スノーピークのチタンマグに「シングルチタンマグ」と「ダブルチタンマグ」と2種類のチタンマグがあるのをご存知でしょうか。これらはチタンで作られたマグカップなのですが、それぞれメリット・デメリットがあります。
そこで、今回はスノーピークのシングルチタンマグとダブルチタンマグの特徴やメリット・デメリットを紹介し、実際にどの程度性能が違うのか比較実験してみました。
スノーピークのチタンマグとは?
スノーピークは新潟県三条市に本社を置く、日本のアウトドア用品メーカーです。そのスノーピークの代名詞とも言える商品が、チタンマグです。三条市はもともと金物で有名な街です。そのため、スノーピークも創業当初は金物問屋でした。その後、アウトドア用品に事業を拡大し、今日の地位を築いています。
チタンはその特性上、軽量であり、金属臭がせず、錆びにくいというメリットがあります。その分デメリットとして、チタンは硬くて加工がしづらい素材です。しかしスノーピークは、金物問屋で蓄積した高度な技術力を駆使し、チタンの加工に挑戦、職人の技術と経験を集結し、チタンの加工に成功し、チタンマグを完成させたのです。
そのため、スノーピークのチタンマグはとても質が高く、人気商品となっています。
スノーピークのチタンマグ「シングルとダブル」の違いを比較
シングルとダブルの違いは、構造上ではチタンが一層なのか二層なのかの違いです。では具体的にどのような違いがあるのか、直火、飲み口、スタッキング、保冷力、保温力の5つのポイントで比較していきます。
飲み口の違いを比較
写真ではわかりにくいですが、シングルマグの飲み口は、内側は丸みを帯びていますが、外側は逆に反り返っているので、あまり口当たりはよくありません。
一方、ダブルマグの飲み口は、内側、外側共に丸みを帯びていて、口当たりがいいです。ほんのわずかな丸みですが、口に当てた時の感覚は違います。気になる方は、実際にショップでどのような形状になっているのか、確認することをおすすめします。
スタッキングの違いを比較
スタッキングとは、「食器を積み重ねることによって、コンパクトに収納すること」です。スノーピークのマグカップは、220ml、300ml、450ml、600mlの4種類となっています。シングルマグの場合、マグカップはそれぞれワンサイズ上のマグカップにスタッキングすることが可能です。
しかしダブルマグの場合は、幅が大きくなってしまい、ワンサイズ上のマグカップでもスタッキングできません。
ワンサイズしか持たないのであれば、シングルマグ・ダブルマグどちらを購入しても変わりはないかと思います。しかし、複数のサイズを持って行く場合は、シングルマグの方が場所を取らずに持ち運べます。
保冷力の違いを比較
今回は2つのチタンマグに冷水を入れ、どのような温度変化があるのか、違いを比較してみました。実際に2つのマグカップに5℃の冷水を入れ、10分後、20分後、30分後の温度を調査しました。
※今回の実験は室温19℃で行なっています。
<10分経過>
10分後のシングルマグの温度は8℃、ダブルマグの温度は6℃となりました。2℃の差が出る結果となりました。
正面からではわかりにくいですが、マグカップの裏から見ると、シングルマグは冷水が入っている高さで若干の水滴がありました。しかしダブルマグは、全く水滴はみられませんでした。
<20分経過>
20分後の結果は、シングルマグが10℃、ダブルマグが6℃でした。
水滴に関しては、ダブルマグは未だに全くありません。
<30分経過>
30分後の結果はシングルマグが12℃、ダブルマグが8℃という結果でした。
30分の経過で4℃の違いという結果でした。
水滴に関しては、シングルの方には小さい水滴の粒が肉眼で見える程度ありましたが、ダブルマグの方では全く水滴はありませんでした。
シングルマグでも、ガラスコップのように周りが水浸しになるほどの水滴ではありませんが、真夏の屋外であれば、より温度差が大きいのでもっと水滴が出ると思います。
保温力の違いを比較
保温力の違い比較では、400mlの96℃熱湯を入れ、温度変化を比較しました。
<開始直後>
マグカップに入れた時点ですでに温度は100℃から下がっており、実験開始時の温度は、シングルマグが85℃、ダブルマグが86℃です。
まず熱湯を入れてマグカップを手で触ってみます。シングルマグはとても熱くて持てません。
ダブルマグは、ちょうど良い暖かさで持てます、冷えた手を温めるのにちょうど良いです。
<10分経過>
10分経過後の結果は、シングルマグが67℃、ダブルマグが68℃となりました。コップを触って見ると、シングルマグの方はまだ熱くて持てません。
<20分経過>
20分経過後の結果は、シングルマグが57℃、ダブルマグが59℃という結果でした。シングルマグは、熱くてまだ持てません。
<30分経過>
30分後の結果は、シングルマグが50℃、ダブルマグが54℃でした。保冷力・保温力ともに温度差は4℃という結果となりました。
さらに保温・保冷力を上げるチタンマグ専用のフタ
フタがあるとないとでは、虫や灰が入るのはもちろん、保温力・保冷力にも違いが出てきます。ダブルマグは、もともとシングルマグより高い保温性がありますが、フタを使うことによってさらに保温力は高まります。
スノーピークのチタンマグは、ダブルマグは専用のフタがありますが、シングルマグはフタがありません。ダブルマグのフタをシングルマグでも使えるような気がしますが、はまらないんです。
直火で違いを比較
シングルマグは、構造上直火が可能なマグカップとなっています。しかしダブルマグは二層構造になっているため、間に空気が入っており、ダブルマグを直火にかけると空気が熱せられてしまい膨張し破裂する危険もあるので、ダブルマグでの直火は絶対にやめましょう。
※スノーピーク公式ではどちらのサイズのチタンマグも直火はNGとなっています。
チタンとステンレスの違い【おまけ比較】
別枠の比較で、スノーピークのマグカップ、ステンレスとチタンの違いも解説します。
アウトドアのマグカップを選ぶ際、素材によって保温力や値段などが違ってきます。そのため、まず考えなければならないのは、マグカップの素材です。まずはアウトドアマグカップで一般的な、ステンレスとチタンの違いについて、ご説明します。
ステンレスマグカップの特徴
ステンレスマグカップは、まず価格の安さが特徴的です。チタンよりも加工が簡単な素材のため、価格が安くなっています。
ステンレスは、熱伝導率がチタンに比べて高いため、調理器具で使った場合は早く火が通っていいのですが、マグカップの場合、外気に影響されやすいため、保温力・保冷力はあまり高くありません。
また直火が可能なステンレスマグを火にかけた場合、熱伝導率が良いため、口をつけるところまで熱くなってしまいます。飲む火から外してから冷めるまでは、マグカップでは飲めなくなります。
さらチタンに比べ金属臭がするので、金属臭が気になる方は、ステンレスを選ばない方がいいでしょう。
チタンマグカップの特徴
チタンマグの特徴はその軽さです。スノーピークから販売されている、同じ450mlのマグカップを比べた場合、チタンダブルマグは118g、ステンレスダブルマグは140gとなっています。
またチタンはステンレスに比べ、熱伝導率の低さも特徴的です。そのため、ステンレスよりも高い保温力・保冷力を持っています。また、熱いものを注いだマグカップを手に取った時、チタンマグは熱くないため、手で持てます。
さらに冷たいものを注いだ際、結露がしにくいです。機能的にステンレスよりも優れていますが、その分値段はステンレスよりも値段が高いです。
スノーピークチタンマグ「シングルとダブル」比較のまとめ
以上、スノーピークのチタンマグの特徴と、シングルマグ、ダブルマグの違いの比較でした。
保温・保冷力の差は大体30分後での温度変化は4℃程度という結果でした。
一番大きな違いは、熱湯を入れた際に、シングルマグは熱くて持てませんが、空気の層があるので、ダブルマグは持てた点だったと思います。
シングルでもダブルでも、スノーピークのチタンマグは高品質なマグです。ぜひスノーピークのチタンマグで、快適なアウトドアライフを送りましょう!