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鎌倉アルプス|建長寺からの天国ハイキングコースの所要時間や服装もご紹介!

今回は都市部から程近く、手軽にハイキングを楽しめる場所として人気の高い、鎌倉アルプスを建長寺から歩く天園ハイキングコースをご紹介します。

鎌倉アルプスとは

鎌倉は言わずと知れた神奈川県の観光スポット。歴史的建造物が多数所在しているほか、東北西の三方向を山に囲まれ、南面が海に面しています。登山としてはハイキングコースが多く、登山後の観光も楽しい、初級者向けのエリアとして人気が高いです。

鎌倉のハイキングとしての特徴

神奈川県内では特殊な地形と歴史を有している鎌倉は、登山においても楽しみ方が豊富にあります。
市街地を取り囲む山々はハイキングコースとして整備されており、源氏山、祇園山、衣張山など、鎌倉の自然と歴史を同時に楽しめる気軽に楽しむことができます。

鎌倉はハイキング以外にも魅力がいっぱい

初めての登山は本格的な山域に連れて行ってもらうのも良いですが、登山以外の楽しみも豊富にある場所の方が、1日に充実感は高くなるといえます。天候が悪ければ眺望は見込めず、道が濡れれば怪我をする恐れも高まるため、初登山で苦い経験をしてしまうと、どうしても足が遠のいてしまいます。

鎌倉は社寺が多く、また鎌倉時代以前の遺跡といったスポットもあり、日本の歴史をギュッと凝縮されたエリアです。こうした観光名所にもハイキングと合わせて楽しむことができるうえ、各所に雰囲気のあるグルメスポット、土産物などもハイキングの記念として楽しむことができるでしょう。

鎌倉の天園ハイキングコースとは

アジサイでも有名な建長寺から南東方向にある瑞泉寺までを繋ぐルートが天園ハイキングコースとして整備されており、鎌倉市内のハイキングでは最も歩き応えがある道です。
鎌倉で最も高い159mの大平山を通るため、眺望も優れています。

天園ハイキングコースの特徴

市街地を取り囲んでいる山々ですが、標高と比較して距離は長いため、一度稜線に上がれば緩やかな稜線歩きになります。とはいえ、稜線に上がるまでは短いながらも勾配はあるので歩き応えがあるでしょう。

稜線までの標高差が高く勾配が急だとその分下山時のリスクも高まり難易度も上がりますが、鎌倉の山はそうした危険も登山での視点で見れば比較的少ない上に、登山の楽しみである稜線歩きを気軽に楽しむこともできます。

しかし、谷間や日の差し込まない場所の地面は常にぬかるんでおり、特に下山時は滑りやすく転倒の危険性が高まりますので注意が必要です。

天園ハイキングコースは最高標高が大平山の159mと低く、主要な登山口は観光スポットや社寺が多いですが、住宅地にひっそりと構えられている場所もあり、ハイキングコースは地元の方であれば生活圏内にあり、自然が非常に身近に感じることができます。

低山ハイキングの注意点

鎌倉を含む低山のハイキングはつい軽装で訪れがちになりますが、それでも遭難、遭難未遂の事例は報告されています。低山ならではのリスクを把握してハイキングを楽しみましょう。

天園ハイキングコースの登山口までのアクセスは2通り

建長寺側からのアクセス

スタート地点として利用者の多い建長寺へは、電車ではJR横須賀線の北鎌倉駅、もしくは鎌倉駅から建長寺に向かいます。両駅から建長寺まで歩いて行けますが、路線バスも出ています。

瑞泉寺側からのアクセス

瑞泉寺方面へは、鎌倉駅より鎌倉宮行きの路線バスが出ており、こちらで終点まで乗り、以降は徒歩移動になります。瑞泉寺、獅子舞の2つの登山口を選ぶことができ、特に沢沿いを通る獅子舞は陽があるうちが綺麗で見応えがあるので、こちらを選んでも良いでしょう。

POINT

建長寺境内を通るので、拝観料500円が必要になります。
境内を通らずに行きたい場合は、各所に点在する登山口からハイキングコースにアクセスすることも可能です。

天園ハイキングコースの服装や持ち物

本格的な登山装備は不要ですが、足元はグリップしやすいハイキングシューズ、レインウェア、もしくは傘を携行し、現在地を特定できる地図(書籍やウェブ上でダウンローできるマップ)やライトを持っておきましょう。

天園ハイキングコースのトイレ情報

トイレは鎌倉駅と北鎌倉駅、建長寺境内などで利用できます。鎌倉駅スタートであればコンビニやスーパーも多数あります。
コース上では大平山頂上付近にトイレが設置されています。

鎌倉アルプスの天園ハイキングコース情報

鎌倉駅~建長寺20分

鎌倉駅をスタートすると、商店が軒を連ねる賑やかな小町通りと、大通りの段葛のいずれかを通って鶴岡八幡宮を目指します。今回は段葛を通っていきます。
大通りにもお店があるため、情緒を味わいながら品物選びも楽しめ、小道を入れば喫茶店があったりと、登山後の楽しみを想像しながら歩いていきます。

鶴岡八幡宮を過ぎると正面の鳥居から左に折れ、建長寺方面に向かいます。途中までは境内を通るほうが安全なので、利用すると良いでしょう。
建長寺までの坂を登りきり、間もなく下れば建長寺に到着します。

建長寺~半増坊20分

建長寺境内に入ると、天園ハイキングコースの案内表示があるので、それに沿って進んでいきます。時間があれば境内を散策していくの良いでしょう。

境内を進んでいくと鳥居くぐり、半増坊への階段を登ります。急な階段なので、呼吸を整えてゆっくり登りましょう。

振り返ると鎌倉の市街地と由比ガ浜が望めます。

ここからの景色が好きで、境内を含めた歴史建造物は今昔変わらぬものとして、自然が魅せる景色は好きですが、人が作り出した景色も味わい深く、そこに現代の風景が混ざり合う、タイムスリップした感覚はとても面白い感覚です。

半増坊~大平山40分

半増坊以降は整備されたハイキング道が続きます。

若干のアップダウンがあるものの、気にすることなく快適な登山道となっており、遠方には横浜の象徴であるランドマークタワーも視認できます。

エスケープルートも各所にあり、住宅街や社寺に降りることも可能です。

(4方向に向かえる分岐。エスケープで2ヶ所の登山口に降りられる)
神奈川の都市圏である横浜が至近にありながら、こんなにも身近に自然が残されていることは、実際に歩いてみるからこそ得られる新鮮な発見です。

POINT

ルート上には明確な道標が設置されていて道迷いの心配はあまりありませんが、それでも歩くのに夢中でいると、視界が狭まり道標を見失うことがあります。

見失う上に一見道と思える場所を進んでしまうと、そのまま遭難してしまう可能性があります。
道に迷うと足場が悪くなり、進むことも戻ることもできなくなるので、低山といえども侮らず、周囲の状況(安定しない足場、道幅が狭く視界も悪い、踏み跡もないなど)をよく確認しましょう。

頂上直下は勾配が急で、鎌倉特有のぬかるんだ地面なので、足元には十分に注意して登りましょう。

頂上は段差のある歩きやすい岩場と広場がある、休憩には丁度よい場所です。

POINT

鎌倉にはトンビが飛んでおり、おにぎりやパンなど、手に持って食べていると突然後ろから飛来し、食べ物を奪われます。
私も何度か襲われたことがあり、開けた空にトンビが確認できる場合は警戒し、予防策を取ります。
木々などトンビが狙えない場所で食事を摂るか、手に取らない物を選ぶ等しておきます。

大平山~獅子舞登山口20分

大平山を過ぎ、下山を開始します。大平山以降はまずゴルフカントリークラブを横目に通り、少し登ると大きな広場に出ます。

ここの広場はかつて茶屋が営業されていましたが、営業を終えていたようです。
休日にはよく賑わっており、鎌倉ハイキングの名物ともいえる場所でした。

広場を通り過ぎ、瑞泉寺と獅子舞の分岐に着きます。
(右手が獅子舞方面、正面奥は瑞泉寺へ)
今回は獅子舞に歩を進めます。

獅子舞ルートは樹林帯と沢沿いを辿るコースで、源頭部から流れる沢は、小さな沢登感覚を楽しめ、静かな沢音は疲れた心身を癒してくれます。晴れた日の獅子舞ルートは、都市部に似つかわない渓谷美を味わえるので、とてもオススメです。

ルートは突然終わりを迎え畑に出ると、そのまま住宅街へ道が続きます。

獅子舞ルート~鎌倉駅15分

住宅街を進むと瑞泉寺との合流地点につき、そこから5分ほどで鎌倉宮に着きます。鎌倉駅まではここからバスに乗るか、徒歩の場合は鎌倉宮前の直線を進み、岐れ路交差点を鶴岡八幡宮方面に進みます。交差点から鶴岡八幡宮までは10分ほどです。

まとめ

歴史、山、海、グルメなど、鎌倉には老若男女を問わない魅力に溢れています。鎌倉での登山、ハイキングは単独でも楽しいですが、ご家族やカップル、友人同士などで歩くことで自然を楽しむ気持ちを共有し、観光もしながら充実した1日を過ごすことができます。
アクセス良好、気軽に楽しめる鎌倉の自然を、是非堪能してみてください。

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