軽量で扱いやすいスノーピークのクッカー、チタントレック900をご紹介します。
登山で使う調理器具は用途に合わせた形状と、最も最適な素材が使われています。
現代登山で最もポピュラーなコッヘルは、調理内容に応じてバリエーションがあり、各ブランドの顔とも言えるラインナップが揃っています。
スノーピークとは
新潟県に拠点を置く日本発祥のアウトドアブランドです。
主にキャンプ用品を取り扱っていますが、ソロ用のクッカー、カトラリーを始めとして、登山で使えるアイテムも豊富に展開しています。
スノーピーク製品の魅力
価格に見合う品質はさることながら、デザインと機能性は日本人好みで「かゆいところに手が届く」「こんなアイテムが欲しかった」といえるものばかり。本当に納得のいくものだけを商品化し、高い品質を保ちつつもカタログ落ちしたアイテムも、ユーザーの間で高値で取引があるほど。
商品のメンテナンスからリペアまで、ひとつのアイテムを永く使っていけるようにアフターサービスも充実しているため、日本を代表するブランドとして、アウトドア業界を牽引しています。
スノーピーク製品の価格は高い?
直営店を展開し、高品質で丈夫な製品を作っているスノーピーク。価格はエントリーモデルからでも高めです。
アウトドアが初めて、という方には敷居が高く見えますが、他ブランドと比較して扱いやすく、初心者の方にも安心して使えるモデルが多いです。
とはいえキャンプで一式揃える場合初期投資はかかるので、スノーピークを使うのであればコンスタントにアウトドアシーンに足を運ばないと勿体ないかもしれません。
耐久性も高くアフターサービスと相まってアイテムの寿命も長いので、総じてコストパフォーマンスは決して低くないともいえます。
スノーピーク調理器具のラインナップ
テントからバーナー、小物まで取り扱うスノーピークの調理器具は、キャンプを主に扱うブランドらしく豊富な種類を取り扱っています。
登山向けでは今回ご紹介するチタン製のコッヘル、単独向けで炊飯に特化したクッカー、汎用性が高くスタッキングに優れたモデルが多く、カトラリーも先端に穴を開けて携帯、保管時に便利な配慮をしているなど、登山の使用には申し分ない品質です。
調理器具に使われる素材の種類
アウトドアではステンレス、アルミ、チタンが主に使われていますが、登山では主にアルミとチタンが使われています。このふたつの素材が使われるのは、素材の重量と衛生面、水分による腐食への耐性です。
また素材の強度も重要です。薄くすれば加熱や衝撃で変形する可能性があるので、素材ごとに強度に応じた厚みを持たせています。
上記のように素材によって特徴が異なり一長一短がありますが、表面加工や粒子状にした別素材を塗布するなど、現在は長所を生かしつつ弱点を補う製品も増えてきています。
チタントレック900の評価
チタンの特徴を持ったコッヘルは他ブランドでも展開されていますが、スノーピーク製のチタンコッヘルは、幾つかの特徴を持っています。
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チタンのメリットとデメリット
チタン製品は現在使われている材質の中でも最も軽く、非常に錆びにくい素材です。
極力重量を抑えて長距離を歩くウルトラライト指向のハイカーに人気が高く、加熱すると独特の焼き色が付くので、使い込むほど愛着が湧いてきます。
反面、チタンはその特性を理解して扱う類いの素材です。チタン製品が軽いとされるのは、素材そのものの重量ではなく、他の素材以上に薄くできる加工技術です。
熱電導率が低く薄い製品が多いことから、基本的にはお湯を沸かしたり汁物、ラーメンといった調理や料理がメインとなります。
炒め物をするとすぐに焦げ付いてしまい、粘度の高いものも同様です。
加工までのコストもかかることから、アルミ、ステンレス系の調理器具より値段も高いので、購入時には十分に検討してからが良いでしょう。
目盛りはアウトドアで重宝する
内部には水量を計れる目盛りが付いており、必要最低限の量で効率良く調理する登山では非常に重宝します。
標高で沸点、味の濃薄も変化するので、水量が分かると助かる場面は意外とあります。
プリムスP-153とのスタッキング
スノーピーク製のコッヘルと互換性があり、別サイズのコッヘルとのスタッキングが可能です。
スタッキングができると、収納可能スペースが大きく広がるので、登山道具では欠かせない要素です。
単体ではプリムスのウルトラバーナー、ガスカートリッジを入れても問題なく収納できます。
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蓋で調理可能か?
コッヘルを構成する蓋は、熱電導率が高ければ簡易的な調理に使えます。
チタン製コッヘルの場合は上述の通り蓋での調理は不向きなので、完成した料理の取り分け、保温として使うのが良いでしょう。
チタントレック900で定番料理
チタンコッヘルで調理する定番料理はインスタントラーメンでしょう。
登山に必要な塩分、カロリーなどを一度に吸収でき、乾燥食材のため軽量で扱いやすいことから、その座を確固たるものにしています。
ラーメンだけでは物足りない場合や、より効率良く美味しく食べたい場合は、以下の食材を追加してみると良いでしょう。
お餅
腹持ちが良く保温力もあります。
食用油
コクが増し、エネルギーも摂取できます。「多いかな」という位に入れると丁度良いです。
生野菜
季節限定ですが、ラーメンだけでは不足するビタミンが摂れます。
ボリュームも増し、一緒に茹でるだけなので調理に手間もかかりません。
生肉
こちらも同じくあると見た目としてインパクトがあり、食べ応えが増します。
重量もありますが、寒さが厳しい冬ではその見返りも期待できる食材です。
チタントレック900での炊飯
(熱伝導率を別アイテムで補うことで調理の幅を増やせる。)
チタンクッカーは上述の通り特定の調理に特化しますが、工夫すれば炊飯も可能です。
チタンクッカーは熱伝導率が低いため、この点を改善し熱を均一にまんべんなく行き渡らせられれば、ある程度ですが焦げ付きを回避することができます。
私が良く使う方法は、メッシュのロースターたたみ、その上にクッカーを設置して炊飯する方法です。
(撮影成功を意識するあまり水分が増えましたが、焦げ付くことなく成功。)
加熱は慎重に行う事になりますが、調理技術や創意工夫が必要な山でのスキルアップに繋がるので、挑戦してみると良いでしょう。
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いかがでしたか。軽量で強度の高いチタンを使ったコッヘルを、是非山で試してみてください。