今回はより効率的に収納できるパッキングの応用をご紹介します。
ザックへの荷物の収納は、登山者が始めに触れる技術でありながら、最後まで尽きることの無いテーマです。
道具の軽量化、コンパクト化に加え、ザック自体の軽量化など、時代の変化に合わせてパッキングは変化しています。
収納力を上げるには
日帰り登山から始め、宿泊、厳冬期登山と登山シーンが変わってくると、収納する登山道具も変わってきます。
テント、寝袋、冬山用装備を始めとした専門装備、ザックも山行に応じたものを用意することになります。
装備の増加に合わせて容量を増やしても、より専門的な効率的なパッキングが必要です。
収納の他に、登山日数が長ければ、ストレスの少ない出し入れといった応用も重要です。
まずは収納力を上げるために、以下のような方法を試してみましょう。
水の収納を工夫する
山行日数が増えると、必然で増えるのは食糧です。
食糧は登山の中でも重量がある荷物で、中でも水は重たく場所もとります。
食べ物は登山最終日ともなれば行動食程度となりその分のスペースに余裕が生まれますが、水は最後まで補給されるため、水を上手く収納できれば、内部の収納はより隙間なく効率的に埋められます。
ポリエチレンを使用した用量に応じて変形できる水筒を使用してみましょう。
代表的なブランドではプラティパスのソフトボトルで、薄くて耐久性があります。
金属を始めとした変形できない水筒では、水が減ってもサイズダウンせず場所もとってしまいます。
ソフトボトルはバックパック内部の形状に応じて形をある程度変えられるので、収納位置をあまり意識せず、デッドスペースを作らないのも魅力です。
不要な部品を取り除く
細かいところですが、既製品をそのまま使うと実は使用しなかったり、日帰りでは過剰な装備だったりと「無くても大丈夫」だったりするものがあります。
ザックにもよりますが、背面パッドを外すことができるモデルがあります。
日帰り、アタック向けのモデルに多く、日帰り軽量装備で収納を適切に行えば、ザックの変形や背部の感触は気にならない程度になります。
パッドを外せばその分収納スペースも増え、装備の軽量化にも繋がります。
アウター、レインウェアなどの収納袋、地図を購入した際に付いてくるケースなどは、工夫すれば不要なものになります。
特にレインウェアは晴天が確実な日程であれば収納場所も定位置で移動することもないため、丸めて収納袋に入れるより効率が良いこともあります。
綿系素材の圧縮
ダウンジャケット、寝袋といった収縮、復元できる素材は圧縮することでその収納スペースを格段に増やすことができます。
寝袋は専用のコンプレッションバッグを使用することで半分近くにサイズダウンさせることが可能です。
デッドスペースを無くすスタッキング
基本的な、コッヘルの中にガスカートリッジとバーナーヘッドを入れることの他、変形しない道具内部を埋めることができれば、より多くの荷物を収納できます。
スタッキングは奥が深く、同じブランドのアイテムであれば間違いないですが、必ずしも同じブランドを揃えることもできない場合は、アイテムごとのサイズを確認して重ね合わせることが必要です。
一朝一夕といかないので、非常に個性が出る部分でもあります。
アイテムの出し入れ
収納できるアイテムが増えると、その分アイテムの出し入れが面倒、億劫になる傾向があります。
これを解消するには幾つか方法があります。
外付けバッグの利用
携帯電話、着火用のライター、地図など、ザックに入れておくと出すのが面倒になり、そのまま使用せずに終わる道具があります。
結果的に使わずに済めば良いですが、地図はたとえ登山道であっても定期的な現在位置の確認や想定される登山状況の把握など、使わなければいけないものを使わないことは遭難に繋がります。
ウエストバッグやハーネスに取り付けるタイプのバッグを活用すると、ザックを降ろさなくても行動中に道具を出し入れすることができる便利なアイテムです。
登山を始めたての頃は実用性を感じないかもしれませんが、欠かせない便利アイテムです。
スリング、カラビナの活用
クライミング用の道具であるスリング、カラビナは非常に汎用性の高い道具です。
ナイロン製で輪っかになったスリングは、たすき掛けにしてカラビナを活用すれば道具を外付けできます。
スリングはたすき掛けの他、カラビナを使って腰に巻くこともできます。
登山道具は紐を通せる穴がある道具が良くあります。
ここにカラビナやスリングを通すことができるので、出し入れが非常に容易になります。
まとめ
いかがでしたか。
パッキングが上達すると登山中のストレスが減り、そして自分だけの登山スタイルを確立することができます。
収納方法は登山道具の内容によるので個性が出る面白いスキルです。
是非自分だけのパッキングを見つけてみてください。