登山をこれから始める人も、登山歴のある人にも人気な赤城山。古くから愛され続ける赤城山とはどんな場所なのか?今回は、1泊2日のテント泊での登山を通して赤城山の魅力をご紹介します。
赤城山とは
赤城山とは大きな火山体の総称です。「赤城山」という峰があるわけではなく、最高峰の黒檜山や駒ヶ岳、長七郎山、鍋割山などを含めた名前です。
山頂には、カルデラ湖の大沼・小沼といった湖や、大洞赤城神社という赤城神社の総本宮が存在。また、蕎麦屋や土産販売などのお店、無料のキャンプ場もあります。
1967年に廃止しましたが、かつては赤城登山鉄道と呼ばれるケーブルカーが運行。
今の群馬県桐生市にある利平茶屋駅から赤城山頂駅を結んでいました。
現在は赤城山頂駅跡に、赤城山頂駅記念館サントリービア・バーベキューホールというお店が開業しています。
登山口までのアクセス方法と駐車場
マイカーやレンタカーでのアクセス
赤城山山頂へ向かう場合は県道4号線を利用されることをおすすめします。
というのも、県道16号線でも赤城山山頂へアクセスはできますが、山頂に近付くにつれて道幅が狭くなり、対向車とのすれ違いが難しいほど。県道4号線が道幅も広く快適にアクセスできます。帰り道も県道4号線で帰りましょう。
ただ、赤城山のフラワーパークや赤城温泉まで向かうには問題ありません。十分広い道幅で問題なくアクセスできます。
- 関東自動車道 :前橋インターチェンジか、赤城インターチェンジを降りて県道4号線へ(60分前後で到着)
- 北関東自動車道:伊勢崎インターチェンジを降りて県道4号線へ(70分前後で到着)
冬季道路閉鎖する区間もありますので車でのアクセスはご注意が必要
- 16号線 :赤城温泉入り口~小沼地先まで閉鎖
- 251号線:沼田市利根町砂川~前橋市富士見町まで閉鎖
電車からバスでのアクセス
前橋駅か中央前橋駅から直通バスが出ています。60分前後で山頂へ到着です。
- JR線 :「前橋駅」北口から直通バス
- 東武線:「中央前橋駅」から直通バス
駐車場情報
今回利用した駐車場は、群馬県桐生市にある「利平茶屋森林公園駐車場」です。
- 駐車台数:120台
- 駐車料金:無料
※冬季(11月1~来年4月末)は閉鎖するためトイレの利用ができません。
日帰りや軽めの登山で黒檜山や駒ヶ岳、地蔵岳に登る人は、赤城山山頂の「おのこ駐車場」や「県立赤城公園ビジターセンター駐車場」、「県立赤城公園大洞駐車場」などもよいです。(ビジターセンター駐車場のトイレは冬季閉鎖です。)
赤城山のコースタイム
今回は「山と高原地図20」に記載のコースタイムと同じか、遅いくらいのタイムでした。( )内の時間がそこまで行くのにかかった休憩を含めての時間です。
1日目
利平茶屋森林公園駐車場→赤城山頂駅記念館(90分)
→おのこ駐車場トイレ(30分)→黒檜山・駒ヶ岳登山口(5分)
→鉄の階段(30分)→駒ヶ岳山頂(30分)→黒檜山山頂(50分)
→黒檜山登山口(60分)→赤城山キャンプ場(15分)→1日目行動終了
2日目
赤城山キャンプ場→赤城山頂駅記念館(50分)
→御神水(25分)→利平茶屋森林公園駐車場(60分)
赤城山の難易度
10段階評価中で
<3.5点>利平茶屋森林公園~駒ヶ岳~黒檜山~赤城キャンプ場(1泊2日テント泊)
1点を始めたばかりの人、5点を中級者の人とすると3.5点くらいの点数になるかと個人的には思います。要点は下記の通りです。
- 登山コースに危険箇所がほとんどなく、かなり整備されていて目印や標識も多く迷いにくい。
- 1日山に泊まるが、キャンプ場でトイレや水もあり、人気の山で人が多め。
- 冬季(無雪期)装備やテント、水などの荷物を担いで山を歩くので、ある程度の体力がないときつい。
テント泊ではなく日帰りで黒檜山~駒ヶ岳へ縦走や、登山口から頂上へのピストンであれば難易度は1点~2点ほどに下がるかと思います。
赤城山」登山記録
12月の赤城山登山記録です。実際の写真と一緒にご紹介します!
<1日目>利平茶屋森林公園駐車場~赤城山頂駅記念館(90分)
利平茶屋森林公園駐車場 出発
トイレは冬季閉鎖で使えません。冬季はこの先の覚満淵付近や赤城ビジターセンターのトイレも閉鎖されているので、おのこ駐車場か大洞駐車場まではありませんのでご注意を。不安な方は携帯トイレを携行するとよいです。
赤城山頂駅記念館も、営業が4月~11月までです。
登山口はこちらがおすすめです。左の木の看板脇を進みます。
もうひとつ登山口があるようですが、個人的にはこちらのほうが分かりやすく、迷いにくいのではないかと思います。
ケーブルカー跡の階段です。階段のひとつひとつは低めですが、全体的には少し急な傾斜になっています。
赤城山山頂駅記念館まではルートが2つあります。上の画像は急な石階段の方です。
- ケーブルカー跡の石階段は、少し急ですが距離は短い。
- 迂回する山道の方は、比較的ゆるやかだが距離は長い。
赤城山頂駅記念館 サントリービア・バーベキューホールです。12月から冬季休業に入ります。営業している時期はラーメンやカレー、バーベキューセットなども堪能できます。
赤城山頂駅記念館~おのこ駐車場(30分)
山頂駅記念館から大沼方面です。ここからでも良い景色を見ることができます。
覚満淵への入り口です。シカ侵入防止ネットが張られています。
覚満淵と木道です。大昔は大沼とひとつの湖であったとされており、小さな尾瀬とも言われる湿原です。木道などを歩いて30分くらいで一周することができます。
おのこ駐車場~駒ヶ岳・黒檜山登山口(5分)
駒ヶ岳・黒檜山登山口です。おのこ駐車場の近くにありますので、駒ヶ岳や黒檜山へ日帰り登山の人はおのこ駐車場に車を停めるのがおすすめです。蕎麦屋や土産屋店もあります。
駒ヶ岳・黒檜山登山口~鉄の階段(30分)
駒ヶ岳は木の階段が多いです。
鉄の階段もあり、ひとり分の幅しかないので、前から人がこないか確認しましょう。
鉄の階段~駒ヶ岳山頂(30分)
最後の鉄の階段が終わり、視界が開けました。木のベンチが2つあるので少し休憩できます。
この日は登山道の霜が溶けて、泥が登山靴にへばりついていました。
駒ヶ岳頂上です。
駒ヶ岳山頂から。良い天気で素晴らしい景色でした。
駒ヶ岳山頂~黒檜山山頂(50分)
黒檜山へ向かいます。雪が降ったのか木の階段にうっすら積もっていました。滑る可能性もあるので注意。
大タルミです。あと黒檜山まで800m。
木の長い階段が続きます。
途中、花見ヶ原キャンプ場方面に60歩進むと絶景スポットがあります。
このまま花見ヶ原キャンプ場方面に進んでいくと、背丈ほどある笹薮が続く場所があるので、もし行かれる方は手袋などを持っていると良いかもしれません。
今回は花見ヶ原キャンプ場ではなく、黒檜山を目指します。
絶景スポットです。
黒檜大神、鳥居と石碑です。
黒檜山頂上です。ここが頂上ですが、さらに奥へ行くとまたもや絶景スポットがあります。
絶景スポットです。大沼が見えます。
風がとても冷たいため、ダウンなどの防寒着が必要です。
黒檜山山頂~黒檜山登山口(60分)
黒檜山頂上から黒檜山登山口まで下山中です。
少し急な下り坂で、岩がゴロゴロしているので足の置き場を考えながら下ります。途中ぬかるんだ土ですべりやすくなってました。
登山道に慣れていない方は、黒檜山登山口から登って駒ヶ岳へ行くコースが楽かもしれません。
下りの途中にて。アンテナ山とは地蔵岳のことです。
今日はあいにく富士山が見えず。
山頂にアンテナが。
下りを終えて黒檜山登山口に着きました。これから道路を歩いて赤城山キャンプ場に向かいます。
黒檜山登山口~赤城キャンプ場(15分)
赤城山キャンプ場です。トイレや水場、かまどがあります。この設備で使用料が無料です。
テントを設営しました。早めに就寝して明日に備えます。
冬の赤城山の気温
この日の群馬県前橋市の気温は気象庁の記録によると、日付が変わって12月2日の1:00で7.0℃、同日の朝方7:00で2.9℃(最低気温は2.7℃)です。12月2日だけかなり気温が下がりました。
キャンプ地での気温は、だいたい-1.1℃~-5.4℃となります。赤城キャンプ場は標高約1350mの高さにあるので、平地よりも8.1℃前後下がります。また、底冷えや風、発汗による寒さを考慮するとより体感温度は下がっていたはずです。
テント泊の防寒対策
シュラフは今回、モンベルのダウンハガー800#3を使用しました。しかし、このシュラフはリミット温度が-2℃なので、この日の気温状況であれば#2以上のシュラフが適正かと思います。寒さが苦手な方は特に、温度を十分に見積もることをおすすめします。
シュラフの下はモンベルのU.L.コンフォートシステム エアパッド180と防寒シートを使用、テント下にはモンベルのグラウンドシートを敷いていました。
個人的には薄めのダウンを着て、両足をザックに入れるなどして問題なく眠ることができました。しかしながら、今思うとシュラフの選択は#2以上のもので、他にも防寒対策はもっとすべきだったと、反省の残るテント泊となりました。
今回使用したザックはカリマーのクーガー 55-75です。大きめのザックで足を寒さから守ってくれて快適でした。
今回テント泊用品や食料、衣類など、そのほか諸々を詰めてもまだ余裕があります。
ウエストベルトとハーネスがしっかりしているので体の負担を分散。行動中もバランスをとりやすく、収納も多いのでおすすめのザックです。
<2日目>赤城山キャンプ場~赤城山頂駅記念館(50分)
次の日は赤城キャンプ場から赤城山頂駅記念館まで歩いていき、ケーブルカー跡を迂回するルートへ。
画像は記念館駐車場で撮影しました。
赤城山頂駅記念館~御神水(25分)
ケーブルカー跡の階段を降り切ったあたりに「御神水」という立札があります。登山コースから外れてしまいますが、立札の先には下りのパイプの階段があり、さらに進むと小屋と湧き水があり、それが御神水とのこと。
御神水~利平茶屋森林公園駐車場(60分)
利平茶屋森林公園駐車場に戻りました。
1泊2日登山終了です。
今回はテント泊で赤城山を満喫しましたが、車を登山口近くで停めて日帰り登山を楽しみ、赤城神社にお参りをしたり、お店でお蕎麦を食べたりといったプランも素敵だと思います。自分に合う、楽しい登山プランを立てましょう!