山情報

由布岳|初心者向け登山ルート情報や登山口までのアクセスや所要時間もご紹介!

大分県の由布岳(ゆふだけ)は、古くから信仰の山として崇められてきました。その美しい円錐形のシルエットから「豊後富士(ぶんごふじ)」とも呼ばれ、登りやすいこともあり、大分県民はもちろん九州の登山家に愛されています。

由布岳には、中央登山口コース、東登山口コース、西登山口コースの3つのコースがあります。今回は初心者におすすめの中央登山口ルートを紹介。登山の時間やトイレなど細かな情報をお伝えします。

由布岳ってどんな山?

由布岳は、大分県の中部、別府市と由布市をまたぐ、標高1583メートルの鐘状火山です。
その美しい円錐形のシルエットから、豊後富士とも呼ばれています。

小説家・登山家である深田久弥(ふかだきゅうや)が、自身の著書「日本百名山」に由布岳を入れなかったことを後悔したというエピソードも有名です。

由布岳は西峰と東峰どっちが初心者におすすめ?

由布岳には西峰と東峰の二つのピークがあります。最高峰の西峰は、鎖場もある峻険なコースなので、初心者や子ども連れの方は比較的登りやすい東峰をオススメします。

由布岳登山後には、湯布院で温泉や観光もできる

由布岳の麓には、国内で屈指の人気温泉地である湯布院が広がります。
日本人の観光客はもちろんのこと、インバウンドの影響で、海外からの観光客で賑わっています。

温泉、食、スイーツ、辻馬車、金鱗湖etc….魅力いっぱいの湯布院なので、由布岳登山の前後に一泊して、湯布院観光も楽しんでいくのもいいですね。

また、スーパーボランティアとして一躍有名になった大分出身の尾畑春雄さんは、昔から登山を愛し、何度も登らせてもらった山への恩返しとして、由布岳の登山道の整備や案内板やベンチの設置などのボランティア活動もされています。
看板の朱赤の手書きの文字は、もしかすると尾畑さんの文字かもしれません。
尾畑さんの想いに感謝しながら登りたいですね。

由布岳のおすすめの登山の時期

由布岳登山のおすすめは初夏

由布岳は、一年を通して登山者が多く、四季折々の登山が楽しめます。
その中でも特に人気がある時期は、ミヤマキリシマが咲き誇る、5月末から6月中旬の初夏です。
満開になると、ミヤマキリシマのピンクの絨毯が登山道や遠くの山肌を覆い、心も晴れやかになるほどの美しい景色が広がります。東峰と、西峰の東側斜面マタエという鞍部にミヤマキリシマの群生がみられます。

冬の由布岳の見どころは霧氷

由布岳の冬といえば、霧氷(むひょう)です。霧氷とは、氷点下の時に霧の粒が風で木などに吹き付けられ、その刺激で氷となったものです。
木々に白い花が咲き誇ったような自然の生み出す絶景は、登った人にしか味わえません。
冬晴れの日は、空のスカイブルーと真っ白な霧氷のコントラストが美しいです。

初心者におすすめシーズン

服装や体温調整などを考えると、初心者の方は、比較的軽装でもトライすることができるミヤマキリシマのシーズンまたは紅葉のシーズンをオススメします。

由布岳の登山時の服装の注意点

由布岳登山の服装ですが、やはりきちんとした登山ウェアがベストです。
トレッキングシューズを履いて、化繊のインナー、ミドルインナー、風よけのアウターなど、体温調節ができるような、季節にあった服装をオススメします。

また、樹林帯でない登山道もありますので、春〜夏の日差しが強い季節は、日焼け止め対策と帽子が必須です。
霧氷のシーズンは、雪が積もっている道もあるのでアイゼンの装着とダウンなどの温度調節のウェアを用意しましょう。

由布岳登山の中央登山口ルートの所要時間と難易度

由布岳には、中央登山口ルート、東登山口ルート、西登山口ルートの3つのコースがあります。

今回ご紹介する中央登山口ルートの難易度は、初心者〜中級者向けです。
歩くスピードなどで違ってきますが、登り2〜3時間、下り2〜3時間、合計4〜5時間ほどかかります。

このルートは、ボランティアの方による登山道の整備がきちんとされていて、所々に案内板やロープなどがあり休憩スペースにはベンチなども設置されているので、迷うことなく山頂までたどり着くことができます。

中央登山口までのアクセス・トイレ情報

由布岳の代表的な登山口、中央登山口へのアクセスは、車かバスとなります。
湯布院駅から登山口へのバスもたくさん出ていますし、中央登山口には有料と無料の駐車場もあります。

公共機関の場合

JRの最寄りの駅は、JR久大本線のJR由布院駅です。
駅近くに、由布院駅前バスセンターがあるので、そこから亀の井バスの運行する、別府方面行きの路線バスに乗車します。1時間に1本バスがでています。運賃は360円。
由布院駅前から由布登山口までは、およそ15分ほどで到着します。
帰りのバスも1時間に1本の割合で、19時ごろまでは走っていますが、時間に余裕を持って、早めの下山をオススメします。

マイカーの場合

最寄りのインターチェンジは、大分道の湯布院ICです。
湯布院ICをおりて、県道216号線をまっすぐ、県道11号線を経由して中央登山口へ。
湯布院ICからはおよそ15分ほどで到着します。

登山口には、売店や自動販売機などがないため、買い忘れた食料や飲み物は、湯布院ICをおりてすぐの道の駅ゆふいんや、道中のコンビニを利用されてください。
別府方面からは、県道10号線のやまなみハイウェイへ、城島高原を目指していくと、由布岳登山口へ到着します。

駐車場情報

中央登山口には、無料の駐車場20台と、有料の駐車場およそ30台(500円)があります。
登山シーズンには、無料駐車場は早くに満車となりますので、早めの到着をオススメします。

トイレ情報

中央登山口には、トイレがあります。
ですが、紙がないので、流せるトイレットペーパーの携帯が必須です。
登山口以降10分ほど先をすすむと、ルート看板がある二手に別れた道があり、その先に最後のトイレがありますが、登山口のトイレが綺麗なので、登山口で用を済ませておくことをオススメします。

由布岳登山ルートを解説

(中央登山口→合野越→マタエ→由布岳(西峰)→マタエ→合野越→中央登山口)

中央登山口~雑木林入り口

いざ、由布岳登山のはじまりです。
中央登山口からはすでに由布岳の雄々しい姿をみることができます。
正面に由布岳を見ながら、牧草地が続く湯布高原を歩きます。

なだらかで、気持ちのいい道を歩くこと10分。
雑木林の入り口に到着します。
二手に分かれる道の前には、湯布高原園地案内図の看板があります。合野越方面へ行く左方向の道を進みます。
看板のある道の先、このルートでの最終のトイレがあります。

雑木林入り口~合野越

雑木林の道がここからしばらく続きます。
木々に覆われている木陰が続くので、気持ちよく進むことができます。
枯葉のサクサクという音を聞きながら、リズミカルな登山が楽しめる登山道です。

季節によって様々な花や植物を楽しむことができるので、写真を撮りながらの登山者も見かけます。
合野越が近くなるとジグザグの登山道になってきます。

合野越~マタエ

登山口780mから合野越1025mへ。
草木のない岩場の広場が、合野越です。

ここでは、他のルートの合流地点でもあり、多くの登山客がここで休憩をとっています。
徐々に斜面もきつくなってきますので、ここで水分補給&行動食でエネルギーのチャージをオススメします。

合野越をすぎると、大きな岩石が転がっている登山道が続き、勾配も徐々にきつくなってきます。
ロープの設置された道もあります。
暑い日は、汗をかいたりしますので、上着を脱いだりして体温調整をしながら登りましょう。

しばらく登ると、視界がひらけた道へ。
眼下には、由布院の市街地が広がる眺望を楽しむことができます。
徐々にガレ場の登りが続くようになり、ちょっとハードですが、あとひと頑張りです。

マタエ~由布岳山頂

マタエと呼ばれる鞍部に到着です。
ここから、岸壁が立ちはだかる険しい西峰(1583.3m)と比較的登りやすい東峰(1585m)に分かれます。
難易度はちがいますが、どちらも頂上まではおよそ15分ほど。

西峰にトライする登山者の様子を見ながら、今回は、初心者コースの東峰を目指します。
岩場を一歩一歩登り、最後の急登を登りきると、東峰の頂上に到着です。

由布岳は独立山のため、頂上では360度のパノラマの景色を楽しめます。
雲がないクリアなときには、湯布院・別府湾・鶴見岳・九重山・ 祖母山・英彦山が見渡せ、登った人だけが味わえる絶景が目の前に。
頂上は、ゴツゴツとした溶岩が広がり、座りやすい溶岩を見つけて昼食をいただきます。

同じルートにて下る(由布岳(西峰)→マタエ→合野越→中央登山口)

頂上で絶景を楽しみながらお昼をとった後、下山します。登りが急だった分、下りはより集中が必要な道が続きます。
雑木林へたどり着くまでのガレ場の道は、浮石などに気をつけて、一歩一歩慎重に下りましょう。

また、途中、登ってくる登山者もいますので、道を譲りつつ、他の登山者との会話を楽しみつつ、気持ちよい下山にしたいですね。

由布岳周辺の温泉

登山の後の楽しみといえば、やっぱり温泉です。
由布岳の麓には、日本の観光地として大人気の由布院温泉があります。
せっかく由布院にきたので、ぜひ、由布院温泉で疲れを癒していきたいですね。
立ち寄り湯もありますので、ご自分のお好みにあわせた温泉をチョイスしてみてはどうでしょう。

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