天狗岳冬の黒百合ヒュッテルートへ登ってきました。ニュースでは、今年最大の寒波が来ると言われていたので、天候が心配だったのですが、驚くほどの快晴。
非常に気持ちのいい登山になりました。こちらのコースガイドと装備品などを解説いたします
天狗岳とは
天狗岳は八ヶ岳の中でも北部に位置する山。日本二百名山の一つとして知られています。
東天狗岳(2,640m)と西天狗岳(2,645.8m)の2つが連なる形で存在しています。
西天狗岳は北八ヶ岳の最高峰で、なだらかな北八ヶ岳の中では傾斜のきつい山になっています。
冬の天狗岳の難易度は?
難易度としては初級から中級の登山となります。冬は中級者向けと考えておくと良いでしょう。アイゼンやピッケルを何度か使ってみて、慣れてきたら挑戦しよう、というくらいのレベルになります。
アクセスがしやすいのと、通年の山小屋があるので、冬でも登山客が多いです。ほかグループのラッセルがついていることがあるので、その場合は難しくありません。
天狗岳の登山口までのアクセス
黒百合ヒュッテルートの場合、渋御殿湯に車を停めて山に入ります。渋御殿湯にはまず長野県茅野市まで行った後、奥蓼科温泉郷へと至る道を通って向かう必要性があります。
東京方面から……諏訪南IC─八ヶ岳エコーライン─湯みち街道
名古屋・関西方面から……諏訪IC─茅野─湯みち街道
こちらの道に関しては、夏であれば問題はありませんが、冬季は路面凍結の危険性があるほか、大量に積もることもあるので注意が必要です。
また、HPなどにもその注意については詳細に述べられていますが、時には2WD車では渋御殿湯までのアクセスが困難なこともあり、その際は手前の無料駐車場などで止める必要があります。
公共交通機関は、きわめて少ないです。予約制のバスのみが茅野駅から運行しているので、車での移動がおススメです。
渋御殿湯駐車場に関しては1日1000円です。まず渋御殿湯のフロントに行ってから駐車場を案内してもらってください。
冬の天狗岳の服装や装備
今年は雪が少なくて、あまりしっかりとした雪山に登っていなかったのですが、久しぶりにがっつりとした雪山。なので、かなりしっかりとした装備を持っていきました。天狗岳は標高が高いので、GWぐらいでも安全のために、チェーンスパイクの携帯をおすすめします。
・ゴーグルまたはサングラス……雪の反射がきついです
・帽子
・目出し帽……この山域では目出し帽は必須です。理由は後述します。
・ネックウォーマー……薄手のものを持っていきました。
・手袋……ベース(プレスサーモ)、中間、外(もこもこしたもの)の3枚
・ジャケット上下
・ズボン
・パッチ……下半身にもしっかりと下着を履きます
・腹巻……冷えると胃痛がしやすいので、私は必ず持っていきます
・Tシャツ……化繊で乾きやすい物
・長シャツ……薄手の物とフリースの二枚
・靴下……薄手と厚手をかさねて
・登山靴……スカルパのベガ
・アイゼン……12本爪 グリベル
・他、冬キャンプセット
冬の天狗岳の登山ルートを解説
登山口~黒百合ヒュッテ(2時間30分)
2時間半程度です。基本的には、だらだらとした登りが序盤は続きます。
その後、平坦な場所をしばらく歩き、一旦少し下った後、また登りがあり、黒百合ヒュッテへと至ります。基本的に困難な箇所はありませんが、注意していきましょう。また、入り口に登山届を受け付けている箇所も存在します。
ヒュッテ~東天狗岳山頂(2時間)
黒百合ヒュッテから東天狗岳山頂までは、長くとも2時間ちょっとで到着することができます。
中山峠まではヒュッテから5分程度で着きますが、そこからは登りとなり、岩稜帯を通過します。その後、天狗の奥庭と呼ばれる場所を通過し、急登を登った後、稜線を通って山頂に至ります。
- 初心者向けポイント
厳冬期であれば、基本的に積雪箇所を登っていく形になりますが、岩と雪がミックスした箇所なども存在します。アイゼンを履いている場合、岩場では滑りやすいので、足元に注意が必要です。
東天狗岳からは360度の絶景が広がります。
東天狗岳~西天狗岳山頂(45分)
地図上では45分程度で東から西の山頂へと至ることができます。基本的には厳冬期であれ、夏であれ、ルートが変わる事はありません。
ただし、冬であれば、強風時には東天狗岳のみで登山口まで戻っていく人も多いです。その場合、ラッセルを強いられる場合もあります。私は今回、みぞおちまでの雪をラッセルして進みました。
- 初心者向けポイント
稜線には、風の影響で地面よりも風下側にせり出した積雪部ができていることが多いです(雪庇と呼ばれます)。雪があるからと安心して足を踏み出すと、実は地面がありませんでした、ということにならないように、注意しつつ登っていきましょう。西天狗岳を正面にし、基本左手側にルートを取ってください。
そうすると、夏道の分岐が左手にありますので、そこをジグザグに登っていけば、山頂に到達することが可能です
山頂は大変に広く、眺望もあり、また山スキーなどをされる方も多く存在します。
西天狗岳山頂~登山口(4時間程度)
今までに紹介してきたルートを戻ることとなります。厳冬期に関しては、天狗の奥庭付近で道を見失うことが多いため、注意が必要です。
また、分岐もいくつか存在するため、しっかりと地図で確認をしながら降りてください。
下山に関しては合計で3時間半から4時間程度を見込んでおけば良いでしょう。
今回、私は黒百合ヒュッテにテントを張って前泊しましたが、未明に登山口を出発するなら、日帰り登山も可能な山です。
冬の天狗岳登山で注意するポイント
天狗岳は北八ヶ岳の最高峰としても知られ、その風景の良さとアクセスの良さから年間を通して多くの登山者が訪れる山として知られています。
冬の天狗岳登山は目出し帽が必須
ただ、注意すべき点としては、天候が荒れた場合、風が大変に強くなります。実際、何度か登頂経験がありますが、黒百合ヒュッテから先、中山峠を超えると、ハイマツ帯を通過することになるため、風を遮るものが一切無くなるため苦労する事も多いです。
なので、目出し帽が必然的に必須になってくるほか、低体温症などでの遭難者も多々報告があるため、決して無理をせず登山を行うようにしてください。風下についた雪の形が、風の強さを物語っています。
冬の天狗岳登山は道迷いの危険もある
また、濃霧時などは天狗の奥庭では道迷いの危険性なども高まるので、コンパスを持っていく事も考えましょう(私は持っていませんでしたが……)。
天狗岳の宿泊施設
黒百合ヒュッテが年間解放されている山小屋として知られるほか、テント場が黒百合ヒュッテ前に存在しますので、年間を通して登山することが可能です。
今回は、一月下旬に登りました。雪の谷間になっていたため登りやすかったのですが、ふぶくと風が強くて困難になります。
喫茶営業時間8:00~15:00
売店あり
素泊まり :5,000円~+暖房費500円
テントサイト:1,000円
所在地 : 〒391-0013 長野県茅野市豊平 宮川8065-1
電話 : 090-2533-0620
天狗岳付近の温泉
奥蓼科温泉郷などに日帰り温泉があるほか、その他にも茅野市街に温泉があります。
松本、塩尻方面では、信州健康ランド、林檎の湯屋おぶーなどの設備もありますから、近隣の町でも温泉を見つける事は困難ではありません。
所在地 :〒391-0212 長野県茅野市北山5520−3
電話 :0266-67-2733
時間 :10:00~15:00
料金 :1,000円
公式サイト:渋御殿湯HP
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