アイゼン

グリベルのアイゼンの違いや選び方を解説!おすすめはエアーテック・ニュークラシック!

冬に登山をしようと思うと、夏とは異なる装備が必要になります。防寒道具はもちろん、アイゼン、ピッケル、目だし帽など……今回は、グリベルのアイゼンの選び方や違い、私が持っているエアーテック・ニュークラシックについて紹介いたします。

アイゼンの役割とは

アイゼンは、冬山での必需品。雪や氷の上をしっかりと歩くため、登山靴に取り付ける鉄の爪です。雪山でアイゼンがちゃんと活用できるかどうかは生死を分けるので、しっかりと良いものを選んで買う必要があります。
なので、私は長い実績のある、グリベル社の製品をおすすめします。

グリベルアイゼンの選び方や違い

アイゼンは、形状や材質など、いくつかのカテゴリで区別する事が出来ます。素材や歩く時の安定感、靴への付け方で使いやすさやシーンが異なってくるので、自分が目指す登山をイメージして選びましょう。

爪の数の違い

軽アイゼンの特徴
爪の数が8本以下のもの。あまり雪深くない時に使います。雪だけではなく氷の上でも歩くことができます。爪が少ない分、安定性が低いので、初心者には使いづらいです。

10爪、12爪アイゼンの特徴
爪の数が多いアイゼンです。少々重くてごついのですが、厳冬期の雪山や斜面には欠かせないアイテム。一見上級者向けの様に見えますが、こちらの方が歩きやすいので初心者にはお勧めです。

固定方法の違い

ベルトタイプの特徴
ベルトで登山靴に固定するタイプ。
(メリット)
ベルトの長さが変えられるので、いろんな靴のサイズに合わせて使うことができます。しっかり固定しておくと安心して歩けます。

(デメリット)
ベルトを取り付けるための手順が少し必要。山に行く前に、家で練習をしていくといいでしょう。

ワンタッチタイプ
(メリット)
前コバ、後ろコバが付いている靴なら、簡単に装着することができます。

(デメリット)
コバが付いていない靴には使えません。また、靴のサイズによってはしっかりはまらない事があります。

セミワンタッチタイプ
(メリット)
後ろコバが付いている靴なら、前コバが無くてもつけることができます。

(デメリット)
ワンタッチタイプ同様、コバが無い靴には使えません。

素材の違い

スチール製の特徴
丈夫で、衝撃も吸収してくれるので、最もポピュラーな素材。さびにくいタイプもあります。

アルミニウム製の特徴
軽いので、歩く時の負荷が少なくなります。あまり体重をかけなくても歩ける道ならことたります。

カーボンスチール製の特徴
軽いうえに頑丈です。ただ、スチールよりは脆いです。

グリベルアイゼンの種類と特徴を紹介

エアーテック・ニュークラシック

  • 重量:794g
  • タイプ:ベルト式
  • 爪の数:12本
  • 私が現在愛用しているタイプ。雪の少ない所から、雪深いところまで対応しています。ピッケルで前のめりになるくらいの雪壁でも登ることができるので、汎用性が広いです。
    爪は12本ですが、歩くときに使うのは10本。斜めになった爪が2本あり、斜面を登るときに威力を発揮します。
    アイゼンの裏側は丸く盛り上がっている部分があります。アンチスノープレートといって、軽い力でべこべこへこんだり膨れたりします。なので、歩いている最中に裏についた雪がすぐに外れるようになっています。前後が離れるようになっていて、靴の長さに合わせて変更することができます。

    G12オーマチック

  • 重量:540g
  • タイプ:ワンタッチアイゼン
  • 爪の数:12本
  • ワンタッチアイゼンなので、前コバ、後ろコバが付いている靴に使えます。コバがどういう物か分からない、靴への合わせ方が自身が無いなら、お店の人に相談しながら購入しましょう。
    前後ジョイント・アンチスノープレートは、これにも、これ以下のアイゼンにも標準装備。爪の数や、靴への固定方法で種類が分かれています。

    G12ニューマチック

  • 重量: 530g
  • タイプ:セミワンタッチアイゼン
  • 爪の数:12本
  • セミワンタッチになっています。これはかかとの部分にコバがある靴なら装着ができます。足の前部分、鋼の所はベルトだけになっているので、12本爪でも重量が軽いのが魅力。

    G10ニュークラシック

  • 重量:435g
  • タイプ:ベルト式
  • 爪の数:10本
  • 爪の数が少ないタイプ。その分、重量が軽いので持ち歩きやすいです。中級の雪山ならこれで十分。

    G14オーマチック

  • 重量:615g
  • タイプ:ワンタッチ式
  • 爪の数:14本
  • ぎざぎざの前歯が特徴的な、14本爪の商品です。アイスクライミング用なので、氷の壁も登れます。逆に、縦走にはあまり向きません。

    エアーテック・ニュークラシックがおすすめな理由

    汎用性があり、登山靴の選択肢が広がる

    ベルトタイプのアイゼンだと、靴を選ばなくても使えるというのがありがたいです。靴を購入する時に、選択の幅が広がりました。

    季節の幅も広がる

    靴を選ばないということは、冬の登山靴に限らず、別のシーズン用の靴にも合わせられるということでもあります。秋や春にもアルプスは雪が残っていますので、これがあれば長い間雪山を楽しめます。

    とにかく外れない

    靴のサイズにベルトをきっちり合わせてあげれば、外れません。歩いている最中にぐらぐらすることがないので、歩行中の疲れが軽減されます。危険な斜面を登っている時に万が一外れたりしたら、命に係わる自己にもなりかねませんからね。

    エアーテック・ニュークラシック装着方法

    1.靴の長さに合わせて前後の長さを合わせます。リア部の金属プレートを上げると、ボルトが抜けてジョイントバーが動くようになるので、丁度いい長さの穴を選んでボルトをはめます。14段階調整可能。
    2.登山靴をアイゼンにはめます。アイゼン前後の上部金具をしっかり立ち上げます。

    3.リア部外側についているベルトをフロントまで持ってきて、穴に通します。

    4.リア部内側にベルトを持ってきて、穴に通します。

    5.足首の前を通り、リア部外側にベルトを戻します。黒の輪、銀の輪に通した後、折り返して黒の輪に通します。

    6.ベルトの先を、すでに靴に巻いたベルト部分に通して結んでおきます。長く余るようなら切り落としてもいいですが、短くしすぎると手袋をした手で扱いにくくなるので、少しずつ切っていく事をお勧めします。なお、切った所はライターであぶるとほつれてきません。

    グリベルが公開している動画もあります。登山に出発する前に、しっかりチェックしておきましょう。

    メンテナンス方法

    アイゼンはハードな場面で使う物ですので、傷みやすい部分もあります。こまめにメンテナンスを施してあげましょう。

    爪の削り方

    アイゼンの命とも言える、爪。歩いている間に鋭さが無くなってきます。そうでなくても、金属なので錆びます。金属用の棒やすりや紙のやすりで研ぐことができます。私は100円ショップなどで購入しています。もちろん専用のピッケルやすり、という商品もあります。

  • 道具
  • 軍手
  • 棒やすり
  • 紙やすり
  • タオル
  • サラダオイル(掃除用)
  • メラミンスポンジ(激落ちくんを使っています)
  • 仕上げオイル(5-56を使っています)
  • 汚れやすいので、室内でやる場合は床にビニールシートを敷いて、その上で作業します。うちではベランダでしています。手も汚れやすいし危ないので、軍手をします。

    1.アイゼンを解体します。オイルを含ませたタオルで丁寧に拭いてあげます。
    2.さびている場所があればメラミンスポンジでこすり、さびをとります。
    3.利き手に棒やすり、もう片方の手にアイゼンをしっかりと握ります。
    4.一気に削りすぎないように、少しずつ削ります。左右でサイズが異なると歩きにくくなるので、同じくらいのサイズになるように注意をします。
    5.紙やすりをかけてなめらかにします。
    6.仕上げにオイルをスプレーします。
    油性マジックで塗りつぶしても錆止めになるそうです。鮮やかな色で塗っておくと他の人のものと間違えないし、いいかもしれませんね。

    ベルトが傷んだときは

    家のミシンではどうにもなりませんので、グリベルではベルトだけ販売してくれるので、そちらを購入しています。

    愛着を持って使いましょう

    靴を選ばず、秋から春まで長いシーズンに使えるのがグリベルのエアーテック・ニュークラシックの魅力。メンテナンスをする事で、長い間使う事が出来ます。
    雪山登山に必ず必要となるものなので、相棒と呼べるくらい愛着を持って使ってあげてください。