スタンレーは真空断熱のボトルで有名な、アメリカの名門。100年以上の歴史を持つスタンレーの製品は、数あるキャンプ用品のなかでも、とくに強いこだわりを持つ人に愛されているアイテムです。
そんなスタンレーは、夏のキャンプで便利なウォータージャグもラインナップしています。そしてやはり、実力は間違いなく一級品。ほかのメーカーが販売しているウォータージャグとは一線を画す魅力を持っています。
今回はスタンレーのウォータージャグが持つ素晴らしい魅力をご紹介するとともに、3.8Lモデルと7.5Lモデルの保冷力検証や気になる水漏れ検証などのレビュー、そして定番のカスタムについてお伝えします。
STANLEY(スタンレー)ウォータージャグの特徴
まずはスタンレーのウォータージャグが持つ特徴を7つご紹介します。ウォータージャグとしての基本的な性能、実際に使ってみて納得の機能性など、たくさんの人がこのアイテムに惚れ込む理由をご覧ください。
圧倒的な保冷力
スタンレーの製品といえば、他社製品を圧倒するほどの保冷力が自慢です。このウォータージャグもその点は同じで、6℃以下を6時間、10℃以下を11〜13時間もキープする保冷力を誇ります。
この長時間の保冷を可能としているのが、厚さ数センチにもおよぶ断熱層。内蔵されたフォームが外からの熱をシャットアウトし、内部の冷気を逃しません。
この保冷力を活かして、氷の保存容器として使うのもおすすめです。気温30℃を超える真夏のキャンプでも、キリッと目が覚めるような冷たい飲み物で、喉をうるおすことができます。
完全密閉するバックル式のフタ
世の中に出回っているウォータージャグの多くは、ねじ込み式のフタを採用しています。ねじ込み式のフタは、強い力でねじ込まなければ水漏れを起こしたり、手が濡れていると開けられなかったりするのが少し不便です。
いっぽう、スタンレーのウォータージャグのフタはバックル式。4つのバックルが、フタを強固に押さえつける構造です。フタの開け閉めに力を必要とせず、たとえ手が濡れていようと使い勝手に影響なし。
さらにフタの裏側にはパッキンを装備。これにより完全に密閉され、本体を倒しても水漏れは皆無。車での運搬中に倒れて、トランクルームが水浸しになることもありません。ただのフタひとつに、これだけ多くの長所があります。
シンプル操作の蛇口
スタンレーのウォータージャグは、水の出し方が少し特徴的です。注ぎ口に備わっている押しボタン風のコックを、手で押し下げます。操作がシンプルでわかりやすく、注ぎ口が太いため出てくる水の量も多め。まさにストレスフリーに使用できます。
ナット型のアイスキャッチで氷がつまらない
スタンレーのウォータージャグは氷を入れて水を冷やして使用する際、内部に氷が詰まりにくい「ナット型アイスキャッチ」がついています。
アイスキャッチのおかげで氷が詰まって水の流量が減少する心配もありません。
口が広いので使いやすく洗いやすい
フタを開くと、まるでバケツのように大きな口があらわれます。この構造が本当に便利。大きなブロック氷がそのまま入ります。ジュースを缶ごと入れて、クーラーボックスがわりに使用するのにも都合が良い作りです。
掃除がしやすいことも、大きなメリット。内部を洗うのも、洗ったあとにタオルで水を拭き取るのも簡単です。スタンレーのウォータージャグは、メンテナンス性においても非常に優秀であるといえます。
流量を調整できるバルブ
ウォータージャグは水を出すほど内圧が低下し、段々と水の出が悪くなります。空気穴がないウォータージャグの場合は、空気を取り込むためにいちど蓋を開けなくてはなりません。その際に、内部の冷気が逃げてしまいます。
しかしスタンレーのウォータージャグは、バルブつきの小さな空気穴が設けられているため問題なし。そのバルブは必要な時だけ、そして必要最小限の開け閉めが可能なため、内部の冷気が逃げません。流量の調整もできる優秀な機能です。
バルブを閉めた時の水の流量
バルブを開けた時の水の流量
デザイン
他を圧倒する保冷力、使いやすくて機能的な注ぎ口やフタ、そのほかにもたくさんの魅力があるスタンレーのウォータージャグ。しかし一番はやはり、ハイセンスなデザイン。このカッコ良さの前では、ここまで上げてきた数々の魅力がかすんでしまうほど。
飾り気のない無骨なシルエットに、シンプルなカラーリング。それでいて、ひと目でスタンレーの製品とわかる見た目がなんとも魅力的。さりげなく刻印された「STANLEY」の文字もイケてます。
機能面にこだわることも大事ですが、見た目が好きかどうかも非常に重要なポイント。ウォータージャグはキャンプ場のなかで目立つ存在だからこそ、見た目が気に入った製品を選びたいものです。
STANLEY(スタンレー)ウォータージャグの保冷力は?
保冷力に期待が持てるスタンレーのウォータージャグですが、実際にどれぐらいの保冷力があるのか?氷を入れて検証してみました。
コンビニのロックアイス約2kgを3.8Lのスタンレーのウォータージャグに入れて検証スタート。
スタート | 2時間後 | 4時間後 | 6時間後 | 12時間後 | |
---|---|---|---|---|---|
気温 | 37.6度 | 32.4度 | 30.3度 | 28.2度 | 26.1度 |
6時間たってもほとんど氷が溶けていないので、1泊2日のキャンプなら問題なく氷を入れて使用できる保冷力が期待できそうです。
12時間後、まだまだ氷は残っています。
24時間後でも1/3程度の氷が残っています。
36時間には、ほとんど氷が残っていませんが、クーラーボックスとして使用しても問題ないぐらいの保冷力です。
今回の検証では、撮影以外は蓋は閉めっぱなしで氷も使用してないので、通常のキャンプで使用する場合は、36時間後まで氷が残ることはありませんが、真夏の暑い日に検証したので、保冷力の参考にはなると思います。
スタンレーのウォータージャグを直射日光が当たる場所に配置すると、保冷力が落ちてしまうので、タープ下など直射日光が当たらない風通しの良い所に配置しましょう。
STANLEY(スタンレー)ウォータージャグは水漏れする?
スタンレーのウォータージャグが本当に水漏れしないのか?水を入れた状態で傾けてみました。
倒れるぐらい傾けても水漏れすることはないので、車の中でジャグが倒れても心配なさそうです。
ただし流量を調整できるバルブが開いた状態では水漏れするので、しっかりと確認しましょう。
STANLEY(スタンレー)ウォータージャグにお湯を入れた保温力は?
スタンレーのウォータージャグにお湯などの熱いものを入れると変形する恐れがあるので、残念ながらお湯を使用することはできません。
STANLEY(スタンレー)ウォータージャグの蛇口の取り外しと分解方法
スタンレーのウォータージャグに備わっている注ぎ口は、取り外し・分解が可能です。さらに構造がとてもシンプルであるため、誰でも簡単にお手入れできます。こまめに洗浄することで、カビや水アカの発生を防止でき、衛生面においても安心です。
分解方法
参照元:amazon
- ジャグ本体内側のナットを外し、蛇口を取り外します。
- 蛇口本体からパイプBを引っ張り外します。
- パドルDを押し込んだ状態で、ブランジャーCを反時計回りに回して外します。
- パドルを外し、蛇口本体からスプリングとパッキンを取り外したら分解完了です。
ほかのメーカーのウォータージャグは、蛇口を取り外すことができても、分解までは簡単にできないことがほとんど。スタンレーのウォータージャグは、ユーザーへの気づかいがよくあらわれています。
STANLEY(スタンレー)ウォータージャグの気になる点
コックを押している間しか水が出ない
コックを押している間しか水が出ないことは、人によってはデメリットになります。手を離しても水が出続けるウォータージャグが欲しい場合は、この点について考慮すべきでしょう。
しかしちょっとしたカスタムをコックにほどこすことで、この点を改善できます。手を離しても水が出続けるようにするカスタムの内容は、のちほどご紹介します。
傷がつきやすい
スタンレーのウォータージャグの本体外側の素材はポリプロピレン。傷がつきやすい素材ではないですが、スタンレーのウォータージャグでは、本体が硬いものと擦れたり、ぶつけたりすると白い傷がついてしまいます。
気になる方は公式ではないですが、専用のカバーを取り付けることで保冷力も少しUPするので、検討してみて下さい。
STANLEY(スタンレー)ウォータージャグはカスタムできる
そのまま使用しても十分便利なスタンレーのウォータージャグですが、カスタムすることでより利便性を高めることができます。
今回紹介するのは蛇口のカスタムですが、キャンプサイトに合ったベージュや黒色などに塗装することで、自分だけのオリジナルSTANLEYウォータージャグとして使用することもできます。
蛇口交換
定番のカスタムは、注ぎ口を別売りの蛇口と交換するというもの。これにより、コックから手を離した状態でも、水が出続けるようになります。
必要素材は蛇口と100均のアルミプレートのみなので、ほんの少しの出費で利便性がアップし、オリジナリティーの演出にもなる蛇口カスタム。スタンレーのウォータージャグを所有している方、これから購入する予定の方はぜひお試しください。やってみて気に入らなければ、すぐに元の状態に戻せます。
カスタムやDIYのやり方が詳しく紹介してますので、気になる方はこちらの記事を参考にして下さい。
Nomado Campさんスタンレーウォータージャグ7.5Lと 3.5L 比較!蛇口交換カスタム
STANLEY(スタンレー)ウォータージャグ3.8Lと7.5Lどっちを買う?
スタンレーのウォータージャグを購入するのに最後に悩むのは3.8Lと7.5Lどっちを買うか?だと思います。3.8Lと7.5Lの2つのサイズを使用したレビューも踏まえて比較するので、サイズ選びの参考になればうれしいです。
サイズ感の違いで選ぶ
3.8L | 30.2cm |
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7.5L | 34.3cm |
高さは4cm程度の違いです。
3.8L | 25.4cm |
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7.5L | 29.7cm |
直径は4.3cmの違いです。
サイズの違いはそこまでなく、サイズ感もソロで7.5Lを使用してみても大きいなと感じることはないので、サイズ感で選ぶならどちらでも違いはそこまでないです。
重さの違いで選ぶ
3.8L | 1100g |
---|---|
7.5L | 1600g |
重さの違いも500gでペットボトル1本分の程度の違いしかありません。
本体の重さの違いに差はありませんが、飲料水を一杯にすると7.5Lは9.1kg、3.8Lは4.9kgと4kg以上の差があるので、注意しましょう。飲料水の問題は容量の違いになるので、重量やサイズ感で選ぶより容量で選ぶ方が良さそうです。
容量の違いで選ぶ
一般的に1泊2日で大人一人当たり2~2.5L程度の水が必要です。冬場は2L程度でもいいですが、キャンプ場に炊事場があったとしても、夏場の場合は飲料水は多めに持っておいた方が安心です。
スタンレーのウォータージャグの容量の選び方としては、ソロなら3.8L、それ以上の人数なら7.5Lを選ぶ方が無難です。また、ファミリーキャンプの場合は7.5Lでも、別で飲み物を用意するスタイルの方が安心です。
氷の持ち運びとしてスタンレーのウォータージャグを使用する場合は、下記の表が氷が入る容量です。
3.8L | 2kg程度 |
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7.5L | 4kg程度 |
※コンビニのロックアイス使用時の容量なので、氷のサイズによって誤差はあります。
ソロキャンプでハイボールなどお酒で氷を使用した場合は、1泊2日で1kg程度消費します。スタンレーのウォータージャグで氷を持ち運ぶことを目的とした場合は、3.8Lは2人用まで、7.5Lは4人用までと考えると良いです。
3.8Lと7.5Lどっちを買う?
3.8Lと7.5Lのスタンレーのウォータージャグを使用してみて、ソロでも車載に余裕がない場合や、少しでもコンパクトさを求めたい方なら3.8Lをおすすめしますが、サイズ感や重量にあまり差はないので7.5Lがおすすめです。
ソロのキャンプサイトに7.5Lのスタンレーのウォータージャグを配置しても大きいと感じることはなく、友人と2人でキャンプする場合やファミリーキャンプにも対応でき、ソロで使用する場合でも水の量を必要な量にすれば、重量も気になりません。
価格の差も2000円程度なので、大は小を兼ねるという意味でも7.5Lがおすすめです。
まとめ
保冷力・機能性・デザインと、まさに非の打ちどころがないスタンレーのウォータージャグ。3.8Lモデルと7.5Lモデルのどちらにするかは悩みどころですが、普段の自分のキャンプのスタイルを思い出して選びましょう。
このアイテムをキャンプに持っていけば、あなたのテントまわりの印象がガラリと変わること間違いなし。キャンプ用品のなかでも目立つアイテムだからこそ、欲しいのであれば妥協せずに手に入れることをおすすめします。