毎年7月頃、富士山は日本国内で最も賑わう登山の山となります。頂上からの景色はさることながら、日本の頂に登ることのステータス、ご来光、歴史散策など、登山シーズンだからこそ味わえる醍醐味が詰まっています。今回は数あるルートの中でも人気の高い富士宮からのルートをご紹介します。

富士山の特徴

標高3776mの日本最高峰である富士山。現在の山体を築くまでに、幾度もの噴火を繰り返してきました。富士山の特徴として、急傾斜にも関わらず玄武岩火山の特徴である軟らかい噴出物が積み重なっている点であり、これは前述の幾層にも重なった溶岩流などが土台になっているからではと言われています。

富士山の気象

噴火の歴史を重ね美しい山容を築いた富士山。周囲に同等の山が存在しない独立峰であることも、その姿をより唯一無二のものにしています。気象においては、先の特徴ゆえの強風が吹き(遮るものがないため)標高が高いため気圧が低く、酸素量が少ないことが特徴です。また下層の雲から上は晴れていることも多く、そのため下山時には雨に見舞われたり、時には雷雨に襲われることもあるため、注意が必要です。

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富士山登山のコースの特徴

頂上を目指すルートは4つあります。

吉田口ルート

登山者が最も多いルートです。富士山の五合目をスタートし、豊富な山小屋で休憩も適宜取れる事から、ツアー登山や比較的経験の浅い登山者でも十分な準備をすれば登頂が可能なおススメのルートです。

富士宮ルート

吉田口に次いで人気の高いルートで、登山口からの標高差が最も少なく、頂上までの所要時間も最短で行けるルートです。富士山の中でも最高点である剣が峰にも最短で行けます。吉田口と比較して山小屋が少なく、登りと下りのルートが一緒の為渋滞が起きやすいので、注意しておきましょう。

須走口ルート

序盤は樹林帯を抜けていくルートで、変化に富んだルートです。また下山では砂走を通るため、富士山の自然や砂走という名物を味わうのにおススメのルートになっています。山小屋は吉田口、富士宮と比較して少ないので、登山計画はより慎重に立てましょう。

御殿場口ルート

4つのルートの中で最も登山者が少なく、静かに登ることができます。標高差は一番あり、上記のルートより1000m下から登り始めるため、所要時間は約8時間と長く、大半を砂礫で足を取られながら登るので、登山経験が豊富な方か、体力のある方でないと登頂は困難です。厳しいルートの御殿場口ですが、下山では名物の大砂走を利用するため、登りの半分以下の所要時間で下ることができます。そのため、下山時に御殿場口を利用する方が多いようです。

富士山登山 御殿場口ルートを登山レポートで解説!【初心者必見】

富士山登山の装備

一般的な登山で用意するアイテムが必要となります。登山靴、レインウェア、地図、コンパス、水分を含む行動食、ヘッドライトは必ず携行しましょう。また富士山は高度障害により頭痛を始めとした症状が起きる可能性があるので、アウトドアショップで販売されている酸素缶を持っておくとよいでしょう。ただし、高度障害は酸素缶で改善できるものではなく、高度を下げることが鉄則となります。あくまで応急処置としておきましょう。

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水分とトイレ情報

五合目以上の富士山には水場がありません。そのため、持参するか山小屋での購入の2択となります。持参の場合は行動する時間帯、個人差にもよりますが、1L以上は持ち歩き、足りない場合は購入することをおススメします。水は背負う荷物の中でも重たい部類に入るので、背負いすぎて行動に制約ができてしまう恐れもあります。また事前に十分な睡眠と水分を摂取る事で、高度障害を予防することができます。

富士山ではどうしても止むを得ない場合を除き、山小屋などに設置されているトイレで手洗いを済ませることになります。大半が有料となりますので、事前に100円の小銭を多めに持っておくと良いでしょう。

アクセスと所要時間

富士宮口までのアクセス

富士宮口登山口までのアクセスは、一部車両を除き、路線バス、シャトルバスを利用してのアクセスになります。
今回はマイカーで最も近くまでアクセスできる水ヶ塚駐車場まで行き、シャトルバスを利用します。頂上でのご来光が目的なので、20時の最終便に乗車します。
登山口までは約40分で到着し、出発予定時間まで仮眠を取り、高度障害に備えます。

所要時間

上り
標準コースタイム
登山口ー元祖七合目 :2時間10分
元祖七合目ー九合五勺:1時間40分
九合五勺ー頂上   :30分
下り
標準コースタイム
頂上ー九合五勺   :15分
九合五勺ー元祖七合目:50分
元祖七合目ー登山口 :1時間5分

富士宮ルート紹介

《登山口ー元祖七合目》

22時過ぎ、登山を開始します。今回は同行者1名との登山です。
日没後の登山なので、ヘッドライトを常時使用しながら登っていきます。富士宮口の登山道は岩場と砂礫が連続するルートとなり、足を取られる場面もありますが、比較的歩きやすい状況となっています。

下山時に撮影したものですが、下記のようなルートを、高度障害が起こらぬようゆっくり歩を進めていきます。
山小屋に到着する毎に息を整え、必要な場合は行動食と水分を摂取します。

山小屋では睡眠を取られている場合が多いので、夜間ではヘッドライトを小屋に当てず、静かに休憩を取りましょう。
《元祖七合目ー九合五勺》
時間をかけて登ってきましたが、標高を上げると気温が低下し、また時折強い風が吹くようになります。富士山では遮蔽物が少ないため、この日も山小屋の壁に張り付いて風から逃れ、ダウンジャケットを着て暖を取ります。夏場でも頂上付近の気温は10度を下回り、風が吹けば体感温度はさらに下がります。同行者のサポートを行いながら、無理をせず頂上を目指します。
頂上付近の山小屋で日の出が近くなってきました。

(画像は下山時)小屋スタッフさんの計らいで、作業用のブルドーザーが通る、通称ブル道を使ってご来光が見える場所まで案内してくださるとのことで、お言葉に甘えて同行することに。
冷え切った風に耐えながら、今回の目的であるご来光を撮影しました。

色々な山でご来光を見ていますが、富士山のご来光は日本全土の始まりを告げる瞬間を感じ、また信仰の歴史も厚い山で見る日の出は、過去と未来を繋ぎ、当時と今の人間が同じ感動を共有できる瞬間でもあるので、この場でしか味わえない特別な体験です。
《九合五勺ー頂上》
ご来光を見たら登山道に戻り、頂上を目指します。
頂上は目視できる距離にありますが、3000mを越える高所では下界と同様の動きは難しく、少し歩いては息を整えるを繰り返します。また富士山を始めとした山の頂上直下は急斜面になることが多く、ここで強引に歩いてしまうと体調不良、または深刻な外傷、高度障害に陥る危険性があるので、焦らず登っていきましょう。

頂上の鳥居をくぐると、そこには日本最高峰の景色が広がっています。

下山時間を考慮しながら、頂上での時間を存分に堪能し、来た道を戻ります。
気温が上昇する日中は雲が出やすく、下山時は視界が覆われる事もありましたが、大事には至らず、無事登山口に戻りました。
《富士登山を終えて》

これまで夏と冬を合わせ7回以上富士登山をしてきた中で、富士宮口は今回が初めての利用でした。ご来光はいつ見ても美しく、下山には御殿場口を利用、宝永山に寄ってのルートなど、変化に富んだ登山を楽しめるコースなのだと身をもって実感し、山小屋が豊富な登山ルートである分安心感もあり、その人気の高さが窺えた1日でした。

下山後の温泉

富士山周辺は宿泊、温泉施設があり、幾つかご紹介いたします。
富士山 天母の湯HP
水ヶ塚駐車場から30分ほどで、リーズナブルな価格で入浴が楽しめます。
月曜日が休館日なので注意しましょう。

富嶽温泉 花の湯HP
水ヶ塚駐車場から30分ほどのアクセスで、宿泊もできる豊富な施設が魅力的です。
1時間の利用であれば大人800円でも利用できます。

いかがでしたでしょうか。
一度登った山は、登る前より一層綺麗に見えるもの。日本を代表する富士山に登って、是非生涯の思い出にされてくださいね。

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