御岳山から大岳山の縦走するコースはいくつかあります。中でも、最も選ばれているコースは、滝本駅から、御岳山駅までケーブルカーを利用して、御岳山を通り、大岳山まで足をのばすコースがスタンダードだと思われます。
帰りのポイントが同じになる場合、ピストンになるとつまらないという声もありますが、御岳山から大岳山への行くルートと帰りのルートを少し変えることが可能な縦走コースもあります。
これから、御岳山と大岳山を縦走される方のご参考にして頂ければと思います。
御岳山から大岳山への縦走コースの服装や装備の注意点
大岳山までの縦走をするなら、トレッキングシューズで臨むことをおすすめします。
御岳山周辺だけなら運動靴でも充分ですが、岩場や鎖場、木の根の部分を歩くとなると、スニーカーでは滑りやすいので危険だと思います。グリップが利くトレッキングシューズなら岩場での転倒防止にもなり、自然路を歩く際、負担がないでしょう。
登山をされる方は、装備が万全であることは前提ですが、岩場や鎖場が多い大岳山付近では、軍手が必需品になります。素手でも充分だと判断される方もいると思いますが、怪我防止のために装着しておくとよいでしょう。
御岳山から大岳山への縦走コースの難易度や所要時間
今回ご紹介するルートはピストンに近いルートですが、
滝本駅→御岳山→鍋割山分岐(アクバ峠)→大岳山→鍋割山→御岳山→滝本駅
となります。
距離にすると、7.6キロあり、標高差は337M、コースタイムは4時間30分ほどかかります。
難易度としては、登山道は決して険しい道はなく、御岳山周辺に関しては舗装されている道も多く、歩きやすいのですが、距離を考えた時、山道の7.6キロは少し登山に慣れた人が挑むものだと考えた方がよいでしょう。では、早速スタンダードな道をご紹介します。
御岳山から大岳山への縦走ルートを解説!
ケーブルカーで滝本駅から御岳山駅まではわずか6分という速さで到着します。体力を温存されたい方は、無理のないようにケーブルカーを利用するといいでしょう。
ケーブルカーを下りると、御岳平と言って、眺望を楽しめるエリアがあります。そして、武蔵御嶽神社へ行く参道へのアーチをくぐり、登山開始です。
武蔵御嶽神社を過ぎるまではアスファルトの道となっているので、歩きやすくところどころ眺望を楽しめる道が続きます。
武蔵御嶽神社を過ぎると、アスファルトではなくなります。とは言え、歩きやすい自然路が続き、鳥のさえずりなどを楽しみながら登山を楽しめます。たまに、ガサガサと音がなるので、運が良ければ森の生き物が活動している様子を見ることもできます。
また、夏場になるとサワガニを見ることもできます。
アクバ峠にさしかかると、滑落注意の看板が出現します。岩場も多くなるので油断してはいけない道となります。足の着地点を決め慎重に歩けば問題なくクリアできる道となっています。
鎖場も出現してきますが、慎重に歩けば問題ありません。鉄の鎖が繋がれている部分を目安に歩きます。
岩を乗り越えた先に山頂があります。両手を使って前傾姿勢で岩を登るような感じです。最後の難関で急坂となっているので慎重に登ることが大事です。
大岳山は、二百名山に選ばれているので、山頂からの景色は抜群です。眺望を遮るものがないということもあり、遠くの富士山を眺める事もできるので山頂には多くのハイカーがその景色を楽しみながら体を休めています。
山頂一帯は岩がいくつかありますが、腰を降ろして休憩するのにちょうどいいと言った感じです。
登りの時も通りましたが、大岳神社があります。中の神事物はホコリを被っていたり、手入れをこまめにされている感じはありませんが、10センチ四方の窓が開いており、窓の中には賽銭箱があり、御賽銭をいれるようになっていました。
大岳神社の正面には大岳山荘がありますが、現在は廃墟となっていて建物だけが残っている感じです。
昔は営業をされていたようで、山荘のとなりに眺望が楽しめるように作られたとみられるエリアがあります。
現在は立ち入り禁止となっているので、遠くから眺めるだけです。
鍋割山分岐点で、鍋割山と奥の院の道を選択すると往路を変える楽しみがあります。
大岳山は1266Mの標高に対して、鍋割山は1084Mですが、アクバ峠で鍋割山より下山する形になるので、鍋割山まで登りになる箇所もあります。
道は狭く、わかりづらい箇所や倒木もあるので、全くの初心者の単独には向いていません。慣れた人と登るか経験を積んでから登る事をお勧めします。
鍋割山は、次の目的地の途中にある山といった感じです。その為、眺望を楽しんだり多くの人が休憩できるような広い山頂ではありません。景色はそこまで悪いわけではありませんが、通過点に過ぎない山と言った印象があります。
そして、鍋割山から奥の院を目指して歩くのですが、岩場や木の根が多く健脚向けのコースとなっているので、体力に自信がない人は避けた方がいいかもしれません。
奥の院の山頂は標高1077Mですが、武蔵御嶽神社から奥宮遥拝所が設けられており、こちらに参拝へ訪れることができない人は、武蔵御嶽神社から遥拝所から手を合わせることができます。武蔵御嶽神社から奥宮をみて分かる通り、山がとんがっているのでそれだけ、急坂になっているということなのです。
奥の院を後にしたら、あとはひたすら下山をしますが、木の根が張り巡らされているので、腰を降ろして体制を変えながら下りて行くことになります。
下山を進めると、天狗の腰掛のところに到着します。そこからは、大岳山へ向かった時の道と合流するので、あとは御岳山に向かって戻るだけです。
御岳山~大岳山その他の縦走ルートを紹介
御岳山から大岳山を縦走して、御岳山に帰ってくるコース以外にも縦走方法もあります。参考までにお伝えしておきます。
ただし、どのコースも健脚向けのコースです。難易度は初心者というよりは中級者向けのコースと言った方がよいかもしれません。登山道だけでなく、距離もあるので日帰りで行くなら念入りに計画をして体と相談する必要があります。
御岳山~大岳山の縦走登山コース①
① 御岳山(標高929M)→大岳山(標高1266M)→日の出山(標高902M)→上養沢バス停
(参考コースタイム)5時間40分 9.9キロ
御岳山~大岳山の縦走登山コース②
② 御岳山(標高929M)→大岳山(標高1266M)→鋸山(標高1109M)→JR奥多摩駅
(参考コースタイム)6時間45分 10キロ
御岳山~大岳山の縦走登山コース③
③ 御岳山(標高929M)→大岳山(標高1266M)→鋸山(標高1109M)→御前山(標高1405M)→境橋バス停
(参考コースタイム)9時間4分 15.6キロ
御岳山~大岳山を縦走する前に
公共機関を利用する場合、事前に時間を調べておくことが必要となってきます。バスの本数は極端に少ないエリアもあるので、きちんと計画を立てるようにしましょう。
また、山道の10キロと舗装されている道の10キロでは、全く別なので充分に気をつけて縦走を楽しみましょう。
自分の脚力だけを頼りに訪れるエリアは、途中でリタイヤすることができません。
その為、縦走初心者や、縦走訓練をしたい人にとっては、ケーブルカーがある山は、体力に併せて調整することが可能となってきます。
御岳山から、大岳山を縦走される方は自分のレベルを把握するのに適している縦走コースでもあります。
また、縦走する時期も重要です。夏場と冬場の日照時間は異なります。時間には余裕を持つことと、並木や林の中に入ると極端に暗い場所もあるので、ヘッドライトは必ず持つようにしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。ひとつの山を登って下山するだけが登山でなく、尾根を伝って隣の山へ足を運ぶのが縦走です。縦走は、自分が通った山をふり返って見るのも楽しみのひとつです。これから縦走を試み言ってることは同じでも、
言い方や、順番、表現の方法を変えるというようとしている方のごのヒントになれたらと思います