今回は、ハリケーンランタンを選ぶ際にチェックしたいポイントを踏まえながら、この2つのブランドの商品を比較していきます。ハリケーンランタンは、キャンプなどにおいて夜の雰囲気を演出してくれるアイテムです。防風性や耐久性に優れているのが特徴で、100年以上の歴史があります。
様々なブランドから販売されていますが、その中でも特に歴史が深く世界中で親しまれている2大ブランドがデイツとフェアーハンドです。
ハリケーンランタンとは
ランタンは、灯油やガス、電池など、燃料によって様々な種類に分けられます。その中で、灯油を使用した代表的なモデルがハリケーンランタンです。
ハリケーンランタンの構造
燃焼に必要となる酸素は効果的に取り込みながらも、外部からの風が炎に当たらない構造になっています。そのため、雨や強風の影響を受けないため、どのような環境下のキャンプでも活躍してくれます。ハリケーンランタンという名前も、嵐の中でも炎が消えない暴風性の高さから来ています。
初心者にも扱いやすいランタン
更に他のランタンと異なる点として、燃焼音がしないことも挙げられます。そのため、焚き火のような炎の揺らぎを静かに楽しむことができます。また、燃料を加圧する必要がなく、余熱も不要なため、他のランタンに比べて初心者にも扱いやすい点も魅力です。
ハリケーンランタンの燃料は?
ハリケーンランタンは基本的に灯油、あるいはパラフィンオイルを燃料として使用します。他のランタンのように、ガソリンやアルコールは使用できないので注意してください。
灯油は独特の臭いやススが発生しますが、コストパフォーマンスには優れています。一方で、パラフィンオイルは臭いやススはほとんど出ないため使い勝手が良いです。
また、好みの色の炎をつけられるレインボーオイルであれば、特別な雰囲気を演出してくれます。
ハリケーンランタンの二大ブランドのデイツとフェアーハンド
ハリケーンランタンは世界中の様々なメーカーから販売されていますが、購入するのであれば歴史があり品質が高いメジャーなブランドから選ぶことがおすすめです。その中でも、特に有名で2大ブランドと呼ばれているデイツとフェアーハンドについてご紹介します。
デイツ(DIETZ)
1840年に創業された、アメリカのブランドです。暴風雨の中でも使用できる安定性が魅力で、ランタン製造のパイオニアとして常に先駆的な技術を開発し、製品の改善を続けています。
また、「合理的かつ手軽な価格で品質の高い信頼性のあるランタンを提供する」という創設者の基本方針を守り続けており、時代の変遷に合わせて生産拠点を移しています。1956年にニューヨークから香港、そして1988年には中国へと移転することで、生産コストを削減すると同時に市場シェアを高めています。
特徴として、サイズ展開の豊富さが挙げられます。ハリケーンランタンを販売しているブランドは数多いですが、小型から大型まであらゆるサイズのハリケーンランタンを製造しているのは世界でデイツのみです。また、ブラック、レッド、ブルーを基本カラーとしており、仕上げの面でも塗装やメッキ、真鍮無垢材など豊富なラインナップが魅力です。
デイツの中でも特に人気の商品、4分芯ランタンの「デイツ78」をピックアップします。
フェアーハンド(FEUERHAND)
1902年にドイツで生まれたブランドです。100年以上変わらないデザインが特徴で、ヨーロッパの伝統的なランタンとして世界中の多くの人々に愛されています。
可愛らしくも精巧なつくりや、イエローやオリーブなども用意されたカラー展開の豊富さはもちろん、1番の魅力はその性能の高さです。個人のアウトドアでの使用だけでなく、ヒマラヤ遠征や真冬の航海、ヨーロッパ各国の軍隊でも使用されていることが、高性能なランタンであることを物語っています。
また、2013年には素材を従来の銅板とスズメッキから、より耐久性に優れた亜鉛合金銅板に変更した新モデル「ETERNITY」を販売しました。長い歴史の中での伝統を守りながらも、時代に合わせた進化をしている点も評価されているポイントです。
フェアーハンド中でも特に人気の商品「フェアーハンドベイビースペシャル276ジンク」(以後フェアーハンド276)をピックアップします。
デイツ78とフェアーハンド276を徹底比較
ハリケーンランタンでも特に人気の商品、デイツ78とフェアーハンド276では、どちらを選べば良いのでしょうか。ハリケーンランタンを選ぶ上でチェックしたい4つのポイントに焦点を当てて比較していきます。
明るさの比較
ハリケーンランタンの明るさは、燃焼させる芯の幅で決まります。芯の幅が広いと明るくなりますが、その分ランタン本体が大きくなり使用する燃料量も増えてしまう点に注意が必要です。
芯の幅は、4Wの豆電球相当の明るさである2分芯から、15Wの読書灯相当の7分芯の間から選ぶことができます。常夜灯として使用するのであれば2分芯で十分ですが、団らん時の明かりに使用するのであればそれよりもやや明るい4分芯がおすすめです。
デイツ78とフェアーハンド276の芯の太さ
・デイツ78:4分芯
・フェアーハンド276:フェアーハンド276
この規格は統一されているため、デイツ78とフェアーハンド276の商品を比較したときに、同じ芯幅なので、明るさはほとんど同じになります。
燃焼時間の比較
ハリケーンランタンの燃焼時間は、燃料タンクの容量で決まります。芯の幅同様に、容量を大きくするとその分ランタン本体も大きくなってしまうため、自分に合った容量のものを選ぶ必要があります。
500mlのタンクで24時間の燃焼が可能なため、それを目安に選びましょう。基本的に、1泊のキャンプであれば小型の340mlで十分です。2泊以上のキャンプであっても、燃料を継ぎ足せば使い続けられるため、本体のコンパクトさと継ぎ足しの手間のどちらを重視するかで選ぶと良いでしょう。
デイツ78とフェアーハンド276のタンク容量
・デイツ78:340ml
・フェアーハンド276:340ml
デイツ78とフェアーハンド276を横から見てもタンクの大きさは変わりません。
タンクの底を合わせてみても、タンクの大きさは変わりません。
デイツ78とフェアーハンド276のタンクの容量は一緒なので、ほぼ同じ燃焼時間です。
サイズと重さの比較
キャンプには様々な荷物を用意する必要があるため、ハリケーンランタンも出来るだけコンパクトで持ち運びしやすいものを選ぶことが望ましいです。
基本的に、ランタンの大きさと重さは、前述した芯の幅と燃料タンクの容量によって左右されます。そのため、明るさや燃焼時間を重視すれば、その分ランタンの大きさと重さも増加します。
デイツ78とフェアーハンド276の重量
・デイツ78:510g
・フェアーハンド276:520g
デイツ78とフェアーハンド276のサイズ
・デイツ78:15×13×26.5cm
・フェアーハンド276:15×13×26cm
コンパクトさと性能のバランスが良いのは芯の幅が4分芯で、タンク容量が340mlのものです。このスペックであるデイツ78とフェアーハンド276の商品を比較すると、サイズはデイツの方が若干大きく、重量はデイツの方が若干軽いです。
デザインや材質の比較
ハリケーンランタンはどのブランドでも基本的な構造は変わらないため、デザインもそこまで大きな違いはありません。そのため、素材感による印象の違いや、カラーの好みで選ぶと良いでしょう。
デイツ78とフェアーハンド276の素材
・デイツ78:鋼製 塗装仕上げ
・フェアーハンド276:ガルバナイズドスチール
フェアーハンド276のジンクは亜鉛の事を指し、防錆効果が期待できる亜鉛メッキが施されています。デイツ78は塗装仕上げ施してるので、こちらも防錆効果が期待できます。
デイツであれば、ヴィンテージ感のある真鍮やブロンズを素材として使用した商品がラインナップされています。特有の雰囲気を楽しみたい方におすすめです。
一方で、カラー展開はフェアーハンドの方が豊富です。デイツにはないイエローやオリーブなど、きっと好みのカラーを見つけることができるはずです。
デイツ78とフェアーハンド276を比較のまとめ
ハリケーンランタンを選ぶ際のポイントを解説しながら、デイツとフェアーハンドを比較してきました。結論を言えば、スペック重視であればやや燃焼時間の長いフェアーハンドがおすすめです。
しかし、サイズ展開や素材の幅など、商品ラインナップの豊富さを踏まえると、デイツの方に軍配が上がります。真鍮やブロンズを使用した、特有の艶感を楽しめる商品もあるため、好みのデザインがある場合はデイツを選ぶと良いでしょう。
本記事を参考に、ぜひお気に入りのハリケーンランタンを見つけてくださいね。