キャンプ料理。やっぱり普段家で食べる料理とは少し違うものを作ってみたくなりませんか?ダッチオーブンがキャンプで人気なのも同じような理由かもしれません。今回は、やっぱり家で作るには、やや(かなり?)ハードルが高い燻製を作るのに非常に便利なユニフレームのインスタントスモーカーをレビューします!
インスタントスモーカー(ユニフレーム)のスペック
- 使用時サイズ:250×250×(高さ)280mm
- 収納時サイズ:280×250×(厚さ)45mm
- 重量:1.7kg
- 素材:ガルバニウム鋼板
- セット内容:本体・フタ・チップ皿・棚網×3
組立時のサイズは、1辺が約25cmの正三角形柱で高さは約28cm(インスタントスモーカーロングは40cm)です。
収納時
収納時は、折りたたまれて25cm×28cm(同40cm)になり、厚さが約5cmになります。新聞紙の1ページを4つ折りにすると約20cm×27cmなので、それより少し大きいくらいです。
付属品
本体の他に、蓋、網3枚(同4枚)、チップを載せる皿が付属します。網の1枚はチップを載せる皿に使うので、食材を載せるのは2枚分(同3枚分)になりますが、全て同じ大きさですので、特に区別はされていません。また、折りたたんだ本体より小さいので、収納に問題はありません。
重量
本体と蓋の素材は、家の屋根や壁に使われることもあるガルバリウム鋼板です。サビに強く、軽いという特徴があります。網とチップ皿は(恐らく)ステンレスです。重さは付属品含め約1.7kg(ロングは多少重くなると思いますが、せいぜい2kgくらいと思います)です。
インスタントスモーカーは熱燻と温燻ができる
燻製には、大きく熱燻、温燻、冷燻の3つの種類があります。
熱燻とは?
熱燻は、木材チップを下から熱し、そこで発生する温度の高い煙で火を通します。イメージとしては、グリルで焼きながら煙で香り付けもする感じです。実際、燻している時間も10分くらいです。燻製ではもっとも簡単で、下ごしらえもすぐにでき、キャンプでも非常によく用います。食材の種類も問いません。ただし、燻製している時間は短いので、燻製を保存食として利用するのには向きません。
熱燻で使う木材チップです。さくらは材料を選ばず使えるので重宝します。
温燻とは?
温燻は、木材の粉末を固めたスモークウッドで燻します。温度もそこまで高くならない(約70℃)ので、最低でも2時間は燻すことが多くベーコンなど肉系の燻製を作る時によく用いられます。
ただ、肉系の燻製は基本的にはソミュール液という塩分の濃い液に数日漬け込んでから1日程度塩抜きして、乾燥させて、燻製して、、、という過程があるので、かなり大変です。
そのためキャンプではさすがに難しく、熱燻では溶けやすいチーズや、火を通さなくてもいい食材(ゆで卵など)で温燻をすることが多いです。
温燻は時間がかかるので、2泊目の昼くらいからのんびり燻し始めるのが一番向いていると思います。
温燻に使うスモークウッドです。1本で90分とありますが、火の付き方ではもう少し時間がかかります。
冷燻は、スモークサーモンが代表格ですが、数日から長いものでは1か月くらい燻製するので、プロにおまかせします。。。
インスタントスモーカーの組み立て方
組み立ては驚くほど簡単です。取手を広げて持つように握るだけです。本体に網をかける用の穴や突起があるのでそこに網を載せます。
黄色の丸印が網を載せるための穴、赤の丸印が網をかけるための突起です。
また食材を入れる用の扉がついているのも嬉しいポイントです。
左側が食材を入れることのできる扉です。
インスタントスモーカーの使い方【熱燻の手順】
インスタントスモーカーの使い方は熱燻と温燻に分けて手順を紹介するので参考にしてみてください。熱燻に向いた食材と使い方の手順から紹介します。
熱燻に向いた食材
熱燻は火を通しながら燻すので、生物も含めて何でも作れます。鮭やホタテ、一夜干しなどの魚介類、ソーセージ、手羽先などがよく燻製される食品です。魚介類や肉を熱燻する時は下味をつけておいたほうが良いでしょう。(干物はすでに塩が付いているのでそのままで大丈夫です)
チーズは熱燻では溶けてしまうので熱燻には向かないのですが、雪印の6Pチーズは比較的溶けにくく熱燻でもぎりぎり大丈夫です。他のチーズは温燻が向いています。
熱燻、温燻問わずに使える雪印の6Pチーズ。重宝します。
熱燻の手順
作り方は以下のような手順です。
①食材を網に並べて蓋をします。網をセットしてから、中段は本体の扉から、上段は上から置くのが楽だと思います。
魚介類を燻製にする場合、塩などで軽く下味をつけたほうが美味しく仕上がります。
②木材チップを皿に一盛りします。木材チップはホームセンターなどで売っています。食材ごとに向いている木材もありますが、桜は材料を問わず向いているので、私はもっぱら桜です。
ガス火であれば火にかけるだけで煙が出ますが、炭火などの場合は砂糖を5~10g程度チップに混ぜておくと煙が出やすくなります。
燻製チップは山盛りにしてしまうと煙が出にくいので平べったく盛るのがいいと思います。目安は皿の高さ程度で十分です。
③火にかけます。煙が出始めるまでは中火で、煙が出始めたら弱火にします。
火が強すぎると木材チップ自体が発火してスモーカーの中が火災になってしまうので注意して下さい。理想は蓋や扉の隙間から煙がユラユラと湯気のように上っている状態です。
わかりにくいのですが、スモーカーの隙間から煙が湯気のように立ち上っています。
④時々扉を開けて状態を確認します。長い間蓋を開けると煙と熱が逃げてしまうので、さっと見るようにしましょう。全体的に色がついたら完成です。
熱燻の簡単おすすめレシピ
鮭とソーセージとチーズを燻製(熱燻)にしました。下ごしらえさえすればあとは非常に簡単です。
①鮭は刺身用やムニエル用などの大きいものがいいと思います。塩コショウとローズマリーで下味をつけます。片面だけで大丈夫です。胡椒は粗挽きがあると美味しいです。
ソーセージとチーズは包装から出してそのまま燻製できます。
②材料をスモーカーに並べます。具材が接してしまうとその部分が燻されないので、少し隙間があるように並べるのが良いと思います。
扉を開けた状態です。
上から見た状態です。
③コンロなどにかけて熱燻で燻します。
時々扉を開けるなどして、火の通り具合を確認するといいと思いますが、ずっと開けていると熱と煙が逃げてしまうので、できるだけサッと見るのがいいと思います。
5分くらいで開けてみました。上のチーズはもう大丈夫そうですが、鮭と上のソーセージはもう少し燻したほうが良さそうです。
10分ほどで表面がまんべんなく色づいたら完成です。
鮭の燻製(熱燻)です。右側のは網に付いてしまった身の部分です
ソーセージとチーズです。チーズの内2個は取る時に形が崩れてしまったので、写真には写っていません(笑)もちろん味には支障ありません。
10分ほど燻したらチップはこんな感じでした。
インスタントスモーカーの使い方【温燻の手順】
温燻に向いた食材と使い方の手順です。
温燻に向いた食材
温燻は熱燻ほど温度が高くならないので、火を通さなくても食べられる素材に向いています。チーズ、ゆで卵、魚の練り物などが向いていると思います。
温燻の手順
作り方は以下のような手順です。
①食材を網に並べて蓋をします。これは熱燻と同じです。
②ガス火やトーチなどで炙ってスモークウッドに着火させます。・・・が、これがなかなか着火しません。いや、正確に言うと一瞬着火はして煙も出るのですが、数分程すると火が消えてしまいます。角というよりは面全体を着火させるのがいいでしょう。
スモークウッドはバーナーやトーチなどで十分すぎるくらい炙って着火させる必要があります。
③着火させたスモークウッドをスモーカーに入れて蓋をします。熱燻では、更にチップを盛りましたが、スモークウッドでは皿の温度が低いと消火されてしまったりするので、網の上に直置きするのがいいと思います。
網の上に直置きしています。ここがコンロで灰が落ちてしまうと困るので、下に皿を置いて受けています。
④スモーカーから出てくる煙を確認します。熱燻はモクモク、ユラユラというイメージですが、温燻はモワーッと出てくる感じです。煙が出てこないようなら火が消え(かけ)ていることが多いです。その場合は再度炙って着火させます。
煙も出ておりこのままいけそうですが、スモーカーに入れて10分もすると消えてしまうことも多々あり、その都度炙って着火し直します。
⑤スモークウッドを燃やしきったら完成です。
文字通り燃え尽きたスモークウッドです。着火さえすれば後はほったらかしで大丈夫です。
熱燻の簡単おすすめレシピ
ゆで卵、チーズ、ちくわを温燻にしました。作り方は非常に簡単です。
・・・材料を網に載せるだけです。
あとはスモークウッドで燻すだけです。
出来上がりはこんな感じになります。
熱燻ほど温度が高くならないのでチーズも溶けず、他もいい感じに燻されています。
インスタントスモーカー(ユニフレーム)のケース
インスタントスモーカーには別売りのケースがあります。スモーカー本体と網と皿をまとめて収納できるので非常に便利です。特にスモーカーは折りたたんでも「角」ができてしまうので、ビニール袋などではすぐに穴が空いてしまいますが、このケースはターポリンという材質で、角で穴が開きそうな雰囲気が全くありません。
ケースです。ユニフレーム製品では、スモーカー以外にチャコスタなども収容可能です。
ケースの口の部分はベルクロで留めることができ、さらに折りたたんで蓋をするので、中のものも出てこず、まとめて持ち運べるので非常にありがたいです。
口の部分はベルクロで留めることができます
さらに口の部分から折りたたむと、ベルクロで留まって口が開かないような設計になっています。
家庭内で燻製をする時の注意点
キャンプで燻製を作る場合にはほとんど気にしなくていいのですが、ご家庭で熱燻を作る場合、いくつかのハードルがあるので注意して下さい。
火災報知器
・燻製の煙で、換気扇を最大稼働させていても火災報知器が反応することが多々あります。コンセント型の場合は抜いてしまえばいいですが、、、
最近のコンロでは必ず付いているSIセンサー
・チップを載せた皿がセンサーに接していない
・チップを載せた皿が高温になりすぎる
などで自動的に消火、あるいは弱火になってしまうことがあります。
その場合、(あくまで我が家のコンロですが)前者はスモーカーを五徳ではなく直置きにし、後者は弱火になりすぎたら都度再点火させることで乗り越えています。
また高性能なコンロでは煎りものなどを作るようにセンサーを解除できるものもあるようです。いずれにせよ安全にも関わるところなので、家で燻製を作る時はスモーカーの前から離れないのが一番だと思います。
ユニフレームのインスタントスモーカーの使い方のまとめ
簡単に燻製を作るのに非常に使いやすいスモーカーです。段ボールでできた燻製器もありますが、1~数回使うとダメになってしまいます。インスタントスモーカーはその名前のようにすぐに燻製を作れますが、パーツはどれもしっかりしておりずっと使っていけるため、燻製をコンスタントに作りたい方にはとてもおすすめです。
熱燻でメイン料理を作るもよし、温燻で昼からじっくり燻してメイン料理までのつなぎ料理を作るもよし、いずれにしても煙の香り付けをされた食品はとてもいいアクセントにもなります。地味かもしれませんが、意外に出番の多い調理器具で重宝しますよ!