大雪山 トムラウシ山・十勝岳・幌尻岳

旭岳の登山ルートを初心者から難易度別に日帰りコースを厳選してご紹介!

日本百名山のひとつである「大雪山」。実はこの大雪山、一つの山ではなくいくつかの山の総称だということ、知っていましたか。
大雪山の主峰「旭岳」は標高が2,291mあり、北海道で一番高い山。この高さに魅せられてこの山を訪れる登山客も少なくありません。5合目まではロープウェイが通っており、登山初心者やファミリーもチャレンジできる山として人気があります。
今回は、初心者から上級者まで楽しめる旭岳登山のコースを紹介します。

旭岳ってどんな山?

大雪山のひとつ「旭岳」。いったいどんな特徴をもった山なのでしょう。旭岳を説明するときに役立つ3つのキーワードを紹介します。

旭岳は北海道最高峰

旭岳は「北海道の屋根」と呼ばれる大雪山系の最高峰。標高は2,291mを誇ります。今も火山活動がさかんで、ところどころに噴煙をあげる姿が見られ、大地の息吹を感じることができます。そのため、旭岳山麓には旭岳温泉があり、温泉を楽しめる施設が数多く点在します。
また、北海道で一番高い山とあって、北海道内からだけでなく日本全国から多くの人が訪れる人気の高い山です。

旭岳はロープウェイがあり登山初心者も安心

旭岳は北海道一の高い山ですが、5合目までロープウェイが運行されています。旭岳山麓駅(標高1,100m)から姿見駅(標高1,600m)までわずか約10分。そのため、登山初心者やファミリーでも日帰り登山が可能で、人気の山となっています。
旭岳を中心とした大雪山は紅葉の名所としても有名。紅葉の時期はロープウェイもかなり混雑します。

旭岳の姿見の池

旭岳を訪れる目的地のひとつとして、姿見の池(すがたみのいけ)が挙げられます。姿見の池までは、ロープウェイの終着駅である姿見駅から歩いて30分ほどで到着。手軽に訪れることができることもあり、観光客のほとんどはこの池を目指してやってきます。
風のない日には、青く澄んだ湖面に旭岳が写るシーンはなんともフォトジェニック。木々の緑と広い青空が映える夏、紅葉の赤と池の青のコントラストがなんともいえない秋は、特に人気のスポットです。

旭岳登山のベストシーズンは?

夏の大雪山旭岳

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花の百名山としても選ばれている大雪山。旭岳は標高が2,291mですが、本州より高緯度に位置しているため、環境は本州でいう3,000m級の山に匹敵します。本州では3,000m級の山々で見られるチングルマやコマクサなどの高山植物も旭岳周辺で見ることができます。
また、エゾノツガザクラやエゾイワツメクサなどの北海道固有の高山植物も多く、これらの花を見るためにやってくる登山者も多いとか。
高山植物を楽しむなら、姿見の池周辺や裾合平を通っての登山ルートがおすすめ。一番登山客が多い姿見の池から直接旭岳に向かうルートでは、姿見の池以降は、荒涼とした道を歩むことになります。

紅葉の大雪山旭岳

日本の紅葉は大雪山から始まる、といわれるほど紅葉の時期は早いです。その年の気温や天候の状況により変化しますが、8月下旬あたりから紅葉が始まり、10月中旬には終わりを迎えます。
紅葉といえば、一面真っ赤な紅葉を想像する人が多いのではないでしょうか。ここ大雪山系には、ナナカマドをはじめとする赤に変化するもの、シラカンバ(白樺)など黄色に変化するもの、エゾマツやトドマツなどの常緑樹が混在。紅葉の時期は赤、黄、オレンジ、緑といった様々なカラーが混ざり合ったなんとも幻想的な紅葉が楽しめるのが特徴です。

北海道の秋は短く、姿見の池では紅葉でも、旭岳山頂では雪景色、ということも少なくありません。登山前に天候状況を確認するとともに、秋でもしっかりとした装備を心がけてください。

難易度別!旭岳日帰り登山ルート4選

初めて旭岳にチャレンジする登山者、何度か訪れたことがある登山客も楽しめるように定番のルートから上級者向けまで、4つのルートを紹介します。自分にあったルート選びの参考にしてください。

旭岳のおすすめ日帰り登山ルート①

姿見の池散策ルート【難易度0】

旭岳頂上を目指さず、姿見の池を散策するルートです。一周およそ1.7kmで1時間もあれば回れます。散策路として整備されているので、スニーカーでも大丈夫。また、一周ぐるっと回るコースなので、スタートからゴールまで違った景色を楽しめるのもポイント。

ロープウェイを使って姿見駅へ

旭岳山麓からは5合目の山麓駅までロープウェイがあります。このロープウェイのおかげで、北海道の最高峰に多くの人が訪問できるようになりました。片道約10分の空中散歩を楽しみながら、5合目を目指します。
【旭岳ロープウェイの運賃】
運賃や運行スケジュールはシーズンによって変わります。詳しくは、大雪山旭岳ロープウェイのホームページを確認してください。

シーズン(10/21~5/31)

大人
(中学生以上)
  小学生  
往 復 1,900円 950円
片 道 1,300円 650円

※未就学児は大人1名につき1名無料

トップシーズン(6/1~10/20)

大人
(中学生以上)
  小学生  
往 復 2,900円 1450円
片 道 1,800円 900円

※未就学児は大人1名につき1名無料

【旭岳ロープウェイの運行スケジュール】
・トップシーズン(6/1~10/20)→毎時00分、15分、30分、45分の15分間隔で運行。
・それ以外の時期→毎時00分、20分、40分の20分間隔で運行。            
・繁忙期は臨時便もあります。

大雪山旭岳ロープウェイ

姿見駅から第3展望台へ

姿見の池散策路には、いくつかの展望台があります。姿見駅から10分ほど歩いたところにある第3展望台近くには、「夫婦池」とよばれる2つの池が出現。正確には、「鏡池」と「擂鉢池」といい、そのまわりには高山植物も多く見られます。

第3展望台から姿見の池展望台へ

第3展望台から徒歩約20分で姿見の池に到着。雄大な旭岳を目の前にして圧倒されそうなスケールの眺望です。晴れて風がない日には、エメラルドグリーンに映る「逆さ旭岳」が見られるかもしれませんよ。

姿見の池から姿見駅へ

雄大な旭岳とそれを映し出す姿見の池を堪能したら、高山植物を眺めながらスタート地点の姿見駅に向かいます。シマリスがよく見られるポイントもあるので、見かけたらラッキー!

旭岳のおすすめ日帰り登山ルート②

姿見の池から頂上ルート【難易度★】

最もポピュラーな登山ルート。ほとんどの登山者はこのルートを使うといってもいいでしょう。姿見の池までは姿見の池散策ルートと同じ道を通ります。

姿見の池から登山道分岐へ

姿見の池を過ぎたら、避難小屋である旭岳石室を横にして、登山道に入ります。なだらかな道はここでおしまい。いよいよ北海道最高峰へ!

ひたすら岩場を進む

登山道に入っても、しばらくは姿見の池や噴煙が上がる地獄谷を見ながらの登山。見るものがあると気もまぎれながら登れますが、ここからは2時間ほどの試練が始まります。最高峰を制覇するには苦労も必要といったところでしょうか。

岩や大きい石の多いガレ場をひたすら進みます。砂利も多く、足元も悪いため、体力の消費は想像以上。700mの標高差を埋めるかのように一気に登る急坂が続き、何合目かを示す看板等もなく、ただひたすら登ります。

しかし、一気に標高があがるので、休憩時にうしろを振り向いたときにここまで登ってきた!という密かな達成感を味わえます。くじけそうになったときは、ぜひ後ろを振り向いてくださいね。

金庫岩を越えていよいよ頂上へ!

頂上までは、どこまで登ってきたかという目印がほとんどない中、唯一の目印が金庫岩。名の通り、金庫のような四角い形をした大きな岩です。9合目を越えたあたりにあるので、これが見えれば頂上まではあとわずか!

旭岳山頂

そして、いよいよ北海道最高地点へ!難路を乗り越えたからこそ体験できる達成感を思う存分味わえます。頂上からは大雪山系の山々はもちろん、旭川方面の町も望めます。360°のパノラマが登頂を労ってくれているようです。

下りはニセ金庫岩に気をつけて!

(上がニセ金庫岩、下が金庫岩)
頂上からの景色と登頂の達成感を満喫したら下山です。来た道を戻っていくことになりますが、一点注意があります。
それはニセ金庫岩。金庫岩と似た形の岩ですが、過去にこの岩に向かって下山して起こった遭難事故が。現在はロープが張られていますが、特に霧の発生時など視界が悪いときは最新の注意を払ってください。

旭岳のおすすめ日帰り登山ルート③

天女ヶ原湿原経由ルート【難易度★★】

旭岳ロープウェイを使わないで、旭岳頂上をめざすルートです。ロープウェイを使用しない分、体力の温存ができません。よって、時間に余裕があり、体力に自信がある健脚者向けのコースとなります。
ロープウェイ姿見駅からは、紹介したルートと同じ道を通って頂上を目指すことになります。

旭岳登山口から天女ヶ原へ

旭岳ロープウェイの山麓駅の脇にある旭岳登山口がこのコースのスタート。登山ポストもあるので、登山届を忘れずに出しましょう。
天女ヶ原までの道のりのスタートは木道ですが、次第に砂利の道になります。開けているので明るい雰囲気の中、シナノキンバイをはじめとする花を眺めながらの登山となります。

天女ヶ原からロープウェイ山麓駅(散策道分岐)へ

夏の天女ヶ原湿原では、ワタスゲやエゾゼンテイカなどの花々が出迎えてくれます。天女も癒されたであろう湿原で、旭岳を眺めながらエネルギーをチャージしましょう。小休止のあとは、木道が古いので足元に注意しながら進んでいきます。

天女ヶ原を越えると、勾配がきつくなり、足元も悪くなってきますので、ご注意を。登山口から2時間半ほどで山麓分岐に出てきます。
ロープウェイができるまではこの道を使って旭岳を目指していたと思うと、旭岳がそう簡単に近づくことができない山だったことを改めて感じさせられます。

旭岳のおすすめ日帰り登山ルート④

中岳温泉と裾合平を通る周遊コース【難易度★★★】

旭岳登頂後、来た道を戻らずに、大雪山系のひとつ荒井岳や間宮岳、中岳を経由していくコースです。途中には、北海道で一番高いところにある温泉「中岳温泉」や日本最大級のお花畑が楽しめる「裾合平(すそあいだいら)」も。距離が長く、足場が悪いところもあるので上級者向けですが、大雪山のスケールの大きさを実感できるコースです。

旭岳頂上から間宮岳へ

旭岳登頂までは、姿見の池から登頂コースと同じルートをたどります。頂上からの景色を堪能した後は、来た道とは違って左手の道を進んでいきます。下り道は滑りやすいので気をつけて。下り終えると開放感あふれるルートを進んでいきます。30分ほどで間宮岳分岐に出ますので、左に曲がって間宮岳を目指します。

間宮岳から中岳経由して中岳温泉へ

右手に、過去の火山活動でできたカルデラであるお鉢平を眺めながらの稜線歩き。左には北海道第2の標高を誇る北鎮岳、右には北海道第3の標高の白雲岳も目に入ります。雄大な自然を感じながらしばらく進むと、中岳分岐に到着。左に曲がり中岳温泉へ。

中岳温泉から裾合平へ

北海道で一番高いところにある中岳温泉は北海道で一番難易度が高い温泉、北海道で一番行く価値が高い温泉とも。野趣あふれる天然の露天風呂で足湯を楽しみながら、今までの疲れを取るには最適。硫黄の香りが大地の活動を感じさせてくれます。

裾合平は日本最大級のお花畑

中岳温泉から裾合平までの道のりは明るく開けた道を進みます。裾合平は日本最大級のお花畑と称され、様々な高山植物の群落が。中でもチングルマの群落は目を見張るものがあります。

裾合平からロープウェイ姿見駅へ

裾合平で時を忘れる幻想的な景色を楽しみ、左手に旭岳を望みながら歩めばいよいよゴールへ。1時間半~2時間ほどで夫婦沼に出て、ロープウェイ姿見駅に。

下山の後は温泉で癒されよう!

下山後はやっぱり温泉。旭岳の火山活動の恩恵である旭岳温泉が楽しめます。ロープウェイ山麓駅には日帰り入浴もできる温泉施設がたくさんあります。

施 設 名 営業 時間  価 格 
湯元湧駒荘 11:00~20:00 大人  800円、小人 350円
ラビスタ大雪山 14:00~19:00 大人 1,500円、小人 750円
旭岳温泉ホテル
ベアモンテ
12:30~19:00 大人 1,080円、小人 490円
大雪山白樺荘 13:00~21:00 大人  800円、小人 400円

いざ、北海道の最高峰へ

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北海道のてっぺん

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北海道の最高峰「旭岳」。決して楽には登ることのできない山ですが、その分登ったときの感動は大きいこと間違いなし!てっぺんから眺める景色はきっと忘れられないものになるでしょう。
かつてはアイヌ語で「カムイミンタラ(神の遊ぶ庭)」といわれた大雪山。神々も集うほど美しく、雄大な自然あふれる山々からのパワーを受け取りに行きませんか。ロープウェイも上手に使って、目的と自分の力に合ったコースで、ぜひチャレンジしてみてくださいね。