ペグハンマーはタープやテントを設営するときに欠かせない、ペグを打ち込むためのハンマーです。正直、ペグの打ち込みが出来れば何でもいいと思ってしまいがちですが、ペグハンマーを使うことでスムーズな設営だけでなく撤収が早くなったりと、実は良いことも多いんですよ。
今回は初心者の方必見、ペグハンマーをキャンプで使うことで得られるメリットや種類豊富なペグハンマーの選び方を紹介します!おすすめのペグハンマーや代用に100均ハンマーが使えるかの検証も紹介しますよ。
ペグハンマーはキャンプの必需品!
ペグを打ち込むだけなら、わざわざペグハンマーでなくても普通のハンマーでも出来ます。キャンプ場にある太い薪や大きな石でもできるかもしれません。ですが、ペグハンマーはペグの打ち込みやすさ、抜きやすさを考えられたペグ専用のハンマーなので、普通のハンマーと比較すると形状も違いますし、正しいペグ打ちがしやすいように考えられていますので、初心者の方にも安心してペグ打ちができるように作られています。
また設営だけでなく撤収時にも役に立つような工夫がされていますよ。
ペグハンマーを使って正しくペグ打ちをすると、風や雨の影響を受けづらいより快適な居住空間を確保することも可能ですし、ペグ自体を長持ちさせることにもつながります。
詳しくはこちらの記事で、ペグハンマーと普通のハンマーの違いからペグハンマーを使った正しいペグ打ちの仕方を紹介していますので参考にしてみてくださいね。
ペグハンマーの選び方
ペグハンマーと一言言っても、色々なアウトドアメーカーから多種多様なペグハンマーが発売されていますが、チェックしたいのは4項目。
- ヘッドの形状や素材の選び方
- グリップの素材の選び方
- ペグ抜き形状の選び方
- 重量の選び方
ここからは初心者の方でも失敗しないペグハンマー選びに重要な4項目について解説していきますね。
ペグハンマーのヘッドの違い
ペグハンマーを選ぶ上で最も重要になのはヘッド部分の素材の違いです。直接ペグに力が加わる場所になりますのでメリットとデメリットを押さえておきましょう。
プラスチック製の特徴
プラスチック製のペグハンマーは他の素材のペグハンマーと比較すると圧倒的に軽いです。持ち運びを重視するのであればおすすめですが、ヘッドに重みがない分ペグの打ち込みはしづらく、硬い鍛造ペグを打ち込む場合にはペグハンマー自体が割れてしまう可能性があり耐久性にも不安が残ります。
ペグ抜きが付いていないシンプルな作りのものがあるので選ぶ際には注意してくださいね。
ゴム製の特徴
ゴム製のペグハンマーはテントの付属品になっていることも多く、テントやタープと一緒に収納しても生地を傷つける心配が少ないです。持ち運びしやすい軽量さ、テントやタープと一緒に収納して忘れものを減らしたい方にはおすすめですよ。
その反面、金属製のペグハンマーと比較するとこちらもプラスチック製同様、重みがない分ペグの打ち込みがしづらいです。ゴム製なので何度も使っていたり、硬いペグを打ち込むと打撃部分がボロボロになってしまいます。こちらもペグ抜きが付いていないものも多いのでペグ抜きが必要な方は注意してください。
スチール製の特徴
ペグハンマーのヘッド部分の素材として多く使われているのがスチールです。
スチール製のペグハンマーは程よく重さがあるので、ペグを打ちこむ時に振り下ろしやすく力がペグに伝わりやすいですよ。金属製のペグハンマーの中で比較的に安く手に入るので、コスパに優れたペグハンマーを探している方におすすめの素材です。
サビやすいという特徴もありますが、サビ防止の加工が施されているペグハンマーもあるので耐久性が心配な方は加工が施されているものを購入しましょう。
ステンレス製の特徴
キャンプ道具でも良く使われているステンレスは素材の大きな特徴としてサビにくさが挙げられます。ペグハンマーは野外で使用するもので水気に触れることも多いので、サビにくいのは嬉しいですよね。
スチール製より値段は少し高くなりますが、その分耐久性が高く長く使うことができますよ。サビにくさから、天気関係なくキャンプを楽しむ方におすすめの素材になります。
銅製の特徴
銅素材の特徴としは金属製の中でもとても柔らかく加工がしやすい点が挙げられます。柔らかい分ペグ打ちをした時の衝撃を吸収してくれるので、固い地面にペグを打ち込み続けても衝撃が手に伝わりづらく、腕が疲れにくいですよ。
その柔らかさから使用していくとヘッド部分に傷や凹みなどが目立ってきますが、銅部分のみを交換できるペグハンマーもあるので長く愛用できますよ。
ペグハンマー自体の重さはありますが、振り下ろしたときに力が加えやすく、ペグの打ち込みは非常にしやすいです。
真鍮製の特徴
真鍮は銅の仲間の1つでもあり、特徴としては銅素材と似ていてペグ打ちのしやすさには定評のある素材です。
色味は銅製のペグハンマーと違い少し高級感のある深みのある金色になります。
真鍮製のペグハンマーは経年劣化とともに色が綺麗な金色からくすみがかった色合いに変わりますが、それがまた非常に味がある風合いで、自分でペグハンマーを育てていきたいという方におすすめの素材ですよ。
ペグハンマーのグリップ素材の違い
ヘッド部分の素材に次いでペグハンマーの使い心地を左右するのがグリップ部分の素材です。ここではよくペグハンマーのグリップ部分に使用されている素材を紹介します。
金属製(アルミ、ステンレスなど)グリップの特徴
アルミなど軽量な金属の場合は持ち運びしやすいというメリットがあります。女性でも持ちやすく、お子さまでも扱いやすいですよ。また、丈夫な素材なので折れてしまうという心配もありません。
一方で、ペグを打ち込む時の衝撃が手に伝わりやすく長時間使用していると手の疲労感を感じやすいです。また、夏の炎天下に放置したままにすると非常に高温になるため注意が必要です。
ゴム製グリップの特徴
グリップ部分が弾力のあるゴム製だと、とても握りやすく、ペグの打ち込み時には力を込めやすいというメリットがあります。ゴム素材は衝撃を吸収してくれる特徴もあるので、硬いペグを打ち続けていても手に衝撃が伝わりづらいです。
デメリットとしては、劣化が進むとべたつきが出てしまうことが挙げられます。高温多湿は天敵ですので、保管場所には気を付ける必要があります。うっかりタープやテントと一緒に巻いて収納してしまうと生地に張り付いてしまう可能性があるので気を付けましょう。
木製グリップの特徴
木製のグリップは温度や湿度に左右されず使用できます。グリップ部分の形状も様々で、ストレートなものから少し曲がった作りになっているものもあり、自分の手に馴染むものを選べるというメリットがあります。握り心地が良ければ、その分力を入れやすいのでペグの打ち込みもしやすいですよ。グリップが木製なだけで、一気にデザイン性が高まるのも嬉しいですよね。
全体的に使い勝手の良い素材ですが、木の種類によってはペグの打ち込み時の衝撃が手に伝わりやすかったり、高価な木が使われていると価格も高くなってしまいます。
ペグ抜き形状の違い
ペグ抜き部分の形状には、穴が開いている「ホール型」とペグに引っかけられる「フック型」があります。ホール型は穴にペグを通して引き抜くだけなので、ペグ自体に引っかける場所がない場合に重宝します。ペグに引っかけられる部分があればフック型が使いやすいですよ。2つの形状が合わさったペグハンマーであれば、あらゆるペグも簡単に抜くことができます。
ペグハンマーの重量の違い
ペグハンマーの重さは500〜600g台がおすすめです。ある程度の重さがないと振り下ろしたときにペグに力がかけづらく、上手くペグ打ちが出来ません。「少し重みがあるな」と感じるくらいが使い勝手としては良くなりますよ。
登山やバックパックキャンプなど、できるだけ軽い装備で持って行きたい方向けに300g以下のペグハンマーも発売されています。持ち運びは非常にしやすくですが、設営時にはハンマー自体に重さがない分少し力が必要になります。
重さの感じ方は人それぞれですので、振り下ろしのしやすさなど、自分に合うちょうどいい重さのペグハンマーを探してみてくださいね。
おすすめのペグハンマー10選
それでは、ここからは初心者の方におすすめのペグハンマーを紹介します。定番なものだけでなく、軽量で持ち運びしやすいペグハンマーやコスパが優秀なペグハンマーなど様々なものをピックアップします!
Coleman(コールマン)ラバー スチールハンマー
サイズ | φ5.5×幅8 × 長さ26.5cm |
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重量 | 390g |
素材 | ヘッド:ラバー グリップ:ラバー/スチール |
ヘッド全体がゴム素材でできているこちらのペグハンマーは、他の素材と比較しても軽量なので持ち運びもしやすく、グリップ部分もゴムでできているため手にフィットしやすく、お子さまでも安全に扱えますよ。ヘッドがゴム製なのでペグ打ちの際には金属音のような甲高い音がせず、暗くなってから使用しても周囲に迷惑をかけませんよ。
素材の特徴として耐久性の低さは挙げられますが、初心者キャンパーでもベテランキャンパーでも軽量で騒音が気ならないペグハンマーは1本持っておくと便利ですよ。値段が1,000円前後ととても安いのも嬉しいですね。
LOGOS(ロゴス) パワーペグハンマー
サイズ | 幅 11.5 ×長さ 30.5cm |
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重量 | 680g |
素材 | ヘッド:鋼 グリップ:樹脂 |
ロゴスのペグハンマーは価格、使い心地などのバランスが良く、初心者の方には十分満足のいくペグハンマーです。
メーカーが「固い地面に最適なハンマー」とうたっているこちらのペグハンマーは、程よい重さと握りやすい樹脂製のグリップで、そこまで無理に力を込めなくてもペグ打ちが楽にできますよ。グリップ部分はオレンジ色で非常に目立つので、紛失などの心配もありません。ペグ抜きも付いているので、撤収時にも活躍しますね。
UNIFLAME(ユニフレーム) REVOハンマー
サイズ | φ3.0 ×幅 13 ×長さ 29.5cm |
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重量 | 700g |
素材 | ヘッド:炭素鋼(鍛造ヘッド) グリップ:ステンレス鋼 |
ユニフレームのペグハンマーはペグ打ちのしやすさ以上に、ペグ抜きのしやすさに重点を置いた珍しいペグハンマーです。
高強度の炭素鋼のヘッド部分と握りやすいEPDMゴムが採用されたグリップ部分で、ペグの打ち込みは非常にしやすいです。
ペグ抜きの際には地面に深く打ち込まれたペグでもフック状のペグ抜きを使ってテコの原理で浮かせ、フックの先端の凹凸部分をしっかりとペグにかませることで簡単にペグ抜きができます。万が一、ペグが曲がってしまった場合には3種類の穴にペグをはめて力を入れると、曲がったペグを修正することができますよ。
機能性も高いですが、無骨さが光るデザイン性の高さは他のペグハンマーとは一線を画しますね。
村の鍛冶屋 エリッゼステークアルティメットハンマー
サイズ | 幅 10.2 ×長さ 30.3cm |
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重量 | 550g |
素材 | 本体:鉄+カチオン塗装or鉄+クロームメッキ塗装、 ヘッド:真鍮orステンレス グリップ:樫の木 |
村の鍛冶屋のペグハンマーは、同社から出ている打ち込みにコツが必要なエリッゼステークを打ち込むために作られたペグハンマーです。そのため、とても頑丈な作りとなっていて固い地面にもしっかりペグが打ち込めますよ。
ペグハンマーの使いやすさにも定評がありますが、キャンパーの心を掴んでいるのは、なんといっても自分好みでヘッド部分とハンマー本体の素材を選ぶことができる点です。このカスタマイズは他のメーカーではなかなかありません。色味から使い勝手の良さ、経年劣化を楽しむかどうかで選ぶ自分ならではの1本は、使い込むほどに愛着が湧きますし大切に使い続けられますね。
グリップ部分の樫の木は緩やかに曲線を描いていて、握り心地が良いと評判です。
Snowpeak(スノーピーク) ペグハンマー PRO.C N-001
サイズ | φ3.5 ×幅 12 ×長さ 29cm |
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重量 | 670g |
素材 | ヘッド:銅、スチール(黒電着塗装) グリップ:樫の木 |
スノーピークから発売されているペグハンマーの上位モデルがこちらのPro.C。タフで使いやすい点とスノーピークブランドならではの永久保証という点から多くのキャンパーが長年愛用するペグハンマーです。
Pro.Cには銅ヘッドが採用されているので、ペグを打ち込む際の衝撃が吸収され、腕への負担が減りますよ。ファミリーキャンプやグループキャンプ向けの大きなテントなどを設営する時には大活躍しますね。
グリップ部分は少し湾曲しているので手にもフィットしやすく、力が込めやすいので初心者の方でも安心して使用することができます。ヘッドの銅部分はボロボロになってしまったら交換することもできますので、これから長く愛用できる1本をお探しの方におすすめのペグハンマーです。
バリイチゴ屋 ペグハンマー
サイズ | φ3.8 ×幅 11 ×長さ 30cm |
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重量 | 580g |
素材 | ヘッド:ステンレス鋼 グリップ:くぬぎ |
こちらのペグハンマーはペグハンマーの中では珍しく、ヘッド部分が全てステンレス製となっています。ステンレス素材はサビに強いので、屋外で使用するペグハンマーでも綺麗な状態を長く維持することができますよ。
ヘッド部分は改良され、打撃部の面積が少し広くなったのでペグ打ちをする際にも狙いを外さず力を加えることができます。頑丈なステンレス製なので打ち込みの回数が減るのも嬉しいですね。もし打ち込み時の衝撃が気になる方は、少し値段を上げるとヘッド部分が銅素材でできているペグハンマーに変更することも可能なので好みで選ぶのもおすすめです。
2,000円程度で買えるペグハンマーの中でもクオリティが高く、非常にコスパに優れたペグハンマーです。
UJack(ユージャック) 鋳鉄 ペグハンマー
サイズ | 幅12 ×長さ32cm |
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重量 | 850g |
素材 | ヘッド:鋳鉄 グリップ:ラバー |
男らしいゴツゴツとした無骨なデザインのユージャックのペグハンマーは、ペグハンマーの中でも超重量級の約850gの重さがあります。この重さのおかげで固い地面、硬いペグでも軽く振り下ろすだけでスイスイとペグが地面に入り込んでいきますよ。握りやすい形状のグリップが相まって、初心者の方でも力が弱い方でも簡単にペグ打ちができるのがポイントです。
ペグハンマー自体も重くかなり頑丈な素材でできていますので、使用する時には付属の紐を手首にしっかりと巻き付けてすっぽ抜けることがないようにしましょう。万が一飛んでいくとかなり危険です。また、無骨ゆえに商品によっては打撃部のバリ取りが念入りにされていないものもあります。お子さまが触ると怪我をしますので、使い始めのチェックは必ず大人の方がしてくださいね。
WEINAS ペグハンマー
サイズ | φ3.5 ×幅 11.5 ×長さ 30cm |
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重量 | 609g |
素材 | ヘッド:真鍮 グリップ:木 |
村の鍛冶屋やスノーピークといった高価なペグハンマーに憧れがありつつも、値段の面で悩んでしまう方にはWEINASのペグハンマーがおすすめです。程よい重さと、手にフィットしやすいグリップ部分。そしてペグ抜きもホール型、フック型両方を備えていますのでどんなペグにも対応してくれますし、非常に使い勝手の良い作りとなっています。ケースが付いてくるので収納袋を買い足す必要なく、2,500円程度で買えるペグハンマーとしては非常にコスパが良く初心者の方にぴったりです。
ペグ打ちは慣れない初心者の方からすると重労働となりますので、真鍮素材が採用されたヘッドで腕への負担を軽減してくれるのはとてもありがたいですよ。
MSR(エムエスアール) ステイクハンマー
サイズ | 全長28.5cm |
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重量 | 312g |
素材 | ステンレス、アルミ |
もっと気軽に持ち運べるペグハンマーをお探しのかたはMSRのペグハンマーがおすすめです。無駄がそぎ落とされたスタイリッシュで美しいデザインとなっていて見た目も素敵なペグハンマーですよ。軽量ながらヘッド部分は重くなるように設計されていますので、軽量なペグハンマーにありがちな「力任せにペグ打ちをする」ということがありません。
上部が平らになっているので地面に対し立てて置くことができ、紛失の心配も少ないですよ。
muraco(ムラコ) カラジャズペグハンマー
サイズ | φ5.5 × 長さ27.5cm |
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重量 | 234g |
素材 | ステンレス |
機能美重視のアイテムを多く取り揃えているムラコ。ペグハンマーも例外ではなく、約234gという驚きの軽さは業界最軽量級です。キャンプギアを軽量なもので統一しているという方にはおすすめのペグハンマーです。形状も大変珍しいストレートヘッドで、この形状なら生地に干渉する心配がないのでタープやテントと一緒に丸めて収納することもできますね。
ペグハンマーとしては珍しい形状と軽さなので、初心者の方には少し扱いづらくも感じるかもしれませんが、打撃部の面積も広めに設計されていて慣れるとスムーズにペグ打ちをすることができるので安心してくださいね。
ペグの抜き差し以外でも栓抜きとして使用ができる遊び心もありますよ。
ペグハンマーの代用に100均ハンマーは使える?
100均で販売してるゴム製のハンマーをペグハンマーの代用として使えるかペグを打ってみました。
ペグハンマーに比べれば力の伝わり方のバランスが悪いので、打ち込む回数や時間は多少かかりますが、柔らかい地面ではもちろんのこと石が混じった硬い地面でも、難なく打ち込むことができます。
ペグ打ちをすると、100均ハンマーはヘッドがゴム製なのでペグの硬さに負け簡単に凸凹になり、ゴムが劣化してボロボロになる可能性があるので耐久性には問題がありますが、100円という金額を考えるとコスパ的には十分だと思います。
難点として硬い地面にペグを打ち込んだ時、硬くて手ではペグを抜くことができません。別のペグを使用して、てこの原理で抜くこともできますが、曲がる可能性もあるのでお勧めできません。100均ハンマーに限らずペグハンマーの代用を使用する時は注意する点の一つです。
おすすめのペグハンマーのまとめ
ペグハンマーは色々なメーカーから素材も重さも価格も様々なものが販売されていて、初心者の方でなくても悩んでしまうほど種類が豊富です。決して有名なメーカーや高価なものが良いというわけではありませんので、自分のキャンプスタイルに合う、そして自分の手に馴染むペグハンマーを探してみてくださいね。