ポータブル電源があれば、家庭用の電化製品をアウトドアでも使用できるようになります。屋外で暖房器具や扇風機なども使えるようになるので、冬キャンプや夏の車中泊にはうってつけのアイテムです。
いまではポータブル電源を販売しているメーカーもたくさんあり、海外メーカーの製品も信頼性が大幅に向上しています。しかし、より高い安全性や信頼性を求めるのであれば、やはり日本メーカーの製品が一番です。
そこで今回は日本メーカーの製品に限定し、高性能で高品質なポータブルバッテリーを10個ご紹介します。記事前半では日本製ポータブル電源がおすすめな理由や選び方も解説してますのでそちらも参考にしてください。
アイキャッチ出典:PowerArQ公式
ポータブル電源とは

出典:PowerArQ公式
ポータブル電源とは、内蔵されているバッテリーに電気を蓄え、どこへでも持ち運んで使用できるようにした電源のこと。スマートフォンの充電に使用するモバイルバッテリーとは、まったく異なるものです。
大きな特徴はAC出力に対応していることと、ポータブルバッテリーより高出力・大容量であること。家庭にあるコンセントと同じように、電化製品へ給電することができます。
普段から身の回りにあるお気に入りの電化製品や、普通はキャンプで使用しないようなガジェットまで、さまざまなものをフィールドで使えるのがポータブル電源のメリット。
「ちょっと変わったスタイルでキャンプを楽しみたい!」とか、「イルミネーションを使ってインスタ映えするような空間を作りたい!」といった願望も叶えることができます。
ポータブル電源の使い方

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ポータブル電源の使い方は、まさに多種多様。アイディア次第でさまざまなことができます。
キャンプ

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もっともおすすめしたい使い方は、キャンプでの使用です。夏のキャンプでは扇風機を使ったり、冬のキャンプでは電気毛布を使ったりと、季節ものの電化製品を使用することでキャンプがとても快適になります。
性能がいいポータブル電源ほど使用できる電化製品の種類が増え、その気になればテレビやゲーム機をキャンプに持ち込むことも可能です。
自身のキャンプにマンネリを感じている方は、自然のなかに最新の電化製品を持ち込んでグランピングのようなスタイルを楽しむのもいいのではないでしょうか。
車中泊

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ポータブル電源は、車中泊を快適にしてくれるアイテムでもあります。キャンプと同様に電気毛布を使用すれば冬でも快適。夏は冷温庫を車に積んでおけば、よく冷えた飲み物で喉をうるおすことができます。
キャンピングカーであれば最初からコンセントが搭載されていますが、それ以外の車で家庭用の電化製品を使用するのは少々ハードルが高め。車のバッテリーの電気を変換して使用することもできますが、バッテリー上がりのリスクがあります。
そのため、車のバッテリーを消耗させずに電化製品を使うためには、ポータブル電源が必須です。1年のなかで車中泊をおこなう回数が多い方ほど、持っておくべきといえます。
災害時にも
ポータブル電源は災害時などの、もしものときの備えとしても優秀です。比較的小型の製品であっても、スマートフォンを20回以上充電できるものが多くあります。
2011年に発生した東日本大震災や、2016年に発生した熊本地震では、数日間にわたる停電が起こりました。それにともない携帯電話・スマートフォンが使用できなくなる人が続出し、派遣された電源車に行列ができていた光景を覚えている方も多いはず。
有事の際に連絡手段が絶たれるというのは、不便であるだけでなく、大きな不安感やストレスのもとにもなります。平常心を保ち、できるだけ普段通りの生活を送るためにも、ポータブル電源を1台持っておくことをおすすめします。
日本メーカー製ポータブル電源がおすすめな理由

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日本メーカーのポータブル電源をおすすめしたい理由は、以下の3つです。
- 品質が安定している
- 安全性への強いこだわり
- 安心のアフターサポート
最近では海外メーカーの製品も品質の向上がめざましく、多くの人が満足できる優秀なポータブル電源がたくさんあります。そして日本メーカーの製品より低価格であることが魅力です。
しかし、より安心して使用できるのは、やはり日本メーカーの製品。海外メーカーのポータブル電源の品質や安全性が向上しているとはいえ、まだ日本メーカーのそれには及びません。日本メーカーは海外メーカー以上に、品質・安全性を重視した製品づくりをおこなっています。
ポータブル電源に内蔵されているリチウムイオン電池は、しっかりとした品質管理と安全性に考慮した設計がなされていない場合、発火や爆発を起こす可能性もあります。そのため、信頼できるメーカーの製品を選ぶことが大切です。
アフターサポートの充実度や安心感も、日本メーカーの方がすぐれています。コールセンターでは日本人スタッフが丁寧に応答し、修理などでメーカーに送る際にも、日本国内でスピーディーに対応してくれます。災害時の備えとして持っておくのであれば、この安心感はとても重要です。
日本メーカー製ポータブル電源の選び方

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ポータブル電源を選ぶ際に注目するべきポイントは、以下の6つです。
- 出力(W:ワット)
- 容量(Wh:ワットアワー)
- 出力波形
- 出力ポートの種類・数
- 充電方法の種類
- サイズ・重量
これらのほか、車の積載能力やキャンプ場での運搬方法などの事情も考慮して選びましょう。
ポータブル電源の詳しい選び方が気になる方はこちらの記事を参考にして下さい。

ポータブル電源の代表的な日本製メーカー
ポータブル電源を販売している日本メーカーを4社ご紹介します。これらのメーカーの製品は高性能かつ高品質。さらにアフターサポートもしっかりしているので安心して購入できます。
Smart Tap(スマートタップ)

出典:amazon
Smart Tapは2012年創業のメーカーで、加島商事株式会社が運営しています。メインで取り扱っているポータブル電源「PowerArQ(パワーアーク)」シリーズは、親しみやすいデザインと印象的なカラーリングが特徴。オシャレなポータブル電源が欲しい方にオススメのメーカーです。
LACITA(ラチタ)

出典:amazon
株式会社ポスタリテイトが2017年に設立した、比較的新しいブランド。主力商品である「ENERBOX(エナーボックス)」は、高出力・大容量でありながらボディはコンパクト。そしてエッジが効いた、シャープなデザインが印象的です。
HITACHI(日立)

出典:amazon
HITACHIは日本を代表する大企業のひとつ。ポータブル電源を販売しているメーカーのなかでは、圧倒的な知名度を誇っています。持ち前のすぐれた開発力から生み出されたポータブルバッテリーは、高性能かつ高品質。そしてデザインもかなり個性的です。
SYRIDE(エスワイライド)

出典:amazon
株式会社SYRIDEは、2019年に大阪府で設立された新興ブランド。防災関連やアウトドア関連の製品を販売しています。メインとして展開している「MIGHTY(マイティ)」シリーズは、パナソニック製リチウムイオン電池の採用による高い信頼性が自慢です。
キャンプや車中泊で使える日本メーカー製ポータブル電源のおすすめ
ここからは数あるポータブル電源のなかから選び抜いた、おすすめの製品をご紹介します。キャンプや車中泊をより楽しくしてくれそうなアイテムを探してみてください。
SmartTap(スマートタップ) PowerArQ mini
出力 | 200W |
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容量 | 346Wh |
出力波形 | 正弦波 |
出力ポートの種類・数 | AC × 1個 USB-A × 2個 シガー × 1個 |
充電方法の種類 | ACアダプター シガープラグ ソーラーパネル |
サイズ | 幅23×奥行き19.3×高さ19.5cm |
重量 | 3.5kg |
Smart Tapが販売するPowerArQシリーズのなかで、もっともコンパクトなエントリーモデル。3万円台と購入しやすい価格で、はじめてのポータブル電源にイチオシの製品です。重量3.5kgで持ち運びもラクラクおこなえます。
本体カラーはコヨーテタン・オリーブドラブ・レッドの3色展開。丸みを帯びたシルエットがとても可愛らしく、アウトドア用テーブルの上に置かれている姿がとても素敵です。ノートパソコンを約12回フル充電し、小型の冷蔵庫を約5.5時間稼働させるほどのパワーを持っています。
SmartTap(スマートタップ) PowerArQ
出力 | 300W |
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容量 | 626Wh |
出力波形 | 正弦波 |
出力ポートの種類・数 | AC × 1個 DC × 2個 USB-A × 3個 |
充電方法の種類 | ACアダプター シガープラグ ソーラーパネル |
サイズ | 幅30×奥行き19.3×高さ24.2cm |
重量 | 6kg |
2019年にグッドデザイン賞を受賞した人気商品。現在も雑誌やWEBメディアなどで頻繁に紹介されています。エントリーモデルの「PowerArQ mini」よりかなり本格的な仕様で、同時にたくさんの機器へ給電可能です。
カラーも6色と豊富で、「PowerArQ mini」で用意されている3色のほか、ジェットブラック・チャコール・スノーホワイトがラインナップされています。ほかのメーカーでは使われないカラーばかりなので、個性的な製品を求める方にピッタリです。
Smart Tap(スマートタップ) PowerArQ2
出力 | 300W |
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容量 | 500Wh |
出力波形 | 正弦波 |
出力ポートの種類・数 | AC × 2個 DC × 2個 USB-A × 4個 USB-C × 1個 シガー × 1個 ワイヤレス × 1個 |
充電方法の種類 | ACアダプター シガープラグ ソーラーパネル |
サイズ | 幅26×奥行き19.1×高さ19.5cm |
重量 | 6.2kg |
さまざまな家電を家電のプロが批評する雑誌「家電批評」にて、家電オブ・ザ・イヤー2020を受賞したポータブル電源。すでにご紹介した「PowerArQ」に容量では負けているものの、それ以外の部分は大幅に進化しています。
本体上部ではスマートフォンをワイヤレス充電でき、最大出力45WのUSB-CはMacBookなどの急速充電が可能。カラー液晶の採用により視認性が向上し、本体背面には520ルーメンの大光量LEDライトを搭載。価格は約6万円ですが、それでも安いと思わせるほどのすぐれものです。
Smart Tap(スマートタップ) PowerArQ Pro
出力 | 1000w |
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容量 | 1002Wh |
出力波形 | 正弦波 |
出力ポートの種類・数 | AC × 3個 USB-A × 2個 USB-C × 2個 シガー × 1個 |
充電方法の種類 | ACアダプター シガープラグ ソーラーパネル |
サイズ | 幅33.3×奥行き23.5×高さ27.3cm |
重量 | 10.4kg |
PowerArQシリーズ最強のモデル。出力1000W、容量1002Whと、圧倒的なパフォーマンスを誇ります。価格は約13万円と安くはありませんが、性能・機能ともに非の打ちどころのない仕上がりです。カラーはコヨーテタン・オリーブドラブの2色展開。
消費電力が大きいドライヤーや電気ケトルも使用でき、電気毛布は10時間以上も使用可能。そしてAC出力ポートが3つ搭載されているため、使い方の自由度が高く、キャンプや車中泊の快適性が飛躍的に向上することは間違いありません。
LACITA(ラチタ)エナーボックス
出力 | 400W |
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容量 | 444Wh |
出力波形 | 正弦波 |
出力ポートの種類・数 | AC × 3個 USB-A × 3個 シガー × 1個 |
充電方法の種類 | ACアダプター シガープラグ ソーラーパネル |
サイズ | 幅13.4×奥行き30.3×高さ18.4cm |
重量 | 5kg |
普通のリチウムイオン電池より安全性が高いとされている、「三次元リチウムポリマー電池」を採用しているポータブル電源。こちらの製品も、雑誌などのメディアでよく紹介されている注目のアイテムです。コンパクトかつ軽量なので、持ち運びに便利。
安全性に対して強くこだわっている製品でもあり、本体に大きなダメージを負っても内部でショートが発生しない保護機能を備えています。カラーはブラックとホワイトの2色展開で、直線的かつスタイリッシュな外観がとても個性的です。
LACITA(ラチタ) エナーボックス450
出力 | 400W |
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容量 | 444Wh |
出力波形 | 正弦波 |
出力ポートの種類・数 | AC × 3個 USB-A × 3個 シガー × 1個 |
充電方法の種類 | ACアダプター シガープラグ ソーラーパネル |
サイズ | 幅13.4×奥行き30.3×高さ18.4cm |
重量 | 5kg |
LACITAのベストセラー商品「エナーボックス」に、出力90Wのカーチャージャーが付属されているモデル。カーチャージャーがあるとキャンプ場へ移動している最中も充電できるため、万が一充電し忘れていたときも安心です。災害時の停電においても重宝します。
また、本体がシルバーとブラックのツートンカラーである点も、スタンダードなエナーボックスとは異なります。タフな印象に磨きがかかっており、どちらがいいかは好みが分かれるところ。基本性能はエナーボックス、エナーボックス450のどちらも同じです。
LACITA(ラチタ) エナーボックススプラッシュプルーフ
出力 | 400W |
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容量 | 444Wh |
出力波形 | 正弦波 |
出力ポートの種類・数 | AC × 3個 USB-A × 3個 シガー × 1個 |
充電方法の種類 | ACアダプター シガープラグ ソーラーパネル |
サイズ | 幅13.4×奥行き30.3×高さ18.4cm |
重量 | 5kg |
通常のエナーボックスにIPX4相当の防水性能がプラスされた、LACITAのハイエンドモデル。IPX4の防水性能は、「いかなる方向からの水の飛沫によっても有害な影響を受けない」と定義されており、悪天候のなかでの使用や水辺での使用においても安心できます。
そのすぐれた防水性能は、本体内部にほどこされた特殊なナノコーティングによるもの。水が侵入しても電気回路に接触しない構造とすることで、水濡れによる故障を防いでいます。さらに湿度98%まで対応し、多湿な時期や環境のもとでも安定して動作してくれます。
HITACHI(日立) PS-64000
出力 | 120W |
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容量 | 64,000mAh |
出力波形 | 矩形波 |
出力ポートの種類・数 | AC × 1個 USB-A × 2個 シガー × 1個 |
充電方法の種類 | ACアダプター シガープラグ |
サイズ | 幅13.2×奥行き33×高さ25.2cm |
重量 | 5kg |
車用のジャンプスターターとして使用できるポータブル電源。車のバッテリーが切れてしまっても、これを使用すれば始動させることができます。チョイ乗りが多い方や、寒冷地に住んでいる方など、バッテリーが消耗しやすい環境で車を利用している方におすすめです。
普通のポータブル電源と比較すると出力は120Wとひかえめで、出力波形は矩形波。そのため、「ジャンプスターターの機能が欲しい!」という方向けの製品といえます。しかし日本製なので製品の信頼性は十分。保護機能も充実しています。
SYRIDE(エスワイライド)MIGHTYSY-007
出力 | 300W |
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容量 | 331Wh |
出力波形 | 正弦波 |
出力ポートの種類・数 | AC × 4個 DC × 4個 USB-A × 3個 USB-C × 1個 シガー × 1個 |
充電方法の種類 | ACアダプター シガープラグ ソーラーパネル |
サイズ | 幅21.5×奥行き15×高さ20.5cm |
重量 | 2.9kg |
SYRIDEが誇る2020年9月発売の新製品。1泊のキャンプで使用するには十分な出力・容量を持ちながら、重量は2.9kgと超軽量。合計13個もの出力ポートを搭載しており、同時にたくさんの電化製品を使用することができます。価格は約4万円と、コストパフォーマンスも優秀です。
充電の速さも特筆もの。ACアダプターとUSB-Cケーブルの2つを同時に接続すれば、わずか3.5時間でフル充電可能です。本体背面には、弱・中・強・SOS・フラッシュライトの5パターンから選択できるLEDライトを搭載。最大600ルーメンという高輝度で、すぐれた実用性を持っています。
ポタデン ポータブル電源
出力 | 300W |
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容量 | 462Wh |
出力波形 | 正弦波 |
出力ポートの種類・数 | AC × 2個 DC × 3個 USB-A × 3個 USB-C × 1個 シガー × 1個 |
充電方法の種類 | ACアダプター シガープラグ |
サイズ | 幅15.5×奥行き29×高さ19cm |
重量 | 5.5kg |
本体にBluetoothスピーカーを搭載した、非常にめずらしいタイプのポータブル電源。キャンプで動画や音楽を楽しんだり、災害時にみんなでネットラジオを聞くといった使い方もできます。音量調整と再生・停止のボタンも本体に備わっているため、使い勝手は良好です。
どことなく愛らしい雰囲気を放っていて、本体の側面にあしらわれた「ポタデン」の文字が印象的。出力・容量ともに必要十分な性能を持ち、出力ポートの種類・数も豊富。さらにLEDライトも備えているという多機能さに対して、価格は約4万円とかなりお買い得です。
キャンプや車中泊では安心の日本製ポータブル電源の使用を!

出典:PowerArQ公式
安心の日本メーカー製かつ、高性能・高品質なポータブル電源をご紹介しました。ポータブル電源を1つ持っていればキャンプや車中泊がより快適になり、災害時には強力に暮らしをサポートしてくれます。
記事前半ではポータブル電源の選び方を詳しく解説しましたが、そこまで難しく考える必要はありません。初めて購入するのであれば、今回ご紹介した3〜4万円ほどの製品でもきっと満足できるはずです。
無理のない予算でポータブル電源を導入し、これまでよりもずっと快適で自由度が高いキャンプを楽しんでください。



