剱・立山

立山の日帰り登山!初心者におすすめの雄山~大汝山縦走ルートをご紹介!

北アルプスの最北部に位置する、雄山・大汝山。立山連峰の主峰で、雄山(おやま)・大汝山(おおなんじやま)・富士の折立(ふじのおりたて)を総称して「立山」と呼ばれています。今回は、登山初心者も、山と山をつなぐ稜線歩き“縦走”を楽しめる立山の雄山・大汝山の日帰り縦走ルートをご紹介します。

立山の雄山・大汝山ってどんな山?

山岳信仰の聖地、立山。まずは雄山と大汝山の概要をご紹介しましょう。

雄山とは

標高3,003メートル、山頂には雄山神社峰本社があります。標高は大汝山の方が高いですが、立山登山と言えば一般的に雄山登山と考える方が多いです。展望が良く、ここからは唯一、日本三霊山(立山・富士山・白山)のすべての山を一度に楽しむことができます。

大汝山とは

標高3,015メートル、立山の最高峰です。山頂は岩で覆われた狭いスペースのみ。山頂から剱岳が望め、黒部湖を見下ろすこともできます。山頂直下には、7月上旬~9月下旬営業の大汝休憩所があります。

立山の登山口までのアクセス

登山口の室堂までは富山県側か長野県側から入ります。大阪方面からは富山県側からのアクセスが便利。東京方面からは基本的に長野県側からのアクセスですが、日程によっては富山県側からがオススメ。

富山県側からのアクセス

まずは富山駅からの電車(富山地方鉄道)や車を使って立山駅へ。立山駅からケーブルカーと高原バスを乗り継ぎ一気に2,400メートルまで行くことが可能です。

立山駅~美女平駅:ケーブルカー7分
美女平駅~室堂:立山高原バス50分

長野県側からのアクセス

松本駅からの電車(JR大糸線)や車を使って信濃大町駅へ。信濃大町駅からバス・ケーブルカー・ロープウェイを乗り継ぎます。

信濃大町~扇沢:アルピコ交通バス40分
扇沢~黒部ダム:トロリーバス16分
黒部湖~黒部平:ケーブルカー5分
黒部平~大観峰:ロープウェイ7分
大観峰~室堂:トロリーバス10分

※室堂からの最終便は、富山県側の立山駅方面よりも長野県側の信濃大町方面の方が1時間以上早いので、帰路の時間には注意!

室堂から立山の雄山~大汝山日帰り縦走ルートを解説

室堂~一ノ越~雄山~大汝山~雄山~一ノ越~室堂  総所要時間 約5時間(休憩1時間含む)

今回は、登山口の室堂を出発して立山の雄山と大汝山に登頂して室堂に戻る、初心者向け日帰り縦走コースをご紹介します。

一般的に、縦走をすると登りとは別のルートで下る場合は多いのですが、雄山~大汝山間の縦走は時間にして約20分と短い区間ですし、初心者の最初の縦走コースとしては来た道を折り返すルートが最適です。更に富士の折立や別山方面へ縦走を続けることもできます。

室堂~立山室堂山荘 所要時間10分

室堂ターミナル内にある入山安全相談窓口で登山届を提出し、出発です。ターミナルを出ると一気に視界が開けて早くも絶景!

すぐそばの立山玉殿の湧水でボトルや水筒を満たし、石が敷き詰められた歩きやすい遊歩道を「一ノ越・雄山」方面に進みます。

立山室堂山荘の隣にある室堂小屋は、江戸時代中期に建てられた現存する日本最古の山小屋。国の重要文化財に指定されています。

初心者向けPOINT

室堂周辺は観光客も多く、時期によっては混雑している場合も。また、圧倒的な景色にシャッターを切る手が止まらず思わぬ時間ロスをする場合もあります。まだまだ撮影ポイントはあるので、程よく切り上げて先に進みましょう。

立山室堂山荘~一ノ越 所要時間50分

いよいよ本格的な登山道へ。とは言え、非常によく整備されています。特に一ノ越まではスニーカーで登る方を見かけるほどですが、時期によっては雪が残っている場合も。

少しずつ勾配がついてきますので、登山道脇に咲く花々(初夏はミヤマキンポウゲやチングルマなど)を眺めたり、振り返って室堂方面や雷鳥沢方面の景色を楽しみながら、無理せず進みましょう。

急な階段を登り切ったら一ノ越に到着です。一ノ越山荘の前の広場で小休憩を。公衆トイレもあります(有料100円)。

初心者向けPOINT

とある雪が多かった年の7月末に登ったときは、このルートに雪渓が6箇所。雪渓の距離は短くアイゼンの必要はありませんでしたが、特に7月1日の立山夏山開き直後に登る方はご注意を。
心配な場合は、事前に付近の山小屋に道の状況を問い合わせされることをおすすめします。
トレッキングポールを持っている方は、軽く支えにするとバランスを崩しにくく歩きやすいです。

一ノ越~雄山 所要時間60分

一ノ越からは気合を入れて出発。浮いた石が多く慎重に進む必要がある上に急坂、そして下山者も多いので油断大敵です。

また、混雑時は自分のペースで進めないことも多いと心得て、岩につけられた矢印に従いながら余裕を持って進みましょう。

雄山に到着したら、ぜひ雄山神社峰本社でご祈祷を(参拝料500円)。神官によるお祓いの後、お神酒が振る舞われます。社務所にはお守りや登山バッヂなども売っています。

初心者向けPOINT

足元が悪く混雑しやすいこの区間は、道を見失いやすいです。岩の矢印も消えかけていたり、混雑回避のため登りと下りの道を分けていたり、前の方が矢印のない道を進んでいる場合もあります。慎重に、かつ周囲にも目を配りながら進みましょう。

雄山~大汝山 所要時間20分

大汝山方面縦走路はゴロゴロした石が転がる細い道。一歩一歩着実に、なるべく落石しないよう注意しながら進みましょう。とは言え、縦走の魅力はなんと言っても展望の素晴らしさ!足元ばかりを見ていてはもったいない。
別山方面にまだまだ続く縦走路や、室堂を見下ろす眺めを存分に楽しんでください。

しばらく進むと一番高い岩場が見えてきて、短い岩登りをしたら山頂に到着です。天気が良ければ剱岳を背景にした山頂写真が撮影できます。

初心者向けPOINT

逆ルートから縦走する方とすれ違いますので、道を譲り待つ場合は安全な場所で原則として山側へ避けてください。谷側へ避けると荷物が接触した場合などバランスを崩す可能性があります。

立山の雄山~大汝山縦走は山小屋泊でご来光登山もおすすめ

ご紹介した立山の雄山・大汝山縦走は、日帰りで問題なく室堂に戻ることができますが、翌朝の天候と日程の余裕があれば、ご来光登山に挑戦してみては?比較的混雑せずに縦走を楽しむことができるのでオススメです。

1泊2日の立山の雄山~大汝山縦走登山

1日目、室堂を出発して一ノ越まで登山の後、一ノ越山荘に宿泊しましょう。午後になると登山者は少ないので、景色を思う存分楽しみながら夕方までに到着してください。

2日目、日の出時間を確認の上、暗いうちに山荘を出発です。最初はヘッドランプを頼りに登り始めますが、だんだんと目が慣れるとともに空が白みはじめてきます。雄山頂上に到着したら、日の出までドラマティックな空の色の移り変わりを楽しみましょう。

シーズン中は大勢の方が雄山に登ります。雄山・大汝山間の縦走は早い時間の方が混雑せず、大汝山山頂でも撮影待ちになりにくいです。きっと雄山からの下山時、多くの登山客とすれ違って「先に登っておいて良かった…」と思うに違いありません。

まとめ

立山の雄山・大汝山の縦走登山ルートはいかがでしたか?アクセスが良く、登りはじめから絶景が楽しめ、ルート上に特別な危険箇所もない立山登山。中でも雄山・大汝山は距離が短いながら縦走の良さは十分感じられるので入門編として最適と言えます。今回ご紹介した情報を参考に、あなたも立山の雄山・大汝山で縦走登山デビューをしてみませんか?

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