2021年5月に「キャンプに最適!」といえるポータブル電源が発売されました。名前は「PowerArQ mini2」。
人気の「PowerArQ」シリーズの新型モデルで軽量でコンパクト、容量も十分でお手頃価格と早くも話題のポータブル電源です。
年々需要が高まりから選択肢が豊富にあるポータブル電源ですが、形状や容量金額など幅が広すぎて、キャンプに最適なポータブル電源かどうか見極めるのは大変。決して安くはない買い物ですので失敗もしたくないですよね。
今回は「PowerArQ mini2」について、その魅力と実際の使用感についてお伝えします。
どの点がキャンプに最適なのかはもちろん、旧型との比較も詳しくご紹介しますので「”新型”といわれてもいまいちピンと来ない」という方も必見です!
PowerArQとは?
PowerArQは”キャンプ ポータブル電源 おすすめ”と検索したらほとんどのサイトで紹介されているほど人気のポータブル電源です。
数多くのメディアに取り上げられているので目にした方も多いのではないでしょうか。
その歴史は新しく、2012年創業の加島商事株式会社が立ち上げた「Smart Tap (スマートタップ)」というブランドの主力商品が「PowerArQシリーズ」になり、今までにないスマートでおしゃれなカラーリングとデザインにより一気に注目を集めました。
グッドデザイン賞も受賞した見た目だけでなく、電気容量の大きさなど実用性においても十分なスペックがあり、厳しい基準を合格した安心安全の日本製というのも人気の理由です。
数種類から選べるのでソロやデュオ、ファミリーキャンプからグループキャンプまで様々なスタイルのキャンパーに愛用されるようになり、キャンプサイトに馴染むおしゃれなポータブル電源として確固たる地位を築いています。
お得にゲットするなら公式サイトをチェック!
PowerArQを購入する際には公式サイトをチェックするのがおすすめです。
Amazonや楽天といった通販サイト上でのセール情報がゲットできる他、公式サイトではLINEの友達登録でクーポンがゲットできます(2021年7月現在)。また、公式サイト上で購入することで保証期間が1年延長されるのも嬉しいポイントです。
SNS上では偽アカウントが横行していて、公式SNSでは注意喚起が行われているので注意してくださいね。
PowerArQ miniとmini2の基本性能を比較
2021年5月26日に発売されたPowerArQ mini2。旧型と比較してどのような点が変わったのか見てみましょう。
液晶の違い
PowerArQ mini2の液晶表示は必要最低限の表示にとどめる仕様になっています。
具体的には、モノクロ表示になっていて、充電や出力電力が表示されないことで消費電力を抑えることができるようになっていますよ。
出力電力数が表示されない点は不便に感じる方もいるかもしれませんが、いつ発生するかわからない停電対策としても使えるのは心強いですね。
AC電源
旧型miniでは1つだったAC電源の出力口が、新型mini2では2つになっています。
出力数も定格で300W、最大で800Wと旧型miniの1.5~2倍の出力数なので今まで1つしか稼働できなかった家電も出力電力内であれば同時に稼働することができますよ。
USB電源
USB出力口は新型ではType-aに加えてType-cにも対応できるようになりました。
Type-a
定番のType-aは旧型同様2口ついています。携帯の充電などが2つ同時に出来るので、家族間やグループ間での充電待ちも減りますね。ポータブル扇風機や電気毛布など使える電化製品も多いので2口あると活用の幅が広がります。
Type-c
パソコンやスマートフォンの充電に使われるType-cの出力ポートが新しく追加になりました。
Type-cは新しいUSBの規格で、上下気にすることなく差し込むことができるので、今後は対応する電子機器も増えるとされています。
Type-a以外に使える端子があると便利ですね。
usb type-cとType-aの充電スピードの違い
iphone12を充電したスピードは電池量20%の状態から80%まで充電するのにかかる時間がUSB-Cの方が20分早く充電できました。
USB-C | 50分 | USB-A | 70分 |
---|
ワイヤレス充電
Mini2は本体上部の平らな箇所にワイヤレス充電機能があります。
急速充電が可能で万が一充電ケーブルを忘れてもワイヤレスで充電が可能です。
使用の際にはDCボタンを押してオンにすることで使えます。
AC出力周波数
旧型miniではAC出力周波数が60Hzと固定でしたが、新型mini2では50/60Hzと50Hzと60Hzの地域両方に対応しています。
市販されている電化製品は周波数が固定であっても、周波数の異なる地域で使用した場合にも事故につながらないよう何かしらの対策がなされていますが、電化製品の種類によっては異なった周波数で使用すると誤作動を起こしたり、故障したりと事故の原因につながる場合があります。
mini2のようにどちらの周波数にも対応していることが明記されていると安心して使用することができますね。
形状
旧型miniを含め、取っ手の付いているポータブル電源は持ち運び時には便利なものの、積載やスタッキング時には取っ手部分によるデッドスペースがどうしてもできてしまうのが難点でした。
ですが、mini2は平面が平らになっていてスムーズなスタッキングが可能です。
収納スペースに無駄がないと荷物整理もスッキリできますよね。
スノーピークのシェルコンに入れてみましたがminiのほうはわずかに高さがはみ出てしまいシェルコンを重ねると干渉してしまいます。
LEDライト搭載
新型mini2には正面右上にLEDライトが搭載されています。
明るさは520lm(ルーメン)と非常に明るく、小さめのテントであれば足回り全体を照らすことができますよ。
キャンプではもちろん、停電時にも活躍しますね。
また、mini2にはライトとしてもランタンとしても使える簡易LEDランタンも同梱されています。
充電スピード
mini2は旧型miniと比べると充電のスピードが倍ちかく早くなりました。
(公式ではmini2は~4時間 旧miniは~8時間)
大幅に充電時間が短縮した理由は旧型miniは最大入力電力が70Wで付属のアダプターは50W出力のため充電時間は約6~7時間となりmini 2の最大入力電力は80W、付属のアダプターは80W前後の出力のため、充電時間は3~4時間となるようです。
バッテリーの大きさがデメリットに感じる方もいるかもしれませんが充電スピードの速さはかなり嬉しい点でキャンプ前日の夜からあわてて充電しても翌朝にはフル充電になり出発に間に合います。
充電スピードを実際に比較してみた結果
経過時間 | mini 2 | mini |
---|---|---|
1時間 | 1メモリ(20%) | 18% |
2時間 | 2メモリ(40%) | 36% |
3時間 | 3メモリ(60%) | 53% |
4時間 | 4メモリ(80%) | 70% |
5時間 | 5メモリ(100%) | 87% |
6時間 | 98% |
※mini2はメモリのみの表記のためパーセンテージは目安の数値となります。
結果はmini2は4時間10分とほぼ公式と同じ結果になりました。
旧miniは6時間10分となり思った以上に早く充電ができたのは嬉しい誤算でした。
バッテリータイプがリン酸鉄系リチウムイオン電池に
様々な違いを紹介したきましたが、旧型miniと新型mini2の大きな違いはバッテリータイプになります。
mini2のバッテリータイプはリン酸系リチウムイオン電池が採用されていて、自己放電が少ないので電池の持ちも良く、電池内部で発熱が起こったとしても結晶構造が崩壊しにくいという特徴があり、より安全性に優れていますよ。
購入時には意外と見落としがちですが、バッテリータイプのチェックはポータブル電源を安全に使うためには重要なポイントです。
Mini2と旧miniで冬キャンプを想定して電気毛布を使用
PowerArQの中でも容量が小さく価格が手ごろなためキャンプで使用したいと考えている方も多いと思います。
旧型miniと新型mini2はどちらも夏キャンプでの使用であれば2泊から3泊程度は使えますが冬キャンプで一晩電気毛布を使いたい場合は不安な容量となります。
新型mini2と旧型miniで電気毛布を使ってみた
使用した電気毛布はSugiyamaのNA-023sを【強】で使用しています。
経過時間 | mini 2 | mini |
---|---|---|
1時間 | 0メモリ(100%) | 86% |
2時間 | 1メモリ(80%) | 75% |
3時間 | 2メモリ(60%) | 62% |
4時間 | 3メモリ(40%) | 49% |
5時間 | 4メモリ(20%) | 37% |
6時間 | – | 21% |
7時間 | – | 9% |
※mini2はメモリのみの表記のためパーセンテージは目安の数値となります。
※mini2はメモリは減ったメモリの数値です。
Mini2は5時間50分、旧型miniは7時間20分となりました。
どちらも公式よりは長く使える結果となりましたが6月のエアコンをつけた室内の25°程度でのテストですので気温が下がると使用時間が減る可能性がありますのでソロキャンプでの一晩、心地よく寝るにはやはり不安です。
ただ、冬キャンプでは電気毛布だけに頼るわけではなくシュラフやマットなどをうまく組み合わせて電気毛布の温度コントロールを【中】もしくは【弱】で使えばもう少し長く使えると思いますので装備次第では冬キャンプでも使えるかもしれません。
冬キャンプでの使用は、試してみて改めて追記レビューいたしますm(__)m
電気毛布の消費電力について
電気毛布販売元のSugiyamaさんによると電気毛布(NA-023S)使用環境(外気温)によってWH(ワットアワー)が変わってくるそうです。
消費電力量(1時間あたり) | 強:約31Wh / 中:約18Wh / 弱:約3Wh | 表面温度 | 約52℃ / 中:約36℃ / 弱:約20℃ |
---|
とあるので表面温度【中】の36°で18Whと考えるとmini2(300wh)は16時間くらい使えそうな計算になりますがSugiyamaの電気毛布の公式のスペック表は外気温(コントローラー付近のセンサー)20度の時の目安となります。
ですので冬キャンプでの外気温が0°となると倍以上の消費電力がかかり30Wh以上になるとのことです。
ファミリーキャンプで電気毛布の使用目的で検討している方はパワーアークの中でも大容量のシリーズをお勧めします!
PowerArQポータブル電源の種類
PowerArQシリーズにはminiやmini2以外にも種類が豊富で、使用用途に応じて選ぶことができますよ。
PowerArQ
<商品スペック>
サイズ | 幅30×奥行19.3×高さ24.2cm |
---|---|
重量 | 約6.0kg |
電力容量 | 626.4Wh/174,000mAh |
AC出力 | 300W(最大瞬間500W) |
対応周波数 | 60Hz |
出力ポート | AC 1、DC 3、USB 3 |
バッテリータイプ | リチウムイオン |
電気容量が626Whと大きいので、消費電力の低いポータブル扇風機や電気毛布などを一晩稼働させることができます。容量は大きいですが、本体サイズは2Lペットボトルを縦2本、横2本に並べたくらいの大きさで、取っ手も付いているので持ち運びもスムーズですよ。
値段は6万円ちょっとと高く感じますが、同程度のスペックを持つsuaoki S670やJackery700は8万円前後するので、デザインや機能性だけでなく価格面でもおすすめのポータブル電源です。
PowerArQ2
<商品スペック>
サイズ | 幅29.5×奥行19.5×高さ19.1cm |
---|---|
重量 | 約6.2kg |
電力容量 | 500Wh/45,000mAh |
AC出力 | 300W(最大瞬間450W) |
対応周波数 | 50Hz/60Hz |
出力ポート | AC 2、DC 3、USB 4 |
バッテリータイプ | リチウムイオン |
PowerArQの後継機、PowerArQ2は電気容量の面では500Whと少なくなっていますが、出力ポートにType-cが追加されたり、スマートフォンのワイヤレス充電が可能になったりと機能面がパワーアップしています。周波数の切り替えも可能になっているのでより安全に使用することができますよ。
液晶部分はカラー表示なので、太陽の下でも使用ワット数や電池残量が分かりやすくなっているのも嬉しいポイントです。
PowerArQ PRO
<商品スペック>
サイズ | 幅29.5×奥行19.5×高さ19.1cm |
---|---|
重量 | 約10.4kg |
電力容量 | 1,002.4Wh/174,000mAh |
AC出力 | 1,000W(最大瞬間2,000W) |
対応周波数 | 60Hz |
出力ポート | AC 3、DC 1、USB4 |
バッテリータイプ | リチウムイオン |
PowerArQPROは今年1月に発売されたシリーズ最大の電気容量を持った非常にタフなモデルになります。
お値段は10万円越えと高価ですが、AC定格出力が1,000W、瞬間最大は驚異の2,000Wで多くの家電製品を使うことができます。
大容量ですが約7.5~8時間でフル充電可能なので、前日の夜に充電しておけば長期間の車中泊やキャンプをグッと快適にすることができますよ。
液晶には1%単位で数値が表示されるので、使用状況や残量を確認しながら安心して使用することができますね。
使えるソーラーパネル
PowerArQにはソーラーパネルもあります。屋外で太陽光から充電可能になれば、長期間のキャンプや車中泊、災害時にも使うことができますね。事前準備や設定などは一切不要で付属のケーブルだけあれば充電開始できるので、万一の備えとして用意しておくと安心です。
PowerArQのソーラーパネルは折りたたみ可能な「PowerArQ Solor 120W」「PowerArQ Solor 210W」があります。「PowerArQ Solor 210W」は大容量向けのソーラーパネルなので、PowerArQ mini2に使用するのであれば「PowerArQ Solor 120W」を使用しましょう。
PowerArQ Solor 120W
PowerArQ Solor 120W を使用するとPowerArQ mini2の場合は充電が約3~4時間で完了しますよ。
このスピードは家庭用コンセント使用時の充電速度と同程度と、非常に高スペックなソーラーパネルなのが分かりますね。
折りたたんでコンパクトに持ち運び可能なのも積載問題を払拭する重要なポイントです。
また、ペグが付属しているので、風が強い時でも地面にしっかり固定して安全に給電することができますよ。
PowerArQ mini2に対応したソーラーパネル の仕様はMC4端子、出力電圧18Vなのでこの仕様と同じであれば理論上は他のソーラーパネルでも給電することは可能です。ですが公式に動作確認等行っているわけではありません。故障などがあった場合には保証対象外となってしまうので、注意してくださいね
ケースを使用する時の注意点
これまでPowerArQシリーズにはケースがなく、持ち運び時には本体への傷や出力ポートへの粉塵の混入に注意を払う必要がありましたが、今年2021年6月21日に待望のPowerArQ専用収納ケース「GearBox PowerArQ2」が発売されました。
GearBox PowerArQ2
PowerArQ mini2に使用すると多少の隙間ができますが、付属ケーブルや小物類と一緒に収納できるので非常に便利です。
また、他メーカーですがこちらもケースとして使用することができます。
Oregonian Camper タクティカルオカモチ
こちらは専用ケースとほぼ同じサイズ感で、内側はクッション性に優れているので安心して持ち運びすることができますよ。オレゴニアンキャンパー特有のカモ柄と落ち着いたコヨーテの2色展開で、PowerArQ mini2と一緒に使うとよりおしゃれさが増しますね。
キャリライク ポータブル電源 収納バック
2020年に誕生したアウトドアブランド「キャリライク」から出ているポータブル電源専用ケースはPowerArQ mini2にぴったりなサイズ感です。手で持つことはもちろん、肩掛けにもできる2way仕様ですよ。
3,000円以下と非常にお手頃な価格なのもポイントです。
ケースを使用する際には注意点があります。
それは、PowerArQ mini2に限らず、ポータブル電源は使用していると本体が熱くなることがあり、そのままケースに入れてしまうとケース内に熱がこもり故障などの原因になってしまう点です。
ケースに収納する前に必ず本体が熱くなっていないかを確認するようにしましょう。
また、ケースに入れているからといってどこで保管しても良いわけではありません。
直射日光に当たるような場所に置くとケース内は想像以上に熱くなり、内臓電池の劣化や発火につながります。
ケースを使用していても、風通しのいい日陰などに置いてくださいね。
まとめ
PowerArQ mini2は機能性も携行性もデザイン性も譲れない、こだわりキャンパーの方に特におすすめしたいポータブル電源です。
現在は発売間もないこともあり在庫数も十分ですが、売り切れ次第で販売終了になるので気になる方は早めにチェックしてくださいね。
電化製品なので使用する際には注意が必要なポイントもありますが、安全に使用すれば季節問わずグッと快適なキャンプを楽しむことができますよ。