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福岡の宝満山の登山ルートを解説!アクセスや近くの温泉もご紹介!

福岡県民のソウルマウンテン、宝満山。
標高829mの低山ですが、いろんなルートがあって、山伏の修験道の聖地として歴史も深い名山です。今回は、宝満山の登山情報やアクセス、登山口付近のおすすめの温泉情報を、ご紹介いたします。

福岡県の宝満山とは

標高829メートル、福岡県の筑紫野市と太宰府市に位置する宝満山(ほうまんざん)。福岡市内からのアクセスもよく、東京の高尾山のように、福岡県の多くの登山者に愛され続けている山です。古くから三笠山(みかさやま)、竈門山(かまどやま)と呼ばれ、神が降り立つ山として崇められてきました。山伏の修験道の聖地でもあり、国の祭祀(感謝や祈り、慰霊や鎮魂のために神々や祖先をまつること)が行われてきた信仰の山「霊山」としての歴史もあります。宝満山が、太宰府政庁の鬼門の方向にあり、鬼門封じの役目があるといわれ、空海や最長も宝満山に祈祷に訪れたといわれています。

宝満山の麓には、主祭神に玉依姫命(たまよりひめのみこと)をお祀りしている、縁結びで人気の竈門神社があります。山頂が竈門神社の上宮となっていて、登山道の途中には、中宮跡地などの遺跡を見ることもでき、いにしえの歴史を感じながら、登山を楽しむことができる神秘的な山でもあります。

宝満山登山のオススメの時期

秋の宝満山

宝満山は、植生が豊富なので四季を通して楽しめますが、特にオススメは、秋と冬です。秋は、紅葉が美しく、竈門神社を彩る紅葉を楽しむために多くの観光客が宝満山を訪れます。

冬の宝満山

冬は、宝満山の冬の風物詩でもある「難所ヶ滝」(標高724mに位置する)を見ることができます。1月から2月頃までの間の寒気が強まる時期に、雨や雪解け水が山肌をつたいながら凍って氷結し、高さ20メートルもの見事な大つららが生まれます。これが、河原谷の大つらら、通称、難所ヶ滝です。毎年この時期には、難所ヶ滝を見ようとたくさんの登山客で賑わいます。この時期は、山道も途中から雪が深くなっているのでアイゼンが必要です。

宝満山の登山時の服装

宝満山を登る際には、きちんとした登山スタイルがいちばんのベストです。ジーンズやスニーカーで登っている方もたまにいらっしゃいますが、足元がすべりますので、最低限の登山の服装は必要です。標高829メートルの低山なので、春、夏、秋口あたりまでは、軽めのトレッキング・ハイキングスタイルでも十分です。

宝満山の登山にかかる時間・難易度

宝満山は、初心者・中級者向けのコース。歩くスピードなどで違ってきますが、登り2時間30分、下り2時間、合計4時間30分くらいかかります。写真をとったり休憩をはさむなどゆっくり楽しむ場合は、5時間弱くらい見ておいた方がいいですね。

子どもにもトライできる登山道なので、家族連れの登山客も多く見られます。頂上付近に岩が多く急斜面になりますが、それ以外は初心者でも歩きやすく、緑に囲まれた気持ちのいい登山道です。

宝満山の登山口までのアクセス・駐車場&トイレ情報

宝満山は、太宰府天幡宮の近くに位置し、福岡市内からもアクセスがしやすいロケーションです。

車の場合は、太宰府ICを降りて約8km(約25分)で竈門神社に着きます。竈門神社前には100台収容の有料駐車場(400円)があります。時間制限はありません。

電車の場合は、太宰府天幡宮近くの西鉄太宰府駅前のバス停から、太宰府市のコミュニティバス「まほろば号」の内山行きに乗ります。太宰府駅から登山口の竈門神社(バス停:内山)までは約10分。料金は100円で、7時から19時ごろまで1時間に2本のバスが走っています。足の疲れる登山ですので、公共の交通機関をお勧めします。

また、太宰府天幡宮から歩いて竈門神社へいく方法もあります。太宰府八幡宮の参道を通って、本殿裏を通り抜けて歩くと、約30分で竈門神社にたどり着きます。登山のウォーミングアップとして、太宰府天満宮を楽しみながら、歩いていくのもいいですね。

トイレですが、竈門神社の敷地内にトイレがあります。
今回のルートの場合は、途中のトイレがないので、要注意です。

宝満山おすすめの登山ルート

今回ご紹介するコースは、竈門神社〜行者径〜山頂〜難所ヶ滝〜昭和の森です。
登りと下りの発着地点が違うので、公共の交通機関の利用をお勧めします。

登山口~鳥越峠~中宮跡

登山口である、竈門神社へ。鳥居をくぐり、階段を上っていくと、本殿が見えてきます。本殿の横には、竈門神社のお札やお守りの授与所があります。建物がスタイリッシュで、お守りも女心をくすぐる、おしゃれでかわいいデザインがいっぱいです。

この授与所は、創建1350周年を記念して改築され、世界的なインテリアデザイナーである片岡正道氏がデザインを手がけている、人気のスポット。登山バッチも売ってあるので、ここで、お守りを買ったり、本殿で安全を祈願している登山客も。

本殿から左に下ります。車道にでて、山の図書館やお蕎麦屋さんを通過。しばらく進むと、鳥居が目印の正面道があります。この正面道は、宝満山を登る登山客の7割、8割の人々が選ぶルート。

九州自然歩道でもあり、石段が続いて、整備された道なので安心、安全ですが、今回は、この正面道の途中から右手の脇道に入って、行者経由のコースを選びました。

行者経コースは、正面道のように整備されていない分、ワイルドで野趣あふれる山道を楽しむことができます。落ち葉のさくさくっとした踏み心地や、獣道のスリリングさを味わうことも、登山の醍醐味です。

はじめは、緩やかな歩きやすい登山道が続きます。
途中でちょっとした広場で手作りのベンチが置かれた鳥越峠があります。ここで給水をして、行者径へ進みます。

行者径へ入ると徐々に獣道に変わってきます。後半は急勾配の道が続き、11月下旬だったにもかかわらず、汗を掻くくらいのハードでした。大きな岩も見えてきて、岩に手をかけながら登ります。

中宮跡~宝満山山頂

行者径をかれこれ1時間30分ほど歩いていると、左手に石段の道がみえてきます。これは、正面道。そろそろ行者径と正面道との合流地点、中宮跡が近づいているのがわかります。

しばらくすると、ひらけた場所に到着。大きな石碑がそびえ立つ、中宮跡です。ここにもベンチがあって、山頂までの最後の休憩をする登山者が多く、行動食を食べたり、登山者同士で話を弾ませたり、憩いの場でもあります。

中宮跡で一息ついてから、最後の登りです。登りの後半は岩場の多い急斜面が続きますが、約30分ほど登ると石の階段が見えてきます。この階段を登ると、山頂に到着です。

宝満山の山頂の風景

山頂にたどり着くと、すぐ右手に竈門神社の上宮の祠が鎮座しています。無事に山頂にたどり着いたことへの感謝と下山の安全を祈ります。

山頂は開けていて、360度のパノラマビュー。天気がいい日は、大分の普賢岳と昭和新山、宗像の沖ノ島まで見え、絶景を見ながらランチタイムが楽しめます。登山者ならではの贅沢な時間です。

山頂~仏頂山~河原谷コース

山頂から、昭和の森へ下ります。鎖場などのハードルを越えながら程なくして仏頂山の山頂に到着。仏頂山は標高869mで、宝満山より36m高い山です。見晴らしはよくないですが、お地蔵さんがお出迎えしてくれます。

河原谷コース~難所ヶ滝付近~昭和の森

岩がごろごろで浮石があったり、枯葉の絨毯に足をとられたり、河原谷コースの下りはそんなに急でないですが、集中と緊張が必要な道が続きます。ロープが張ってあったりと、要所要所で整備してあるため、ストックがなくても無理なく下れます。

途中、河原谷の大つらら、通称、難所ヶ滝の近くを通ります。冬は、難所が滝を目指して河原谷コースを利用する登山客が多くなります。2時間ほど下ると、なだらかな林道が続き、昭和の森へゴール。

昭和の森の入り口には、山小屋風のナチュラルなカフェ「ぎんが倶楽部」があって、山の疲れを癒してくれる、美味しいコーヒーやぜんざいがいただけますよ。

昭和の森からの帰りのアクセス・駐車場&トイレ情報

昭和の森から歩いて約20分のところに、西鉄の障子岳バス停があります。そこから、天神方面への直通のバスがあるので、福岡市内の方は安心ですね。

JRをご利用の方は、JR宇美駅までの路線バスもあります。ちなみに、福岡市内まではおよそ1時間かかりますので、バスでゆっくり一眠りして帰れます。

昭和の森には、広い駐車場があります。ここから、宝満山を登る人も多いので、登山客の利用も多いです。

駐車場の奥に、トイレがあります。時々、トイレットペーパーがないこともあるので、トイレットペーパーはぜひ携帯をオススメします。

法満山付近のオススメ温泉

登山の後の楽しみといえば、やっぱり温泉です。
宝満山の近くの温泉をご紹介します。

都久志の湯(つくしのゆ)

竈門神社のバス停から徒歩5分。一番近い温泉です。天然温泉ではないですが、内湯、露天風呂、サウナも完備。8つある家族風呂は、それぞれの作りが違って面白いですよ。宝満山登山客が利用する温泉で、一番多い温泉ではないでしょうか。

都久志の湯

二日市温泉 天然温泉 博多湯(はかたゆ)

竈門神社から車で約20分。JR二日市駅、西鉄二日市駅から徒歩で約10分〜15分の、二日市温泉も人気の温泉です。なかでも博多湯は、源泉掛け流しです。泉質は単純温泉(低張性弱アルカリ性高温泉)で少しトロトロと感じます。地元の常連客も多く、大人300円とお値段も良心的です。

博多湯

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