧倒的な頑丈さを持ち、アフターパーツが豊富なファイヤーボックスG2。より軽量で組み立てが非常に簡単、そして全体がキラキラとオレンジ色に輝くブッシュボックスXL。
どちらも値段はちょっとお高めですが、本当に使い勝手が良くて素晴らしい焚き火台です。世界中のキャンパーが認めるこの2つの焚き火台で、よりハイレベルで楽しい焚き火を実現しましょう。